【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況① 経営成績の状況当第3四半期連結累計期間(2022年2月21日から2022年11月20日)におけるわが国経済は、世界的な金融引き締め等を背景とした海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっておりますが、ウィズコロナの新たな段階への移行が進められる中、景気が持ち直していくことが期待されております。家具・インテリア業界におきましては、業種・業態の垣根を越えた販売競争の激化や、人手不足による人件費の高騰及び供給面での制約や原材料価格の上昇等により、依然として厳しい経営環境が続いております。
当第3四半期連結累計期間における主な経営成績は次のとおりであります。なお、第1四半期連結会計期間の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
前第3四半期連結累計期間(百万円)
当第3四半期連結累計期間(百万円)
増減額(百万円)
増減率(%)
売上高
606,159
631,769
25,609
4.2
営業利益
107,968
95,047
△12,920
△12.0
(利益率)
(17.8%)
(15.0%)
経常利益
110,480
97,564
△12,916
△11.7
親会社株主に帰属する四半期純利益
75,740
66,535
△9,205
△12.2
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
前第3四半期連結累計期間(百万円)
当第3四半期連結累計期間(百万円)
増減額(百万円)
増減率(%)
ニトリ事業
売上高
504,626
544,712
40,085
7.9
営業利益
105,306
91,112
△14,193
△13.5
島忠事業
売上高
104,571
92,461
△12,109
△11.6
営業利益
2,697
3,494
797
29.5
1) ニトリ事業 国内の営業概況といたしましては、当第3四半期連結累計期間において、ニトリ27店舗、デコホーム24店舗と積極的な出店を進めてまいりました。なかでも、ニトリ目黒通り店及びニトリ池袋サンシャイン60通り店は、実際の部屋をイメージした部屋型プレゼンテーションを多数展開した都内の旗艦店としてオープンいたしました。7月には、早い時間帯にお買い物をしたいというお客様の声にお応えし、353店舗において開店時間を午前11時から午前10時に繰り上げいたしました。また、生活応援キャンペーンとして、家具の無料配送や一部商品のお試し価格でのご提供を行い、ご好評をいただきました。販売費及び一般管理費につきましては、物流の効率化による発送配達費の削減などを行い、経費の抑制に努めてまいりました。しかしながら、急激な円安の進行や原油高に起因する輸入コストの上昇等により売上原価が増加した結果、営業利益は前年に対し下回る結果となりました。当第3四半期連結累計期間における販売実績といたしましては、横向き寝がラクなまくら「ナチュラルフィット」、背もたれとフットレストをそれぞれお好みの角度に調整できる電動本革リクライニングパーソナルチェア「2モーターLE01」などの売上が好調に推移いたしました。また、昨年よりご好評をいただいているニトリオリジナルのエアコン等の家電商品においては、無料配送キャンペーンを実施するなど、より多くのお客様にご購入いただけるよう努めてまいりました。2022年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)におきましては、「手にフィットして握りやすいオールステンレス包丁」「UVカット率99%でも明るいレースカーテン」「5層構造ボリューム敷布団 スリープメンテ」の3項目において受賞いたしました。当社グループの企画・開発・実現への取り組みが評価され、2013年度より10年連続でのグッドデザイン賞受賞となっております。新しい買い方のご提案に関する取り組みといたしましては、前連結会計年度に開始した「インスタライブ」に加え、お客様とのコミュニケーションをより密に取れる「ニトリライブ」を当社グループのECサイト内に公開し、週2回配信を行っております。また、ご自宅にいながら無料で窓まわりの商品購入に関する相談ができる「カーテンオンライン相談サービス」を開始いたしました。このサービスでは、カーテン、ロールスクリーン、ブラインド等の商品のご提案だけでなく、採寸に関するご案内も行っております。11月からはニトリネット内に、気になるインテリアがご自宅のお部屋に合うか、色や柄の組み合わせを確かめた上でお買い物ができる「お部屋deコーディネート」を導入いたしました。引き続き、オンラインとオフラインの融合施策を推進し、お客様との継続的な関係性の構築と、買い物利便性の向上に努めてまいります。物流施策といたしましては、物流機能の全体最適の実現を目的とした物流戦略プロジェクトの第一弾となる石狩DC(物流センター)を2022年5月に竣工し、9月より北海道内への商品供給を開始いたしました。11月に竣工した神戸DCは、2023年3月より稼働を開始する予定です。また、次年度以降の稼働を計画している名古屋DCを7月に、幸手DCを8月にそれぞれ着工しております。海外の営業概況といたしましては、中国大陸におきまして、感染症再拡大によるロックダウン等の影響により最大32店舗が営業停止になるなど厳しい状況が続いておりますが、6月より全店で営業を再開するとともに、北京市への初出店を果たすなど出店を加速しております。東南アジア地域におきましては、1月のマレーシアへの初出店、3月のシンガポールへの初出店に続き、マレーシアへ2号店及び3号店を出店し、順調に店舗展開を進めております。「住まいの豊かさを世界の人々に提供する。」という企業理念の実現に向けて、今後も積極的な事業拡大を進めてまいります。
2) 島忠事業島忠事業につきましては、前連結会計年度より、地域のお客様にご支持いただける商品や売場を実現すべく様々な実験を繰り返してまいりました。4月より、島忠の全店舗及びECサイト「シマホネット」においてニトリポイントの付与・利用が可能となっただけでなく、当社グループの配送網を活用した全国一律料金での配送が可能となり、お買い物をより一層お楽しみいただけるようになりました。また、既存の店舗において、お客様の買い物利便性向上を目的とした売場及び設備の改装を進めております。商品の品揃えについても見直しを継続しており、当社グループにおける重点施策として、今後もお客様の暮らしに密着した「お、ねだん以上。」のプライベートブランド商品開発の拡大と、商品力の強化を図り、地域のお客様の快適な暮らしに貢献してまいります。
店舗の出退店の状況は次のとおりであります。
2022年2月20日店舗数
出店
退店
2022年11月20日店舗数
ニトリ(EXPRESS含む)
494
27
10
511
デコホーム
140
24
4
160
台湾
44
8
1
51
中国大陸
46
13
-
59
米国
2
-
-
2
マレーシア
1
2
-
3
シンガポール
-
1
-
1
Nプラス
18
5
1
22
ニトリ事業
745
80
16
809
島忠事業
56
-
2
54
合計
801
80
18
863
当社では、お買い上げいただけるお客様の数が増え続けることが社会貢献のバロメーターになると考え、より多くのお客様に豊かな暮らしを提供すべく、日本そして世界へと店舗展開を拡大し、グローバルチェーンの整備を進めております。今後も引き続き、お客様数の増加と買い物利便性向上のため、事業領域と店舗網の拡大を進めてまいります。
当社は、4月に株式会社エディオンと、両グループの事業拡大及び企業価値向上を目的とし、資本業務提携契約を締結いたしました。経営資源やノウハウを相互に活用することで、お客様のより豊かな生活に貢献するとともに、あらゆるステークホルダーの皆様の期待に応えることを目指してまいります。当社は、5月に同社株式8,961,000株(2021年9月30日時点の発行済株式総数(自己株式を除く)に対する所有割合8.60%)を取得したのち、当第3四半期連結会計期間には所有割合が10.00%となるまで同社株式を追加取得し、同社の主要株主となりました。
当第3四半期連結累計期間におけるサステナビリティに関する取り組みといたしましては、当社グループの店舗及び物流倉庫の屋根を活用した太陽光発電のプロジェクトを開始いたしました。同プロジェクトは、株式会社Sustechが新たに開発・所有する太陽光発電設備から、当社グループが電力を長期買取し、余剰電力については当社グループの他の拠点や外部に売電するしくみを予定しております。また、ご家庭で不要になったカーテンや羽毛ふとんを店頭で回収し、リユース・リサイクルにつなげる取り組みとして、「ニトリ」「ニトリEXPRESS」「島忠」「島忠ホームズ」「ニトリホームズ」の全国の店舗において「カーテン回収キャンペーン」「羽毛ふとんリサイクルキャンペーン」を実施いたしました。「カーテン回収キャンペーン」は5月の第一弾、8月の第二弾ともご好評をいただきました。「羽毛ふとんリサイクルキャンペーン」については、2021年にお客様より回収した羽毛ふとんから、回収・再製品化・販売の循環の仕組みを当社グループとして初めて構築することに成功し、リサイクル羽毛を約30%使用した「リサイクル羽毛ふとん」を一部店舗及びニトリネットにおいて販売開始いたしました。当期の「羽毛ふとんリサイクルキャンペーン」は全国の店舗に規模を拡大し開催しております。「Nプラス」においては、植物由来の再生繊維及びリサイクルポリエステル「RENU(R)」を使用した「かろやかシアーチュニック」を開発・発売いたしました。当社グループのサステナビリティへの取り組みはこれまでに一定の評価を得ており、2022年3月には、ESG投資の代表的指標である「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」の構成銘柄に選定されました。当社グループは今後も、企業として持続的に発展するとともに、一気通貫のビジネスモデルを通じて環境・社会課題を解決し、より良い未来に貢献することを目指してまいります。
② 財政状態の状況当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,090億1百万円増加し、1兆928億41百万円となりました。これは主として、土地が309億74百万円、商品及び製品が277億70百万円、建物及び構築物(純額)が185億33百万円、投資有価証券が127億73百万円増加したことによるものであります。負債は、前連結会計年度末に比べ495億84百万円増加し、3,006億11百万円となりました。これは主として、短期借入金が690億円増加した一方で、長期借入金が175億34百万円減少したことによるものであります。純資産は、前連結会計年度末に比べ594億17百万円増加し、7,922億30百万円となりました。これは主として、利益剰余金が503億81百万円、為替換算調整勘定が116億7百万円増加したことによるものであります。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動該当事項はありません。