【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況 (経営成績)当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響は続いたものの、行動制限が緩和されたことにより、経済活動は正常化へと近づきました。また、全国的な旅行支援策のほか水際対策の緩和によるインバウンド需要の回復も消費の回復を後押しする結果となりました。その一方で、ウクライナ情勢の長期化、円安、資源高の影響による物価上昇もあり景気後退への懸念も高まるなど、引き続き予断の許さない状況が継続しました。当社グループが属する専門店業界におきましては、行動制限が緩和されたウイズコロナの定着により、外出の機会が拡大したことで、リアル店舗でのお買い物が見直されるなか、特にファッション関連の需要が回復傾向となりました。このような環境のなか、当社グループにおきましては、業績の早期回復と収益体質の抜本的な改革を目的とした「中期経営計画」を策定し、強いアパレル事業の再構築と雑貨事業の拡大による収益の2本柱体制への事業構造改革を推進するとともに、仕入れと在庫の適正化のためのガバナンス体制の強化などの各施策を進めてまいりました。当連結会計年度におきましては、3月後半にまん延防止等重点措置が解除されて以降、ゴールデンウイークにはコロナ禍において初めて行動制限のない状態で営業となったほか、夏シーズンは猛暑により夏物販売が好調に推移しました。秋以降におきましても外出需要の高まりに加え、気温の低下も順調に進んだことから秋冬物が堅調な推移となったのに続き、年始以降は寒波の到来などで防寒アウターの需要も高まりました。また、新型コロナウイルス感染症は夏場の第7波、冬場の第8波と感染者が拡大する局面が幾度かありましたが、いずれも行動制限がかからないなかで、客数の大幅な落ち込みは回避される結果となりました。このような状況下でアパレル事業のレギュラーサイズにおいては、新たな取組としてEC発のZ世代向けブランド「NOEMIE」のリアル旗艦店舗を10月に原宿竹下通りに新規出店し、ECとの連動性を高めることで、ブランド認知と集客を高めてまいりました。また、300円均一雑貨ショップの「illusie300」においては、新規出店5店舗のほかアパレル事業からの業態変更を13店舗実施するなど、積極的な事業構造改革により収益の2本柱体制への移行を推し進めてまいりました。以上のような状況から、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた前年からの反動もあり、全社の既存店売上高前年比は、109.1%となり、依然としてコロナ禍前の水準には届いておりませんが、回復基調が継続しました。店舗の出退店におきましては、新規に6店舗を出店し、前年に引き続き不採算店舗を中心に103店舗を退店した結果、当連結会計年度末の店舗数は283店舗となりました。また、FC(フランチャイズ)事業につきましても1店舗を退店し8店舗となりました。以上の結果、当連結会計年度におきましては、売上高175億13百万円(前年同期比2.2%減)、営業利益5億27百万円(前年同期は営業損失7億9百万円)、経常利益は5億80百万円(前年同期は経常損失6億74百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、営業活動から生じる損益が継続して赤字であり、その固定資産簿価を回収できないと判断した店舗について、89百万円の減損損失を計上し、将来減算一時差異について繰延税金資産を認識したことにより、法人税等調整額(益)1億10百万円計上した結果、5億62百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失13億93百万円)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。○ 店舗小売事業店舗小売事業の売上高は164億76百万円(前年同期比2.2%減)となりました。3月後半にまん延防止等重点措置が解除され行動制限が緩和されて以降、夏シーズンには猛暑により夏物販売が好調に推移しました。秋以降におきましても外出需要の高まりに加え、気温の低下も順調に進んだことから秋冬物が堅調な推移となったのに続き、年始以降は寒波の到来などで防寒アウターの需要も高まりました。また、新型コロナウイルス感染症が拡大する局面が幾度かありましたが、いずれも行動制限がかからないなかで、客数の大幅な落ち込みは回避される結果となり、感染症拡大の影響を受けた前年からの反動もあり、全社の既存店売上高前年比は109.1%となりました。
○ FC(フランチャイズ)事業FC事業の売上高は3億31百万円(前年同期比10.1%減)となりました。フランチャイザー側の商品MDのリニューアルなどの対策が講じられたものの客数の回復には至らず、既存店の売上高が伸び悩んだほか、東松山ピオニウォーク店が営業を終了したことも影響し減収となりました。期末店舗数は1店舗減の8店舗となりました。
○ その他その他の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、インターネットでの商品販売のほか、連結子会社の株式会社ビックスの事業数値が含まれております。インターネット販売におきましては、自社サイトでの主力であるレディスアパレルの大きいサイズに加え、レギュラーサイズの新ブランド「NOEMIE」が好調に推移したことにより、売上高は7億5百万円(前年同期比1.6%増)となりました。
(財政状態)(資産)当連結会計年度末の総資産は87億69百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億49百万円減少しました。これは主に、退店に伴う差入保証金9億1百万円減少によるものであります。(負債)当連結会計年度末の負債は75億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億76百万円減少しました。これは主に、支払手形及び買掛金3億14百万円、電子記録債務2億93百万円、未払費用3億63百万円、退店による資産除去債務2億30百万円の減少によるものであります。(純資産)当連結会計年度末の純資産は12億45百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億27百万円増加しました。これは主に、株式の発行等に伴う資本剰余金2億67百万円及び親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金5億62百万円の増加によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、30億44百万円(前連結会計年度末に比べ8億35百万円の増加)となりました。なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。営業活動によるキャッシュ・フローは、2億7百万円の収入(前連結会計年度は1億58百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益4億65百万円の計上、減価償却費2億20百万円計上、棚卸資産の減少額3億49百万円による資金の増加があった一方、仕入債務6億7百万円の減少によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、3億62百万円の収入(前連結会計年度は1億7百万円の収入)となりました。これは主に、新設、既存店舗の改装など有形固定資産の取得による支出1億82百万円、退店による差入保証金の回収8億86百万円によるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは、2億64百万円の収入(前連結会計年度は1億25百万円の収入)となりました。これは主に、A種優先株式の発行によるものです。
③ 仕入及び販売の実績
a 仕入実績
セグメントの名称
当連結会計年度(自 2022年2月21日至 2023年2月20日)
前年同期比
金額(千円)
(%)
店舗小売事業
7,669,729
△8.6
その他事業
348,883
△4.0
合計
8,018,613
△8.4
b 販売実績
イ 区分別販売実績
セグメントの名称
当連結会計年度(自 2022年2月21日至 2023年2月20日)
前年同期比
金額(千円)
(%)
店舗小売事業
16,476,810
△2.2
FC事業
331,189
△10.1
その他事業
705,598
1.6
合計
17,513,597
△2.2
ロ 地域別販売実績当連結会計年度のセグメント別の販売実績を地域別に示すと、次のとおりであります。 店舗小売事業
地域
売上高(千円)
期末店舗数(店)
店舗異動状況
新規出店(店)
退店(店)
北海道
763,764
11
―
9
東北
1,507,031
27
―
8
関東
5,935,340
91
2
25
信越
515,905
11
1
6
北陸
512,077
10
―
3
東海
2,587,041
50
1
17
近畿
1,753,421
30
1
11
中国
704,636
14
―
3
四国
304,579
5
―
4
九州
1,460,105
26
1
14
沖縄
432,906
8
―
3
合計
16,476,810
283
6
103
(注)単位当たり売上高は以下のとおりであります。
項目
当連結会計年度(自 2022年2月21日至 2023年2月20日)
売上高(千円)
16,476,810
1㎡当たり売上高
売場面積(平均)(㎡)
66,098
1㎡当たり売上高(千円)
249
1人当たり売上高
従業員数(平均)(人)
1,249
1人当たり売上高(千円)
13,192
(注)1 売場面積(平均)は、営業店舗の期中平均であります。2 従業員数(平均)は、店舗における正社員・嘱託社員及びパートタイマー (8時間換算)を含めた期中平均人員であります。
FC事業
地域
売上高(千円)
期末店舗数(店)
店舗異動状況
新規出店(店)
退店(店)
関東
119,627
3
―
1
東海
83,779
2
―
―
九州
127,781
3
―
―
合計
331,189
8
―
1
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループは、前記「2 事業等のリスク」に記載のとおり、出店及び退店、店舗賃借の契約、競合、ファッションサイクル等の流行の変化、業績の季節変動等様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は常に市場環境等に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、消費者や市場のニーズに適時適切に対応していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
② 経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営成績等の状況に関する分析・検討内容につきましては、前記「(1) 経営成績等の状況の概要」をご参照下さい。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。なお、新型コロナウィルス感染症の拡大に伴う影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載しております。