【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症抑制と経済活動の両立が進む中、各種政策の効果によって社会経済活動の正常化が進んだことを背景に、緩やかな回復基調が続きました。一方、世界的な金融引き締め等による海外景気の下振れリスクや円安による物価上昇あるいはウクライナ情勢の長期化による原材料価格の高騰をはじめとした景気後退の懸念は残っており、先行きとしては依然として不透明な状況が続いております。
このような環境下にあって当社グループは、2024年に迎える40周年に向けた3ヵ年の中期経営計画「Value Innovation 2024」を推進、「基軸事業の強化による収益力の向上」「人財育成の強化」「ESG課題への取組み推進」「グループシナジーや外部リソース活用による新たな価値の創出」を柱として、経営基盤の再構築に取り組んでおります。2024年9月期の目標財務指標、売上高150億円、親会社株主に帰属する当期純利益2.5億円、ROE8%以上の達成に対しても着実に進捗しております。
当第2四半期連結累計期間におきましては、スチュワード事業・フードサービス事業・空間プロデュース事業の全てのセグメントが、営業活動および収益向上に対して精力的に取り組んだ結果、景気や事業環境の好転による成り行きを大きく超えた成果を出すことができました。マスク着用に関する自主判断の指針も出ましたが、引き続き感染拡大防止策の徹底を継続するとともに、安心・安全への不断の努力、過剰な消費の抑制や廃棄物の削減、従業員の働きがいや心理的安全性への配慮などにも積極的に取り組んでおります。
この結果、当第2四半期連結累計期間における連結売上高は7,439百万円(前年同期比39.4%増)、連結営業利益は238百万円(前年同期は営業損失103百万円)、連結経常利益は269百万円(前年同期比372.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は202百万円(前年同期比410.9%増)となりました。
当第2四半期連結累計期間におけるセグメント別の経営成績の業況は以下のとおりです。
①スチュワード事業
当事業は、ホテル・レストランを中心として食器洗浄をはじめとする厨房管理業務及び清掃業務を全国展開する当社グループの中核となるセグメントです。
当第2四半期連結累計期間においては、人流回復やインバウンドの受入緩和が一層進み、ホテル・レストランの稼働はコロナ禍前の水準に回復、コロナ禍による受託中断からの復活を目指していた顧客事業所は、全て再受注をお受けするに至りました。また、遅れていた法人による宴会需要も「3年ぶりの開催」という形容とともに、復調のトレンドにあります。さらに大阪圏の万博およびIR構想に向けての投資の活性化や、外資を中心に超高級あるいは宿泊特化型ホテルの開業も多く、当社への業務委託のお引き合いも着実に増加しており、新たにスチュワード業務2件、客室等清掃業務1件を開業いたしました。また、当第2四半期以降の2023年9月期にスチュワード業務8件、客室清掃業務2件を受託、新規開業を予定しております。
この結果、売上高は3,091百万円(前年同期比42.4%増)、営業利益は137百万円(前年同期は営業損失22百万円)となりました。
急激な稼働率の上昇に伴い、従業員の新規採用は費用対効果を踏まえながら積極的に展開すると共に、定着や教育および外国人対応の拡張を強化することを企図し、4月1日付で採用推進部を組織化いたしました。従業員採用は従来と比べて難易度が上がっておりますが、知名度の高いホテルの新規開業のサポートの機会は、当社の人財採用に対してフォローの好材料となっています。また、新卒社員を新たに26名迎え、今後1年間は多様な現場経験を提供することで成長スピードを加速することを追求することとし、4月は全員が大規模アミューズメント施設に一括して配属、結束して経験を積むことを計画しております。
下半期に向けて、採用業務の受付時間帯の拡張やしくみ化による応募機会の増加、業務効率化や早期育成をサポートする動画教育マニュアルツールの採用、ロボットのサポートによる業務生産性の向上など、ITメソッドや外部知見を積極的に取り入れることで業務システム全体の生産性を向上し、当社の強みである運用ソフト=人間力に依存する部分に人財(ヒューマン キャピタル)を集中すべく、推進してまいります。
②フードサービス事業
当事業は、従業員食堂・ホテル内レストラン運営の受託を全国で展開し、フードビジネス事業としてセグメントを構成します。
当第2四半期連結累計期間においては、スチュワード事業セグメントと同様な外部環境の中、当社への業務委託のお引き合いは着実に増加しており、新たに従業員食堂3件、朝食レストラン2件を受注、業務を開始いたしました。また、第2四半期以降の2023年9月期には従業員食堂1件、朝食レストラン8件を受注、業務開始を予定しております。計画を大きく上回る進捗に対して人財確保に腐心しながら、一方で食材高騰に対応すべくコスト面のマネジメントは従来に増して注視しております。特に業務用の卵の調達が極めて難しい状況に陥るなど、ホテル朝食においてはコストと関連して大きな問題であり、新たなメニュー開発などにも腐心しております。
この結果、売上高は1,508百万円(前年同期比51.7%増)、営業利益は51百万円(前年同期は営業損失26百万円)となりました。
下半期に向けて、新規受託開業およびコロナ禍収束に伴う業務再開など多数の案件が控えており、引き続き人財確保および食材調達マネジメントを中核として、顧客の「安心・安全」を第一に、メニュー開発、顧客価値の多様化、SDGs推進など継続的に取り組んでまいります。
③空間プロデュース事業
当事業は、映像・音響・放送・セキュリティーに関する設計・施工・販売・管理・メンテナンスに加え、BGM及び香りまで提供する空間プロデュース事業としてセグメントを構成いたします。
当第2四半期連結累計期間においては、執行体制の一新とともに営業活動を圧倒的に強化することを最重点課題とし、社会的な年度末需要とともにお客様から多くのご要望と期待をいただく結果につなげることができました。特に東洋メディアリンクスの主要な売上を構成する金融及び法人部門の売上は、各々計画比で38%増と100%増、前年比で69%増と300%増となり、大幅な躍進を果たしました。特に、金融機関・法人施設ともに監視カメラを中心としたITV関連の設備更新需要は旺盛です。この分野は昨今の飲食店における顧客モラル違反や総理襲撃などの事件を背景としたニーズの膨らみが感じられ、当社としても金融機関や大手企業を手がけた確かな納入実績をベースに着実にAIやクラウドの活用といった提供価値の多様化に意欲的に取り組んでおります。法人部門では医療分野での大型案件の納入が売上に大きく寄与しておりますが、これを除いてもTV会議システムやAVおよび放送設備あるいはナレーション収録など計画規模を満たす実績を積み上げており、復調への確かな手応えを感じております。
BGMによる空間ブランディングを主に提供するMood Media Japanにおいても引き続きの精力的な新規開拓を継続、商談案件の過半はホテル業界のお引き合いとなっており、当社グループのホテル業界における存在感はバックヤードサポート請負のみならず広がりを見せています。
国内外メーカーの高品質業務用音響機器による最適な音響ソリューションを提案する音響特機社は、製品の調達や輸入品のコストコントロールなど依然として調整局面の多い展開が続きました。一方で、展示会、デモ視聴、メーカーミーティング、研修会などの頻度がコロナ禍から復調しており、今後の営業活動に繋がるものと期待されます。また、4月からのLEA Professional社製品の取扱開始が決定、音響特機の多彩な取り扱いブランドにまた一つ、一流のパートナーが加わりました。
この結果、売上高は2,837百万円(前年同期比31.5%増)、営業利益は134百万円(前年同期比703.6%増)となりました。
(2)財政状態に関する説明
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における資産は、前連結会計年度末と比べて614百万円増加し、5,710百万円となりました。資産の増減の内訳は流動資産が616百万円の増加となりました。主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産661百万円の増加によるものであります。固定資産については2百万円の減少となりました。主な要因は、有形固定資産5百万円の減少、無形固定資産10百万円の減少、投資有価証券12百万円の増加によるものであります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末と比べて471百万円増加し、3,399百万円となりました。負債の増減の内訳は流動負債が459百万円の増加となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金390百万円の増加、短期借入金300百万円の増加、1年内返済予定の長期借入金314百万円の減少、未払金128百万円の増加によるものであります。固定負債については11百万円の増加となりました。主な要因は退職給付に係る負債15百万円の増加によるものであります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末と比べて142百万円増加し、2,311百万円となりました。主な要因は親会社株主に帰属する四半期純利益202百万円の計上による利益剰余金の増加、剰余金の配当76百万円による利益剰余金の減少によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より19百万円減少し、694百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益が269百万円となり、売上債権の増加661百万円、仕入債務の増加390百万円、未払金の増加121百万円等により、得られた資金は99百万円(前年同期は246百万円の取得)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産取得による支出15百万円等により、使用した資金は15百万円(前年同期は33百万円の使用)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増減額300百万円、長期借入金の返済による支出314百万円、配当金の支払額76百万円等により、使用した資金は103百万円(前年同期は92百万円の使用)となりました。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループにおける重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表等 注記事項 (追加情報) (新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積り)」に記載しています。
(5)経営方針・経営戦略等
第1四半期報告書に記載した内容から、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対応すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
該当事項はありません。
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