【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループをとりまく経営環境につきましては、国内におけるスマートフォンの保有者の割合が2022年に77.3%と前年比3ポイント増加するなど、スマートフォンは引き続き普及拡大しており(総務省調べ)、また、2022年の広告費は前年比104.4%の7兆1,021億円と、2020年から続く新型コロナウイルス感染症の感染再拡大、ウクライナ情勢、物価高騰など国内外の様々な影響を受けつつも、通年で過去最高額となりました。その中でも、社会のデジタル化を背景に好調なインターネット広告費が市場の成長へ寄与しており、前年比114.3%の3兆912億円と、2兆円を超えた2019年からわずか3年で約1兆円の増額となりました(株式会社電通調べ)。
このような状況の下、当社グループは、既存のメディア事業においては「グノシー」の収益性の向上及びKDDI株式会社との協業アプリである「auサービスToday」「ニュースパス」の同社との連携強化による成長実現に注力しております。「グノシー」については、社会のインフラとなるような新しい時代のニュースメディアを目指し、社会的価値の高い「知っておくとよい情報」、個人的価値の高い「知りたい情報」の最適な配信の実現に向けた施策に取り組んでおります。当連結会計年度においては、第3四半期に決定した「グノシー」の再成長に向けた広告宣伝投資の拡大を予定通り実施いたしました。投資強化により、新規ユーザーは想定通り増加したほか、第1四半期から取り組みを続けていた、ユーザーの継続率改善施策が着実に成果を上げていることから、前四半期比でもユーザー数を増加させることが出来ました。今後とも「グノシー」に対する投資を継続して行いながら、広告審査については引き続き厳格に行い、ユーザーの皆様に安心してご利用いただけるような広告体験の実現に注力しております。
新規事業においては、引き続き社内/社外への成長機会への投資を行ってまいりました。ムードペアリングティー「YOU IN」は、引き続きギフト需要が好調であるほか、オフライン販売においては外国人旅行客による購入も多くみられ、インバウンドにおける需要も確認ができております。また、当社の持分法適用関連会社であるGaragePreneurs Internet Pvt. Ltd.(以下、GaragePreneurs)においては、インド準備銀行(RBI)公表のDigital Lending Guidelinesに準拠した新プロダクトの提供を2022年12月より開始しております。
収益面に関しては、当連結会計年度において、Gunosy Adsに係る売上高を4,869百万円計上いたしました。また、アドネットワークに係る売上高においては、厳格な広告審査を継続する中、当連結会計年度で629百万円を計上いたしました。
費用面に関しては、「グノシー」の再成長に向けた広告宣伝投資を継続した結果、広告宣伝費1,065百万円(前年同期比21.9%減)を計上するほか、アドネットワークに係る売上高の減少に伴い媒体費が減少いたしました。
その他、持分法適用関連会社であるGaragePreneursに関して持分法による投資損失1,428百万円を計上する一方、2022年6月に行われた第三者割当増資により当社の持分比率が変動したことに伴い、持分変動利益1,001百万円を計上いたしました
以上の結果、当連結会計年度における業績は、売上高8,052百万円(前年同期比10.5%減)、経常損失1,705百万円(前年同期は経常利益191百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失1,150百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益130百万円)となりました。
なお、「グノシー」「ニュースパス」及び「auサービスToday」合計の国内累計DL数は当第4四半期連結会計期間末において6,544万DLとなり、前連結会計年度末比で513万DLの増加となりました。なお、メディアアプリのひとつである「LUCRA(ルクラ)」が、2023年2月15日をもってサービスを終了しましたが、サービス終了時までの「LUCRA(ルクラ)」の累計DL数も加えた4アプリ合算の累計DL数は7,500万DLとなります。
当社グループには、メディア事業以外の重要なセグメントが無いため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
(資産)
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べて1,194百万円減少し、12,324百万円となりました。
主な要因は、現金及び預金の減少(前連結会計年度末比567百万円の減少)、売掛金の減少(前連結会計年度末比102百万円の減少)、投資有価証券の減少(前連結会計年度末比240百万円の減少)、繰延税金資産の減少(前連結会計年度末比223百万円の減少)であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べて116百万円減少し、1,466百万円となりました。
主な要因は、買掛金の減少(前連結会計年度末比216百万円の減少)、前受金の増加(前連結会計年度末比118百万円の増加)であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて1,077百万円減少し、10,857百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の減少(前連結会計年度末比1,231百万円の減少)、自己株式の減少(前連結会計年度末比156百万円の減少)であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて152百万円増加し、5,100百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により使用した資金は、433百万円(前連結会計年度は33百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失851百万円の計上、仕入債務の減少203百万円、前受金の増加120百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により獲得した資金は、604百万円(前連結会計年度は4,064百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出891百万円、定期預金の払戻による収入1,816百万円、投資有価証券の取得による支出323百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により獲得した資金は、0百万円(前連結会計年度末は9百万円の収入)となりました。これは主に、自己株式の処分による収入16百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。
b. 受注実績
当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績は記載しておりません。
c. 販売実績
当社グループ(当社及び連結子会社)の報告セグメントは、「メディア事業」のみであり、その他の事業セグメントは、開示の重要性が乏しいため、セグメントごとの記載を省略しております。
当連結会計年度
(自 2022年6月1日
至 2023年5月31日)
前年同期比(%)
8,052百万円
89.5
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自
2021年6月1日
至
2022年5月31日)
当連結会計年度
(自
2022年6月1日
至
2023年5月31日)
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
Google LLC
942
10.5
-
-
KDDI株式会社
-
-
823
10.2
2.当連結会計年度のGoogle LLCに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。また、前連結会計年度のKDDI株式会社に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
当連結会計年度における業績は、売上高8,052百万円(前年同期比10.5%減)、売上原価4,945百万円(前年同期比1.2%減)、販売費及び一般管理費は3,375百万円(前年同期比5.7%減)となり、この結果、営業損失は268百万円(前年同期は営業利益412百万円)、経常損失は1,705百万円(前年同期は経常利益191百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,150百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益130百万円)となりました。また、ROEは△10.2%(前年同期比11.3ポイント減)となりました。
(売上高)
売上高は8,052百万円(前年同期比10.5%減)となりました。これは主に、Gunosy Adsに係る売上高4,869百万円、アドネットワークに係る売上高629百万円を計上したこと及び連結子会社であるゲームエイトの売上高1,666百万円を計上したことによるものであります。
(営業利益)
営業損失は268百万円(前年同期は営業利益412百万円)となりました。これは主に、「グノシー」の再成長に向けた広告宣伝投資を継続した結果、広告宣伝費1,065百万円(前年同期比21.9%減)を計上したことによるものであります。
(経常利益)
経常損失は1,705百万円(前年同期は経常利益191百万円)となりました。これは主に、持分法適用関連会社であるGaragePreneursに関して持分法による投資損失1,428百万円を計上したことによるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純損失は1,150百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益130百万円)となりました。これは主に、経常利益の減少及び持分変動利益1,001百万円を計上したことによるものであります。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。
当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
資金需要及び資金調達につきましては、当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるために、新サービス及び新規事業に取り組んでいく考えであります。これらの資金需要は手元資金で賄うことを基本とし、必要に応じて資金調達を実施いたします。また、地政学リスクの高まりや、それらを要因とする金融市場の変化などに伴う経営環境の不確実性の高まりに備えるため、取引銀行とコミットメントライン契約を締結し、より機動的な資金需要への対応を行っております。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、法的規制、事業運営体制等、様々な要因の変化の影響を受ける可能性があります。このため、事業環境を注視するとともに、優秀な人材の採用と組織体制の整備、内部統制システムの強化等によりこれらのリスク要因に対応するよう努めてまいります。
⑤経営戦略の現状と見通し
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
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