【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況① 経営成績の状況当第2四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年9月30日)におけるわが国経済は、世界的な金融引き締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっておりますが、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されております。家具・インテリア業界におきましては、業種・業態の垣根を越えた販売競争の激化や、人手不足による人件費の高騰や原材料価格の上昇等により、依然として厳しい経営環境が続いております。
当第2四半期連結累計期間における主な経営成績は次のとおりであります。なお、前連結会計年度に行った決算期変更に伴い、前第2四半期連結累計期間(2022年2月21日から2022年8月20日)と比較対象期間は異なりますが、増減額及び増減率を参考数値として記載しております。
前第2四半期連結累計期間(百万円)
当第2四半期連結累計期間(百万円)
増減額(百万円)
増減率(%)
売上高
423,072
416,814
△6,257
△1.5
営業利益
69,045
55,173
△13,872
△20.1
(利益率)
(16.3%)
(13.2%)
経常利益
70,430
56,921
△13,508
△19.2
親会社株主に帰属する四半期純利益
51,462
38,043
△13,419
△26.1
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
前第2四半期連結累計期間(百万円)
当第2四半期連結累計期間(百万円)
増減額(百万円)
増減率(%)
ニトリ事業
売上高
363,980
361,827
△2,152
△0.6
(外部顧客への売上高)
(360,562)
(357,564)
(△2,997)
(△0.8)
セグメント利益
66,214
53,141
△13,073
△19.7
島忠事業
売上高
62,621
59,407
△3,214
△5.1
(外部顧客への売上高)
(62,510)
(59,249)
(△3,260)
(△5.2)
セグメント利益
2,532
1,722
△810
△32.0
1) ニトリ事業国内の営業概況といたしましては、当第2四半期連結累計期間において、売上対策として既存店の改装を積極的に進めてまいりました。また、より多くのお客様にご満足いただくために、一部商品の期間限定価格でのご提供やお試し価格でのご提供など各種キャンペーン施策を実施してまいりました。売上原価につきましては、円安の進行に起因する輸入コストの上昇等により増加いたしました。販売費及び一般管理費につきましては、物流の内製化や拠点再配置による発送配達費の削減などを行い、経費の抑制に努めてまいりました。当第2四半期連結累計期間における販売実績といたしましては、汚れ・ひっかきに強い新素材生地「Nシールドファブリック」を使用したロータイプのリビングダイニングテーブルセット「リラックス」や、オーガニックコットンを混合したやさしい肌ざわりが特徴の天然素材寝具などの売上が好調に推移いたしました。新しい買い方のご提案に関する取り組みといたしましては、ニトリネットにて配信を行っている「ニトリLIVE」において、キャンプフェス「GO OUT JAMBOREE 2023」に初出展し、今季のアウトドア用品について、初めて屋外イベント会場から生配信いたしました。また配信内で収納やコーディネートを学べる講座として「みんなで学ぼう!#ニトコーデ」を定期開催し、ご好評をいただいております。「ニトリLIVE」の視聴者数は当第2四半期連結累計期間において200万人を超え、多くのお客様にご視聴をいただいております。引き続き、オンラインとオフラインの融合施策を推進し、お客様との継続的な関係性の構築と、買い物利便性の向上に努めてまいります。物流施策といたしましては、川上から川下までの物流機能の全体最適の実現を目的とした物流戦略プロジェクトを推進し、DC拠点の最適配置と機能集約を進めております。当第2四半期連結累計期間においては2023年9月に福岡DCを着工いたしました。海外の営業概況といたしましては、当第2四半期連結累計期間においてタイおよび香港に初出店いたしました。また、台湾で5店舗、中国大陸で13店舗、マレーシアで1店舗を出店し、アジア地域への出店を加速しております。「住まいの豊かさを世界の人々に提供する。」という企業理念のもと、今後も未出店の国・地域も含め店舗網の積極的な拡大を進めてまいります。
2) 島忠事業島忠事業につきましては、商品の品揃えについて見直しを進めております。プライベートブランド商品として、新規に投入したミニベロ自転車など様々な商品がご好評をいただいております。また、プライベートブランド商品の展開加速を見据えて、物流拠点の再構築を進めております。さらに、従業員が実際に商品を使用することで、顧客視点の意見をより良い商品の開発に反映させる取り組みも開始いたしました。当社グループにおける重点施策として、今後もお客様の暮らしに密着した「お、ねだん以上。」のプライベートブランド商品開発の拡大と、商品力の強化を図り、地域のお客様の快適な暮らしに貢献してまいります。
3) グループ全体店舗の出退店の状況は次のとおりであります。
2023年3月31日店舗数
出店
退店
2023年9月30日店舗数
ニトリ(EXPRESS含む)
523
20
4
539
デコホーム
167
4
4
167
台湾
53
5
-
58
中国大陸
67
13
1
79
米国
1
-
1
-
マレーシア
7
1
-
8
シンガポール
1
-
-
1
タイ
-
1
-
1
香港
-
1
-
1
Nプラス
30
7
-
37
ニトリ事業
849
52
10
891
島忠事業
53
-
-
53
合計
902
52
10
944
当社では、お買い上げいただけるお客様の数が増え続けることが社会貢献のバロメーターになると考え、より多くのお客様に豊かな暮らしを提供すべく、日本そして世界へと店舗展開を拡大し、グローバルチェーンの整備を進めております。今後も引き続き、お客様数の増加と買い物利便性の向上のため、事業領域と店舗網の拡大を進めてまいります。
当第2四半期連結累計期間におけるサステナビリティに関する取り組みといたしましては、気候変動への対応として、2015年より運用している店舗の電気自動車用充電器について、当社グループのニトリ及び島忠の約300店舗への拡大及び設備の更新を決定いたしました。新たに100%再生可能エネルギー由来の充電サービスを導入することで、お客様の利便性向上に加え、温室効果ガスの削減にも貢献してまいります。資源循環の取り組みとして、前連結会計年度までにリサイクルの仕組みを構築した取り組みのうち、カーペット・敷ふとんのリサイクル回収については対象店舗を拡大し実施いたしました。また、販売元や状態に関わらずお持ち込みいただけるカーテン回収においては、2023年6月より、ニトリ及び島忠の全店舗において、カーテンのお持ち込みの常時受付を開始いたしました。また、当社グループがサステナビリティの重要課題のひとつとして取り組んでいる「地域社会への貢献」の一環として、戦禍によって日本へ避難されているウクライナ避難民の方々が自立した生活を送れるよう、生活支援および就労支援を開始いたしました。生活支援では、株式会社ニトリと当社代表取締役会長似鳥昭雄個人の寄付を原資として、ウクライナ避難民の方々を対象に1人あたり月額8万円(20歳未満の方は月額4万円)の生活支援金を毎月支給いたします。就労支援では、全国の当社グループの店舗や物流拠点への就労機会の提供を予定しております。当社グループは今後も、企業として持続的に発展するとともに、一気通貫のビジネスモデルを通じて環境・社会課題を解決し、より良い未来に貢献することを目指してまいります。
② 財政状態の状況当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ217億51百万円増加し、1兆1,555億23百万円となりました。これは主として、有形固定資産のその他(純額)が245億69百万円、土地が201億19百万円それぞれ増加した一方で、受取手形及び売掛金が150億88百万円、商品及び製品が67億47百万円それぞれ減少したことによるものであります。負債は、前連結会計年度末に比べ180億92百万円減少し、2,975億82百万円となりました。これは主として、長期借入金が223億30百万円、未払法人税等が81億16百万円それぞれ減少した一方で、未払金が139億17百万円増加したことによるものであります。純資産は、前連結会計年度末に比べ398億44百万円増加し、8,579億41百万円となりました。これは主として、利益剰余金が297億93百万円、為替換算調整勘定が65億83百万円それぞれ増加したことによるものであります。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローにより867億29百万円増加し、投資活動によるキャッシュ・フローにより648億61百万円減少し、財務活動によるキャッシュ・フローにより309億円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ72億77百万円減少し、1,178億38百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における営業活動の結果獲得した資金は、867億29百万円(前年同期は524億56百万円の獲得)となりました。これは主として、税金等調整前四半期純利益565億94百万円によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における投資活動の結果支出した資金は、648億61百万円(前年同期は671億94百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出551億98百万円によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における財務活動の結果支出した資金は、309億円(前年同期は264億53百万円の支出)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出215億34百万円、配当金の支払額82億51百万円によるものであります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動該当事項はありません。