【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(経営成績等の状況の概要)
(1) 業績当連結会計年度における世界経済は、ロシアのウクライナ侵攻を起因とするエネルギーや資源価格の高騰で、インフレが急速に世界中に拡散しました。世界各国の金融引締め政策は景気の減速懸念を増大させ、不安定で先行き不透明な状況が続きました。ゼロコロナ政策を堅持して来た中国は、厳しい移動制限やロックダウンを繰返した結果、景気後退を余儀無くされました。政策転換後も需要低迷は続き、先行き不透明感が広がりました。日本経済においては、他国との金融政策の違いが急激な為替変動を招き、エネルギー価格や各種原材料価格の高騰を増幅した物価上昇に歯止めが掛からない厳しい状況となっております。このような市場環境の中で当社グループは、フェライトコア並びにコイルトランス製品の製造原価低減と品質改善に取り組み、世界競争に打ち勝つことのできる高性能で高品質の製品を生産すべく活動を続けてまいりました。その結果、当連結会計年度において、フェライトコア販売は、中国市場での情報通信関連は低調でしたがEVのバッテリー管理システム向けは順調に推移しました。日本市場においては産業機器関連、工作機械関連、半導体製造装置関連などが堅調に推移しました。また、両市場ともに、需給逼迫懸念から在庫積み増し発注も見られました。コイルトランス販売も産業機器関連並びに半導体製造装置関連が好調に推移したことから売上高は20億4百万円(前期比9.6%増加)となりました。損益面では、原価率の改善、並びに経費等の削減に努めた結果、営業利益は1億4千3百万円(前期比12.0%増加)となりました。経常利益は1億3千9百万円(前期比0.2%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は、本社工場の遊休・老朽設備を除却したことにより、9千5百万円(前期比10.6%減少)となりました。セグメント別の業績では、電子部品材料事業は前段の記載内容により、当事業の売上高は19億3千9百万円(前期比9.8%増加)となり、セグメント利益は9千6百万円(前期比13.5%増加)となりました。また、不動産賃貸事業の売上高は6千5百万円(前期比3.0%増加)となり、セグメント利益は4千7百万円(前期比9.2%増加)となりました。当連結会計年度末における総資産は、前連結会計度末と比べ2億9千1百万円増加し、45億5千4百万円となりました。 当連結会計年度末における負債は、前連結会計度末と比べ4千4百万円増加し、10億1千4百万円となりました。当連結会計年度末における純資産は、前連結会計度末と比べ2億4千6百万円増加し、35億3千9百万円となりました。
(2) キャッシュ・フロー当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1千9百万円増加し、10億6千万円(前期は10億4千1百万円)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によって増加した資金は、4千万円(前期は5千9百万円の増加)となりました。これは主に、売上債権の減少及び税金等調整前当期純利益によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によって減少した資金は、8千2百万円(前期は3千5百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によって減少した資金は、5百万円(前期は1千1百万円の減少)となりました。これは主に、リース債務の返済による支出によるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績当社グループ(当社及び連結子会社)の電子部品材料事業の生産、受注及び販売の状況については、製品別に記載しております。なお、不動産賃貸事業は生産実績には含まれておりません。当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
区分
金額(千円)
前年同期比(%)
電子部品材料
フェライトコア
1,700,819
109.3
コイル・トランス
361,547
116.4
合計
2,062,366
110.5
(注) 金額は、販売価格で表示しております。
(2) 受注状況当社グループ(当社及び連結子会社)の電子部品材料事業の生産、受注及び販売の状況については、製品別に記載しております。なお、不動産賃貸事業は受注状況には含まれておりません。当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。
区分
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
電子部品材料
フェライトコア
1,363,946
83.9
102,075
32.8
コイル・トランス
362,695
113.6
22,360
105.4
その他
4,832
79.5
―
―
合計
1,731,474
88.8
124,435
37.5
(注) 金額は、販売価格で表示しております。
(3) 販売実績当社グループ(当社及び連結子会社)の電子部品材料事業の生産、受注及び販売の状況については、製品別に記載しており、また、当社の国内不動産の有効活用は主要な収益源であるため、不動産賃貸収入は販売実績に含めております。当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
区分
金額(千円)
前年同期比(%)
電子部品材料
フェライトコア
1,572,650
108.5
コイル・トランス
361,547
116.4
その他
4,832
79.5
電子部品材料計
1,939,030
109.8
不動産賃貸
65,221
103.0
合計
2,004,251
109.6
(注) 金額は、販売価格で表示しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容) 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、連結会計年度末における資産、負債の金額、及び連結会計年度における収益、費用の金額に影響を与える重要な会計方針及び各種引当金等の見積り方法(計上基準)につきましては、「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」(1)「連結財務諸表」「注記事項」(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。この連結財務諸表の作成に当たりまして、過去の実績や法制度の変更など様々な要因に基づき、見積り及び判断をおこなっております。実際の結果は、見積り特有の不確定要素が内在するため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」(1)「連結財務諸表」「注記事項」(重要な会計上の見積り)」に記載しております。なお、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等を含む仮定及び見積りに関する情報につきましては、「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」(1)「連結財務諸表」「注記事項」(追加情報)」に記載しております。
(2) 財政状態及び経営成績の状況今後の見通しといたしましては、新型コロナウイルス感染症の影響は以前より薄れたもののエネルギーや資源価格の高騰・高止まり並びに世界的なインフレの進行、更に急激な為替変動など、世界経済及び日本経済の先行きについては予測が大変困難な状況となっております。
(事業セグメント別のコロナ影響)当社グループは、同一セグメントに属する電子部品材料事業と不動産賃貸事業の2事業を展開しております。電子部品材料事業においては、新型コロナウイルスの感染症の影響により物流が不安定化する中、中国国内市場でのフェライトコア販売がEV関連の需要拡大により順調に推移し、日本国内市場で産業機器関連、工作機械関連、並びに半導体製造装置関連などが堅調に推移したことから、当事業の売上高は19億3千9百万円(前期比9.8%増加)となりました。なお、不動産賃貸事業における新型コロナウイルス感染症の影響については、ほとんど受けることなく当事業の売上高は6千5百万円(前期比3.0%増加)となりました。
(地域セグメント別のコロナ影響)当社グループの地域別セグメントとしては日本、アジア、その他と、顧客の所在地を基礎とし国または地域に分類しております。日本における国内市場は、新型コロナウイルス感染症の影響をほとんど受けることなく設備投資需要の回復に伴い産業機器関連、工作機械関連、並びに半導体製造装置関連などが堅調に推移しました。その結果、当地域の売上高は9億9千4百万円(前期比17.9%増加)となりました。アジアにおいては、ゼロコロナ対策を徹底した中国国内市場でのEV関連の需要拡大により、当地域の売上高は9億6千6百万円(前期比1.8%増加)となりました。
(資産の部)当連結会計年度末の資産の部合計は、45億5千4百万円(前期末は42億6千2百万円)となり、2億9千1百万円増加しました。流動資産は、24億5千2百万円(前期末は22億2千7百万円)となり、前期末に比べ2億2千4百万円増加しました。その主な要因は、仕掛品の増加によるものであります。固定資産は、21億1百万円(前期末は20億3千5百万円)となり、前期末に比べ6千6百万円増加しました。その主な要因は、機械装置及び運搬具の増加、及び繰延税金資産の増加によるものであります。
(負債の部)当連結会計年度末の負債の部合計は、10億1千4百万円(前期末は9億7千万円)となり、4千4百万円増加しました。流動負債は、3億1千3百万円(前期末は2億8千1百万円)となり、前期末に比べ3千1百万円増加しました。その主な要因は、支払手形及び買掛金の増加、及び未払費用の増加によるものであります。固定負債は、7億1百万円(前期末は6億8千8百万円)となり、前期末に比べ1千2百万円増加しました。その主な要因は、役員退職慰労引当金の増加によるものであります。
(純資産の部)当連結会計年度末の純資産の部合計は、35億3千9百万円(前期末は32億9千2百万円)となり、2億4千6百万円増加しました。その主な要因は、利益剰余金の増加、及び為替換算調整勘定の増加によるものであります。
(売上高)当連結会計年度における売上高の概況は、「第2「事業の状況」3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(経営成績等の状況の概要)(1)業績」をご参照ください。
(営業利益)売上原価は、原価率の改善、経費等の削減に努めた結果、13億6千1百万円(前期は12億5千万円)となりました。また、販売費及び一般管理費は、4億9千9百万円(前期は4億4千9百万円)となりました。以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、1億4千3百万円(前期は1億2千8百万円)となりました。
(経常利益)営業外収益は、金型売却益及び助成金収入等の発生により1千5百万円(前期は1千3百万円)となりました。営業外費用は、為替差損等の発生により1千9百万円(前期は2百万円)となりました。以上の結果、当連結会計年度の経常利益は、1億3千9百万円(前期は1億3千8百万円)となりました。
(税金等調整前当期純利益)当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は1億1千9百万円(前期は1億3千8百万円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税の発生、法人税等調整額の発生により、9千5百万円(前期は1億6百万円)となりました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、短期運転資金及び設備投資等の長期資金の調達につきましては、自己資本を基本としております。
(4) 経営者の問題認識と今後の方針について当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な市場情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、当社グループを取り巻く事業環境はグローバル経済の変動に直接影響を受けるという図式に変りはなく、引き続き厳しい状況が予想されます。従って、激化する一方のグローバル競争に負ける事なく、当社グループが進化し成長して行く事が最重要課題であると認識いたしております。その様な認識に基づき、当社グループといたしましては、研究開発、特に先端的フェライト材質開発及びコイル・トランスの設計開発を強化推進すると同時に、中国工場において品質安定と効率生産を推進するとともに、自動化・省力化並びに徹底した仕入材料や経費の見直しによりコストを削減し、利益重視の生産体制を構築してまいります。
