【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)
経営成績の概要当連結会計年度は、メッツァにおいて2019年11月から顧客満足度を高める施策により来園者数は増加基調となりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2020年3月から6月にムーミンバレーパークが80日間臨時休園となり、営業再開後の来園者数はコロナ禍前の水準を下回って推移しました。投資銀行事業においては、事業承継等のニーズの高まりを背景に、プライベートエクイティ投資の取り組みが進み、これに伴う投資回収や業務受託、仲介等の売上高が増加し、航空機アセットマネジメントも堅調に推移しました。しかしながら、投資先企業においてIPO延期があったことなどにより投資回収に遅れが生じました。また、公共コンサルティング事業において前連結会計年度の第4四半期に連結除外した子会社があったことも影響し、売上高は6,841百万円(前連結会計年度比25.4%減)、売上原価は4,528百万円(前連結会計年度比27.3%減)、売上総利益は2,313百万円(前連結会計年度比21.4%減)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費等をはじめとした各種コストを圧縮したことや、前連結会計年度のメッツァの開業準備費用、その他一時的費用がなくなったことにより前連結会計年度比28.3%減の3,306百万円となった結果、営業損失は992百万円(前連結会計年度は1,664百万円の損失)、経常損失は1,135百万円(前連結会計年度は1,850百万円の損失)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、ムーミンバレーパークの臨時休園期間中の固定費(人件費、減価償却費等)等292百万円を特別損失として計上したことや非支配株主に帰属する当期純損失327百万円により1,186百万円(前連結会計年度は1,586百万円の損失)となりました。(単位:百万円)
2019年9月期(前連結会計年度)
2020年9月期(当連結会計年度)
増減額
売上高
9,175
6,841
△2,333
投資銀行事業
3,393
2,525
△868
公共コンサルティング事業
673
253
△419
エンタテインメント・サービス事業
5,407
4,304
△1,102
その他
24
-
△24
消去
△324
△242
81
売上総利益
2,944
2,313
△631
投資銀行事業
1,139
1,482
342
公共コンサルティング事業
364
151
△212
エンタテインメント・サービス事業
1,545
797
△747
その他
24
-
△24
消去
△128
△118
10
営業損失(△)(セグメント利益又は損失(△))
△1,664
△992
671
投資銀行事業
△478
109
588
公共コンサルティング事業
79
△15
△94
エンタテインメント・サービス事業
△423
△515
△92
その他
△12
-
12
消去又は全社費用
△829
△571
258
経常損失(△)
△1,850
△1,135
715
税金等調整前当期純損失(△)
△1,667
△1,444
223
親会社株主に帰属する当期純損失(△)
△1,586
△1,186
400
セグメント別の業績は以下のとおりであり、売上高についてはセグメント間の内部売上高又は振替高を含めた売上高で表示しております。なお、報告セグメントに含まれない事業セグメント「その他」に含まれていた㈱アダコテックは、前連結会計年度の第3四半期に連結の範囲から除外されております。
① 投資銀行事業投資銀行事業は、プライベートエクイティ投資の取り組みを本格化して、これに伴う業務受託や仲介等による売上が伸長しました。また航空機アセットマネジメントについては非稼働機体管理受託が増加傾向となり、堅調に推移しました。しかしながら、投資回収についてはプライベートエクイティ投資の案件が回収に至ったものの、投資先企業にコロナ禍を要因とするIPO延期などにより投資回収の遅れがありました。以上の結果、投資銀行事業の売上高は2,525百万円(前年同期比25.6%減)、セグメント利益は109百万円(前年同期は478百万円の損失)となり、黒字に転換しました。
② 公共コンサルティング事業公共コンサルティング事業では、公会計事業として地方公共団体に対する統一的な基準による財務書類作成のコンサルティング業務に加え、財務分析レポート作成や公営企業会計導入、経営戦略策定等の受託業務の営業活動を推進しております。また地方創生事業として市場拡大が見込まれるPPP/PFI手法の導入検討等の受託業務を推進しております。 なお当社は、2019年7月1日付で都市インフラ管理システムに関する事業を行う㈱ジオプラン・ナムテックの株式の一部を譲渡し、同社を持分法適用関連会社に変更したため、前連結会計年度の第4四半期より連結の範囲から除外しております。以上の結果、公共コンサルティング事業の売上高は253百万円(前連結会計年度比62.3%減)、セグメント損失は15百万円(前連結会計年度は79百万円の利益)なりました。
③ エンタテインメント・サービス事業エンタテインメント・サービス事業では、メッツァにおいて2019年11月から平日の駐車料金無料化、「1デーパス」発売、イベントの充実、ストーリーガイド配布やストーリーの扉の設置などのサービス・コンテンツ等を充実して顧客満足度を高める施策を推進し、来園者数は増加基調となりました。この顧客満足度の向上を背景に、ムーミンバレーパークは2020年3月14日にチケット内容・料金を改定し、収益の向上を目指しました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による緊急事態宣言などにより、ムーミンバレーパークは2020年3月から6月に80日間臨時休園することとなりました。この事態を受け、当社子会社の㈱ムーミン物語は来園者数がコロナ禍前の水準に戻るには複数年かかり、特に1年間は大幅な減少が継続すると想定し、そのような厳しい状況に耐えうるコスト削減による収支均衡策や資金繰り対策等を実行しました。メッツァは万全の感染拡大防止策をとり営業を再開しましたが、来園者数はコロナ禍前の水準を下回って推移しており、当連結会計年度のメッツァ関連の売上高は2,877百万円(前連結会計年度比28.0%減)となりました。ライセンス事業では、日本国内におけるムーミンキャラクターの使用許諾に関する独占的な権利を供与されたサブライセンサーとして事業を展開しております。2019年4月より東京、大分、石川、名古屋までの4会場で約24万人の来場者を動員している原画展「ムーミン展THE ART AND THE STORY」や、ムーミンバレーパークの開業による話題と合わせ注目度が拡大し、既存ライセンシーの売上増加や新規契約先の獲得により、第2四半期までのライセンス収入は順調に拡大しました。しかしながら、緊急事態宣言により予定していた原画展(岩手展)をはじめ多くのイベントが中止に追い込まれ、ライセンシーの主要販路である大型商業施設等が2020年4月、5月に休業となったことで、成長が一時的に鈍化しました。その後、原画展が7月の大阪展から全国巡回を再開するなど経済活動の再開に伴い回復の兆しが見えはじめ、2020年9月単月の売上高は前年同月比でプラスに転じました。これらの結果、ライセンス事業の売上高は1,427百万円(前連結会計年度比5.4%増)となりました。以上の結果、エンタテインメント・サービス事業の売上高は4,304百万円(前連結会計年度比20.4%減)、セグメント損失は515百万円(前連結会計年度は423百万円の損失)となりました。
(2)
財政状態の概要財政状態の概要は、「(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 Ⅲ 財政状態の分析」において、分析・検討内容と一体的に記載しております。
(3)
キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、2,142百万円(前連結会計年度末比371百万円減少)となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動による資金の増加は680百万円(前連結会計年度は2,604百万円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失により1,444百万円減少したものの、減価償却費により805百万円、売上債権の減少により157百万円、営業投資有価証券の減少により230百万円、アセット投資の回収を伴うたな卸資産の減少により203百万円、その他に含まれる未収消費税等の減少により666百万円増加したことによるものです。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動による資金の減少は282百万円(前連結会計年度は4,543百万円の減少)となりました。これは主に、ムーミンバレーパークにおけるコンテンツ追加や施設の充実等に伴う固定資産の取得等による支出により288百万円減少したことによるものです。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動による資金の減少は767百万円(前連結会計年度は5,710百万円の増加)となりました。これは主に、長期借入れによる収入により664百万円増加したものの、短期借入金の減少により451百万円、長期借入金の返済による支出により714百万円減少したことによるものです。
(4) 生産、受注及び販売の状況
① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
内 訳
生産高(千円)
前期比(%)
投資銀行事業
不動産開発等
141,850
△90.5
(注)1 生産高は、評価損等による減少を除く販売用不動産及び仕掛販売用不動産の増減額に売上原価を加えた金額により表示しております。
2 当連結会計年度はメッツァビレッジにおける改良工事等がありましたが、倉庫の増設等があった前連結会計年度に比べて、生産高は減少しました。
② 受注実績当社グループは受注生産を行っていないため、該当事項はありません。
③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(千円)
前期比(%)
投資銀行事業
2,332,045
△25.0
公共コンサルティング事業
240,205
△63.5
エンタテインメント・サービス事業
4,269,100
△20.7
合計
6,841,351
△25.4
(注) 1
セグメント間取引については、相殺消去しております。2
報告セグメントに含まれない事業セグメント「その他」に含まれていた㈱アダコテックを、前連結会計年度の第3四半期に連結の範囲から除外したため、当連結会計年度の「その他」の販売実績はありません。なお、販売実績の合計の前期比(%)の算定については、前連結会計年度の「その他」の販売実績(37,675千円)を含めて行っております。
3
最近2連結会計年度において、総販売実績の10%以上を占める相手先に該当するものはありません。4
投資銀行事業の販売実績が減少した主な要因は、アセット投資の回収が減少したことによるものであります。5
公共コンサルティング事業の販売実績が減少した主な要因は、前連結会計年度の第3四半期に㈱ジオプラン・ナムテックを連結の範囲から除外したことによるものであります。6
エンタテインメント・サービス事業の販売実績が減少した主な要因は、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言等によりムーミンバレーパークが臨時休園となり、その後の入園者数がコロナ禍前より低い水準で推移したことによるものであります。7
上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(5)
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容当連結会計年度の経営者の視点のによる経営成績等の状況に関する分析・検討内容は、以下の通りであります。文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年12月23日)現在において当社グループが判断したものであります。
Ⅰ
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える会計上の見積りは以下のとおりであり、継続して合理的に評価しております。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 追加情報」をご参照ください。なお、見積及び判断・評価については、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。
① 販売用不動産の評価当社グループは、販売用不動産について正味売却価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を正味売却価額まで減額し、当該減少額を評価損として計上します。正味売却価額の算定に当たっては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響について慎重に検討しておりますが、販売計画や経済情勢の変化により、その見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じ正味売却価額が帳簿価額を下回る場合には評価損が必要になる可能性があります。なお、一定の要件を満たす販売用不動産における正味売却価額の見積りについては、販売用不動産の所在する地域の市場動向や物件における収益利回り等に基づき、不動産鑑定士による鑑定評価額を正味売却価額としております。② 固定資産の減損当社グループは、固定資産の減損会計の適用に際し、事業用資産は主として事業会社単位、遊休資産は個々の資産グループとしてそれぞれグルーピングし、各グループの単位で将来キャッシュ・フローを見積もっております。減損の兆候がある資産又は資産グループについて、そこから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が減損損失判定時点の帳簿価額の合計を下回る場合に、減損損失判定時点の帳簿価額の合計と回収可能価額との差額を減損損失として計上します。減損の兆候の把握、並びに減損損失の認識及び測定の前提となる将来キャッシュ・フローの見積りにあたっては、新型コロナウイルス感染症による業績への影響が一定期間継続するとの仮定を置き、直近の取締役会等で承認された将来の利益計画にその影響を加味しています。これらの見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損損失の計上が必要になる可能性があります。③ 投資の評価当社グループでは、非公開会社の株式、投資事業組合有限責任組合及びこれらに類する組合等への出資を保有しております。非公開会社の株式をはじめとする時価のない有価証券については、原則として移動平均法による原価法により評価しておりますが、投資先の財政状態が著しく悪化もしくは投資先の株式公開計画等が未達、かつ回復可能性が見込めない場合に投資先の純資産額等を基に実質価額まで減損処理を行っています。したがって、将来の投資先の業績不振等が発生した場合、現在反映されていない評価損の計上が必要になる可能性があります。
Ⅱ 経営成績の分析①売上高、売上原価、売上総利益、販売費及び一般管理費並びに営業利益当連結会計年度における売上高は6,841百万円となり、前連結会計年度の9,175百万円より2,333百万円減少(25.4%減)しました。売上原価は4,528百万円となり、前連結会計年度の6,230百万円より1,702百万円減少(27.3%減)しました。売上総利益は2,313百万円となり、前連結会計年度の2,944百万円より631百万円減少(21.4%減)しました。販売費及び一般管理費は3,306百万円となり、前連結会計年度の4,609百万円より1,303百万円減少(28.3%減)しました。営業損失は992百万円となり、前連結会計年度の1,664百万円の損失と比べて損益は671百万円改善しました。
投資銀行事業及びエンタテインメント・サービス事業の分析は以下のとおりとなります。なお、上記のグラフ及び下記のセグメント別の数値は、いずれもセグメント間の取引を相殺消去しない数値を使用しております。(投資銀行事業)投資銀行事業の業務別の売上高、及び売上総利益は、以下の通りです。
業務受託については、プライベートエクイティ投資に伴うアセットマネジメントや仲介等により売上高が増加し、航空機アセットマネジメントは非稼働機体管理受託が増加傾向となり堅調に推移しました。しかしながら、アセット投資及び企業投資については回収に遅れがあり、メッツァビレッジにおいても平日の駐車料金無料化などにより、売上高は前連結会計年度比25.6%減の2,525百万円となりました。 売上原価は、前連結会計年度の企業投資におけるベンチャーキャピタルファンドの減損等545百万円による影響がほとんどなくなったことにより、前連結会計年度比53.7%減の1,043百万円となり、売上総利益は前連結会計年度比30.0%増の1,482百万円となりました。
販売費及び一般管理費については、人件費をはじめとした各種コストの削減を推進したことにより、前連結会計年度比15.2%減の1,372百万円となりました。 これらの結果、セグメント利益は、109百万円(前連結会計年度は478百万円の損失)となりました。
(エンタテイメント・サービス事業)メッツァにおいては、2019年11月から顧客満足度を高める施策により来園者数は増加基調となったものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって、ムーミンバレーパークが80日間臨時休園となり、営業再開後も来園者数はコロナ禍前の水準を下回って推移したことにより、メッツァ関連の売上高は減少しました。ライセンス事業は、ムーミンバレーパーク開業や全国巡回しているムーミン展等で注目度が高まり、ムーミンのブランド価値が向上したことにより、既存ライセンシーの売上増加や新規契約先の獲得が進み、第2四半期までのライセンス収入は拡大しました。コロナ禍により大型商業施設の休業などの影響を受け第3四半期は売上高が減少しましたが、経済活動の再開とともに回復の兆しが見えはじめ、2020年9月単月の売上高は前年同月比でプラスに転じております。この結果、ライセンス事業の売上高は前連結会計年度比で増加しました。販売費及び一般管理費については、メッツァにおいて前連結会計年度の開業準備費用がなくなったことに加え、期初から各種コストの削減を推進していたところにコロナ禍が発生してこれを加速させたことにより、前連結会計年度比で減少しました。しかしながら、臨時休園等による売上高の減少の影響が大きく、セグメント損益は悪化しました。なお、ムーミンバレーパークの臨時休園期間中の固定費(人件費、減価償却費等)等292百万円は特別損失として計上しております。(単位:百万円)
科目・内訳
2019年9月期
2020年9月期
増減額
売上高
5,407
4,304
△1,102
メッツァ関連
3,998
2,877
△1,121
ライセンス事業
1,353
1,427
73
その他
55
-
△55
売上原価
3,862
3,506
△355
売上総利益
1,545
797
△747
販売費及び一般管理費
1,968
1,313
△654
セグメント損失(△)
△423
△515
△92
償却前セグメント利益 (注)2
216
151
△65
(注)1 他のセグメントとの取引を消去しない数値を使用しております。2 償却前セグメント利益は、セグメント損失に売上原価、販売費及び一般管理費に含まれる減価償却費及びのれん償却費を足し戻して算出しております。
メッツァ関連の四半期毎の売上高、及びメッツァ来園者数の推移は、以下のとおりです。
ライセンス事業の四半期毎の売上高の推移は、以下のとおりです。
②
経常損益経常損益は、ムーミンバレーパーク開発のための金融機関借入やリース等による支払利息139百万円により1,135百万円の経常損失となり、前連結会計年度の1,850百万円の損失と比べて損益は715百万円改善しました。
③
特別利益、特別損失、税金等調整前当期純損益特別利益は、新型コロナウイルス感染症が拡大しメッツァを臨時休園したことに伴い、受給した雇用調整助成金82百万円等により88百万円となりました。特別損失は、ムーミンバレーパークの臨時休園期間中の固定費(人件費、減価償却費等)等292百万円や、飲食店を営業する子会社が新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け撤退し財政状態が悪化したことに伴い当該子会社の株式を減損処理したことによる関係会社株式評価損41百万円等により、397百万円となりました。その結果、税金等調整前当期純損失は1,444百万円となり、前連結会計年度の1,667百万円の損失と比べて損益は223百万円改善しました。
④
法人税等、非支配株主に帰属する当期純損益、親会社株主に帰属する当期純損益法人税等は69百万円となり、非支配株主に帰属する当期純損失は㈱ムーミン物語の損失を非支配株主に按分したこと等により327百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は1,186百万円となり、前連結会計年度の1,586百万円の損失と比べて損益は400百万円改善しました。
Ⅲ 財政状態の分析① 流動資産流動資産は、前連結会計年度末より15.7%減少し、8,803百万円となりました。これは主として、現金及び預金が371百万円、成長企業への新規投資の実行があったものの既存投資案件の分配及び不動産信託受益権の販売が進んだことにより営業投資有価証券が231百万円、不動産開発案件のエグジット(売却)により販売用不動産が212百万円、消費税の還付により流動資産のその他に含まれる未収消費税等が666百万円減少したことによるものです。
② 固定資産固定資産は、前連結会計年度末より9.4%減少し、7,780百万円となりました。これは主として、ムーミンバレーパークの建物、内外装等の減価償却等により建物及び構築物(純額)が146百万円、工具、器具及び備品(純額)が426百万円減少したことによるものです。
③ 流動負債流動負債は、前連結会計年度末より22.5%減少し、2,333百万円となりました。これは主として、支払手形及び買掛金が103百万円、不動産開発案件のエグジットに伴う借入金返済により短期借入金が304百万円、1年内返済予定の長期借入金が137百万円減少したことによるものです。
④ 固定負債固定負債は、前連結会計年度末より2.7%減少し、6,945百万円となりました。これは主として、ムーミンバレーパークの内外装に係るリース債務が225百万円減少したことによるものです。
⑤ 純資産純資産は前連結会計年度末より17.7%減少し、7,304百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純損失等により利益剰余金が1,186百万円、非支配株主持分が378百万円減少したことによるものであります。
以上の結果、総資産は前連結会計年度末より12.8%減少し16,583百万円、負債は前連結会計年度末より8.6%減少し9,279百万円、純資産は前連結会計年度末より17.7%減少し7,304百万円となり、自己資本比率は37.7%となりました。
セグメントごとの分析は、次の通りです。
① 投資銀行事業当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の7,425百万円に対して815百万円減少し、6,610百万円となりました。これは主として、不動産開発案件のエグジット(売却)による販売用不動産の減少や、既存投資案件の分配及び不動産信託受益権の販売が進んだことによる営業投資有価証券の減少等によるものです。
② 公共コンサルティング事業当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の141百万円に対して8百万円増加し、149百万円となりました。
③ エンタテインメント・サービス事業当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の9,180百万円に対して839百万円減少し、8,341百万円となりました。これは主として、ムーミンバレーパークについて小規模な設備投資があったものの、建物、内外装等の減価償却により建物及び構築物、並びに工具、器具及び備品が減少したことによるものです。
Ⅳ 経営成績に重要な影響を与える要因「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、当該事業リスクが発生した場合、経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(6)
資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① 資金調達当社グループは、投資銀行事業の投融資をはじめとする事業活動に必要な資金の確保と財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針としており、主に金融機関借入、不動産証券化、エクイティファイナンス、ファイナンス・リース等で資金調達し、適切な手元流動性を確保しています。 短期資金需要に対しては、営業活動から得られたキャッシュ・フローを主として充当し、必要に応じ銀行借入等で賄っています。例えば、不動産開発案件へのアセット投資では銀行借入により調達しております。また、不動産アセットマネジメント案件などの不動産取得においては、個別案件毎にノンリコースローンなどを利用しております。ただし、成長を加速させると判断した場合、当社は投資銀行事業における投融資資金を確保するため、エクイティファイナンスによる調達も行っております。2018年12月4日に第19回新株予約権を発行し、その後の権利行使によって資金を調達(合計1,808百万円)しておりますが、その資金使途を「不動産小口化投資商品組成のための不動産(信託受益権を含む。)取得」などに充てておりますが、原則として、投資銀行事業の投融資に関しては、既存の投融資案件からの回収資金を新規投融資に充てていく方針です。子会社に関しては、必要に応じて当社が子会社に対し運転資金や投融資のための資金の貸付を行っております。 中長期資金需要に対しては、主に金融機関借入、不動産証券化、エクイティファイナンス、ファイナンス・リース等で対応しております。メッツァ開業へ向けての資金需要に対しては、2017年7月にムーミンバレーパークの不動産証券化に係る各種契約を締結して、組成した特別目的会社である飯能地域資源利活用合同会社(当社子会社)が地元企業及び当社子会社の㈱ムーミン物語から匿名組合出資金7.5億円を受け入れ、2018年10月には地域金融機関から長期借入金56億円を調達し、調達期間を長期化しました。また、当社は2014年3月発行の第12回新株予約権、2015年4月発行の第14回新株予約権、2018年1月発行の第18回新株予約権で調達した資金のうち41億円をメッツァ建設資金等の開業準備に充当しました。子会社においては㈱ムーミン物語が第三者割当増資により2018年9月期に1,944百万円を、2019年9月期に898百万円(うち当社出資ファンドが634百万円引受)を調達しました。また2019年3月にセール・アンド・リースバックによりムーミンバレーパークの内外装工事代金として942百万円を調達しました。なお、当連結会計年度においては、当社子会社の㈱ムーミン物語は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響の長期化に備え、メッツァの運営資金を確保すべく、コスト削減策を策定し実行しておりますが、これと並行して、制度融資により資金調達しております。また同社は子会社の飯能地域資源利活用合同会社からムーミンバレーパークの不動産を賃貸しておりますが、この賃料支払いについて2021年4月分まで猶予し、飯能地域資源利活用合同会社の外部借入については㈱ムーミン物語のコスト削減策の遂行を前提に2021年3月返済分まで元本据置とすることで金融機関と合意しております。このような一連の施策により、安定的な財務運営を確保していく方針です。
② 資金需要
当社グループにおける資金需要の主なものは、投資銀行事業においては営業活動における不動産プロジェクトや企業への投融資、人件費等の販売費及び一般管理費の運転資金であります。公共コンサルティング事業における資金需要は、人件費や外注費等の運転資金です。エンタテインメント・サービス事業における資金需要は、ムーミンバレーパーク運営における商品・材料仕入れ、人件費及びその他の諸経費の運転資金であり、投資活動においては、施設・コンテンツへの投資が主な内容であります。 投資銀行事業における投融資は、不動産等へ投資するアセット投資と、潜在性・将来性豊かな上場/未上場企業・事業に対し投融資する企業投資の2つに分けられます。当社グループは、投資銀行事業においては投融資が収益拡大を促進していると考えており、今後も継続して拡大させていく予定であります。 エンタテインメント・サービス事業においては、メッツァにおいて新型コロナウイルス感染症拡大による売上減少に対応して、コスト削減により運転資金を減少させております。設備投資については、当面は施設維持・改善を中心とする方針です。
(7)
経営上の目標の達成状況について当社は、当連結会計年度の期初に2020年9月期を最終年度とする中期経営計画(2018年5月28日公表)について2020年3月に見直す予定としておりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を見極めるため、見直しを取り止めております。当初計画では、2020年9月期はムーミンバレーパークの運営が通年で業績に貢献し、投資銀行事業も投資回収により、業績が拡大する計画でありました。当初計画と実績との差異の要因は、以下の通りです。 なお、新型コロナウイルス感染症拡大により大幅な遅れが生じることとなりましたが、今後、コロナ禍収束とともに、売上高の回復は可能であると考えております。(単位:百万円)
当初計画(2018年5月28日公表)
2020年9月期実績
差異
差異の主な要因
連結売上高
13,200
6,841
△6,358
(コロナ禍の影響)投資回収の遅れ △10億円メッツァ・ライセンス △38億円(その他の要因)子会社売却による減収
△4億円
連結営業利益
2,700
△922
△3,622
連結経常利益
2,600
△1,135
△3,735
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