【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、本四半期報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)
経営成績の状況当第3四半期連結累計期間は、投資銀行事業において事業承継問題を抱える企業を対象に財務アドバイザリーやアセットマネジメントなどを提供する事業承継ソリューション業務受託と、これらの企業を投資対象とするプライベートエクイティ投資(以下、「PE投資」)を推進しました。当第3四半期連結累計期間の経営成績は、第1四半期に㈱ライツ・アンド・ブランズ(以下、「RBJ」)を連結の範囲から除外し持分法適用関連会社としたものの、事業承継ソリューション業務受託とPE投資の回収が順調に進捗したことにより業務受託収益及び投資収益が増加し、航空機アセットマネジメントも好調に推移したことにより、売上高は6,911百万円(前年同期比2.4%増)、売上総利益は3,839百万円(前年同期比43.2%増)となりました。販売費及び一般管理費は、事業拡大のための人員拡充や業務の外部委託の増加などにより前年同期比6.5%増の2,696百万円となりましたが、営業利益は売上総利益の増加により1,142百万円(前年同期比661.0%増)、経常利益は1,084百万円(前年同期比851.1%増)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、㈱トリニティジャパンの連結子会社化に伴う負ののれん発生益190百万円を特別利益に計上したことにより、781百万円(前年同期は140百万円の損失)となりました。 (単位:百万円)
2022年9月期第3四半期連結累計期間
2023年9月期第3四半期連結累計期間
増減額
売上高
6,749
6,911
161
投資銀行事業
3,461
5,081
1,620
公共コンサルティング事業
263
248
△15
エンタテインメント・サービス事業
3,252
1,796
△1,456
消去
△228
△214
13
売上総利益
2,680
3,839
1,158
投資銀行事業
1,855
3,541
1,686
公共コンサルティング事業
143
136
△6
エンタテインメント・サービス事業
777
258
△518
消去
△95
△98
△3
営業利益(セグメント利益又はセグメント損失(△))
150
1,142
992
投資銀行事業
570
1,948
1,378
公共コンサルティング事業
△1
△41
△40
エンタテインメント・サービス事業
6
△224
△230
消去又は全社費用
△425
△539
△114
経常利益
114
1,084
970
税金等調整前四半期純利益
129
1,250
1,121
親会社株主に帰属する四半期純利益又は親会社株主に帰属する四半期純損失(△)
△140
781
922
セグメント別の業績は以下のとおりであり、売上高についてはセグメント間の内部売上高又は振替高を含めた売上高で表示しております。
① 投資銀行事業投資銀行事業では、事業承継ソリューション業務受託において案件組成が順調に進捗し、PE投資の新規実行が増加するとともに、組成した投資案件の売却も進みました。この結果、組成ファンドのアセットマネジメント受託によるアップフロントフィーや期中管理報酬、成功報酬等の業務受託収益が前年同期比で増加するとともに、PE投資の回収による投資収益も増加しました。投資運用業務においては、海外機関投資家からレジデンス向け投資のアセットマネジメントを受託し収益を計上しておりますが、預り資産残高は前連結会計年度末比48.7%増の835億円となり、ストック型収益の基盤が強化されました。また航空機アセットマネジメントにおいては、コロナ禍の沈静化により機体検査や機体返還などの技術サービスは減速したものの高水準の売上を維持しており、航空機登録の増加や航空機リマーケティングなどの新たな取り組みにより好調に推移しました。以上の結果、投資銀行事業の売上高は5,081百万円(前年同期比46.8%増)、セグメント利益は1,948百万円(前年同期比241.7%増)となりました。
② 公共コンサルティング事業公共コンサルティング事業では、財務書類作成のコンサルティングについて大規模自治体を軸に営業活動を推進していますが、令和5年度(2023年4月~2024年3月)における都道府県の財務書類作成受託件数は前年度と比べ1件増加し9件、政令指定都市・特別区については前年度と変わらず11件となり堅調に推移しました。また、公共施設等総合管理計画の見直しに関しては、総務省は見直しが未完了の地方公共団体は2024年3月末までに完了とすることとしているため、見直しを支援する業務について積極的に営業活動を推進しました。公共コンサルティング事業の売上高は、国が各自治体に配布した公会計ソフトのサポート終了に伴って発生した提携先のソフト販売があった前第3四半期連結累計期間に比べ5.9%減少し248百万円となり、セグメント損益は受注拡大のための先行投資により費用が増加した結果、41百万円のセグメント損失(前年同期は1百万円の損失)となりました。
③ エンタテインメント・サービス事業メッツァ(メッツァビレッジ及びムーミンバレーパーク)は、来園者数が前年同期比13.7%減の50万人となりましたが、ムーミンバレーパークの入園料金を改定したほか物販・飲食の顧客単価が上昇したことにより、メッツァ関連の売上高は前年同期比3.6%減の1,796百万円に留まりました。ライセンス関連については、同業務により前第3四半期連結累計期間に売上高1,390百万円を計上していたRBJを第1四半期連結会計期間より連結の範囲から除外し持分法適用の範囲に含めることとしたため、同社業績については当セグメントでは計上せず、営業外損益において持分法による投資損益として計上しております。なお、当社は2023年7月13日開催の取締役会において、㈱ムーミン物語が保有するRBJの全株式を㈱松屋に譲渡することを決議しました。当該決議に基づき、㈱ムーミン物語は同日付で株式譲渡契約を締結し、2023年7月14日付で当該株式を譲渡しました。これにより、RBJは第4四半期連結会計期間より当社の持分法適用の範囲から除外されます。以上の結果、エンタテインメント・サービス事業の売上高は1,796百万円(前年同期比44.8%減)、セグメント損失は224百万円(前年同期は6百万円の利益)となりました。
(2) 財政状態の状況① 総資産当第3四半期連結会計期間末における総資産は前連結会計年度末より3.6%増加し、18,574百万円となりました。これは主として、ムーミンバレーパークの建物、内外装等の減価償却等により有形固定資産が262百万円、RBJを連結の範囲から除外したことにより無形固定資産のその他に含まれる商標権が333百万円減少したものの、現金及び預金が145百万円、新規投資やPE投資先のファンドが投資回収に至ってファンドの価値が向上したことにより営業投資有価証券が496百万円、RBJを連結の範囲から除外し持分法適用の範囲に含めたことなどにより投資有価証券が698百万円増加したことによるものであります。
② 負債当第3四半期連結会計期間末における負債は前連結会計年度末より1.9%減少し、9,896百万円となりました。これは主として、短期借入金が68百万円、繰延税金負債が104百万円増加したものの、支払手形及び買掛金が23百万円、流動負債のリース債務が57百万円、固定負債のリース債務が95百万円減少したことによるものであります。
③ 純資産当第3四半期連結会計期間末における純資産は前連結会計年度末より10.7%増加し、8,678百万円となりました。これは主として、非支配株主持分が51百万円減少したものの、親会社株主に帰属する四半期純利益を781百万円計上したことにより利益剰余金が増加したことによるものであります。なお、2022年12月22日開催の定時株主総会の決議に基づき、資本金1,098百万円、資本準備金4,036百万円を減少させ、その他資本剰余金に振り替えるとともに、利益準備金を47百万円減少させ、増加したその他資本剰余金とともに繰越利益剰余金に振り替えて欠損填補に充当しました。
(3)
経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当第3四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について、重要な変更はありません。
(4)
優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動該当事項はありません。
(6)
従業員数
① 連結会社の状況当第3四半期連結累計期間において、連結会社の従業員数は前連結会計年度末に比べ23名減少し、当第3四半期連結累計期間末において153名となりました。これは主に、エンタテインメント・サービス事業においてRBJが連結の範囲から除外されたことに伴い、同事業における従業員が31名減少したことによるものであります。なお、従業員数は当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。
② 提出会社の状況当第3四半期累計期間において、提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(7) 生産、受注及び販売の実績当第3四半期連結累計期間において、販売の実績に著しい変動がありました。その内容については「(1)経営成績の状況」に記載の通りであります。
(8) 主要な設備当第3四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動はありません。
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