【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
第2四半期連結会計期間より四半期連結財務諸表を作成しているため、前年同四半期連結累計期間及び前連結会計年度末と比較した増減率の記載は省略しております。
また第2四半期連結会計期間より、株式の取得に伴いバリオセキュア株式会社及び株式会社ストラテジットを連結の範囲に含めております。ただし、バリオセキュア株式会社のみなし取得日を2022年8月31日、株式会社ストラテジットのみなし取得日を2022年9月30日としており、両社とも第2四半期連結会計期間末日との差異が3ヶ月を超過しないことから、第2四半期連結会計期間では貸借対照表のみを連結し、当第3四半期連結会計期間より損益計算書も連結しております。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国の経済環境は、新型コロナウイルス感染症の影響が沈静化・正常化の傾向にあるものの、ロシア・ウクライナ情勢の長期化等に伴う不透明感が依然として継続しており、先行きが不安定な状況が続いております。
このような環境の中で、当社グループは「AI×SaaS」モデルを掲げ、「AI/DX事業」「AI Security事業」の各セグメントで「社内に蓄積されたAI技術・データの利活用」「様々な業界へのAI・SaaSの更なる展開」等を目指し各企業・業界のAI/DX化推進やグループシナジーの強化に努めてまいりました。AI市場は、ディープラーニング等の機械学習関連アルゴリズムの高度化に加えて、機械学習に利用可能な計算機の能力向上やデータの増加により更なる成長が続いているほか、SaaS市場においても、導入の需要のみならず、ニーズの多様化に伴うSaaS間連携や統合管理の複雑化によるセキュリティ要件の高度化等に関する需要拡大も見込まれると認識しており、今後、当社グループに蓄積されたAI技術・データの利活用により、「AI×SaaS」モデルとしてグループ全体の成長を目指してまいります。
当第3四半期連結累計期間において、当社のAI/DX事業については、BtoC領域におけるイベント開催やBtoB領域における大型案件の受注等の効果により安定した収益を上げました。BtoC領域については、2022年5月の「棋神アナリティクス」のリリースに続いて2022年12月に同サービスのライトプランをリリースしており、プロ棋士・アマチュア強豪を中心にサービスの提供を拡大しております。
AI Security事業については、サイバーセキュリティ脅威の高度化・巧妙化に伴うセキュリティ対策の投資需要を背景として、マネージドセキュリティサービスにおいて収益が拡大し解約率についても低水準を維持しました。同事業においては従来のゲートウェイセキュリティに加え、エンドポイントセキュリティ対策としてサイバー攻撃の兆候を検知するVarioマネージドEDR、増加するランサムウェア被害(身代金要求型ウイルス)から企業の情報資産を守るデータバックアップサービス(VDaP)の拡販を行っているほか、他社サービスとの連携を視野に入れた拡張性のあるモデル「VSR nシリーズ」を新たにリリースしており、今後も低解約率を維持しつつ事業の成長に努めてまいります。
また、採用方法の見直し等に伴う採用教育費の減少や取締役退任等に伴う人件費の減少、外形標準課税の対象から外れたことによる租税公課の減少等、適切なコストコントロールを進めたこと等により、売上原価・販売費及び一般管理費が減少しております。そのほか、グループ会社における第三者割当増資の実施による株式交付費21,013千円の発生等により、営業外費用が増加しております。
a.財政状態
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、8,612,016千円となりました。主な内訳は、現金及び預金が3,574,850千円、売掛金及び契約資産が716,538千円、のれんが2,354,031千円であります。なお、のれんはバリオセキュア株式会社及び株式会社ストラテジットの株式を取得し連結子会社化したことに伴い発生したものであります。
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、2,505,201千円となりました。主な内訳は、1年内返済予定の長期借入金が200,390千円、長期借入金が1,352,080千円であります。なお、1年内返済予定の長期借入金及び長期借入金は、主にバリオセキュア株式会社に係るものとなります。
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、6,106,814千円となりました。主な内訳は、資本剰余金が5,303,296千円、利益剰余金が571,885千円であります。
b.経営成績
当第3四半期連結累計期間の売上高は1,879,849千円となり、EBITDA(営業利益+減価償却費+敷金償却+のれん償却額)は352,940千円、営業利益195,898千円、経常利益161,606千円となりましたが、第2四半期連結会計期間に特別損失として段階取得に係る差損541,091千円を計上したことにより、親会社株主に帰属する四半期純損失は518,869千円となりました。
また、当社グループの当第3四半期連結累計期間におけるセグメント別の損益状況については、第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)をご参照ください。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針について重要な変更はありません。
当社では「驚きを心に」というコンセプトを掲げ、人々の生活が便利に楽しくなるように、個人向けに頭脳ゲ
ーム等のアプリケーションを中心としたAI(BtoC)サービス、企業向けに機械学習等のAIサービスを提供するAI
(BtoB)サービスを展開しておりましたが、「より安定的な収益基盤の構築」「社内に蓄積されたAI技術・デー
タの利活用」「より幅広い業界へのAI・SaaSの更なる展開」等を目的とし、第2四半期連結会計期間においてバリオセキュア株式会社及び株式会社ストラテジットの株式を取得し連結子会社化いたしました。
今後は、BtoC領域・BtoB領域において、グループ全体で「AI×SaaS」モデルでの経営戦略をベースとして「自
動化・最適化されたSaaS間の連携」「自動化された運用保守」「高度なセキュリティ」といったユーザ・企業が
求める理想的なSaaS利用環境の実現を目指してまいります。
(3)重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが会計上の見積りに用いた新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響等に関する仮定について、重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の金額は18,989千円であり、セグメント別の内訳はAI/DX事業が3,070千円、AI Security事業が15,919千円となっております。
当社グループは、AI×SaaSモデルとして各企業・業界のAI/DX化推進を目指し研究開発活動に取り組んでおり、AI Security事業におけるインターネットセキュリティ技術に関する基礎研究や新サービスの開発に関する研究開発活動が主な内容となっております。
(6)従業員数
① 連結会社の状況
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数は157名となっており、セグメント別では
AI/DX事業が82名、AI Security事業が75名となっております。
なお、従業員数は就業人員数(当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当
社グループへの出向者を含む。)であります。
② 提出会社の状況
当第3四半期累計期間において、提出会社の従業員数に重要な変更はありません。
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