【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第3四半期連結累計期間における世界経済は、2023年初頭には、インフレ率の鈍化とともに大幅な追加利上げの必要性も低下し、世界経済が軟着陸に成功するという見方が高まりましたが、インフレの高止まりや米国における銀行破綻の発生をきっかけに金融不安が広がったことなどから、世界経済の先行きには不透明感がみられるようになってきました。米国においては、個人消費は底堅さを保っているほか、ペースを緩めつつも雇用環境も底堅く推移しておりますが、製造業において生産の伸び悩みが明確になりつつあるなど、景気は基調的に拡大から踊り場に移行しつつあることが窺えます。欧州においては、依然として緩やかなペースながら景気減速は一段と明確になってきており、とりわけ製造業では生産、受注の減少、景況感の悪化が続き、経済全体の足を引っ張る状況が続いております。中国においては、ゼロコロナ政策が解除されたことにより、ロックダウンからの反動増がみられたものの、財消費の回復の勢い、小売売上高の伸びともに鈍化しているなど、財・サービスともにリバウンド消費は早くも息切れし、景気は急減速しております。日本においては、コロナ禍からの経済活動正常化の動きにより、サービス消費の拡大やインバウンド需要の持ち直しなど非製造業の改善が製造業にも及び、大企業の業況判断DIは製造業、非製造業ともに改善傾向がみられ経済の回復期待が高まっておりますが、今後、欧米及び中国経済減速が逆風となることも予想されます。このような経済環境の中、業績は総じて堅調に推移いたしました。当第3四半期連結累計期間の受注高は624億5千6百万円(前年同期比6.4%の増加)、受注残高は597億1千9百万円(前年同期比12.7%の増加)、売上高は562億8千7百万円(前年同期比18.1%の増加)となりました。 利益面におきましては、営業利益は49億5千3百万円(前年同期比27.1%の増加)、経常利益は51億9千2百万円(前年同期比28.6%の増加)、親会社株主に帰属する四半期純利益は38億4千7百万円(前年同期比23.2%の増加)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
<粉体関連事業>当事業は、粉砕・分級装置、混合・乾燥装置及び日本市場においての大気汚染防止装置、製品捕集用集塵装置、精密空調制御装置等の製造販売、複合ナノ粒子を中心とした新素材開発とその商品化並びに微粉体受託加工サービスを提供するホソカワミクロングループの主力分野であります。世界的な温室効果ガス削減に向けた動きの中で、二次電池向けなど電子材料向けが引き続き拡大基調で推移しているほか、裾野の広い化学向け、食品向けやメンテナンスサービス分野などが堅調に推移いたしました。世界的に納期の遅延傾向は続いており、出荷環境に大きな変化はありませんが、資材高騰後に成約した価格転嫁が進んだ案件の売上も増えてきたことなどから、利益率は改善傾向にあります。これらの結果、受注高は508億1千8百万円(前年同期比15.0%の増加)、受注残高は446億5千3百万円(前年同期比20.7%の増加)となり、売上高は444億7千6百万円(前年同期比25.6%の増加)となりました。セグメント利益は56億1千1百万円(前年同期比48.9%の増加)となりました。
<プラスチック薄膜関連事業>当事業は、単層から多層の各種プラスチック高機能フィルム製造装置の開発・製造・販売を行っております。 プラスチック薄膜製造装置の市場は、100%リサイクル可能なフィルム向け市場での需要はみられるものの、全般的に過年度からの設備投資により主力の米国を中心にフィルム市場での在庫が増加していることから、調整局面を迎えております。加えて、金利の上昇や、ドイツからの輸出にあたり、為替レートが不利な方向に向かっているなど、新規設備投資の減速傾向が顕著となっております。粉体関連事業と同様、長納期の問題は改善しておりませんが、仕入資材価格の高騰後に受注し、価格転嫁ができた案件の売上計上も徐々に増えてきたことから、利益率には改善傾向がみられるようになってきました。これらの結果、受注高は116億3千8百万円(前年同期比19.9%の減少)、受注残高は150億6千6百万円(前年同期比5.7%の減少)となり、売上高は118億1千1百万円(前年同期比3.8%の減少)となりました。セグメント利益は4億7千3百万円(前年同期比57.6%の減少)となりました。
(2) 財政状態の状況当第3四半期連結会計期間末の財政状態については、前連結会計年度末に比べ、総資産は、受取手形、売掛金及び契約資産の増加などにより74億3千2百万円増加し、934億7千8百万円となりました。負債は、契約負債の増加などにより49億4千3百万円増加し、372億3千1百万円となりました。純資産は、為替換算調整勘定の増加などにより24億8千9百万円増加し、562億4千7百万円となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は7億1千万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。