【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の分析当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、個人消費や企業の設備投資にけん引される形で景気は持ち直しの動きが見られましたが、新型コロナウイルス感染症の再拡大、地政学リスクの高まりやウクライナ情勢の長期化等による原材料価格やエネルギー価格の高騰に加え、円安の進行等による物価上昇により、依然として先行きの不透明な状態は続いております。当社グループの主要な販売先であります半導体業界におきましては、半導体製造用の化学化合物は現在のところ、高い需要を維持しておりますが、巣ごもり需要の反動減や物価上昇の影響から、パソコンやスマートフォン向け等一部半導体の減産の動きも見られ、半導体製造用の化学化合物に関しましても、調整局面に入るとの見方も出てきております。このような状況下、当社グループといたしましては、日本・台湾・韓国・中国等の東アジア地域に向けて販売を拡大するとともに、顧客からの需要の増加に応えるべく生産設備の導入や人員増強等を行い、感染防止に努めながらも生産性の向上及び新規製品製造のための体制構築を積極的に図ってまいりました。中期経営計画における経営方針に基づき、半導体製造用化学化合物の生産・開発能力の向上を一層推し進め、海外を中心とした新規材料の需要増に即応できる体制の整備に取り組む一方、既存製品の旺盛な需要に対応するために生産・品質管理体制を継続的に強化すると同時に、環境負荷の軽減や作業安全性の向上に対する投資も積極的に行ってまいりました。利益面に関しましては、収益性を維持しながら持続的な成長を図るため、全社を挙げての経費削減に継続して取り組むとともに、中期経営計画における経営方針に基づき、グループ会社や部門間の連携を深め、一層の収益向上を図ってまいりました。その結果、売上高は10,139,113千円(前年同期比18.9%増)、営業利益は2,821,141千円(同20.0%増)となり、また、韓国関係会社SK Tri Chem Co., Ltd.に係る持分法による投資利益の計上等により、経常利益は5,613,802千円(同37.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4,374,728千円(同38.5%増)となりました。なお、当社グループの事業は、半導体等製造用高純度化学化合物事業並びにこれらの付帯業務の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(2) 財政状態の分析
(流動資産)当第3四半期連結会計期間末における流動資産の残高は、前連結会計年度末比4,509,262千円増加し、18,895,695千円となりました。その主な要因は、現金及び預金、受取手形及び売掛金が増加したこと等によるものであります。
(固定資産)当第3四半期連結会計期間末における固定資産の残高は、前連結会計年度末比1,064,733千円減少し、12,837,771千円となりました。その主な要因は、関係会社からの配当金入金により投資有価証券が減少したこと等によるものであります。
(流動負債)当第3四半期連結会計期間末における流動負債の残高は、前連結会計年度末比195,717千円増加し、3,661,162千円となりました。その主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が減少した一方で、買掛金が増加したこと等によるものであります。
(固定負債)当第3四半期連結会計期間末における固定負債の残高は、前連結会計年度末比780,518千円減少し、2,722,574千円となりました。その主な要因は、長期借入金が減少したこと等によるものであります。
(純資産)当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末比4,029,330千円増加し、25,349,730千円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が増加したこと等によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析当第3四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,891,425千円増加し、10,925,920千円となりました。当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は5,513,326千円(前年同期比2,821,514千円の収入の増加)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益の計上5,613,802千円、利息及び配当金の受取額3,892,162千円等のプラス要因が、持分法による投資利益2,059,730千円、法人税等の支払額1,519,314千円等のマイナス要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は1,183,524千円(同511,675千円の支出の増加)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,156,175千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果支出した資金は1,451,237千円(前年同期は3,274,762千円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出733,007千円、配当金の支払額649,190千円等によるものであります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は409,225千円であります。
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