【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)
業績の状況当社グループは、テクノロジーの力とこれまでに培ったグローバルコマースの知見をいかし、人・モノ・情報とグローバルコマース市場を繋ぎ、新しい常識や可能性を提供し続ける「グローバルプラットフォーマー」を目指しております。今期は中期の目標である連結流通総額1,000億円の達成に向け、各事業領域において「グローバルコマース部門:配送プランや決済手段を中心としたBuyeeサービスの改善、マーケティングの強化」、「バリューサイクル部門:高単価商品の買取と国内販売の強化」、「エンターテインメント部門:エンタメ業界向けECプラットフォーム『Groobee(グルービー)』の導入企業と利用者数の増加による流通拡大」をそれぞれ目指しております。当第1四半期連結累計期間においては、Eコマース事業においては、グローバルコマース部門は、積極的なキャンペーンの実施等により流通総額の増加を図り、バリューサイクル部門は、海外販売の継続的な成長と国内販売の強化に努めました。また、エンターテインメント部門は、Groobeeでの新規取扱アーティストの獲得に注力し流通総額の増加を狙いました。インキュベーション事業においては、営業投資有価証券の売却を行い投資回収を進めました。その結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は6,975百万円(前年同期比2.3%増)、営業利益は764百万円(前年同期比830.3%増)、経常利益は588百万円(前年同期は経常利益36百万円)親会社株主に帰属する四半期純利益は398百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失18百万円)となりました。当社が経営指標として重視している流通総額(国内外における商品流通額)につきましては、当第1四半期連結累計期間で228億円(前年同期比24.4%増)となりました。当第1四半期末における営業投資有価証券の簿価は68億円(前期末における簿価は128億円)、当第1四半期末における時価評価額※は225億円(前期末における時価評価額は300億円)となり、上場銘柄の株価変動及び為替変動により、簿価及び時価評価額が減少しました。※営業投資有価証券の算定根拠についてはセグメント別業績の②インキュベーション事業をご参照下さい。
事業のセグメント別の業績は、次のとおりであります。
①Eコマース事業 ⅰ)グローバルコマース「海外転送・購入サポート事業(FROM JAPAN)」におきましては、Buyeeの手数料体系の見直しを実施したことや、従来からBuyeeに導入していた独自の安価な物流手段を、海外転送サービス(転送コム)にも「転送コム空運台湾」として台湾向けに提供を開始したこと、さらに、既存のECサイトにタグ設置のみで海外販売を可能にする、越境購入サポートサービス「Buyee Connect」が当第1四半期に、シュッピン株式会社のECサイトに導入されたことなどにより、2022年12月には当社の越境EC支援実績が累計4,000件を突破し、順調に流通が増加しました。「グローバルショッピング事業(TO JAPAN)」におきましては、食品・飲料のカテゴリの追加など取扱商品の拡大により流通の増加を図りました。また前期から当第1四半期の前半までは、為替が円安傾向であったことが影響し、内外価格差を利用の主目的としていたユーザーの需要が低下している状況が続いていましたが、当第1四半期の後半からは、為替が相対的に円高方向にシフトしたため受注の回復がみられました。なお、今期より「ファッション特化型越境ECサービス運営事業(FASBEE)」をインキュベーション事業セグメントから本セグメントに変更しております。以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は3,002百万円(前年同期比28.5%増)、営業利益は1,021百万円(前年同期比44.8%増)となりました。
ⅱ)バリューサイクル「ブランド・アパレル買取販売事業」におきましては、販売面では、前第4四半期の売上増加に伴う在庫の減少に加え、前期に実施した人員削減による出品作業へのリソース不足が影響し出品数が一時的に大きく減少したことで、売上が前年同期比で減少しました。買取面では、ハイブランド商品など高価格帯商品の取扱いを強化するため買取専門店「ブランディア」の出店を進めており、2022年10月に「神戸元町店」、11月に「銀座店」をオープンし国内13店舗となりました。また、オンライン査定サービスの「ブランディアBell」では、プライバシーに配慮して顔や背景を隠せる機能をリリースするなど、利用のハードルを下げ、使いやすさの向上を図りました。「酒類の買取販売事業」におきましては、販売面では、買取ボリュームの大きいジャパニーズウィスキーやワインなどで高額品が人気になるなど、売上高が増加しました。また、元サッカー日本代表監督フィリップ・トルシエ氏が手がけるワイナリー“La Belle Gabrielle” (ラ・ベル・ガブリエル)の日本公式ブランドサイトをローンチし、ECでの販売を開始しました。買取面では酒類の資産管理・査定相場情報アプリ「MyCellar」のキャンペーンを実施し、登録ユーザー数、資産金額が共にキャンペーン期間前と比べ倍増する効果を上げました。以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は3,311百万円(前年同期比9.4%減)、営業利益は13百万円(前年同期は営業損失122百万円)となりました。
ⅲ)エンターテインメント「エンターテインメント事業」におきましては、イベントの収容人数や声出しの制限が緩和されるなど市場環境が改善いたしましたが、当社の取り扱うアーティストの大型イベントの開催が無かったことから、グッズやCDなどの販売が減少しました。また、今期より主要な取扱アーティストの商品販売形態が受託販売となったことに伴い、売上高の計上が、これまでの商品代金から受託手数料へと変更となっております。「グローバルプロダクト事業」におきましては、自社コスメブランド「Lovisia」において、“ちいかわ”や“ポケモン”、“星のカービィ”など、国内外で人気のあるコンテンツとのコラボレーション商品が人気となり、コスメシリーズの累計出荷数が193万個となるなど流通が拡大しました。また、今期よりインキュベーション事業セグメントから本セグメントに変更した「エンターテインメント領域のDX支援事業」では、エンターテインメント業界向けECプラットフォーム「Groobee(グルービー)」で、映画“すずめの戸締り”の関連グッズを販売する“すずめの椅子 段ボールクラフト”公式ショップの制作と運営サポートの開始や、アニメ・ゲーム等の公式グッズを販売する“EDITH ONLINE”にオンラインガチャ機能を導入するなど、Groobeeの利用企業が順調に増加しております。以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は318百万円(前年同期比65.8%減※)、営業損失は39百万円(前年同期は営業損失35百万円※)となりました。※前期の数値は新しいセグメントに組み替えて比較しております。
Eコマース事業全体では、当第1四半期連結累計期間の売上高は6,632百万円(前年同期比4.2%減)、営業利益は995百万円(前年同期比82.3%増)となりました。
②インキュベーション事業 インキュベーション事業におきましては、当社および当社の連結子会社が保有する営業投資有価証券の売却を行い2億円の売却益を計上しました。なお、上場銘柄の株価変動により含み益が減少しておりますが、従前より基本方針として掲げている、新規事業の先行投資費用と本社費用を相殺する利益を投資売却によって継続的に計上していく方針に変更はなく、今後も投資回収を進めてまいります。また、前期までインキュベーション事業に含まれていた「事業として確立する前の新規事業」は、「その他事業」として別のセグメントとして開示しております。以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は262百万円(前年同期比903.5%増)、営業利益は209百万円(前年同期は営業損失13百万円)となりました。なお、当第1四半期末における営業投資有価証券の簿価は68億円(前期末における簿価は128億円)、当第1四半期末における時価評価額※は225億円(前期末における時価評価額は300億円)となり、上場銘柄の株価変動及び為替変動により、簿価及び時価評価額が減少しました。※営業投資有価証券の時価評価額は、上場銘柄は市場価格、未上場銘柄は直近の取引価格にて評価した金額です。(当社が投資損失引当金を計上している銘柄については簿価にて評価)当該金額は、当社の試算に基づく金額であり、監査法人の監査を受けておりません。
③その他事業アジアの大手マーケットプレイスへの日本企業の出店を支援する「越境EC支援事業」につきましては、中国の大手プラットフォームとの連携プロジェクトが一時休止となったものの、引き続き“Shopee”や“Tmall Global”などの海外マーケットプレイスへの出店、カスタマーサポート、海外配送対応、決済対応など幅広いサービスをワンストップで提供し続けると同時に、新たなプラットフォーム提携も引き続き検討しております。「インバウンド事業」においては、日本国内への入国制限撤廃によりインバウンド旅行客が増加することを見込んでおり、インバウンド旅行客向けの予約サービスの開発など各種サービスの拡大を進めております。以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は189百万円(前年同期比77.6%増)、営業損失は224百万円(前年同期は営業損失252百万円)となりました。
(2)
財政状態の分析
①
資産当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ7,827百万円減少し、26,082百万円となりました。内訳といたしましては、流動資産合計が22,116百万円となり、前連結会計年度末と比べ7,596百万円の減少となりました。その主な要因は、保有する上場株式の株価変動に伴う簿価の減少などによる営業投資有価証券の減少が6,067百万円、納税や配当の支払いなどによる現金及び預金の減少が2,991百万円であります。また、固定資産合計は、3,965百万円となり、前連結会計年度末と比べ231百万円の減少となりました。その主な要因は、投資有価証券236百万円の減少であります。
②
負債当第1四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末と比べ2,801百万円減少し、13,106百万円となりました。内訳といたしましては、流動負債合計が11,816百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,598百万円の減少となりました。その主な要因は、預り金718百万円、未払金322百万円の減少であります。また、固定負債合計は、1,289百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,203百万円の減少となりました。その主な要因は、繰延税金負債1,031百万円の減少であります。
③
純資産当第1四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ5,025百万円減少し、12,975百万円となりました。その主な要因は、有価証券評価差額金4,843百万円の減少であります。
(3)
経営方針・経営戦略等当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)
事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)
研究開発活動該当事項はありません。
(6)
従業員数当第1四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に重要な変更はありません。