【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況<経営成績の状況>当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、海外経済の回復ペース鈍化による下押し圧力などを受けているものの、企業収益は全体として高水準で推移し、業況感は緩やかに改善しており、景気は緩やかに回復しております。当社グループを取り巻く事業環境については、新型コロナウイルス感染症の影響によりライフスタイルが大きく変容し、ボイスチャットやWeb会議ツールなどオンラインコミュニケーションツールの活用は常態化しております。また、メタバースと呼ばれる仮想空間が注目を集めるとともに、テレワークやオンライン授業、ライブコマースなど、さまざまな分野でデジタル変革が進行しており、音声・映像を活用したオンラインサービスへの要求水準も高度化してきております。これらの状況下、当社グループは、オンラインコミュニケーションプラットフォーム「CRI TeleXus(シーアールアイ テレクサス)」の開発を行うとともに、今後成長が見込める事業、市場を見据えた研究開発体制を整備し、事業基盤の拡大、グループシナジーの創出に注力いたしました。当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高2,161,548千円(前年同期比10.0%増)、営業利益253,624千円(前年同期比3,370.6%増)、経常利益284,089千円(前年同期比647.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益195,296千円(前年同期は17,518千円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
セグメント毎の経営成績は、次のとおりであります。① ゲーム事業当社製ミドルウェア「CRIWARE(シーアールアイウェア)」等の国内ライセンス売上は、当第3四半期において複数の一括ライセンス契約を受注したことにより、増加いたしました。一方、海外向けは、中国において新型コロナウイルス感染症の影響で停滞していたライセンス売上が当第3四半期より回復に転じたものの、これまでのマイナス分を補うまでには至らず、減少いたしました。株式会社ツーファイブが行う音響制作は、音声収録業務が堅調に推移いたしました。株式会社アールフォース・エンターテインメントが行うゲーム開発/運営の売上は、第2四半期で完了した開発案件に代わる大型の新規案件を獲得できず、減少いたしました。当セグメントの売上高は1,510,498千円(前年同期比1.0%減)、セグメント利益は182,799千円(前年同期比87.4%増)となりました。② エンタープライズ事業組込み分野の売上は、カラオケ案件の受注が好調に推移し、増加いたしました。また、モビリティについても、ADX-AT(サウンド開発ソリューション)の採用台数の増加に伴い、ライセンス収入が伸張したことにより、増加いたしました。新規分野の売上は、CEDECなどのカンファレンスシステム開発案件を複数受注し、増加いたしました。また、特定顧客からの公共系システム開発案件が堅調に推移したことに加え、当第3四半期で新たに電子玩具向けシステム開発案件を受注したことにより、増加いたしました。当セグメントの売上高は651,050千円(前年同期比47.8%増)、セグメント利益は70,824千円(前年同期は90,246千円のセグメント損失)となりました。
<財政状態の状況>① 資産の部当第3四半期連結会計期間末の資産の部は、前連結会計年度末に比べて72,932千円増加し、5,089,592千円となりました。これは主に、「現金及び預金」の増加(前連結会計年度末に比べて97,995千円の増加)、「有価証券」の増加(前連結会計年度末に比べて100,397千円の増加)及び「その他流動資産」の増加(前連結会計年度末に比べて52,161千円の増加)並びに「ソフトウェア」の増加(前連結会計年度末に比べて63,126千円の増加)があった一方、「売掛金及び契約資産」の減少(前連結会計年度末に比べて124,036千円の減少)及び「有形固定資産」の減少(前連結会計年度末に比べて9,865千円の減少)並びに「投資その他の資産」の減少(前連結会計年度末に比べて111,308千円の減少)によるものであります。
② 負債の部当第3四半期連結会計期間末の負債の部は、前連結会計年度末に比べて99,684千円増加し、1,580,131千円となりました。これは主に、「その他流動負債」の増加(前連結会計年度末に比べて120,574千円の増加)及び「未払法人税等」の増加(前連結会計年度末に比べて30,561千円の増加)があった一方、「買掛金」の減少(前連結会計年度末に比べて49,714千円の減少)及び「固定負債」の減少(前連結会計年度末に比べて1,736千円の減少)によるものであります。
③ 純資産の部当第3四半期連結会計期間末の純資産の部は、前連結会計年度末に比べて26,752千円減少し、3,509,460千円となりました。これは主に、「親会社株主に帰属する四半期純利益」の計上による「利益剰余金」の増加(前連結会計年度末に比べて195,296千円の増加)があった一方、「自己株式」の取得による減少(前連結会計年度末に比べて215,364千円の減少)及び「為替換算調整勘定」の減少(前連結会計年度末に比べて5,498千円の減少)によるものであります。
(2) 経営方針・経営戦略等当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、137,583千円であり、これは主にゲーム事業における注力事業であるTeleXus関連の研究開発費増加によるものであります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループ全体の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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