【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)
業績の状況当社グループは、テクノロジーの力とこれまでに培ったグローバルコマースの知見をいかし、人・モノ・情報とグローバルコマース市場を繋ぎ、新しい常識や可能性を提供し続ける「グローバルプラットフォーマー」を目指しております。今期は中期の目標である連結流通総額1,000億円の達成に向け、各事業領域において「グローバルコマース部門:配送プランや決済手段を中心としたBuyeeサービスの改善、マーケティングの強化」、「バリューサイクル部門:高単価商品の買取と国内販売の強化」、「エンターテインメント部門:エンタメ業界向けECプラットフォーム『Groobee(グルービー)』の導入企業と利用者数の増加による流通拡大」をそれぞれ目指しております。当第2四半期連結累計期間においては、Eコマース事業においては、グローバルコマース部門は、手数料体系の見直しを訴求したマーケティングの実施によりユーザーの獲得を狙い、バリューサイクル部門は、出品作業の改善と高価格帯商品の積極的な販売を行いました。また、エンターテインメント部門は、大型イベントでのグッズ販売とGroobeeでの機能拡充による流通総額の増加を図りました。インキュベーション事業においては、営業投資有価証券の売却を行い投資回収を進めました。その結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は14,631百万円(前年同期比4.6%増)、営業利益は1,737百万円(前年同期比238.2%増)、経常利益は1,435百万円(前年同期比223.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は819百万円(前年同期比207.3%増)となりました。当社が経営指標として重視している流通総額(国内外における商品流通額)につきましては、当第2四半期連結累計期間で464億円(前年同期比26.0%増)となりました。当第2四半期末における営業投資有価証券の簿価は71億円(前四半期末における簿価は68億円)、当第2四半期末における時価評価額※は229億円(前四半期末における時価評価額は225億円)となり、上場銘柄の株価変動、為替変動により、簿価及び時価評価額が増加しました。※営業投資有価証券の算定根拠についてはセグメント別業績の②インキュベーション事業をご参照下さい。
事業のセグメント別の業績は、次のとおりであります。
①Eコマース事業ⅰ)グローバルコマース「海外転送・購入サポート事業(FROM JAPAN)」におきましては、キャンペーンやインフルエンサーマーケティングが奏功し新規ユーザーの獲得が進んだことに加え、11月以降、為替の円高局面もあった中でも既存ユーザーの底堅いニーズにより、Buyeeの流通総額は前年比で37.8%増加しました。また、国内提携企業向けに提供している越境ECの購買データが分析できる「ダッシュボード機能」において、より詳細な購買データの確認が可能になるアップデートを行いました。さらに、既存のECサイトへのタグ設置のみで海外販売を可能にする越境購入サポートサービス「Buyee Connect」では、当第2四半期に株式会社SUPER STUDIOの運営するECプラットフォーム“ecforce”にも導入されるなど、導入企業が拡がりました。「グローバルショッピング事業(TO JAPAN)」におきましては、為替が大きく変動する中でも引き続き安定的な利益創出を目指しながら、流通総額の増加に向けて様々なキャンペーンを行い、需要の喚起を図りました。なお、今期より「ファッション特化型越境ECサービス運営事業(FASBEE)」をインキュベーション事業セグメントから本セグメントに変更しております。以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は5,966百万円(前年同期比24.9%増)、営業利益は1,968百万円(前年同期比28.4%増)となりました。 ⅱ)バリューサイクル「ブランド・アパレル買取販売事業」におきましては、販売面では、前期末に実施した臨時従業員の人員削減による一時的な混乱により、当第1四半期に発生していた出品業務の遅れは、当第2四半期中に正常化しました。また各販路への出品を強化した結果、出品数は適正となったものの、相場の下落による高級腕時計の取扱いの減少や、それによる平均単価の低下などにより、売上高は前年比で減少しました。買取面では、ハイブランド商品など高価格帯商品の取扱いを強化するための買取専門店「ブランディア」は、2023年3月に中国地方初となる「ブランディア広島本通店」をオープンし国内14店舗となりました。「酒類の買取販売事業」におきましては、販売面では、高級ワインを中心に販売が順調に推移したことで、売上高が増加しました。また、希少性が高い酒類を実際に状態を見て購入したいというお客様の要望にお応えし、2023年3月より直営店4店舗での店頭販売を開始しました。さらに稀少酒探索・販売サービス「Vintage Search」を中華圏を中心とした海外のお客様も利用できるようにするなど、ターゲットの拡大を図りました。買取面では買取を強化している銘柄の買取価格を一般相場よりも高値で設定し、自社サイトでプロモーションするなどの施策を行いました。以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は7,072百万円(前年同期比3.9%減)、営業利益は60百万円(前年同期は営業損失45百万円)となりました。 ⅲ)エンターテインメント「エンターテインメント事業」におきましては、当第2四半期に大型イベントが開催されたことでグッズ販売が増加するとともに、取扱商品の拡充を図ったことで販売が増加しました。なお、今期より主要な取扱アーティストの商品販売形態が受託販売になったことに伴い、売上高の計上が、これまでの商品代金から受託手数料に変更となっております。また、今期よりインキュベーション事業セグメントから本セグメントに変更した、エンターテインメント業界向けECプラットフォーム「Groobee(グルービー)」において、新たにアーティストやスポーツチームのECサイトのサポートを開始するなど、取扱数の増加を図りました。また、イベントグッズを並ばずに商品を注文できる決済サービス機能を「Groobee」に追加したことで、購入者の利便性が上がり、導入企業も物販の運営がさらにスムーズに実施できるようになりました。「グローバルプロダクト事業」におきましては、コスメシリーズの販売が順調に推移しており、今後も国内外のコンテンツとコラボレーションした商品の企画・販売を進めてまいります。以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は583百万円(前年同期比67.3%減)、営業損失は125百万円(前年同期は営業損失89百万円)となりました。
Eコマース事業全体では、当第2四半期連結累計期間の売上高は13,622百万円(前年同期比2.2%減)、営業利益は1,903百万円(前年同期比36.1%増)となりました。 ②インキュベーション事業インキュベーション事業におきましては、当社および当社の連結子会社が保有する営業投資有価証券の売却を行い当第2四半期に約4.7億円の売却益を計上しました。なお、従前より基本方針として掲げている、新規事業の先行投資費用と本社費用を相殺する利益を投資売却によって継続的に計上していく方針に変更はなく、今後も投資回収を進めてまいります。また、前期までインキュベーション事業に含まれていた「事業として確立する前の新規事業」は、「その他事業」として別のセグメントとして開示しております。以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は816百万円(前年同期は売上高68百万円)、営業利益は736百万円(前年同期は営業利益5百万円)となりました。なお、当第2四半期末における営業投資有価証券の簿価は71億円(前四半期末における簿価は68億円)、当第2四半期末における時価評価額※は229億円(前四半期末における時価評価額は225億円)となり、上場銘柄の株価変動、為替変動により、簿価及び時価評価額が増加しました。※営業投資有価証券の時価評価額は、上場銘柄は市場価格、未上場銘柄は直近の取引価格にて評価した金額です。(当社が投資損失引当金を計上している銘柄については簿価にて評価)当該金額は、当社の試算に基づく金額であり、監査法人の監査を受けておりません。
③その他事業アジアの大手マーケットプレイスへの日本企業の出店を支援する「越境EC支援事業」につきましては、“shopee”や“Tmall Global”などの海外マーケットプレイスへの出店対応などを行うと同時に、新たなプラットフォームとの提携も引き続き進めております。海外人材雇用をテクノロジーで支援するSaaS型越境HRプラットフォーム「Linkus(リンクス)」においては、特定技能の雇用拡大が予想されることから、適正な制度運用と日本で働く特定技能外国人の方が快適に働ける環境構築に貢献するべく、新たにコンサルティングサービスの本格提供を開始しました。以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は411百万円(前年同期比25.3%増)、営業損失は445百万円(前年同期は営業損失440百万円)となりました。
(2)
財政状態の分析
① 資産当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ5,095百万円減少し、28,814百万円となりました。内訳といたしましては、流動資産合計が24,147百万円となり、前連結会計年度末と比べ5,565百万円の減少となりました。その主な要因は、保有する上場株式の株価変動に伴う簿価の減少などによる営業投資有価証券5,692百万円の減少であります。また、固定資産合計は、4,666百万円となり、前連結会計年度末と比べ470百万円の増加となりました。その主な要因は、繰延税金資産682百万円の増加であります。
② 負債当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末と比べ1,013百万円減少し、14,895百万円となりました。内訳といたしましては、流動負債合計が13,785百万円となり、前連結会計年度末と比べ370百万円の増加となりました。その主な要因は、短期借入金733百万円の増加であります。一方、固定負債合計は、1,109百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,383百万円の減少となりました。その主な要因は、繰延税金負債1,190百万円の減少であります。
③ 純資産当第2四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ4,082百万円減少し、13,919百万円となりました。その主な要因は、その他有価証券評価差額金4,498百万円の減少であります。
(3)
キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は10,615百万円となり、前連結会計年度末と比べ595百万円の増加となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間において営業活動による資金の増加は655百万円となりました。主な増加要因は、税金等調整前四半期純利益1,440百万円、法人税等の還付額746百万円であり、主な減少要因は、未収入金の増加690百万円、法人税等の支払額2,083百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間において投資活動による資金の減少は294百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出74百万円、投資有価証券の取得による支出137百万円であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間において財務活動による資金の増加は326百万円となりました。主な増加要因は、短期借入金の増加733百万円であり、主な減少要因は、配当金の支払額308百万円であります。
(4)
経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)
事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6)
研究開発活動該当事項はありません。
(7)
従業員数当第2四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に重要な変更はありません。