【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年10月1日から2023年6月30日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行による行動制限解除に伴う社会活動の正常化が進む中、インバウンド需要の回復、設備投資の増加など改善の動きがみられ、今後も緩やかな回復が続くと期待されますが、ウクライナ情勢の長期化に起因する資源価格やエネルギー価格の高騰、物価の上昇など、依然として先行き不透明な状況が続いており、その影響につきましては引き続き注視する必要があります。
当社グループは、原子力・火力発電所用バルブの製造・メンテナンスを主としたバルブ事業を中核に鋳鋼製品の製造事業などを展開しており、前連結会計年度から、主に東日本の原子力発電所(以下、「原発」)で放射線管理業務等を行う太陽電業株式会社をグループに加え、事業領域の拡大を図っております。
現在、バルブ事業の主要顧客である原発向けビジネスは、東日本大震災の津波による東京電力福島第一原発事故以降、依然として厳しい状況にあり、また、もう一方の主要納入先である石炭火力発電所につきましても、地球温暖化問題から、世界規模でグリーントランスフォーメーション(以下、「GX」)実現に向けた取り組みが進む中、その将来について不確実性が高まりつつあります。しかし、国内においては、2023年2月に閣議決定された「GX実現に向けた基本方針」において、原発は、電力の安定供給やカーボンニュートラル実現に向けた脱炭素のベースロード電源としての重要な役割を担うとされ、安全性の確保を前提に、原発の再稼働や運転期間の延長、原発の新設やリプレース、廃炉の検討など原子力の活用の方針が明示されました。
このような中、当第3四半期連結累計期間におきましては、主力事業であるバルブ事業で関西電力大飯原発3号機、同高浜原発4号機や九州電力川内原発1号機、同玄海原発3,4号機における定期検査工事などが売上計上された他、前連結会計年度に子会社となった太陽電業株式会社における電気設備関連事業の売上計上もあり、全体の売上高は66億85百万円(前年同期比21.4%増)という結果となりました。
採算面では、バルブ事業で定期検査工事などの原発関係の売上が増加し、その中には比較的採算性の良い案件も多く、営業利益は2億84百万円(前年同期は2億72百万円の赤字)、経常利益は3億32百万円(前年同期は1億92百万円の赤字)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2億15百万円(前年同期は2億1百万円の赤字)となりました。
報告セグメント別では、バルブ事業の売上高は、前述の関西電力大飯原発3号機、同高浜原発4号機や九州電力川内原発1号機、同玄海原発3,4号機における定期検査工事などが売上計上され、売上高は46億23百万円(前年同期比17.8%増)、セグメント利益は採算性の良い原発関係の売上が増加した影響等から、9億61百万円(同75.7%増)となり、前年同期に比し増益となりました。
製鋼事業は、前年同期に比し一部顧客からの売上が増加した結果、売上高は8億63百万円(前年同期比10.5%増)、セグメント利益は電力料の増加、材料の仕入価格の高騰等あったものの、受注残の増加に伴い棚卸資産が増加した影響等から、1億33百万円の赤字(前年同期は2億37百万円の赤字)となり、前年同期に比し損失は減少となりました。
前連結会計年度から報告セグメントに追加した電気設備関連事業は、2022年1月より新たに子会社となった太陽電業株式会社における事業であり、原発における設備・放射線計測器類の保守や電気設備工事などを主に行っており、売上高は10億75百万円(前年同期比62.9%増)、セグメント利益は1億41百万円(前年同期比78.8%増)となりました。
表:報告セグメント内の種類別売上高
報告セグメント
種類別の売上高
前第3四半期連結累計期間(百万円)
当第3四半期連結累計期間(百万円)
前年同四半期比(%)
バルブ事業
バルブ(新製弁)
1,474
947
△35.7
バルブ用取替補修部品
538
720
33.8
原子力発電所定期検査工事
402
956
137.7
その他メンテナンス等の役務提供
1,509
1,998
32.4
小計
3,924
4,623
17.8
製鋼事業
鋳鋼製品
781
863
10.5
電気設備関連事業
電気設備関連工事
660
1,075
62.9
その他
地域復興事業
86
88
2.7
リファインメタル事業
101
84
△16.8
消去又は全社
△47
△50
-
合計
5,506
6,685
21.4
(2)財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末の資産残高は134億44百万円となり、前連結会計年度末に比して4億70百万円増加しました。これは主に現金及び預金が5億39百万円減少しましたが、仕掛品が4億4百万円、投資有価証券が5億22百万円増加したことによるものであります。
負債残高は36億23百万円となり、前連結会計年度末に比して42百万円減少しました。これは主に長期借入金が2億75百万円増加しましたが、短期借入金が4億円減少したことによるものであります。
純資産の残高は98億21百万円となり、その他有価証券評価差額金の増加などにより前連結会計年度末に比して5億12百万円増加しました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、1億円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動に重要な変更はありません。
