【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)財政状態及び経営成績の状況
文中における将来に関する事項については、当第3四半期連結会計期間末(令和4年11月20日)現在において判断したものであります。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期連結会計期間の
期首から適用しております。詳細については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計
方針の変更)(収益認識に関する会計基準等の適用)」をご参照ください。
1)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べ、411億13百万円増加し、5,159億25百万円と
なりました。これは主として、有価証券の増加195億円、商品の増加188億97百万円、売掛金の増加81億96百万
円、流動資産のその他の増加15億91百万円、貸倒引当金の減少11億円1百万円、現金及び預金の減少63億69百万
円、投資その他の資産のその他の減少10億7百万円によるものです。
負債は前連結会計年度末と比べ、184億56百万円増加し、822億72百万円となりました。これは主として買掛金の
増加158億26百万円、流動負債のその他の増加82億29百万円、賞与引当金の減少38億63百万円、未払法人税等の
減少21億59百万円によるものです。
純資産は前連結会計年度末と比べ、226億57百万円増加し、4,336億52百万円となりました。これは主として利益
剰余金の増加225億23百万円によるものです。
2)経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間における我が国の経済は、7~9月期の実質GDPが年率換算0.8%減となり、個人消費
が伸び悩んだことなどで、4四半期ぶりのマイナス成長となりました。また、消費者物価指数は10月に前年同月
比3.6%増となり、エネルギーや食料品の価格上昇の影響で40年ぶりの高い物価上昇率となりました。世界経済
でも、アメリカやユーロ圏でロシア・ウクライナ戦争の長期化に伴う消費者物価の大幅な上昇が続いており、各
国で景気後退リスクが上昇していることから、今後の国内経済の先行きは不透明な状況が続いています。
①消費環境の概要
・当第3四半期連結累計期間の国内消費環境は、新型コロナの新規感染者数が9月以降は減少し、10月には政府の旅行支援策が開始されて全国各地で人流が増加し、10月の消費支出は5ヵ月連続で前年を上回りました。一方、電気代や食料品の価格高騰により、10月の実質賃金は前年同月比で7ヵ月連続のマイナスとなり、11月以降は新型コロナの新規感染者が再び増加に転じるなど、衣料品販売にとっては厳しい消費環境が続いています。
・天候については、8月下旬から9月下旬は全国的に残暑が続き、9月は大型の台風が2回接近または上陸しました。10月上旬から中旬は全国的に曇りや雨の日が多く、寒冷前線の影響で朝晩の冷え込みが強まりました。10月下旬から11月上旬は関東以西で日中の気温が上昇し、西日本では25℃以上の夏日を記録する日もありました。11月中旬には全国的に平年並みの気温となり、札幌では平年より15日も遅い初雪を観測しました。
②当社グループの状況
このような状況下で、当社グループは令和4年度のグループ統一テーマを“リ・ボーン2ndステージ『進化と応用』”とし、再生し、進化した、見て触れて、楽しく選んで、気軽にお買い物が出来る店で、お客様に“ワクワク”と“ウォンツ”をお届けするため、商品力と販売力の強化を更に推し進めています。事業の基礎と基盤の強化では、11月度に顧客管理システムを新たに導入し、ディバロ事業の新モデル店舗をオープンしました。
③しまむら事業
・主力のしまむら事業は、ブランド力の進化のため、自社開発ブランド(Private Brand、以下PB)とサプライヤーとの共同開発ブランド(Joint Development Brand、以下JB)の品揃えを拡充しました。PBは冬物のニットや肌着、インテリアが好調で、高価格帯の「CLOSSHI PREMIUM」は肌着や寝具で展開を拡大し売上を伸ばしました。コーディネート提案を強化したJBや旬のインフルエンサー企画、人気のキャラクター商品も好調でした。
・在庫管理では、都市部と郊外、寒冷地域と温暖地域など、様々な店舗立地に応じて適切な商品管理を行い、売上規模が拡大したPBやJBは、ブランド別に売場作りと在庫管理を徹底したことで、値下を抑制できました。
・広告宣伝では、動画CMのWEB配信などデジタル広告を拡大し、大感謝祭など重点催事のチラシ販促を強化したことで客数が増加しました。店舗別対応では都市部限定チラシの取組み強化で該当店舗の売上が伸長しました。
当第3四半期連結累計期間は3店舗を開設、3店舗を閉店し、1,421店舗となりました。
また売上高は前年同期比5.1%増の3,464億56百万円となりました。
④アベイル事業
アベイル事業は、JBとキャラクター商品が売上を伸ばしました。メンズはレディースサプライヤーの活用でニットなどのトレンド商品が売れ筋となり、レディースはJBの重点販売商品を定めてチラシ販促を強化し、ローティーン企画などの新企画を拡大して順調に推移しました。服飾雑貨はブーツやバッグ、帽子が外出需要の高まりで好調でした。インテリア・生活雑貨は、キャラクター商品を中心に品揃えと売場を拡大して好調でした。
当第3四半期連結累計期間は2店舗を開設、3店舗を閉店し、313店舗となりました。
また売上高は前年同期比12.5%増の454億61百万円となりました。
⑤バースデイ事業
バースデイ事業は、JBの展開を拡充し、新生児向けJBの「Cottoli(コトリ)」はギフト提案を強化し、ジュニア向けJBの「rabyraby(ラビラビ)」はトレンド商品を拡大して売上を伸ばしました。JBの構成を高めたベビーカーやチャイルドシート、ランチグッズも外出需要の高まりで好調でした。販促ではインフルエンサーの活用や新規販促媒体による産院向け広告の強化など、販促手法を多様化して新規顧客の獲得に取り組みました。
当第3四半期連結累計期間は5店舗を開設、2店舗を閉店し、店舗数は313店舗となりました。
また売上高は前年同期比5.6%増の560億4百万円となりました。
⑥シャンブル事業
シャンブル事業は、ブランディングを強化したアウター衣料のJBが順調に推移し、外出需要の高まりでバッグや帽子、アームカバーなどの服飾雑貨のほか、コスメやフレグランスなどの雑貨も売上を伸ばしました。キャラクター商品は世代を超えた客層の広い新規キャラクターを開拓し好調でした。また、イベント需要の回復でクリスマス雑貨が売上を伸ばし、クリスマス限定のラッピング資材がギフト向け商品の販売に効果的でした。
当第3四半期連結累計期間は12店舗を開設し、店舗数は114店舗となりました。
また売上高は前年同期比13.1%増の107億81百万円となりました。
⑦ディバロ事業
ディバロ事業は、外出需要の高まりでシューズ全般が好調でした。レディースはパンプスとスニーカー、トレンドのブーツが売上を伸ばしました。メンズはスニーカーとビジネス、キッズはスニーカーとブーツが好調でした。取扱いを拡大したアウター衣料と服飾雑貨は、トレンド商品の強化や新規サプライヤーの開拓で売上を伸ばしました。販促では、SNS配信の回数増加と媒体の種類拡大が、SNS会員数の大幅増加に繋がりました。
当第3四半期連結累計期間は1店舗を開設し、店舗数は16店舗となりました。
また売上高は前年同期比16.0%増の5億71百万円となりました。
⑧以上の結果、当第3四半期連結累計期間の日本国内の業績は、売上高4,592億76百万円(前年同期比6.1%増)、営業利益445億61百万円(同14.3%増)、経常利益455億65百万円(同14.1%増)、四半期純利益は319億15百万円(同17.6%増)となりました。
⑨思夢樂事業
台湾で事業展開する思夢樂事業は、総合衣料の専門店として、台湾のお客様にとって適時、適品、適量、適価な
品揃えとするために事業の再構築を進めています。9月度は2度の台風による大雨、10月度と11月度は各地で連日30℃を超す真夏日を記録するなど、厳しい天候が続いたことで秋冬物の販売が伸び悩みました。一方、取扱いを拡大したPBやJBは順調に推移し、販促手法の多様化によりSNSの閲覧数が大きく伸長しました。
当第3四半期連結累計期間は1店舗を閉店し、店舗数は41店舗となりました。
また売上高は前年同期比9.9%増の10億23百万NT$(46億27百万円)となりました。
⑩以上の結果、当第3四半期連結累計期間の連結業績は、売上高4,639億3百万円(前年同期比6.2%増)、営業利益445億47百万円(同14.9%増)、経常利益455億27百万円(同14.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は317億11百万円(同17.8%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動及び新規出店等
による投資活動、ならびに財務活動を行った結果、前年同四半期連結累計期間末に比べ38億21百万円減少し、
1,805億58百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、前年同四半期連結累計期間と比べ、10億72百万円増加し、257億円となりまし
た。これは税金等調整前四半期純利益450億57百万円、仕入債務の増加額158億7百万円、その他の流動負債の増
加額81億57百万円、減価償却費44億16百万円等に対し、棚卸資産の増加額188億49百万円、法人税等の支払額152
億31百万円、売上債権の増加額81億94百万円、賞与引当金の減少額38億65百万円、その他の流動資産の増加額18
億1百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は、前年同四半期連結累計期間と比べ、1,760億97百万円増加し、184億45百万円となり
ました。これは有価証券の取得による支出1,210億円、定期預金の預入による支出80億円、有形固定資産の取得
による支出36億93百万円、差入保証金の差入による支出17億46百万円等に対し、有価証券の償還による収入980
億円、定期預金の払戻による収入160億円、差入保証金の回収による収入20億84百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は、前年同四半期連結累計期間と比べ、7億35百万円増加し、91億73百万円となりまし
た。これは配当金の支払額91億63百万円等によるものです。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更は
ありません。
(4)会社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。