【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
以下に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における国内経済は、円安進行やウクライナ情勢に起因した原材料やエネルギー価格の高騰による物価高が懸念される状況で推移しましたが、ウィズコロナの下で、政府による各種政策や企業による賃上げや働き方の多様化支援の動きも拡がっており、景気の持ち直しが期待されております。
当連結会計年度においては、事業エリアの拡大の推進、デジタルマーケティングの推進、オープンイノベーションの創出、DX戦略の本格化、経営資源の最適配分、SDGsに向けた取り組み強化に、引き続きグループ一丸となって取り組んでまいりました。
その結果、当連結会計年度においては、グループの継続取引顧客件数が106千件増加(前連結会計年度は95千件増加)し3,299千件、TLC会員サービスの会員数が同71千件増加(前連結会計年度は107千件増加)し1,158千件となりました。
さらに2022年6月には産業廃棄物処理、木材チップ製造等を営む株式会社ウッドリサイクル(岐阜県下呂市)の株式を取得して連結子会社化し、10月には物流・倉庫業向けパッケージソフトの開発・販売・保守を営む株式会社ジェイ・サポート(福岡市中央区)と、CATV事業を営む沖縄ケーブルネットワーク株式会社(沖縄県那覇市)の株式を取得して連結子会社化しました。2023年3月には連結子会社の株式会社TOKAIキッズタッチ(静岡市葵区)が一時預かり託児所サービスを開始しました。
また、2023年3月には愛媛県松山市へ新たなLPガス販売の営業拠点を開設し四国エリアへの進出を果たす等、事業基盤の拡大について順調な成果が得られました。
このような状況のもと、当連結会計年度における業績については、売上高は230,190百万円(前連結会計年度比9.3%増)となりましたが、ガス仕入コストの高騰や顧客獲得費用の増加等により、営業利益は14,919百万円(同5.5%減)、ベトナムの関連会社に係るのれんの減損損失等を計上し、経常利益は13,289百万円(同16.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,465百万円(同27.9%減)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
(エネルギー)
LPガス事業につきましては、引き続き顧客獲得を推進した結果、需要家件数は前連結会計年度末から31千件増加し746千件となりました。また、工業用ガス販売における仕入価格に連動した販売価格の上昇等により、売上高は82,921百万円(前連結会計年度比12.4%増)となりました。
都市ガス事業につきましては、需要家件数は前連結会計年度末から5千件増加し75千件となりました。また、原料費調整制度の影響により、売上高は19,607百万円(同50.8%増)となりました。
これらにより、当セグメントの売上高は102,528百万円(同18.2%増)となりましたが、ガス仕入コストの高騰等が影響し営業利益は4,285百万円(同29.3%減)となりました。
(建築設備不動産)
建築設備不動産事業につきましては、大型の設備工事や土木工事、店舗等の新築工事が減少したこと等により、当セグメントの売上高は26,809百万円(同3.5%減)、営業利益は1,312百万円(同23.1%減)となりました。
(CATV)
CATV事業につきましては、地域密着の事業者として地元の情報発信や番組制作に注力するとともに、大手動画配信事業者と提携する等コンテンツの充実に努めてまいりました。また、営業活動を積極的に実施したことで、放送サービスの顧客件数は前連結会計年度末から26千件増加し914千件、通信サービスの顧客件数は前連結会計年度末から29千件増加し373千件となりました。
これらにより、当セグメントの売上高は34,500百万円(同5.9%増)、営業利益は5,523百万円(同6.4%増)となりました。
(情報通信)
コンシューマー向け事業につきましては顧客純増への転換に努め、ISP事業については大手携帯キャリアとの提携による獲得強化、モバイル事業についてはLIBMOのサービスメニューの拡充や固定回線とのセットプラン等により顧客獲得を推進しました。これらの施策の結果、ブロードバンド顧客は純増基調に転じ前連結会計年度末から11千件増加し665千件、LIBMOについては同16千件増加し71千件となりましたが、ARPUの減少等により、売上高は24,402百万円(同0.0%増)と前年並みとなりました。
法人向け事業につきましては、キャリアサービス及びクラウドサービスが順調に進捗、受託開発案件の増加等により、売上高は29,542百万円(同9.4%増)となりました。
これらにより、当セグメントの売上高は53,945百万円(同5.0%増)、営業利益は3,841百万円(同14.5%増)となりました。
(アクア)
アクア事業につきましては、大型商業施設等での催事営業に加えて、WEB獲得やテレマーケティング等の非対面営業も実施し、顧客件数は前連結会計年度末並みの165千件となりました。
一方、当セグメントの売上高は、世帯当たり消費量の減少等により7,529百万円(同1.3%減)となりましたが、営業費用を抑制し営業利益は262百万円(同462.6%増)となりました。
(その他)
その他の事業のうち、介護事業につきましては、利用者数が増加したことにより、売上高は1,362百万円(同0.7%増)となりました。造船事業につきましては、船舶の修繕工事量が増加したことにより、売上高は1,709百万円(同2.2%増)となりました。婚礼催事事業につきましては婚礼、宴会事業ともに回復がみられ、売上高は1,012百万円(同56.5%増)となりました。
これらにより、当セグメントの売上高は4,876百万円(同7.4%増)、営業利益は169百万円(前連結会計年度は103百万円の営業損失)となりました。
財政状態につきましては、当連結会計年度末における資産合計は193,339百万円となり、前連結会計年度末と比較して8,865百万円の増加となりました。これは主として、有形固定資産が4,367百万円、商品及び製品が1,418百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が1,333百万円、未収入金の増加等により流動資産「その他」が1,778百万円、それぞれ増加したこと等によるものであります。
負債合計は111,034百万円となり、前連結会計年度末と比較して5,507百万円の増加となりました。これは主として、短期借入金が1,341百万円、支払手形及び買掛金が1,133百万円、長期借入金が1,118百万円、固定負債「リース債務」が933百万円、契約負債の増加等により流動負債「その他」が1,251百万円、それぞれ増加したこと等によるものであります。
純資産合計は82,304百万円となり、前連結会計年度末と比較して3,358百万円の増加となりました。これは主として、剰余金の配当4,334百万円を実施した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益6,465百万円を計上したことに加え、その他有価証券評価差額金が852百万円、為替換算調整勘定が371百万円、それぞれ増加したこと等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末から418百万円減少し4,028百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、21,193百万円の資金の増加(前連結会計年度比+384百万円)となりました。これは法人税等の支払、棚卸資産の増加等により資金が減少した一方で、税金等調整前当期純利益、非資金項目である減価償却費等の要因により資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、14,152百万円の資金の減少(同+440百万円)となりました。これは有形及び無形固定資産の取得に加え、有価証券の取得による支出等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、7,459百万円の資金の減少(同△554百万円)となりました。これは借入金による資金調達等の一方で、借入金及びリース債務の返済、配当金の支払等を行ったことによるものであります。
③ 仕入、受注及び販売の実績
a.仕入実績
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)の仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前連結会計年度比(%)
エネルギー
57,857
143.4
建築設備不動産
9,246
101.6
CATV
13
80.2
情報通信
2,666
98.3
アクア
813
94.6
その他
666
138.8
合計
71,263
133.2
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)の受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高
(百万円)
前連結会計年度比(%)
受注残高
(百万円)
前連結会計年度比(%)
エネルギー
17
474.4
98
117.3
建築設備不動産
12,958
98.0
2,107
52.1
CATV
-
-
-
-
情報通信
18,319
105.7
1,385
104.4
アクア
-
-
-
-
その他
1,293
164.1
137
202.8
合計
32,588
103.9
3,729
67.5
(注)1.当社グループは一部を除き受注生産を行っておりません。「エネルギー」はガス関連機器等の請負工事、「建築設備不動産」は住宅及び土木建築等の請負工事、「情報通信」はソフトウェア開発、「その他」は船舶修繕の受注高を記載しております。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前連結会計年度比(%)
エネルギー
102,528
118.2
建築設備不動産
26,809
96.5
CATV
34,500
105.9
情報通信
53,945
105.0
アクア
7,529
98.7
その他
4,876
107.4
合計
230,190
109.3
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
ⅰ.財政状態
当連結会計年度の財政状態の状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
ⅱ.経営成績
当社グループの当連結会計年度の経営成績は以下のとおりであります。
(売上高)
売上高は、230,190百万円(前連結会計年度比9.3%増)となりました。売上高の主な内訳をセグメント別でみると、下記のとおりであります。
エネルギー事業におきましては、顧客増加や仕入価格に連動した販売価格の上昇等により、102,528百万円(同18.2%増)となりました。
建築設備不動産事業におきましては、大型の設備工事や土木工事、店舗等の新築工事が減少したこと等により、26,809百万円(同3.5%減)となりました。
CATV事業におきましては、顧客件数が順調に増加し34,500百万円(同5.9%増)となりました。
情報通信事業におきましては、法人向け事業でストックビジネス及び受注開発案件が好調に推移し、53,945百万円(同5.0%増)となりました。
アクア事業におきましては、世帯当たり消費量の減少等により、7,529百万円(同1,3%減)となりました。
その他の事業におきましては、介護事業での利用者数の増加、造船事業での船舶修繕工事量の増加及び婚礼催事事業で婚礼、宴会事業ともに回復がみられた等により、4,876百万円(同7.4%増)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、エネルギー事業のガス仕入価格の上昇等により18,650百万円増加し、144,129百万円(同14.9%増)となりました。販売費及び一般管理費は、LPガス事業及びブロードバンド事業の顧客獲得費用が増加したこと等により1,722百万円増加し71,141百万円(同2.5%増)となりました。以上により、営業利益は874百万円減少し、14,919百万円(同5.5%減)となりました。
(営業外損益)
営業外損益は、ベトナムの関連会社に係るのれんの減損損失等を計上し、1,629百万円の損失(前期は113百万円の利益)となりました。なお、支払利息は前連結会計年度から2百万円増加し、271百万円となりました。これらにより、経常利益は13,289百万円(同16.5%減)となりました。
(特別損益)
特別損益は、固定資産除却損、減損損失、特別調査費用を計上したこと等により、1,407百万円の損失(前連結会計年度は916百万円の損失)となりました。
以上により、税金等調整前当期純利益は11,882百万円(前連結会計年度比20.7%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等の負担(法人税等調整額を含む)、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引き、6,465百万円(同27.9%減)となりました。1株当たり当期純利益は49円41銭(前連結会計年度は68円49銭)となりました。
ⅲ.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等
2023年3月期は、事業エリアの拡大の推進、デジタルマーケティングの推進、オープンイノベーションの創出、DX戦略の本格化、経営資源の最適配分、SDGsに向けた取り組み強化に、引き続きグループ一丸となって取り組んでまいりました。
2023年3月期の実績については、以下の通りとなります。
2023年3月期実績
2020年3月期
実績
2021年3月期
実績
2022年3月期
実績
2023年3月期
実績
売上高
1,960億円
1,967億円
2,107億円
2,302億円
営業利益
142億円
152億円
158億円
149億円
経常利益
145億円
153億円
159億円
133億円
当期純利益
82億円
88億円
90億円
65億円
営業CF
225億円
322億円
208億円
212億円
顧客件数
300万件
310万件
319万件
330万件
配当性向
44.5%
44.6%
46.7%
64.8%
ROE
13.0%
12.7%
11.8%
8.2%
ROIC
8.7%
9.2%
9.2%
8.3%
2023年3月期の連結業績は、エネルギー及びCATVの顧客件数増加、仕入価格に連動した販売価格の上昇及び情報通信法人向けストックビジネスの拡大等による増収により、売上高が2,302億円となり、前連結会計年度比195億円(9.3%)増と6期連続の増収となり、過去最高を更新しました。
一方、利益面については、ガス仕入コストの高騰や顧客獲得費用の増加等により、営業利益が149億円と同9億円(5.5%)減、ベトナムの関連会社に係るのれんの減損損失等を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益65億円と同25億円(27.9%)減となりました。
顧客件数については顧客獲得及び解約防止に努めた結果、同11万件増の330万件となりました。
なお、中期経営計画2025については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の分析・検討内容 b経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等」に記載しております。
c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フロー
詳細につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、当社グループの財政状態及びキャッシュ・フローの指標の推移は下記のとおりであります。
第8期
(2019年3月期)
第9期
(2020年3月期)
第10期
(2021年3月期)
第11期
(2022年3月期)
第12期
(2023年3月期)
フリー・キャッシュ・フロー
(百万円)
9,161
10,403
15,155
6,216
7,040
自己資本比率(%)
37.4
38.0
41.6
41.9
41.5
時価ベースの自己資本比率(%)
71.8
72.2
70.0
61.1
59.0
債務償還年数(年)
2.3
2.1
1.3
2.1
2.2
インタレスト・カバレッジ・レシオ
(倍)
58.2
72.3
108.2
75.4
77.5
(注)フリー・キャッシュ・フロー
: 営業活動キャッシュ・フロー+投資活動キャッシュ・フロー
自己資本比率
: 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率
: 株式時価総額/総資産
債務償還年数
: 有利子負債/営業活動キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業活動キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。なお、当社は、「株式給付信託(BBT)」を導入しており、株式時価総額の算定上使用する発行済株式数から控除する自己株式については、株式給付信託(BBT)によって株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が所有する当社株式を含めております。
※ 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、社債及び借入金を対象としております。
また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
b.財務政策
ⅰ.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、2023年5月に新たに「中期経営計画2025」を策定しました。その中で、経営資源配分方針については、既存事業で創出した営業キャッシュフローを更なる成長に向けた積極的な投資(収益基盤の拡大・強化に向けた投資や、新サ―ビス・再生可能エネルギー投資等)に優先的に振り向ける一方で、配当についても安定的に行う方針を定めております。
また、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の通り経営指標の目標数値を掲げ、市場の期待に応える資本効率(ROEやROIC)の水準の維持も意識しております。なお、手許資金につきましては足許の資金需要に耐えられる必要最小限に留めております。
ⅱ.資金需要の主な内容
当社グループにおける主な資金需要は仕入代金や人件費といった営業上の支出のほか、収益基盤拡大に向けた成長投資や新サービスの展開に向けた投資に係る資金や、顧客へのサービス提供のために継続的な設備投資を実施することに伴う支出であります。設備投資の例としては、エネルギー事業における供給権や供給設備等、情報通信事業におけるネットワーク設備等、CATV事業における放送設備や伝送設備等が挙げられます。
ⅲ.資金調達
当社グループにおける資金調達の方法は、内部資金に加え、設備投資資金や長期運転資金は銀行からの長期借入、短期的な運転資金は銀行からの短期借入や短期社債(CP)及び売掛債権流動化によって調達しております。
各連結子会社の必要資金を当社が一括して調達した上で各社に貸し付ける体制をとり、加えてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)により資金の一元管理を行うことで、調達コストの削減と効率的な資金管理を行っております。また、取引銀行とは良好な関係を維持しており、加えて強固な財務体質を有していることから、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しております。また、取引銀行3行と貸出コミットメント契約60億円を設定しており、緊急時の流動性を確保しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症が当社グループに与える影響につきましては、事業全体への大きな影響はなく、感染症の拡大が当社グループに与える影響は軽微であるとの仮定をもとに、会計上の見積りを行っております。
a.収益の認識
当社グループの売上高は、主力のガスは計量販売についてはガスメーターの検針時に計上(ただし、最終検針時より期末までの分については推計計上)しており、器具等の商品は引渡時点、住宅等の建築工事は工事進行基準を適用しているものを除き検収引渡時点、役務サービスについては役務の提供が完了した時点で計上しております。なお、ガスについては商品の性格上季節的要因を受け易く、最終検針後の推計計上分については最終検針までの一定期間のガス使用量・平均気温の推移等を基に期末までの使用量を推定しておりますが、特に、推定気温より高めに推移した場合には実質消費量が推計消費量に比べ減少する可能性があります。
b.棚卸資産の評価
当社グループは、主として先入先出法により評価し、営業循環過程から外れた場合や正味売却価額が著しく下落した場合には、収益性の低下に伴う簿価切下げを行っております。将来の市況悪化または滞留在庫が増加した場合等には更なる評価損の計上が必要となる可能性があります。なお、主力のガスは実勢価格により評価し、最終検針時より期末までの使用量を推計し、期末時点の在庫を計上しております。
c.貸倒引当金
当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるために貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、貸倒引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
d.投資有価証券の減損
当社グループは、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合にはすべて減損処理を行い、30~50%程度下落した場合及び市場価格のない株式については、銘柄別に回復可能性を考慮して、必要と認められた額について減損処理を行っておりますが、将来の市況悪化または投資先の業績不振により更なる減損損失の計上が必要となる可能性があります。
e.固定資産の減損
減損の兆候がある資産グループの内、回収可能価額が帳簿価額を著しく下回った場合に、その差額を減損損失に計上しますが、回収可能価額は、資産グループの正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか大きい方としていることから、今後、業績の顕著な低下、不動産取引相場や賃料相場等が変動した場合等には減損損失の計上が必要となる可能性があります。
f.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を検討しております。回収可能性は、将来の課税所得及び慎重かつ実現可能性の高いタックスプランニングをもとに検討しますが、繰延税金資産の全部または一部を将来実現できないと判断した場合、繰延税金資産を計上しない、または取り崩すことが必要となる可能性があります。
g.退職給付に係る資産及び負債
当社グループは、退職給付会計に基づいた退職給付費用及び退職給付に係る資産・退職給付に係る負債を計上しております。前提条件として年金資産に係る長期期待運用収益率、割引率等を計算に用いており、これらが著しく変動した場合は大きく影響を受けることが考えられます。当社グループは日本の優良債券の期末時点の固定利回りを参考に割引率を決定しております。長期期待運用収益率は年金資産が投資されているファンドの予想収益率と過去の実績収益率をもとに決定されます。
当社グループは毎期退職給付債務の計算の基礎となる前提条件を見直しており、割引率の低下等、将来市場環境が悪化した場合、退職給付に係る負債の追加計上が必要となる可能性があります。