【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大による入国制限や行動制限が緩和されるなど、社会経済活動が正常化に向かいつつあったものの、エネルギーコストの高騰や急激な為替変動など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境下にあって当社グループは、2024年に迎える40周年に向けた3ヵ年の中期経営計画「Value Innovation 2024」を推進、「基軸事業の強化による収益力の向上」「グループシナジーによる新たな価値の創出」を軸とし、コロナ禍により激変した事業環境に対応すべく経営基盤の再構築に取り組んでおります。計画初年度となる前年度は、売上高・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益とも計画を大きく上回る結果となり、計画2年目、3年目を上方修正いたしました。2024年9月期には売上高150億円、親会社株主に帰属する当期純利益2.5億円、ROE8%以上の達成を掲げ推進しております。
当第1四半期連結累計期間におきましては、特にホテル・レストラン・観光・レジャービジネスの復調に牽引され、お取引先の施設稼働率及び新規開業を背景に計画を上回るお引き合いをいただき、新型コロナウイルス感染症発生前の業績水準に向けて回復トレンドが継続しております。また、感染拡大防止策の徹底を継続するとともに、サービス事業の基本である安心・安全への不断の努力、過剰な消費の抑制や廃棄物の削減、従業員の働きがいや心理的安全性への配慮などにも積極的に取り組んでまいりました。
この結果、当第1四半期連結累計期間における連結売上高は3,307百万円(前年同期比26.3%増)、連結営業利益は21百万円(前年同期は営業損失59百万円)、連結経常利益は44百万円(前年同期比45.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は34百万円(前年同期比56.8%減)となりました。
当第1四半期連結累計期間におけるセグメント別の経営成績の概況は以下のとおりです。
①スチュワード事業
当事業は、ホテル・レストランを中心として食器洗浄をはじめとする厨房管理業務及び清掃業務を全国展開する当社グループの中核となるセグメントです。
当第1四半期連結累計期間においては、地域観光事業支援による国内の人流回復や水際対策の緩和によるインバウンドの受入が再開したことにより、ホテル・レストランの稼働率はコロナ禍前の水準に向かって急回復となる中、コロナ禍による人材離れにより内製化されていた業務のアウトソーシングへの切り替えが加速しました。
このような状況を踏まえ、前期に設置した人財開発部により人財の確保・育成を最優先に注力したこと、また、マーケット開発部において新たなマーケットの開発、パートナー会社とのリレーション構築など、営業活動に注力したことで、スチュワード業務6件、客室清掃業務1件を新たに開業いたしました。業界での実績をご評価いただけたことや、コロナ禍でのお客様との対話から当社事業状況のご理解を深めていただけたことに起因し、お引き合いは当初見通しを上回る状況であり、第2四半期以降の2023年9月期にスチュワード業務10件、客室業務3件を受注、新規開業を予定しております。その中にはラグジュアリーホテルやアミューズメントパークなど大型の案件も含まれており、当第1四半期の活況を支えた体制をさらに強化すべく、人財開発部において新たな取り組みを推進しております。具体的には、HR事業パートナーとの協業を拡大するとともに、採用・教育活動の生産性視点での改善を進めてまいります。また、マーケット開発部は営業活動のより効果的な進捗管理を行うとともに、清掃ロボットのお客様環境における導入実験を進めるなど、人財不足の課題に対して多面的な解決策を推進しております。
この結果、売上高は1,563百万円(前年同期比36.2%増)となり、営業利益は労務費の増加を吸収して93百万円(前年同期比273.7%増)と大幅な増収増益となりました。
②フードサービス事業
当事業は、従業員食堂・ホテル内レストラン運営の受託を全国で展開し、フードビジネス事業としてセグメントを構成します。
当第1四半期連結累計期間においては、朝食レストラン5件、従業員食堂1件、ライフケアで1件(デイサービスにおける給食)を新たに受注、業務を開始いたしました。事業環境及び景況感はスチュワード事業と同様に好調であり、第2四半期以降も既に3件の受注、新規開業が予定されております。営業及び人財開発においてスチュワード事業と類似する要素が多く、相互に連携して課題対応しております。また、フードサービス事業は食材を取り扱いますので、食材価格の高騰に対応して、メニュー開発や提供価格の交渉、SDGs観点を含む無駄の排除や調達の工夫などを通して収益コントロールに継続的に取り組んでおります。
この結果、売上高は761百万円(前年同期比41.7%増)となり、営業利益は20百万円(前年同期は営業損失8百万円)と大幅な増収増益となりました。
③空間プロデュース事業
当事業は、映像・音響・放送・セキュリティーに関する設計・施工・販売・管理・メンテナンスに加え、BGM及び香りまで提供する空間プロデュース事業としてセグメントを構成いたします。
当第1四半期連結累計期間においては、従来からの経営方針を引き継ぎ、パートナー企業や協力会社との連携強化を図り、新規顧客の発掘、新たな事業領域の開拓に積極的に取り組むとともに、為替相場の変動を受けた販売価格の改定、入荷遅延を見越した早期発注などに努めました。
エネルギーコスト及び物流費用の高騰を受けて製品原価の上昇局面は継続しましたが、コロナ禍の消極的投資環境や原材料不足からの納期遅れ及び円安の影響は、環境変化や対策努力によって幾分小さくなり、当第1四半期連結累計期間は概ね計画通りに推移しておりました。しかしながら、年末の豪雪を伴う荒天によって金融機関向け監視カメラの一部地域の納品が遅れ、一括で検収が第2四半期に期ずれしたことで業績は計画に若干及びませんでした。一方、本案件は第2四半期に滞りなく検収され、また通期をとおして最大の商戦期となる第2四半期は既に多くの案件を抱えていることも相まって、第2四半期連結累計期間には計画水準を上回る業績推移となる見通しです。
さらに、このような状況下で新たな取り組みとしてクロスメディア推進プロジェクトを組成し、既存顧客のセキュリティカメラシステムに新たにAIを中心としたクラウドシステムを組み合わせることによる新たなソリューションや動画配信プラットフォームなどの企画、提案を推進しております。
この結果、売上高は981百万円(前年同期比5.9%増)となり、営業損失は47百万円(前年同期は営業損失42百万円)と増収減益となりました。
(2)財政状態に関する説明
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に対し、406百万円の増加により5,502百万円となりました。その主因は、受取手形、売掛金及び契約資産76百万円の増加、商品及び製品139百万円の増加、仕掛品67百万円の増加などによるものであります。
負債の部は、前連結会計年度末に対し、441百万円の増加により3,369百万円となりました。その主因は、支払手形及び買掛金105百万円の増加、短期借入金300百万円の増加、1年内返済予定の長期借入金104百万円の減少、未払金110百万円の増加などによるものであります。
純資産は、35百万円減少し、2,133百万円となりました。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループにおける重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表等 注記事項 (追加情報) (新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積り)」に記載しています。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対応すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
#C2304JP #CSSHD #サービス業セクター