【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況① 経営成績の分析 当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、3月に発表された日銀短観における大企業の業況判断DI(最近)は、製造業では5四半期連続で悪化した一方、非製造業では4四半期連続の改善となっており、コロナ禍前の2019年12月調査と同じ水準まで回復しております。しかしながら、先行きに関しましては物価上昇を受けたコストの増加や需要の減少、人手不足による人件費増加や供給制約等が懸念され、非製造業全体としては慎重な見方となり、国内景気の先行きは引き続き不透明感が強まっております。 このように依然として厳しい状況下のもと、当社グループにおきましては業績回復に向けて、各セグメントそれぞれの営業スタイル特性に合わせた施策を積極的に推進しており、2023年1月13日に「株式会社iiyの株式取得及び簡易株式交換による完全子会社化に関するお知らせ」にて公表いたしましたとおり、独自の市場リサーチ手法を活かした自社オリジナル商品の開発・販売を行っております株式会社iiyが当社グループの傘下となり、同日をもって当社グループの連結会計に組み込まれることとなりました。 しかしながら、卸売事業はインバウンド需要の回復等により計画以上の結果は出してはいるものの、新規顧客獲得のためのプロモーションを控えたことによる社内コールセンター売上高の低迷、客数の回復が予測以上に時間を費やしているリテール事業、M&Aのアドバイザリー費用や臨時株主総会開催のための費用計上等の影響もあり、当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高1,028,702千円(前年同四半期比16.6%減)となり、営業損失104,579千円(前年同四半期は営業損失90,649千円)、経常損失104,209千円(前年同四半期は経常損失88,148千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失103,338千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失78,596千円)となりました。 なお、セグメントにつきましては、2022年11月11日に「事業セグメント変更に関するお知らせ」にて公表させていただいたとおり、前年度までのブランド毎のセグメントから販売スタイル別のセグメントとして「通販事業」「卸売事業」「リテール事業」「衛生コンサルティング事業」へ変更し、上場維持費を含むどのセグメントにも配賦不可能な管理コストにつきましては調整欄にて反映いたします。したがって、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当第2四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。 各セグメントに共通する商品開発部門を含めた管理部門としましては、コンセプトにマッチした商品開発のスピード化や原価の低いOEM商品の開発、当グループの文化となっているコスト削減プロジェクトを推進しております。 参考までに、当第2四半期連結会計期間におけるブランド別の商品開発実績は下記のとおりです。特に原価率を改善するためにAromaBloomブランドのOEM商品の開発に注力しており、開発された商品は「通販事業」「卸売事業」「リテール事業」それぞれのセグメントにおいて展開されております。 ■ファインビジュアル ・薬用の目元・口元用エイジングケアクリーム「ホワイトリンクルクリーム」 ■Cure ・気になる毛穴悩みを解決「アミノネ クリアウォッシュ」 ■AromaBloom ・動物性原料を含まない「ビーガン処方」の入浴剤2種
また、この度2023年1月1日付で株式会社フォーシーズHDは、株式会社Cureを吸収合併いたしました。今後は各ブランドのシナジー効果をさらに図り、新たな施策展開にも取組んでまいります。さらに、今後も当社グループの企業価値をさらに高めるため、既存事業の黒字化を実現するための施策の推進と同時に、新規事業に向けたM&Aを積極的に進めてまいります。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
(通販事業) 通販事業は社内コールセンターでの電話オペレーターによる販売とEC販売にて構成されております。通販事業におきましては、売上高388,433千円(前年同四半期比4.0%減)と前年同四半期を下回り、セグメント利益107,001千円(前年同四半期比17.4%増)となりました。 通販事業の今期の施策としては、電話オペレーター販売においては、定期顧客の解約阻止率の改善、休眠顧客の引き上げ率の向上、オペレータースキルを活かした架電代行業務の新規発足、EC販売においては、広告とインフルエンサーへのサンプリングによる新規獲得による収益拡大を目指しております。 電話オペレーター販売につきましては、Webプロモーションによる新規獲得はコスト効率の観点から投資を抑えたため、既存顧客の掘り起こしと定期顧客の解約の阻止を最優先にしており、さらに当社の電話オペレーターの強力な営業力を最大限に活用するために、2022年12月より架電代行業務をスタートいたしました。EC販売については、既存ブランドにおいて、まずはブランド認知向上とリテール事業との顧客リストの共有化や施策の連携を図っておりますが、新しい施策が売上に反映できるまでには当初計画よりも時間がかかっております。しかしながら、EC販売において実績のある株式会社iiyが当グループに加わったことにより、売上高においては前年同四半期よりも若干下回る結果となったものの、セグメント利益は前年同四半期よりも若干上回り黒字化を実現できております。 セグメント利益は実現できる体制になっておりますので、今後は電話オペレーターの強い営業力を最大限に活かすため、当社グループの経営理念である「はずむライフスタイルを提供し人々を幸せにする」にマッチした商品であれば化粧品にこだわらず、販売アイテムを増やすことにより売上高の向上を目指していくこと、また、株式会社iiyが加わったことにより、グループ全体のEC販売のレベルアップを図り、通期での黒字化を目指してまいります。
(卸売事業) 卸売事業は国内卸売事業と海外卸売事業にて構成されております。卸売事業におきましては、売上高215,596千円(前年同四半期比3.2%増)、セグメント利益70,145千円(前年同四半期比338.1%増)となりました。 卸売事業の今期の施策としては、既存商品の育成と新規商品の開発により取り扱いアイテムを拡大することと海外への販路拡大を目指しております。すでに実績のあるCureブランドについては、国内卸売事業では、引き続き人気ユーチューバーによるプロモーション活動及びインバウンド顧客の回復により、売上は大きく改善されております。また、主力商品であるピーリング商品だけでなく、スペシャルパウダーソープにおきましても一定の効果をあげることができました。海外卸売事業においては、2022年6月28日に公表させていただいた「子会社に対する仮処分命令申立てに関する和解成立のお知らせ」のとおり、主力商品である「ナチュラルアクアジェル」を中華人民共和国、中華人民共和国香港特別行政区及びアメリカ合衆国において2023年7月31日までの期間において、製造及び販売を行わないこととなりました。しかしながら、和解対象外の商品である医薬部外品の薬用ピーリングの「ホワイトクリアジェル」、酵素配合の「エクストラオイルクレンジング」「スペシャルパウダーソープ」の東南アジアを中心としたアジア市場への拡大は進んでおります。通販事業で実績のある「フェヴリナ」と「ファインビジュアル」ブランド、リテール事業で展開しております「AromaBloom」ブランドにつきましては、卸売事業に参入したばかりですので、現在は、国内卸売事業・海外卸売事業とも、認知拡大を目的としたプロモーション活動を継続しております。 国内卸売事業においては、ドラッグストアやバラエティストアへの店舗展開及び直接企業に向けた販売促進の強化をすると同時に、インバウンド顧客の回復が急速な勢いで回復してくると予測しております。また、海外卸売事業におきましては、引き続き東南アジアを中心とした海外販路の拡大を積極的に推進し、通期での黒字化を目指してまいります。
(リテール事業) リテール事業はAromaBloomの店舗運営事業にて構成されております。リテール事業におきましては、売上高391,572千円(前年同四半期比32.9%減)、セグメント損失42,353千円(前年同四半期はセグメント損失1,380千円)となりました。 今期の施策としては、店舗のスクラップ&ビルドによる運営の効率化と、新コンセプト店舗のテストマーケティングによる新たな顧客層の拡大を目指しております。現在は首都圏に23店舗(2023年3月31日時点)を運営しておりますが、「お悩み解決型アロマ専門店」という新しいコンセプトのもと、2022年3月には新百合ヶ丘、11月には海老名に2店舗出店いたしました。また、原価率を改善するためにOEM商品を開発し、OEM商品を中心とした販売強化を推進しております。さらに、お好みの精油でアロマ雑貨を手作りする「ワークショップ」の開催や、“春の睡眠の日”に合わせて「おやすみ~リセットから始まる『眠活』~」キャンペーンなど、店舗でのイベントも積極的に進めており、原価率の改善と客単価につきましては改善されております。しかしながら、コロナウイルス禍による消費者のライフスタイルの変更によりリテール店舗への消費者の戻りは未だ鈍く、売上高及びセグメント損失とも予想を大幅に下回っております。今後は、赤字体質の脱却を図るため、地域特性に合わせたMD(ブランド、店舗、顧客)コンセプトを見直しすることによる店舗スタイルの見直し、仕入れ価格の交渉及びOEM製品開発による原価率の改善により、既存店舗の活性化を推進することと、引き続き収益性の低い店舗のスクラップは進めてまいりますが、立地や出店条件等をトータルに判断し、収益の見込めるエリアへの出店を積極的に進めていくことにより、早期に業績の拡大と黒字化を目指してまいります。
(衛生コンサルティング事業) 衛生コンサルティング事業におきましては、売上高33,447千円(前年同四半期比0.4%減)、セグメント損失12,459千円(前年同四半期はセグメント損失21,082千円)となり、セグメント損失ではありますが、前年同四半期に対しては改善することができました。 今期の施策としては、あんしんHACCPアプリのPL保険の導入とその支援及び支援業者に対する微生物蛍光画像測定機「BACTESTER(バクテスター)」の販売、空間除菌デバイスDevirusACの専用水の収益最大化及び食の海外販路開拓支援「セカイタク~Japan Foodies Choice」参画によるコンサルティング事業の拡大を目指しております。このような取り組みの中で、食品工場の認証コンサルもスタート以降5件の受注で、順調に数を伸ばしております。 施策に対する取り組みとしては、2022年11月10日に公表しております「全国初!グルメサイトでの食品衛生の取組みを開始」のとおり、楽天グループのICT事業会社である楽天コミュニケーションズ株式会社と東大阪市CiPPo(シッポ)事務局との連携で、飲食店の衛生レベルを消費者へ見える化し、グルメサイトにおける飲食店を選ぶ基準に飲食店の衛生レベルを加えて、飲食における安心と安全をお届けする全国初の取組みを開始しております。また、2022年12月6日に公表しております「IT導入支援事業者に採択」のとおり、経済産業省が推進する「IT導入補助金2022」において、「IT導入支援事業者」として採択され、既にHACCP管理ソフト「HACCP DO」を顧客先に導入実績を積んでいるなど、社会貢献事業として認知が拡大されてきております。 しかしながら、飲食店を含めた食品関連企業における新型コロナウイルス禍によるダメージや物価上昇によるコストの増加による影響は想定以上に大きく、いまだ厳しい経済環境が続いておりますが、大手企業や外部の営業代行業者との協業によって営業活動の強化等を行うことにより業績の回復を実現してまいります。
② 財政状態の分析
(資産)当第2四半期連結会計期間末における資産の残高は1,824,041千円(前連結会計年度末1,454,083千円)、その内訳は流動資産1,384,172千円、固定資産439,868千円となり、前連結会計年度末に比べ369,957千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金の増加86,643千円、売掛金の減少10,068千円、商品及び製品の増加86,572千円、有形固定資産の取得による増加10,758千円、株式会社iiyを完全子会社とする株式取得及び株式交換に伴うのれんの増加182,780千円等によるものであります。
(負債)当第2四半期連結会計期間末における負債の残高は1,136,894千円(前連結会計年度末999,966千円)、その内訳は流動負債684,730千円、固定負債452,163千円となり、前連結会計年度末に比べ136,927千円増加いたしました。これは主に、買掛金の増加16,006千円、1年内返済予定を含む長期借入金の減少21,196千円、株主優待引当金の減少21,708千円、社債発行による増加200,000千円、繰延税金負債の減少10,352千円等によるものであります。
(純資産)当第2四半期連結会計期間末における純資産の残高は687,146千円(前連結会計年度末454,116千円)となり、233,030千円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純損失103,338千円の計上による利益剰余金の減少、新株予約権の行使により資本金、資本剰余金がそれぞれ130,375千円増加、株式会社iiyを完全子会社とする株式取得及び株式交換により資本剰余金の増加21,738千円及び自己株式の減少56,127千円等によるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況 当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、686,017千円となりました。 当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果使用された資金は、200,232千円(前年同四半期は59,010千円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純損失103,471千円、株主優待引当金の減少21,708千円、棚卸資産の増加50,720千円、未収又は未払消費税等の増減額34,877千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用された資金は、101,471千円(前年同四半期は5,800千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出8,114千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出97,947千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は、388,346千円(前年同四半期は74,271千円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出67,236千円、社債の発行による収入200,000千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入256,108千円等によるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。