【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
第1四半期連結累計期間(2023年5月16日~2023年8月15日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類感染症へ移行されたことにより、社会経済活動の正常化が進んだものの、エネルギー価格・原材料価格の高騰による物価上昇などの影響により、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社グループが主に事業を行うドラッグストア業界においては、業界の垣根を越えた競争の激化や既存企業間の出店競争、M&Aによる寡占化など、当社グループを取り巻く経営環境は厳しい状況が続いております。このような状況のもと、当社グループは2026年5月期を最終年度とする中期経営計画において「地域の生活総合グループへの進化」をテーマに、「店舗の生活総合化戦略」「地域プラットフォーム戦略」「コラボレーション戦略」の3つの成長戦略と、組織戦略に取り組んでおり、中核事業であるリテール事業の収益基盤を強化しつつ、事業領域を「モノを売る」だけの小売から「モノ×サービス」を提供する生活サービスの領域に拡大することにより、競合他社との違いをつくりながらグループ全体の成長を目指しております。店舗の生活総合化戦略としては、調剤併設店舗の拡大に取り組むとともに、商品カテゴリーの拡大に向けたラインロビングの一環として生鮮食品の取り扱い店舗の拡大を進めております。また、「エブリデー・セイム・ロープライス(ESLP)」を中心とする価格戦略と「サツドラアプリ」を活用したデジタルマーケティングの推進を通じて、収益基盤の強化に取り組んでおります。地域プラットフォーム戦略としては、2023年7月末現在、北海道共通ポイントカード「EZOCA」会員数が210万人を突破し、提携店も200社(800店舗)を超え、EZOCA経済圏は成長を続けております。また、江差町との包括連携協定に基づく取り組みの一環として運用を開始した「江差EZOCA」には、買い物金額の一部を町に還元する仕組みが導入されており、地域経済の活性化に寄与することを目指しております。同町においては、移動の利便性向上を目指したMaaSの実証実験にも取り組んでおり、江差EZOCAから取得したデータなどを活用・検証することで、「収益循環モデル」の社会実装を目指しております。コラボレーション戦略としては、新たにヤマト運輸株式会社とパートナーシップ協定基本合意書を締結し、小商圏地域における買い物環境支援や効率的な物流の実現など、地域の持続的な発展や社会的課題の解決などに資することを目指しております。2023年8月現在、自治体や企業等と40件以上の各種協定を締結しております。組織戦略としては、D&I委員会を設置し、多様な人材が活躍できる環境整備を進めるとともに、新たにCHRO(Chief Human Resource Officer)を新設し、経営戦略の実現につながる人材戦略の策定や実行の強化に取り組んでおります。また、CHO(健康管理最高責任者:Chief Health Officer)の設置や、サツドラグループ健康経営宣言の制定など、健康経営への推進にも積極的に取り組み、経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人2023」に認定されております。また、ガバナンス体制を強化し、コーポレート・ガバナンスコード全原則の適用を実施しております。以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は239億85百万円(前年同期比 11.6%増、24億89百万円増)、営業利益は2億27百万円(同 212.3%増、1億54百万円増)、経常利益は1億84百万円(同 142.1%増、1億8百万円増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は93百万円(同 201.8%増、62百万円増)となりました。
セグメント業績などの概要は、次のとおりであります。
<リテール事業>主に北海道内でのドミナント化を目指したドラッグストアフォーマット店舗と調剤薬局店舗のチェーン展開に加え、訪日外国人が多く訪れる観光地などでのインバウンドフォーマット店舗の運営を中心に行っております。また、調剤薬局においては、調剤専門薬局の運営に加え、ドラッグストアフォーマット店舗での調剤併設薬局も行っております。ドラッグストアフォーマット店舗の営業面では、ESLPを中心とする価格戦略を推進することで、お客さまから支持される店舗づくりや、作業平準化による業務効率の改善を目指すとともに、生鮮食品を含めたラインロビングの強化により、商品カテゴリーの拡大を図っております。また、サツドラアプリを活用したデジタルマーケティングの推進にも取り組んでおります。当第1四半期連結累計期間は、物価上昇による生活防衛意識の高まりを受け、1人あたりの買上点数は減少したものの、人流回復や好天に恵まれ夏物季節品が好調に推移したことに加えて、店舗数が純増した結果、ドラッグストアフォーマットの売上高は前年同期を上回りました。インバウンドフォーマットにつきましては、休業していた店舗を順次営業再開し、訪日外国人観光客の需要を取り込むことができた結果、売上高は前年同期を上回りました。調剤薬局につきましては、新たに開設した調剤薬局の増収効果や、地域支援体制加算・後発医薬品調剤体制加算の強化などにより、売上高は前年同期を上回りました。店舗の出退店の状況につきましては、下表の通りとなりました。
(出店状況)
店舗区分
フォーマット区分
2023年5月度末
増加
減少
2023年8月度末
ドラッグストア店舗
ドラッグストアフォーマット
(うち 調剤併設薬局)
176店舗
(15店舗)
2店舗
(-)
–
(-)
178店舗
(15店舗)
インバウンドフォーマット
13店舗
–
2店舗
11店舗
調剤専門薬局店舗
調剤専門薬局
10店舗
1店舗
–
11店舗
その他の店舗
北海道くらし百貨店
3店舗
–
1店舗
2店舗
合計
202店舗
3店舗
3店舗
202店舗
以上の結果、リテール事業の売上高は236億73百万円(前年同期比11.4%増、24億16百万円増)、セグメント利益は2億21百万円(同 179.3%増、1億42百万円増)となりました。
<その他事業>北海道共通ポイントカード「EZOCA」を活用した地域マーケティング事業や決済サービス事業、ユーザー目線での課題解決を目指したPOSアプリケーションなどの開発・販売、小中学生向けのプログラミングスクールの運営、小売と地域をテーマに課題解決を目指す国内外の法人向け情報提供サービス、当社既存事業とのシナジーや新規事業創出を目指すCVC事業などを行っております。当社グループの強みである北海道共通ポイントカード「EZOCA」の会員数は、2023年7月末現在、210万人を超えております。決済サービス事業においては、非接触型決済への需要が高まるなか、国内キャッシュレス決済は堅調に推移いたしました。その他事業の売上高は4億23百万円(前年同期比 26.4%増、88百万円増)、セグメント利益は2百万円(前年同期はセグメント損失10百万円、12百万円増)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ12億20百万円増加し442億47百万円となりました。これは主に、商品が1億41百万円減少したものの、現金及び預金が8億50百万円、売掛金が1億93百万円、有形固定資産が2億94百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。負債合計は、前連結会計年度末に比べ12億52百万円増加し354億45百万円となりました。これは主に、長期借入金が2億48百万円減少したものの、買掛金が10億27百万円、未払金が5億65百万円増加したことなどによるものであります。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ32百万円減少し88億2百万円となりました。これは主に、利益剰余金が配当金の支払いにより1億38百万円減少したものの、親会社株主に帰属する四半期純利益により93百万円増加したことなどによるものであります。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
該当事項はありません。