【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行により経済正常化は更に加速し、アフターコロナへの本格的な転換が始まりました。国内旅行からスタートした需要復活は、インバウンドの復調につながり観光・レジャー業界は活況と共に深刻な人手不足を伴う状況となりました。このような環境において業界は、新規開業準備やお客様あたり単価を上げるための企画づくり及びブランディングなどへの注力が進んでおり、それに伴ってアウトソーシングパートナーとしての当社グループへのご要望が一層の高まりを見せました。
監視カメラ・音響設備を中心とした空間プロモーションマーケットにおいても、コロナ禍の先行き不透明感の終息や深刻な人手不足を補うための設備投資計画が活発化している手応えを感じると共に、イベント開催機材調達ニーズ及び商品プロモーション機会の復調といったマーケティング環境の順風を受けました。
このような状況の中、当グループは中期経営計画「Value Innovation 2024」の中核となる「基軸事業の強化による収益力の向上」「人財育成の強化」「ESG課題への取組み推進」「グループシナジーや外部リソース活用による新たな価値の創出」を推進、2024年9月期の目標財務指標、売上高150億円、親会社株主に帰属する当期純利益2.5億円、ROE8%以上の達成に対して着実に進捗しております。
この結果、当第3四半期連結累計期間における連結売上高は10,915百万円(前年同期比37.5%増)、連結営業利益は266百万円(前年同期は連結営業損失183百万円)、連結経常利益は299百万円(前年同期比476.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は234百万円(前年同期比250.6%増)の増収増益となりました。
当第3四半期連結累計期間におけるセグメント別の経営成績の概況は以下のとおりです。
①スチュワード事業
当事業は、ホテル・レストランを中心として食器洗浄をはじめとする厨房管理業務及び清掃業務を全国展開する当社グループの中核となるセグメントです。
当第3四半期においては、大型ホテルの新規開業への対応に向けた採用、教育、組織化に精力的に対応しました。23年新卒入社社員も1ヶ月にわたる大規模アミューズメント施設一括配属という結束の機会を経て、新たな戦力として現場配属となりました。すべてのお客様において稼働率が高まる中、既存のお客様における業務品質を担保しつつ新たなお客様の期待にいかにお応えするか、現場主義を推進することで、今春新規オープンしたブルガリホテル東京他、外資系をはじめとするラグジュアリーホテル、リゾートホテルのスチュワード業務、客室・パブリック清掃業務など、当第3四半期において新たに6件の業務を受注、開始に至りました。また、第4四半期以降にスチュワード業務4件の業務開始が決定しており、新規のスチュワード業務は、当期計画予算を4割以上上回る着地を見込む状況となりました。新規開業準備に伴って採用募集費が上昇傾向にありますが、残業費などを含む労務費率は予算内で推移しています。賃金ベースも上昇傾向にある中、お客様の稼働状況見込みに対する期待値をすり合わせながら品質維持に継続的に取り組んでいます。
重点アクションプランとして取り組んでいる、客室・パブリック清掃業務の売上拡大については、全売上に対する当該売上比率2.86%を計画しておりましたが、スチュワード業務の増収影響もあり、同2.46%と計画に0.4pt届いておりません。一方、着実に売上を伸ばしながら今期新規開業した4事業所が共に黒字化を達成するなど堅実な成果を出しています。
この結果、売上高は4,827百万円(前年同期比41.0%増)、営業利益は235百万円(前年同期比1,186.5%増)の増収増益となりました。
②フードサービス事業
当事業は、従業員食堂・ホテル内レストラン運営の受託を全国で展開し、フードビジネス事業としてセグメントを構成します。
当第3四半期においては、スチュワード事業セグメントと同様な観光・レジャー業界の活況の中、当社への業務委託のお引き合いは着実に増加しており、東京ベイエリアのリゾートホテル従業員食堂、宿泊特化型ホテルの朝食レストラン、新たに2件の業務を受注、開始に至りました。第4四半期以降には外資系ラグジュアリーホテルの従業員食堂、宿泊特化型ホテルグループの朝食レストランなど新たに4件の業務開始が決定しております。また、日頃より顧客ニーズに寄り添い、顧客それぞれのご要望に最大限お応えすべく信頼関係の構築に努めた結果、数年間内製化されていた大手ホテルチェーンの朝食レストラン4件を再びご依頼いただくことが決定しております。
一方、中核の売上を構成するホテルの朝食レストランの受託事業は、ホテル宿泊者の喫食率の影響を受ける事業構造であるのに対して、インバウンド宿泊者の急増、団体旅行とりわけ修学旅行や合宿旅行の需要復活は、業績計画を上回る大きな要因となっています。
新規開業ラッシュに備えて計画的に人員体制整備を進めること、食材コストの高騰に対して食材の原材料と飲料に係るFBコストのモニタリング及びアラートに対する改善強化を継続的に進めています。
この結果、売上高は2,348百万円(前年同期比51.9%増)、営業利益は68百万円(前年同期は営業損失38百万円)の増収増益となりました。
③空間プロデュース事業
当事業は、映像・音響・放送・セキュリティーに関する設計・施工・販売・管理・メンテナンスに加え、BGM及び香りまで提供する空間プロデュース事業としてセグメントを構成いたします。
本セグメントは第2四半期において、社会的な年度末需要のフォローもあって計画を大幅に上回る収益を確保したこともあり、当第3四半期はその反動を想定して厳しく業績を見通しておりました。結果、見通しを上回る利益着地となり、当第3四半期連結累計期間における営業利益は黒字を確保しました。
とりわけ監視カメラ関連及び音響設備の更新需要が堅調であること、AV関連の投資意欲活性化などがセグメント各社の業績底上げに寄与しています。業界全体としても展示会、研修会、デモ・視聴会を含む商談機会が増えていることに精力的に当社グループも取り組むと共に、メーカーからの売り込み意欲にも対応して、好機を最大限活かすよう現場活動を推し進めています。
この結果、売上高は3,737百万円(前年同期比26.8%増)、営業利益は109百万円(前年同期は営業損失53百万円)の増収増益となりました。
(2)財政状態に関する説明
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に対し、310百万円の増加により5,407百万円となりました。その主因は、現金及び預金124百万円の減少、受取手形、売掛金及び契約資産382百万円の増加、投資有価証券51百万円の増加などによるものであります。
負債の部は、前連結会計年度に対し、146百万円の増加により3,073百万円となりました。その主因は、短期借入金400百万円の増加、1年内返済予定の長期借入金472百万円の減少、未払金148百万円の増加、賞与引当金63百万円の減少、その他流動負債160百万円の増加などによるものであります。
純資産の部は、164百万円増加し、2,333百万円となりました。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループにおける重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表等 注記事項 (追加情報) (新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積り)」に記載しています。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対応すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
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