【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)
業績の状況当社グループは、テクノロジーの力とこれまでに培ったグローバルコマースの知見をいかし、人・モノ・情報とグローバルコマース市場を繋ぎ、新しい常識や可能性を提供し続ける「グローバルプラットフォーマー」を目指しております。今期は中期の目標である連結流通総額1,000億円の達成に向け、各事業領域において「グローバルコマース部門:配送プランや決済手段を中心としたBuyeeサービスの改善とマーケティングの強化」、「バリューサイクル部門:高単価商品の買取と国内販売の強化」、「エンターテインメント部門:エンタメ業界向けECプラットフォーム『Groobee(グルービー)』の導入企業と利用者数の増加による流通拡大」をそれぞれ目指しております。当第3四半期連結累計期間においては、Eコマース事業においては、グローバルコマース部門は、外部環境等を好機と捉え、積極的なキャンペーン施策の実施による流通総額の増加を図り、バリューサイクル部門は、店頭接客の改善やキャンペーンの実施により、買取成約率の向上と買取高の増加を図りました。また、エンターテインメント部門は、大型イベント開催によるグッズ販売とGroobeeの導入先の増加により流通総額が増加しました。インキュベーション事業においては、営業投資有価証券の売却を積極化し投資回収を進めました。その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は22,075百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益は2,667百万円(前年同期比365.3%増)、経常利益は2,384百万円(前年同期比373.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,248百万円(前年同期は四半期純利益72百万円)となりました。当社が経営指標として重視している流通総額(国内外における商品流通額)につきましては、当第3四半期連結累計期間で705億円(前年同期比22.3%増)となりました。当第3四半期末における営業投資有価証券の簿価は70億円(前四半期期末における簿価は71億円)、当第3四半期末における時価評価額※は245億円(前四半期末における時価評価額は229億円)となり、為替変動により、時価評価額が増加しました。 ※営業投資有価証券の時価評価額の算定根拠についてはセグメント別業績の②インキュベーション事業をご参照下さい。
事業のセグメント別の業績は、次のとおりであります。
①Eコマース事業ⅰ)グローバルコマース「海外転送・購入サポート事業(FROM JAPAN)」におきましては、アメリカ向けに、軽量帯の荷物が安価に配送できる新配送プランの提供や5月以降為替が円安傾向となったことが追い風となり、規模拡大の好機と捉え、プロモーションを積極的に投下し、Buyeeの当第3四半期の流通総額は前年比で22.8%増加しました。また、既存のECサイトへのタグ設置のみで海外販売を可能にする越境購入サポートサービス「Buyee Connect」が、当第3四半期に株式会社Francfrancが運営するインテリアECショップ “Francfranc”に導入されるなど提携先の拡充にも努めました。「グローバルショッピング事業(TO JAPAN)」におきましては、ショッピングサイト「セカイモン」において新たにフランスとオランダの“eBay”サイト商品の取り扱いを開始し、既存のアメリカ・イギリス・ドイツ・カナダ・オーストリアと合わせて7か国の商品の購入が可能になりました。なお、今期より「ファッション特化型越境ECサービス運営事業(FASBEE)」をインキュベーション事業セグメントから本セグメントに変更しております。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は8,895百万円(前年同期比21.1%増)、営業利益は2,816百万円(前年同期比19.3%増)となりました。
ⅱ)バリューサイクル「ブランド・アパレル買取販売事業」におきましては、販売面では当第2四半期中の買取の苦戦の影響もあり、当第3四半期は販売商品数が少ない状況が続いたことで売上高が前年比で減少しました。買取面では、店頭接客の改善や大型の買取キャンペーンを実施したことにより買取成約率が上昇し、買取額が増加したことで当第4四半期の販売に寄与していく見込みです。また、引き続き買取専門店「ブランディア」の出店を進め、2023年4月に「ブランディア心斎橋店」をオープンし国内15店舗となりました。「酒類の買取販売事業」におきましては、買取面では、お酒の資産管理・査定相場情報アプリ「MyCellar(マイセラー)」での登録資産金額が2億円を突破したことを記念しキャンペーンを行うなど、買取強化に努めた結果、高額品を中心としたワインの買取高は大きく増加しましたが、国産ウイスキーの市場流通量不足により全体の買取額は前年比で減少しました。販売面では、国内マーケットプレイスを中心に高級ワインなどの販売が順調に推移したことで売上高が増加しました。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は10,472百万円(前年同期比5.8%減)、営業損失は17百万円(前年同期は営業損失6百万円)となりました。
ⅲ)エンターテインメント「エンターテインメント事業」におきましては、当第3四半期に大型イベントが開催されたことでグッズ販売が増加するとともに、今期よりインキュベーション事業セグメントから本セグメントに変更した、エンターテインメント業界向けECプラットフォーム「Groobee(グルービー)」において、新たにアニメ専門チャンネル“アニマックス”のECサイト“ANIMAX ストア”のサポート開始や、既にサポートをしているECサイトでのイベントグッズの会場受け取り機能の導入や、オンラインガチャ機能の活用などにより、売上が増加しました。なお、今期より主要な取扱アーティストの商品販売形態が受託販売になったことに伴い、売上高の計上が、これまでの商品代金から受託手数料に変更となっております。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は913百万円(前年同期比66.9%減)、営業損失は165百万円(前年同期は営業損失176百万円)となりました。
Eコマース事業全体では、当第3四半期連結累計期間の売上高は20,281百万円(前年同期比4.5%減)、営業利益は2,634百万円(前年同期比20.9%増)となりました。
②インキュベーション事業インキュベーション事業におきましては、当社及び当社の連結子会社が保有する営業投資有価証券の売却の積極化により当第3四半期には約7.3億円の売却益を計上しました。なお、従前より基本方針として掲げている、新規事業の先行投資費用と本社費用を相殺する利益を投資売却によって継続的に計上していく方針に変更はなく、今後も投資回収を進めてまいります。また、前期までインキュベーション事業に含まれていた「事業として確立する前の新規事業」は、「その他事業」として別のセグメントとして開示しております。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は1,575百万円(前年同期は売上高248百万円)、営業利益は1,455百万円(前年同期は営業損失215百万円)となりました。なお、当第3四半期末における営業投資有価証券の簿価は70億円(前四半期末における簿価は71億円)、当第3四半期末における時価評価額※は245億円(前四半期末における時価評価額は229億円)となり、為替変動により、時価評価額が増加しました。※営業投資有価証券の時価評価額は、上場銘柄は市場価格、未上場銘柄は直近の取引価格にて評価した金額です。(当社が投資損失引当金を計上している銘柄については簿価にて評価)当該金額は、当社の試算に基づく金額であり、監査法人の監査を受けておりません。
③その他事業海外人材雇用をテクノロジーで支援するSaaS型越境HRプラットフォーム「Linkus(リンクス)」につきましては、新規の機能拡充を図りながら、さらなる拡大が見込まれる特定技能外国人の雇用のサポートを開始しております。「トラベル事業」においては、コンサート会場と主要駅を結ぶシャトルバスサービス「FanVas(ファンバス)」の実証実験を開始しました。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は566百万円(前年同期比11.8%減)、営業損失は689百万円(前年同期は営業損失709百万円)となりました。
(2)
財政状態の分析① 資産当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ4,296百万円減少し、29,612百万円となりました。内訳といたしましては、流動資産合計が24,864百万円となり、前連結会計年度末と比べ4,848百万円の減少となりました。その主な要因は、保有する上場株式の株価変動に伴う簿価の減少などによる営業投資有価証券5,856百万円の減少であります。また、固定資産合計は、4,748百万円となり、前連結会計年度末と比べ551百万円の増加となりました。その主な要因は、繰延税金資産521百万円の増加であります。
② 負債当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末と比べ560百万円減少し、15,348百万円となりました。内訳といたしましては、流動負債合計が14,447百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,032百万円の増加となりました。その主な要因は、未払金1,021百万円の増加であります。一方、固定負債合計は、900百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,592百万円の減少となりました。その主な要因は、繰延税金負債1,179百万円の減少であります。
③ 純資産当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ3,736百万円減少し、14,264百万円となりました。その主な要因は、その他有価証券評価差額金4,764百万円の減少であります。
(3)
経営方針・経営戦略等当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)
事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)
研究開発活動該当事項はありません。
(6)
従業員数当第3四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に重要な変更はありません。