【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)財政状態及び経営成績の状況
文中における将来に関する事項については、当第1四半期連結会計期間末(2023年5月20日)現在において判断したものであります。
1)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べ、157億75百万円増加し、5,183億27百万円となりました。これは主として、商品の増加138億87百万円、売掛金の増加79億25百万円、投資その他の資産のその他の増加47億41百万円、流動資産のその他の増加33億23百万円、有価証券の増加31億円、現金及び預金の減少167億79百万円によるものです。
負債は前連結会計年度末と比べ、104億51百万円増加し、729億54百万円となりました。これは主として買掛金の増加123億9百万円、賞与引当金の増加11億36百万円、流動負債のその他の増加10億39百万円、未払法人税等の減少41億43百万円によるものです。
純資産は前連結会計年度末と比べ、53億24百万円増加し、4,453億73百万円となりました。これは主として利益剰余金の増加48億84百万円によるものです。
2)経営成績の分析
当第1四半期連結累計期間における我が国の経済は、コロナウイルスの感染収束に向けた動きを反映して経済活動の正常化が進み、個人消費が4四半期連続で増加したことで、1~3月期の実質GDPは年率換算2.7%増と3四半期連続のプラス成長となりました。一方、世界経済では、ロシア・ウクライナ戦争の長期化や主要各国での金融引き締めによる金利上昇など数多くの不安材料が存在し、日本でも食品など生活必需品を中心とした消費者物価の上昇で実質賃金は目減りが続いていることから、今後の国内景気の見通しは極めて不透明となっています。
①消費環境の概要
・当第1四半期連結累計期間の国内消費環境は、5月上旬にコロナウイルスの感染症法上の分類が5類に移行し、感染対策が自主判断となったことで社会生活が平時に戻り、ゴールデンウィークの国内旅行もコロナ禍前並みに回復しました。一方、食品や宿泊・飲食サービスなどの価格上昇によって、4月の消費者物価指数は前年同月比3.4%増と高い上昇率となり、家計のインフレ警戒感を背景に節約志向が強まる懸念が高まっています。
・天候については、3月上旬から全国的に気温が上昇し、3月中旬には西日本で夏日も記録しました。3月下旬から4月上旬は晴れと雨の日が交互に繰り返され、4月中旬から下旬は全国的に気温が低下しました。5月上旬から中旬は平日の気温が上昇し関東以西で真夏日も記録しましたが、週末の天気は曇りや雨となりました。当該期間は朝晩の気温が低く、天気も周期的に変化したことで、春夏物の販売には対応が難しい天候でした。
②当社グループの状況
このような状況下で、当社グループは2023年度のグループ統一テーマを“リ・ボーンFinalステージ『応用から完成へ』”とし、中期経営計画の最終年度として、商品力と販売力の強化や事業の基礎と基盤の強化に目途を付け、この3年間で積み上げた実績と知見を次のステージへと繋げていき、“見て触れて、楽しく選んで、気軽にお買い物が出来る店”の高度化を推し進め、お客様に“ワクワク”と“ウォンツ”をお届けします。
③しまむら事業
・主力のしまむら事業は、ブランド力を進化させるため自社開発ブランド(Private Brand、以下PB)とサプライヤーとの共同開発ブランド(Joint Development Brand、以下JB)の品揃え拡充のため、高価格帯の拡大やラインロビングを進め、インフルエンサーとのコラボ企画など新たな取組みも行いました。また、お出かけ需要やオケージョン需要の回復に合わせて、春休みやゴールデンウィーク、母の日に対応した品揃えが好調でした。
・広告宣伝では、チラシ配布で新聞折込みを削減し、デジタル配信を拡大したことで費用対効果が高まりました。またSNS販促では、新規媒体を拡大し、各種キャンペーンを打ち出したことでSNS会員数が増加しました。
・商品調達では、売れ筋商品を短期間で追加生産する短期生産サイクルを活用し売上向上に繋げました。また、海外サプライヤーと直接取引する貿易部の活用や生産国比率の見直しにより仕入原価上昇の抑制に努めました。
当第1四半期連結累計期間は4店舗を開設、3店舗を閉店し、店舗数は1,419店舗となりました。
また売上高は前年同期比5.4%増の1,146億1百万円となりました。
④アベイル事業
アベイル事業は、JBを4ブランド体制としてレディースとメンズのアウター衣料の品揃えを拡充し、キャラクター商品は新規品揃えを強化しました。また、お出かけ需要に伴いシューズと服飾雑貨が売上を伸ばしました。
トレンドではY2Kファッションや平成ブランド、韓国ブランドとのコラボ企画が売れ筋となりました。個店対応では、都市部や沖縄県の店舗でニーズに沿った品揃えとチラシ配布を行い対象店舗の売上が増加しました。
当第1四半期連結累計期間は1店舗を閉店し、店舗数は312店舗となりました。
また売上高は前年同期比7.1%増の155億77百万円となりました。
⑤バースデイ事業
バースデイ事業は、ベビー・トドラー・ジュニアの各サイズのアウター衣料がJBを中心に好調で、中でもギフト需要にも対応した新生児向けJBの「Cottoli(コトリ)」や、新規需要の開拓として拡大したジュニア向けJBの「rabyraby(ラビラビ)」が売上を伸ばしました。販促では、多数のフォロワー数を抱えるSNSを中心にデジタル販促を強化し、売場では、ギフトコーナーの拡大やジュニアコスメの売場設置が客層の拡大に効果的でした。
当第1四半期連結累計期間は3店舗を開設し、店舗数は316店舗となりました。
また売上高は前年同期比1.2%増の210億85百万円となりました。
⑥シャンブル事業
シャンブル事業は、「Mushroom(マッシュルーム)」などのJBを中心にアウター衣料と服飾雑貨が売上を伸ばしました。キャラクター商品は雑貨や寝具が好調で、新規キャラクターも売れ筋となりました。品揃えを拡充したギフト向け商品は、お客様が自分で商品や装飾材を選べる「ギフトマルシェ」が好調で、中でも食品やお菓子が売れ筋となりました。また、一部店舗で実験したギフト型レイアウトへの変更も売上増加に効果的でした。
当第1四半期連結累計期間は2店舗を開設、2店舗を閉店し、113店舗となりました。
また売上高は前年同期比8.0%増の40億88百万円となりました。
⑦ディバロ事業
ディバロ事業は、お出かけ需要に合わせてメンズとレディースのカジュアルシューズやスニーカーの品揃えを拡充し、売上を伸ばしました。オケージョン需要では日本製のパンプスが好調でした。レディースのヤング向け商品では、厚底スニーカーやスポーツサンダルが売れ筋となりました。また、昨年から取り扱いを拡大しているアウター衣料と服飾雑貨では、新規サプライヤーの開拓やトレンド商品の強化でバッグや帽子が好調でした。
当第1四半期連結累計期間の店舗開設・閉店は無く、16店舗での営業となりました。
また売上高は前年同期比15.6%増の2億21百万円となりました。
⑧以上の結果、当第1四半期連結累計期間の日本国内の業績は、売上高1,555億75百万円(前年同期比5.0%増)、営業利益145億8百万円(同1.4%減)、経常利益147億31百万円(同2.2%減)、四半期純利益は100億31百万円(同2.8%減)となりました。
⑨思夢樂事業
台湾全域で店舗を展開する思夢樂は、20代から60代の女性とその家族をターゲットとした総合衣料の専門店として、日常生活で必要なソフトグッズがお客様の欲しい時に必ずある店舗の実現に向けて、事業の再構築を進めています。
商品力の強化では、日本企画のPBやJB、台湾企画のPBの比重を高めたことで他社との差別化を図り、売上高に占めるPB、JBの割合は50%超となりました。また、天候に左右されづらいキャラクターやスポーツ、ビジネス関連商品の取扱いも拡大しました。販売力の強化では、SNSを使ったデジタル販促を拡大し、台湾で人気のインフルエンサーの活用や梅雨対策特集など、昨年に無い打ち出しを拡大したことが客数増加に繋がりました。
当第1四半期連結累計期間は1店舗を閉店し、店舗数は39店舗となりました。
また売上高は前年同期比23.8%増の3億42百万NT$(15億30百万円)となりました。
⑩以上の結果、当第1四半期連結累計期間の連結業績は、売上高1,571億5百万円(前年同期比5.2%増)、営業利益145億33百万円(同0.6%減)、経常利益147億41百万円(同1.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は100億29百万円(同1.8%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動及び新規出店等による投資活動、ならびに財務活動を行った結果、前年同四半期連結累計期間末に比べ76億19百万円減少し、1,693億77百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動に使用した資金は、前年同四半期連結累計期間と比べ、90億94百万円増加し、31億65百万円となりました。これは税金等調整前四半期純利益146億15百万円、仕入債務の増加額123億7百万円、減価償却費14億48百万円、賞与引当金の増加額11億36百万円等に対し、棚卸資産の増加額138億81百万円、法人税等の支払額82億64百万円、売上債権の増加額79億25百万円、その他の流動資産の増加額33億83百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は、前年同四半期連結累計期間と比べ、328億59百万円増加し、395億11百万円となりました。これは有価証券の償還による収入460億円等に対し、有価証券の取得による支出800億円、投資有価証券の取得による支出45億2百万円、有形固定資産の取得による支出14億23百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は、前年同四半期連結累計期間と比べ、3億75百万円増加し、51億7百万円となりました。これは配当金の支払額51億1百万円等によるものです。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)会社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。