【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
以下に記載する事項のうち将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間における国内経済は、新型コロナウイルス感染症に対して経済再開の動きもあり景気は緩やかに回復しつつありますが、ウクライナ情勢による資源価格の高騰、為替相場の急激な変動など、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。このような環境の下、当社は、徹底した感染予防策を取ることでお客さまや従業員の安全を図り、生活に不可欠なサービスを提供するライフライン事業者としての責務を果たしてまいりました。エネルギー事業においては、引き続き公正な判断に基づく適正且つ安価な価格をホームページに掲載し顧客開拓を推進すると共にお客さまのご理解を得ながら利益の確保に努めました。また、災害時に強いLPガス設備の営業強化など事業基盤の確立を着実に進めました。ウォーター事業においては、拡大するウォーター需要への備えとして生産設備の安定稼働及び増強を進めております。また、高品質な天然の原水をコンセプトとした自社ブランドをより一層浸透させる為の差別化戦略に尽力し拡販に努めました。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は20,399百万円(前年同期比11.9%増)、営業利益は1,447百万円(前年同期比35.7%増)、経常利益は1,647百万円(前年同期比28.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,075百万円(前年同期比31.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次の通りです。
① エネルギー事業新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されたことで業務用需要が回復傾向にあること、新規顧客の開拓に取り組んだことで販売数量は前年同期比増加となりました。また、LPガス輸入価格の高騰に伴い販売価格が上昇し、売上高は前年同期比増収となりました。小売業界におけるお客さまの争奪戦は激しさを増している状況ですが、当社はこの過当競争を勝ち抜くため、独自の物流システムによるコスト削減などで適正且つ安価な価格での販売に努めると共に、自社配送の利点を生かしたお客さまとのリレーションシップ強化等により事業基盤の拡大に努めております。更に自社物件は勿論のこと関東一円を対象にバルク交換を受注することで、収益向上とともに配送の合理化に資する体制を確立しました。また、電力、都市ガスを含めたエネルギー自由化競争に対しては、総合エネルギー事業者としてあらゆるお客さまのニーズに応える供給体制を整えるため、既存の「ガス」、「ウォーター」というライフライン領域に「TOELLでんき」「TOELL光LINE」を加え4事業をセットにした「TOELLライフラインパッケージ」の提案により既存のお客さまの取引拡大と新規のお客さまの開拓に努めました。また、災害時の電力確保が可能な電源自立型GHP(ガスヒートポンプ)エアコンやLPガス非常用発電機の提案を強化することで更なる事業基盤の強化を推進しました。この結果、売上高は15,377百万円(前年同期比15.3%増)、管理部門経費配賦前のセグメント利益は1,675百万円(前年同期比10.9%増)となりました。
② ウォーター事業新型コロナウイルス感染症の影響は徐々に緩和されているものの、オフィス向け等法人需要の回復が遅れていることで販売数量は前年同期比微減となりました。しかしながら、資材、光熱費、物流費等の高騰に対する転嫁を適切に行ったことで前年同期比増収となりました。利益面では円安による全般的なコスト増加にも拘わらず、固定費削減や減価償却費の減少など製造原価の効率化により増益となりました。ボトルウォーター市場は、より美味しい水を嗜好するお客さまの増加や首都圏を中心としたマンションの高層化に伴う宅配サービスのニーズ増加により年々拡大傾向にあります。当社はそれらの需要に対応すべく生産体制を強化、ハワイ工場及び大町工場では徹底した感染予防・品質管理のもと、通常通り製造・出荷を行い、安定供給に努めました。また、自社配送によるコスト削減とサービス向上に努め、非対面での営業活動を中心にお客さまの開拓を進めました。具体的には多種多様な広告媒体の活用、インターネットによる受注の他、TOELLライフラインパッケージの拡販強化に尽力してきました。また、お客さま専用インターネットサイト「マイページ」の利用促進に注力し、お客さまの利便性向上を図ると共にペーパーレス化による環境への取り組み、業務の効率化を進めてまいりました。差別化戦略として、高品質な天然の原水をブランドコンセプトとしたピュアウォーターの「アルピナ」「Pure Hawaiian」、北アルプスの天然水そのものをボトリングした「信濃湧水」、3つのブランドをリターナブル、ワンウェイ2種類のウォーターサーバー専用ボトルを取り揃えることで様々なお客さまのニーズに対応しております。Oahu Factory(ハワイ工場)では持ち運びに便利な「Pure Hawaiian」のミニボトルを製造し、インターネットによる通販を中心に国内販売を強化しております。更に本商品は複数の大手航空会社ハワイ便の機内用飲料水としてもご採用いただいております。運行再開によりハワイに高い関心をお持ちの方々をターゲットに商品の認知拡大を図ってまいります。「高濃度水素水サーバー」が作り出すいつでもできたての水素水は、水素溶存濃度4.1ppmを誇る看板商品であり、この高い競争力を生かしボトルウォーター業界のみならず異業種分野への開拓も進めております。海外展開についてはシンガポール、香港、タイ、ベトナム、台湾に輸出しており、各国における日本の美味しい水に対するニーズは高く、引き続きマーケット拡大に向けて取り組んでまいります。この結果、売上高は5,021百万円(前年同期比2.5%増)、管理部門経費配賦前のセグメント利益は967百万円(前年同期比22.5%増)となりました。
財政状態につきましては、当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ623百万円減少し、26,353百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金が1,107百万円減少し、建物及び構築物が480百万円増加したこと等によるものであります。負債は、前連結会計年度末に比べ1,200百万円減少し、7,610百万円となりました。この主な要因は、未払法人税等が438百万円、借入金が366百万円減少したこと等によるものであります。また、自己資本比率は71.1%となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動該当事項はありません。