【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の概況当第2四半期連結累計期間における我が国の経済は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進み、緩やかな持ち直しが続いています。一方、エネルギー・原材料価格などの高騰に起因する物価の上昇や、欧米各国の金融引き締め等による景気後退懸念など、依然として景気の先行きが見通しにくい状況が続いております。当社グループが属する人材サービス業界におきましては、2023年3月の有効求人倍率(季節調整値)は1.32倍と前期末より0.02倍低下、完全失業率(季節調整値)は2.8%と前期末より0.2ポイント悪化したものの、コロナ禍と比較すると人材需要は回復傾向にあります。このような市場環境のもと、当社グループにおきましては、「人のチカラとIT」の融合を事業方針として掲げ、主力の人材派遣紹介事業における継続的な労働力の提供に加え、業務効率化の支援を行うことを目的に、人材派遣紹介事業にて培ったナレッジを活かした採用支援・BPOなどの各種代行事業や、AI・RPA(注1)・OCR(注2)などを活用したITソリューション事業を行っており、人手不足という大きな課題を解決するためのトータルサポートを提供してまいりました。また、近年、これまで以上に期待されているシニア、女性、グローバル人材の活用や、障がいをお持ちの方の雇用機会の創出や処遇の確保・改善にも注力してまいりました。今後は、引き続き蓄積したノウハウを活用したアウトソーシング化を促進し、クライアント企業のDX・業務効率化の支援に尽力するとともに、M&A・出資や業務提携等によるHR関連事業の拡大を図ってまいります。当第2四半期連結累計期間におきましては、主力の人材派遣紹介事業において、物流・イベント関連のスポット案件を順調に獲得しました。また、完全子会社である株式会社オシエテにおいては、上場企業が対応を求められているIR情報の英文開示の支援を行うことを目的に、IR分野に特化した通訳者・翻訳者のみが対応する「OCiETe IR」のサービス提供を開始いたしました。一方で、コールセンター派遣を中心に新型コロナウィルス感染症関連案件などの特需の一服や、今後の業容拡大を見据えた増員等の先行投資を行ったため、販売費及び一般管理費が大幅に増加しました。以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は11,170百万円(前年同期比3.4%増)、営業利益は167百万円(前年同期比48.8%減)、経常利益は170百万円(前年同期比45.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は106百万円(前年同期比49.4%減)となりました。なお、当社グループは、人材派遣紹介関連事業を主な事業としており、他のセグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載を省略しております。
(注) 1.Robotic Process Automationの略。主にパソコンで作業している定型化された業務を、ロボットにより自動化する取り組みのこと。2.Optical Character Recognition/Readerの略。手書きや印刷された文字を、イメージスキャナやデジタルカメラによって読みとり、コンピュータが利用できるデジタルの文字コードに変換する技術のこと。
(2) 資産、負債及び純資産の状況(資産)当第2四半期連結会計期間末における総資産は6,844百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,032百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が186百万円、受取手形及び売掛金が176百万円、のれんが554百万円、投資有価証券が75百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)当第2四半期連結会計期間末における負債は3,666百万円となり、前連結会計年度末に比べ925百万円増加いたしました。これは主に、流動負債その他が175百万円減少したものの、短期借入金が950百万円、未払費用が97百万円、長期借入金が44百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)当第2四半期連結会計期間末における純資産は3,177百万円となり、前連結会計年度末に比べ106百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が106百万円増加したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は2,201百万円となり、前連結会計年度末に比べ186百万円増加いたしました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、使用した資金は67百万円となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益が170百万円あったものの、売上債権の増加が135百万円、未払消費税等の減少が113百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、使用した資金は683百万円となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が584百万円、投資有価証券の取得による支出が79百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、獲得した資金は937百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が7百万円あったものの、短期借入れによる収入が950百万円あったこと等によるものであります。
(4) 経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6) 研究開発活動該当事項はありません。
(7) 経営成績に重要な影響を与える要因経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2.事業の状況 1 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(8) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの資金需要としては、主に運転資金と設備資金があります。運転資金は稼動キャストの労務費と販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。設備資金は当社基幹システム等の構築費用や新規出店及び拠点の移転に伴う改装費用です。この資本の財源は内部資金、当座貸越契約及び貸出コミットメント契約等の銀行借入によります。
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