【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び当社の子会社)が判断したものであります。なお、当社グループは第1四半期連結会計期間より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前第3四半期連結累計期間及び前連結会計年度の数値もIFRSベースに組み替えて比較分析を行っております。
(1) 経営成績の状況当第3四半期連結累計期間(2022年10月1日~2023年6月30日)におけるわが国の経済は、水際対策緩和以降、引き続きインバウンド需要の増加が期待されている他、個人の消費においても飲食、宿泊などの対面型のサービス需要においてリバウンドの余地が大きく、個人消費の回復をけん引するとも予想されております。更に、企業においてもデジタル化、脱炭素化、省力化に向けた設備投資にて、供給制約などで先送りされた案件が実行、設備投資も増加することから内需における緩やかな回復が続く見通しと予想されております。一方、当社グループを取り巻く市場においては、引き続きインターネット広告の成長は顕著であり、社会的に進むデジタル化に伴い、継続して高い増加率を保持し、今後も更なる市場の拡大が予想されております。具体的には、デジタルマーケティング市場においては、インターネット広告、ソーシャルメディアマーケティング市場など付随する多くの市場が成長を見込んでいることから、今後も更なる市場規模の拡大が予測されております。また、フィンテック市場においても、世界的な成長が継続しており、2030年には3,114.9億米ドル、2023年から2030年までのCAGRは15.1%にも拡大すると予測されるなど、今後も更なる成長が見込まれると考えております。このような状況において、当社グループは、「GAFAメディア事業」にて培った経験を活かし事業領域を拡張した「デジタルマーケティング事業」、及びコロナ禍における非接触型マーケティング支援ツールであるデジタルギフト®を中心に展開する「フィンテック事業」の2つの事業を中心に展開をしております。デジタルマーケティング事業においては、既存事業のメディア運営を一部継続しつつ、2023年1月に買収したデジタルマーケティング支援を行うサービスの展開を開始しており、フィンテック事業とのシナジーも生み出し、事業を拡大すべく事業基盤の構築を進めております。フィンテック事業においては、加速するDX化の波を受けデジタルギフト®を中心として、引き続き、マーケティング分野におけるDX支援サービスの拡大を推進しております。また、当連結会計年度におきましても、Afterコロナに適応したサービス展開を推進すべく、「デジタルマーケティング事業」、「フィンテック事業」の2つのセグメントを中心として、積極的に資金・人材の投資を行い、利益最大化を実現すべく、事業強化を推進しております。加えて、フィンテック事業、及びデジタルマーケティング事業とのシナジーを活用したM&Aも積極的に推進しております。2023年2月には、株式会社アーネラと合弁で株式会社デジタルand(当社連結子会社)を設立し、同年3月には、株式会社デジタルandにおいて、株式会社アーネラが運営する電話占い事業「マヒナ」を事業譲渡によって譲り受けております。電話占い事業「マヒナ」に対して、当社グループの主要事業であるデジタルギフト®を活用し、さらにウェブサイトの運営・広告運用等を含むデジタルマーケティングのノウハウを注入することで、当該サービスをさらに成長させ、当社グループにおける安定収益の一つの柱となるよう事業成長を促進してまいります。そして、同年4月には2023年7月1日付けで株式会社デジタルandにて株式会社オンコーチを吸収合併する旨を決議し、オンコーチ社が運営する「オンライン家庭教師ピース」の事業を継承いたしました。更に、同年5月には2023年7月1日付けで株式会社FPGが運営する給与前払いサービス「Q給」を譲り受け、引き続き戦略的なM&Aを推進しております。今後、フィンテック事業及びデジタルマーケティング事業で培ってきたノウハウを活用しながら、事業シナジーを創出させ成長の加速化を図ってまいります。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上収益は478,405千円(前年同四半期比3.4%増)、営業損失は138,835千円(前年同四半期営業利益は59,112千円)、親会社の所有者に帰属する四半期損失は146,388千円(前年同四半期親会社の所有者に帰属する四半期利益は5,571千円)となりました。セグメントごとの経営成績は以下の通りであります。なお、第1四半期連結会計期間よりセグメントの名称を「GAFAメディア事業」から「デジタルマーケティング事業」に変更しております。
a.デジタルマーケティング事業「GAFAメディア事業」にて培った経験を活かし、新たにデジタルマーケティング事業として展開し、他社のみならず、自社においては事業間におけるシナジーを生み出す中心的な位置づけも兼ねて事業を運営しております。当第3四半期連結累計期間におきましては、一部少数精鋭でメディア運営を行える基盤を継続しつつ、新たに買収したデジタルマーケティングを主軸とした事業を推進しております。メディア運営で培った経験を活かしたデジタルマーケティング支援を行うサービスを展開し、事業基盤の構築、及び成長戦略を推進してまいりました。尚、当第3四半期連結会計期間においては、季節需要における、一部クライアントの低下トレンドの影響を受けております。以上の結果、デジタルマーケティング事業の売上収益は141,790千円(前年同四半期比58.3%減)、セグメント利益71,616千円(前年同四半期比72.5%減)となりました。
b.フィンテック事業国内のキャッシュレス化の浸透、在宅ワークの拡大、副業解禁などにより個人の稼ぎ方がより多様化する社会的背景の中で、現金以上に価値のあるポイントが利用できる報酬支払インフラの構築を目指し、事業を運営してまいりました。当第3四半期連結累計期間においては、デジタルギフト®において、引き続きサービスの強化をすべくプロダクト開発を推進するほか、買収した事業にてクリエイティブの強化を推進し、また、営業力強化のための人材投資などを積極的に行ってまいりました。今後は加速するDX化の波を受け、デジタルギフト®を軸としたマーケティング分野におけるDX支援サービスを更に推進し、買収した事業とのシナジー創出を目指した事業構築の推進、利用クライアントの売上単価向上、流通単価の最大化を図るべく、事業を推進してまいります。以上の結果、フィンテック事業の売上収益は336,614千円(前年同四半期比173.6%増)、セグメント利益は56,795千円(前年同四半期比386.0%増)となりました。
(2) 経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、主に当社グループを取り巻く事業環境にあり、(1)経営成績の状況に記載のとおりであります。
(3) 財政状態の状況第3四半期連結会計期間における資産、負債及び資本の状況とそれらの要因は次のとおりです。
(資産)流動資産は、前連結会計年度末に比べて、377,075千円減少し、966,746千円となりました。これは主として、営業債権及びその他の債権が134,926千円増加した一方、現金及び現金同等物が595,933千円減少したことによるものであります。非流動資産は、前連結会計年度末に比べて、347,305千円増加し、620,769千円となりました。これは主として、のれんが343,000千円増加したことによるものであります。この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて、29,770千円減少し、1,587,515千円となりました。
(負債)流動負債は、前連結会計年度末に比べて、241,676千円増加し、746,649千円となりました。これは主として、営業債務及びその他の債務が125,843千円増加、およびその他流動負債が94,950千円増加したものであります。非流動負債は、前連結会計年度末に比べて、130,178千円減少し、200,218千円となりました。これは主として、借入金が57,213千円減少、およびその他の非流動負債が49,999千円減少したものであります。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて、111,497千円増加し、946,868千円となりました。
(資本)資本合計は、前連結会計年度末に比べて、141,267千円減少し、640,647千円となりました。これは主として、親会社の所有者に帰属する四半期損失146,388千円の計上により利益剰余金が減少したことによるものであります。
(4) キャッシュ・フローの状況当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ595,933千円減少し、325,238千円(前年同四半期432,796千円減)となりました。当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果支出した資金は246,526千円(前年同四半期は1,292千円の支出)となりました。これは主に、営業債権及びその他の債権の増加134,926千円、税引前四半期損失△116,549千円の計上、及び法人所得税の支払△48,773千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は324,990千円(前年同四半期は170,455千円の収入)となりました。これは主に事業譲受による支出△263,000千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果支出した資金は26,113千円(前年同四半期は187,132千円の収入)となりました。これは主に、リース負債の返済による支出△20,370千円等によるものであります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、システム投資、人材確保、借入金の返済等であります。また、その資金の源泉といたしましては、営業活動等によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入金及び新株の発行等により、必要とする資金を調達しております。なお、第3四半期連結会計期間における有利子負債の残高は252,353千円であり、他方、現金及び現金同等物の残高は325,238千円となっており資金の流動性は十分に確保されているものと判断しております。
(6) 経営方針・経営戦略等当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(7) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(8) 研究開発活動該当事項はありません。
(9) 従業員数
①連結会社の状況当第3四半期連結累計期間において、提出会社グループの従業員数は、フィンテック事業の拡大及び2023年1月1日付けで株式会社コミクスよりデジタルマーケティング支援事業を譲り受けたこと等に伴い、2022年9月30日時点と比較し11名増加し、2023年6月30日現在で34名となっております。このうち、フィンテック事業にかかる従業員数は、提出会社からの出向も含めて、15名増加し2023年6月30日現在で37名となっております。②提出会社の状況当第3四半期累計期間において、2023年1月1日付けで株式会社コミクスよりデジタルマーケティング支援事業を譲り受けたこと等に伴い、2022年9月30日時点と比較し4名増加し2023年6月30日現在で21名となっております。
(10) 重要な会計方針及び見積り当社グループの要約四半期連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しております。この要約四半期連結財務諸表の作成に当たり経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に与える見積りが必要となります。経営者は、これらの見積りを行うに当たり過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。当社グループの要約四半期連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 2.作成の基礎」、「3.重要な会計方針」、「4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
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