【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類感染症に移行したことに伴い行動制限が緩和され、社会経済活動が正常化に向かい、景気は持ち直しの動きが見られました。一方で、ウクライナ情勢の長期化、原材料価格や資源価格の高騰、物価の上昇等が国内外の経済活動に依然として影響を与えており、先行きは不透明な状況で推移いたしました。
香料業界は、国内市場の成熟化、同業者間での競争激化、品質保証に関する要求増加など、依然として厳しい状況にありました。
このような環境の中で、当社グループは製品の品質管理と安全性の確保を第一に、研究・技術開発力の一層の向上に努め、当社独自の高品質・高付加価値製品の開発に注力してまいりました。
当第3四半期連結累計期間におきましては、売上高は前年同期に比べ2,375百万円(5.2%)増加し、48,165百万円となりました。なお、当社単体の売上高は前年同期比3.4%の増収、主要な海外連結子会社の売上高は、米国子会社が円安の影響により前年同期比4.9%の増収(現地通貨ベースでは同8.3%の減収)、中国子会社が前年同期比10.4%の増収(現地通貨ベースでは同4.6%の増収)、マレーシア子会社が前年同期比22.0%の増収(現地通貨ベースでは同12.9%の増収)となりました。
部門別に見ますと、食品部門は、当社単体、中国子会社、及び円安の影響による米国子会社の売上増加を主因に前年同期比5.6%増加し、42,117百万円となりました。
フレグランス部門は、当社単体の売上が増加したことを主因に前年同期比2.7%増加し、6,047百万円となりました。
利益につきましては、営業利益は、原料費の増加等に伴う売上原価率の悪化、並びに販売費及び一般管理費の増加を主因に前年同期に比べ287百万円(4.6%)減少し、5,945百万円となりました。経常利益は営業利益の減少並びに為替差益の減少を主因に、前年同期に比べ601百万円(8.6%)減少し、6,397百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、経常利益の減少並びに投資有価証券売却益の減少を主因に、前年同期に比べ1,182百万円(18.1%)減少し、5,355百万円となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間における損益計算書の換算に適用する主要通貨の日本円への換算レート(期中平均レート)は、下記のとおりです。
1米ドル=137.10円(前年同期119.83円、前年同期比14.4%円安)
1人民元=19.59円(前年同期18.55円、前年同期比5.6%円安)
1マレーシアリンギット=30.52円(前年同期28.24円、前年同期比8.1%円安)
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。なお、セグメントごとの経営成績については、セグメント間の内部売上高等を含めて記載しております。
(日本)
売上高は29,806百万円(前年同期比3.4%増)、セグメント利益は3,910百万円(前年同期比2.2%減)となりました。
(アジア)
売上高は10,958百万円(前年同期比11.0%増)、セグメント利益は2,198百万円(前年同期比23.7%増)となりました。
(米国)
売上高は9,456百万円(前年同期比5.3%増)、セグメント損失は202百万円(前年同期は488百万円のセグメント利益)となりました。
②財政状態の状況
(流動資産)
前連結会計年度末に比べ、受取手形及び売掛金が354百万円、有価証券が999百万円、商品及び製品が749百万円、それぞれ増加したことを主因として、流動資産は前連結会計年度末に比べ2,386百万円増加し、68,376百万円となりました。
(固定資産)
前連結会計年度末に比べ、償却が進んだことにより、建物及び構築物が876百万円、のれんが704百万円、それぞれ減少したことを主因として、固定資産は前連結会計年度末に比べ1,672百万円減少し、65,890百万円となりました。
(流動負債)
前連結会計年度末に比べ、未払法人税等が1,036百万円、賞与引当金が978百万円、それぞれ減少したことを主因として、流動負債は前連結会計年度末に比べ1,934百万円減少し、11,396百万円となりました。
(固定負債)
前連結会計年度末に比べ、繰延税金負債が143百万円増加したことを主因に、固定負債は前連結会計年度末に比べ206百万円増加し、9,411百万円となりました。
(純資産の部)
前連結会計年度末に比べ、利益剰余金が2,804百万円増加した一方で、為替換算調整勘定が317百万円減少したことを主因に、純資産合計は前連結会計年度末に比べ2,442百万円増加し、113,459百万円となりました。
なお、当第3四半期連結会計期間末における貸借対照表の換算に適用する主要通貨の日本円への換算レート(期末日レート)は、下記のとおりです。
1米ドル=144.99円(前連結会計年度末144.81円、前連結会計年度末比0.1%円安)
1人民元=19.94円(前連結会計年度末20.37円、前連結会計年度末比2.1%円高)
1マレーシアリンギット=30.96円(前連結会計年度末31.24円、前連結会計年度末比0.9%円高)
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、3,828百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。