【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当社グループは、収益と社会性の両立を目指し「ビジネスを通じて『偉大な作品』を創る」を経営理念に掲げ、国内では「国内Re事業」として、実店舗を有しないインターネット特化型の「リユース事業」、インターネットと宅配便を活用した都市鉱山リサイクル(小型家電リサイクル)の「小型家電リサイクル事業」、及び知的・精神障がいのある方を対象としたグループホームと就労継続支援B型事業所を運営する「ソーシャルケア事業」を展開し、また、海外では、カンボジアの社会問題を解決しながらカンボジア経済の発展に資する「海外金融・HR事業」を展開しております。
当第3四半期連結累計期間の経営成績につきましては、営業収益7,779,229千円(前年同四半期比22.2%増)、営業利益9,869千円(前年同四半期比97.3%減)、経常利益11,492千円(前年同四半期比98.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失185,261千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益428,031千円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a.国内Re事業
当事業は、循環型社会の形成に向けた事業展開を行うため、リユース事業及び小型家電リサイクル事業に取り組んでおります。リユース事業では、NETOFFブランドで自社サイトを開設し、インターネットを通じてユーザーから中古本・CD・DVD・ゲームソフト・ブランド品・貴金属・フィギュアなど多様な商品の買取申込を受け付け、対象商品を宅配便で集荷後、査定額を指定口座に支払う宅配買取と、自社で運営するインターネット中古書店等を通じてインターネット販売を行う、宅配便を活用した利便性の高い、かつ、インターネットに特化した非対面・非リアルの宅配買取・販売サービスを顧客に提供するものであります。リユース業界においては、当社が取り扱うメディア・ホビー商材のカテゴリーは実店舗を通じた買取・購入形態からインターネットによる買取・購入形態への移行が加速しており、同カテゴリーにおけるネット市場は今後も成長が続いていく見通しにあります。
また、小型家電リサイクル事業では、使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律の認定事業者免許をインターネットと宅配便を活用した回収スキームにて取得しており、全国641の自治体(2023年8月4日現在)との広範な連携を軸に行政サービスの一環としてサービスを提供する独自の事業モデルを構築しております。同事業は、ユーザーからのインターネット申込により、不用となった使用済小型電子機器等を宅配便で直接回収するとともに、パソコンや携帯電話を廃棄する際の情報漏えいを懸念するユーザー向けのデータ消去サービス等オプションサービスを有償で提供、また回収した使用済小型電子機器等からの再生可能資源を再資源化事業者へ売却又は再利用可能品としてリユース販売するインターネットプラットフォーム型のサービスを提供しております。同事業においては更に回収量を拡大させるべく、自治体との連携とメディアを通じたマーケティング戦略の強化によるサービス認知度や利用率の向上を強化するとともに、大手メーカー・小売業者との提携による回収ネットワークの仕組み化を拡大してきました。また、東京都と連携して取り組んだ「レアメタル緊急回収プロジェクト促進事業」を契機として、今後、主に中小企業をターゲットとした法人向けパソコン回収事業にも本格的に参入して参ります。
当社は、2020年から知的障がいのある方の社会的自立の支援として、生活基盤の構築と就労機会の拡大を目指しソーシャルケア事業(障がい福祉事業)の強化にも取り組んで来ました。障がい福祉事業では、知的・精神障がいのある方の生活基盤の構築としてグループホームの運営を展開して参りましたが、全国ネットワークと運営ノウハウを獲得する観点で、2023年4月3日に株式会社アニスピホールディングス(以下、アニスピ社)の100%株式を取得し、当第3四半期連結会計期間より連結の対象としております。今後はアニスピ社の業界No.1規模のグループホーム事業と障がい福祉の関連領域を中心に拡大させていく方針であります。更にリユース・リサイクル事業において、集中力が高いという知的障がいのある方の強み・特性を活かして多くの方が活躍出来る就労機会の構築を目指し障がい福祉事業との連携により、一般就労雇用推進から就労継続B型へと雇用促進を図って参ります。小型家電リサイクル事業(環境)とソーシャルケア事業(障がい福祉)を中心に、「Environment(環境)とSociety(社会)」=「ESモデル」(環福連携モデル)として、各々の事業が高い収益性を実現しながら、各事業間のシナジーで更に成長を加速する当社の中心戦略として取り組んで参ります。
以上の結果、当セグメントの営業収益は6,658,077千円(前年同四半期比21.6%増)、セグメント利益は740,497千円(前年同四半期比20.9%減)となりました。
b.海外金融・HR事業
当事業は、カンボジアにおける社会問題解決を目指し、人材送り出し事業、マイクロファイナンス・マイクロ保険事業、リース事業の3つの事業を展開しております。
人材送り出し事業は、新型コロナの影響により一時的に入国制限の影響を受け、入国の停止の状況が続いておりましたが、2022年3月より順次、技能実習生の入国も再開され、日本国内での旺盛な求人需要も背景として2022年4月から事業の再開と拡大施策に取り組んできており、当期累計では125名の技能実習生を送り出しました。海外人材の送り出し事業は、日本の就業人口の減少に伴う求人需要と、日本での高度な技能習得や就労によるキャリアアップ機会により帰国後の母国の経済発展に資する人材育成を図る事業であり、国際的・社会的意義の高さとともに、中長期的にも大幅に市場が拡大していくものと予想しております。当社は当該事業を今後の海外事業における成長の基軸と位置づけ、体制強化や取り組み市場拡大を含め積極的な事業展開に取り組んで参ります。
その他の金融事業は、カンボジアにおける「貧困層・弱者向け」の「生活基盤となる事業性」資金を供給しソーシャルインクルージョン(社会的包摂)として社会貢献する基本方針に沿いマイクロファイナンス事業を中心に事業を展開して参りましたが、新型コロナウイルス感染症拡大以降のカンボジア経済状況等に鑑み、また当社の戦略的な事業ポートフォリオ見直しの観点から、既に海外金融事業からのエグジット方針を策定し、当該方針に沿い事業の再構築を図って参りました。
当該方針に沿い、2023年6月29日開催の取締役会において、当社の連結子会社でありカンボジア王国にてマイクロファイナンス事業を行うCHAMROEUN MICROFINANCE PLC.(以下、「チャムロン」)の発行済全株式を、五常・アンド・カンパニー株式会社(以下、「五常」)等に対して譲渡することを決議し、同日付にて五常との間で株式譲渡契約書を締結致しました。本譲渡契約に伴う譲渡完了については、カンボジア国立銀行、カンボジア商務省等、関係当局の認可・承認の取得が前提となりますので取引の完了には数カ月程度を要する見込みであります。本取引完了時には当社連結バランスシートの60%以上が圧縮される予定であり、その改善余力を活かして今後の成長戦略である「ESモデル」の拡大推進戦略に向けた積極的な投資を検討して参ります。
その他カンボジア車両割賦販売事業、マイクロ保険事業、車両リース事業等につきましても、各々清算もしくは第三者への譲渡を前提として現在対応中であります。
以上の結果、当セグメントの営業収益は1,121,152千円(前年同四半期比26.1%増)、セグメント損失は208,788千円(前年同四半期はセグメント損失66,844千円)となりました。
②財政状態の分析
(資産の部)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は10,369,069千円となり、前連結会計年度末に比べ2,202,344千円増加いたしました。これは営業貸付金が815,514千円増加、現金及び預金が691,950千円増加、その他流動資産が367,145千円増加、リース投資資産が344,903千円増加したことなどが主な要因であります。固定資産は4,020,763千円となり、前連結会計年度末に比べ2,571,513千円増加いたしました。これは有形固定資産が1,199,201千円増加、無形固定資産が661,130千円増加、投資その他の資産が711,181千円増加したことなどが主な要因であります。
(負債の部)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は6,086,576千円となり、前連結会計年度末に比べ2,027,583千円増加いたしました。これは短期借入金が1,792,278千円増加、未払金が222,054千円増加したことなどが主な要因であります。固定負債は6,131,293千円となり、前連結会計年度末に比べ2,782,814千円増加いたしました。これは長期借入金が1,201,064千円増加、リース債務が1,439,186千円増加したことなどが主な要因であります。
(純資産の部)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は2,179,560千円と前連結会計年度末に比べ37,460千円減少いたしました。これは為替換算調整勘定が29,622千円減少したことなどが主な要因であります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
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