【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(以下、当社、SanBio, Inc.(米国カリフォルニア州マウンテンビュー市)及びSanBio Asia Pte. Ltd.(シンガポール)の3社を指します。)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
日本の再生医療業界においては、2014年11月に施行された再生医療安全性確保法及び改正薬事法によって、再生医療の産業促進が進むなか、2022年末までに17品目が再生医療等製品としての製造販売承認を取得しました。また、米国においては、2016年12月に可決された21st Century Cures Act(21世紀治療法)のもと、重篤な疾患の治療を目的とした再生医療製品の迅速承認を可能とするRMAT(Regenerative Medicine Advanced Therapy)指定制度が設けられ、2021年にはRMAT指定品目として初のBLA(Biologics License Application)承認取得を含むRMAT指定3品目がBLA承認を取得しました。2022年にはRMAT指定品目のBLA承認取得はありませんでしたが、14品目が新たにRMAT指定を受けました。2023年に入っても、4月末日時点において、国内で既に2品目が再生医療等製品としての製造販売承認を取得し、再生医療の実用化は引き続き着実に進展しました。
このような環境のもと当社グループは、アンメット・メディカルニーズが高い中枢神経系疾患を主な対象とし、当社グループ独自の再生細胞薬SB623の事業化を目指して、研究開発を進めました。
SB623慢性期外傷性脳損傷プログラムについては、日本を含む国際共同フェーズ2臨床試験(被験者61名)にて、2018年11月に「SB623の投与群は、コントロール群と比較して、統計学的に有意な運動機能の改善を認め主要評価項目を達成。」という良好な結果を得て、2019年4月には、国内で厚生労働省より再生医療等製品として先駆け審査指定制度の対象品目の指定を受けました。当社は、当該指定以降、先駆け審査指定制度の枠組みにおいて、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)との協議を進め、2022年1月に先駆け総合評価相談を終了し、2022年3月に当社初となる国内での再生医療等製品製造販売承認申請を完了しました。現在、承認取得に向けて、PMDAによる審査対応及び収量に関する課題(申請時点と比較して収量が減少)への対応を行うとともに、承認後、速やかに販売を開始できるよう、販売体制構築に向けた準備を着実に進めています。承認時期は当社で決められるものではありませんが、今期中の承認取得を目指します。
慢性期外傷性脳損傷プログラムの良好な結果を受けて開始した慢性期脳出血プログラムについては、国内における臨床試験の開始に向けた取り組みを、国内SB623慢性期外傷性脳損傷プログラムの承認取得後速やかに進めていきます。
SB623慢性期脳梗塞プログラムについては、主要評価項目未達となった米国でのフェーズ2b臨床試験(被験者163名)の追加解析結果を踏まえて、国内における臨床試験の開始に向けた取り組みを、国内SB623慢性期外傷性脳損傷プログラムの承認取得後速やかに進めていきます。
このような状況のなか、当第1四半期連結累計期間は、SB623慢性期外傷性脳損傷プログラムの承認に向けた製造関連の費用が主なものとなり、研究開発費1,048百万円を計上した結果、営業損失は1,461百万円(前年同四半期連結累計期間は営業損失1,844百万円)となりました。一方、為替相場の変動による為替差益が発生したため、営業外収益として為替差益534百万円を計上し、経常損失は937百万円(前年同四半期連結累計期間は経常利益869百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は626百万円(前年同四半期連結累計期間は親会社株主に帰属する四半期純損失315百万円)となりました。
なお、当社グループは他家幹細胞を用いた再生細胞事業の単一セグメントであるため、セグメント別の業績記載を省略しています。
②財政状態
(流動資産)
当第1四半期連結会計期間末の流動資産の残高は、5,850百万円(前連結会計年度末は6,967百万円)となり、前連結会計年度末に比べて1,116百万円減少いたしました。これは、現金及び預金が1,050百万円減少したことが主な要因であります。
(固定資産)
当第1四半期連結会計期間末の固定資産の残高は、81百万円(前連結会計年度末は77百万円)となり、前連結会計年度末に比べて3百万円増加いたしました。
(流動負債)
当第1四半期連結会計期間末の流動負債の残高は、873百万円(前連結会計年度末は1,090百万円)となり、前連結会計年度末に比べて216百万円減少いたしました。これは、未払金が39百万円、未払費用が141百万円減少したことが主な要因であります。
(固定負債)
当第1四半期連結会計期間末の固定負債の残高は、1,218百万円(前連結会計年度末残高は1,525百万円)となり、前連結会計年度末に比べて307百万円減少いたしました。これは、長期借入金が67百万円、繰延税金負債が240百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末の純資産合計は、3,839百万円(前連結会計年度末は4,428百万円)となり、前連結会計年度末に比べて588百万円減少いたしました。これは、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ269百万円増加した一方で、親会社株主に帰属する四半期純損失626百万円の計上、為替換算調整勘定が442百万円減少したことが主な要因であります。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、1,048百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
