【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の分析 当第2四半期連結累計期間(2022年5月16日~2022年11月15日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、行動制限の緩和等により社会経済活動が正常化に向かう動きは見受けられたものの、ウクライナ情勢による地政学リスクや原材料価格の上昇が個人消費に与える影響など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが主に事業を行うドラッグストア業界においては、コロナ禍以前と比較してマスクなど衛生関連用品の需要は引き続き堅調に推移したものの、ライフスタイルの変化に伴う化粧品需要の減少や感染予防策の定着に伴う感冒薬需要の減少、インバウンド需要の消失のほか、業界の垣根を越えた競争の激化や既存企業間の出店競争、M&Aによる寡占化など、当社グループを取り巻く経営環境は厳しい状況が続いております。 このような状況のもと、当社グループは2026年5月期を最終年度とする中期経営計画において「地域の生活総合グループへの進化」をテーマに、「店舗の生活総合化戦略」「地域プラットフォーム戦略」「コラボレーション戦略」の3つの成長戦略と、組織戦略に取り組んでおり、中核事業であるリテール事業の収益基盤を強化しつつ、事業領域を「モノを売る」だけの小売から「モノ×サービス」を提供する生活サービスの領域に拡大することにより、競合他社との違いをつくりながらグループ全体の成長を目指しております。 店舗の生活総合化戦略としては、商品カテゴリーの拡大に向けたラインロビングの一環として、生鮮食品の取り扱い店舗の拡大に取り組むほか、調剤併設店舗の拡大や管理栄養士による店頭での栄養相談会の継続的な開催など、生活サービスの提供にも総合的に取り組むことにより、地域住民から支持される店舗づくりに取り組んでおります。 地域プラットフォーム戦略としては、2021年8月に北海道共通ポイントカード「EZOCA」会員数が200万人を突破し、提携店も164社、747店舗にまで拡大するなど、EZOCA経済圏は成長を続けております。また、江差町との包括連携協定に基づく取り組みの一環として運用を開始した「江差EZOCA」には、買い物金額の一部を町に還元する仕組みが導入されており、地域経済の活性化に寄与することを目指しております。同町においては、移動の利便性向上を目指したMaaSの実証実験にも取り組んでおり、江差EZOCAから取得したデータなどを活用・検証することで、「収益循環モデル」の社会実装を目指しております。 コラボレーション戦略としては、生活協同組合コープさっぽろとの包括業務提携に基づく取り組みの一環として、両社の食品の共同仕入を開始したほか、当社のPB商品をコープドラッグにて販売を開始するなど、お客さま及び組合員をはじめとする道民の皆さまに、より支持される商品展開をしていくことで利便性向上に繋げてまいります。また、新たに学校法人札幌慈恵学園札幌新陽高校、株式会社十勝毎日新聞社及び株式会社ニセコまちと包括連携協定を締結し、地域の持続的な発展や社会的課題の解決などに資することを目指しております。2022年10月末現在、自治体や企業等と30件の各種協定を締結しております。さらに、これらの戦略の効果的かつ継続的な推進には、当社グループのみならず国内外の様々な企業との連携や新たな知見・技術の獲得を通じた、より一層のスピード感が必要であることから、当社既存事業とのシナジーや新規事業創出することを目的に、2022年10月に国内外のアーリー・ミドルステージのスタートアップ企業への出資を行うコーポレート・ベンチャー・キャピタル(株式会社 S Ventures)を設立しております。 組織戦略としては、D&I委員会を設置し、多様な人材が活躍できる環境整備を進めるとともに、CHO(Chief Health Officer)の設置や、サツドラグループ健康経営宣言の制定など、健康経営の推進にも積極的に取り組んでおります。また、ガバナンス体制を強化し、コーポレート・ガバナンスコード全原則の適用を実施しております。 以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は429億52百万円(前年同期比 2.6%増、10億87百万円増)、営業利益は3億34百万円(同 25.8%増、68百万円増)、経常利益は3億57百万円(同 17.6%増、53百万円増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2億24百万円(同 26.6%増、47百万円増)となりました。
セグメント業績などの概要は、次のとおりであります。 なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比較につきましては、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載しております。
<リテール事業> 主に北海道内でのドミナント化を目指したドラッグストアフォーマット店舗と調剤薬局店舗のチェーン展開に加え、訪日外国人が多く訪れる観光地などでのインバウンドフォーマット店舗の運営を行っております。営業面では、エブリデー・セイム・ロープライス(ESLP)を中心とする低価格戦略を推進することで、お客さまから支持される店舗づくりや、作業平準化による業務効率の改善を目指すとともに、生鮮食品を含めたラインロビングの強化により、商品カテゴリーの拡大を図っております。また、公式アプリを活用したデジタルマーケティングの推進にも取り組んでおります。調剤薬局においては、門前薬局の運営に加え、ドラッグストアフォーマット店舗での併設調剤も行っております。このほか、フィットネス事業や管理栄養士による栄養相談会といった生活サービスの提供にも取り組んでおります。 当第2四半期連結累計期間は、物価上昇による生活防衛意識の高まりを受け、お客さまの来店頻度の減少に伴い客数は減少したものの、感冒薬や化粧品の需要が徐々に持ち直し、客単価が上昇した結果、ドラッグストアフォーマットの売上高は前年同期を上回りました。インバウンドフォーマットにつきましては、引き続き訪日外客数が低調に推移したことで、売上高は僅かなものとなりましたが、休業していた店舗を一部営業再開したことにより、前年同期を上回りました。調剤薬局につきましては、ワクチン・検査パッケージの実施や医療用抗原検査キット販売の増収効果もあり、売上高は前年同期を上回りました。 店舗の出退店の状況につきましては、下表の通りとなりました。(出店状況)
店舗区分
フォーマット区分
2022年5月度末
増加
減少
2022年11月度末
ドラッグストア店舗
ドラッグストアフォーマット
175店舗
4店舗
5店舗
174店舗
インバウンドフォーマット
14店舗
-店舗
1店舗
13店舗
調剤薬局店舗
門前薬局
10店舗
-店舗
-店舗
10店舗
その他の店舗
北海道くらし百貨店
2店舗
-店舗
-店舗
2店舗
合計
201店舗
4店舗
6店舗
199店舗
以上の結果、リテール事業の売上高は424億33百万円(前年同期比 2.3%増、9億58百万円増)、セグメント利益は3億30百万円(同 62.0%増、1億26百万円増)となりました。
<その他事業> 北海道共通ポイントカード「EZOCA」を活用した地域マーケティング事業や決済サービス事業、ユーザー目線での課題解決を目指したPOSアプリケーションなどの開発・販売、小中学生向けのプログラミングスクールの運営、小売と地域をテーマに課題解決を目指す国内外の法人向け情報提供サービス、当社既存事業とのシナジーや新規事業創出を目指すCVC事業などを行っております。当社グループの強みである北海道共通ポイントカード「EZOCA」の会員数は、2022年10月末現在、200万人を超えております。決済サービス事業においては、非接触型決済への需要が高まるなか、国内キャッシュレス決済は堅調に推移したものの、POSシステム開発事業において、前期の大型案件受注の反動減の結果、その他事業の売上高は7億15百万円(前年同期比 23.6%増、1億36百万円増)、セグメント損失は0百万円(前年同期はセグメント利益43百万円、43百万円減)となりました。
(2) 財政状態の分析 当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ11億59百万円増加し425億58百万円となりました。これは主に、前連結会計年度の末日が金融機関の休日であったことにより、売掛金が5億82百万円減少したものの、商品が7億9百万円、有形固定資産が8億82百万円、敷金及び保証金が1億7百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。 負債合計は、前連結会計年度末に比べ10億50百万円増加し335億60百万円となりました。これは主に、前連結会計年度の末日が金融機関の休日であったことにより、短期借入金が45億円増加、買掛金が36億19百万円減少したことに加え、流動負債その他が5億14百万円増加、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が5億16百万円減少したことなどによるものであります。 純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1億8百万円増加し89億97百万円となりました。これは主に、利益剰余金が配当金の支払いにより1億28百万円減少したものの、親会社株主に帰属する四半期純利益により2億24百万円増加したことなどによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況 当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、26億23百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における営業活動による資金の支出額は25億32百万円(前年同四半期は30億60百万円の支出)となりました。これは主に、減価償却費5億95百万円、金融機関休日による売上債権の減少額5億82百万円などの増加要因と、金融機関休日による仕入債務の減少額36億19百万円などの減少要因によるものであります。 当第2四半期連結累計期間における投資活動による資金の支出額は16億28百万円(前年同四半期は11億18百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出11億66百万円、投資有価証券の取得による支出3億9百万円、敷金及び保証金の差入による支出2億35百万円などによるものであります。 当第2四半期連結累計期間における財務活動による資金の獲得額は38億25百万円(前年同四半期は38億22百万円の獲得)となりました。これは主に、金融機関休日による短期借入金の増加額が45億円、長期借入金の返済による支出が5億16百万円などによるものであります。
(4) 経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6) 研究開発活動該当事項はありません。