【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、本四半期報告書提出日現在において当社が判断したものであります。(1) 業績の状況当第2四半期累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する状況のもと、行動制限の解除やワクチンの普及により経済活動が徐々に正常化に向かっている一方で、急激な円安の進行や原材料価格の高騰などから、依然として先行きの見通しは不透明な状態が続いております。 このような環境の中、当社は、景気動向に左右されにくい葬祭市場に対し、遺影写真等画像映像のデジタル加工や通信出力サービスを主に提供するフューネラル事業、1冊から本格的写真集という新しい写真のアウトプット手法を提案するフォトブック事業、空中結像という今までにないユニークな技術で、新しい市場を創造し、夢の実現を目指す空中ディスプレイ事業、それぞれに位置づけや特色が異なる三つの事業を展開してまいりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。各セグメントの業績数値にはセグメント間の内部売上を含んでおります。(フューネラル事業)当事業におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大により参列者が減少傾向にあるなど葬儀の小型化が継続しているものの、葬儀の施行自体は正常化しており、自社営業による葬儀社との新規契約獲得が堅調であったことに加え、全国的に葬儀施行件数が増加したため、主力である画像処理収入は好調に推移いたしました。それに伴い、インク、ペーパー、額などのサプライ品売上も伸長いたしました。また、遺影写真出力用システムやアウトドアディスプレイ用機器の売上も順調でした。葬儀業界向けDXサービスの「tsunagoo」につきましては、新規契約数を伸ばすために、システムの安定化や利便性の向上を進めるとともに、営業を強化してまいりました。利益面につきましては、人員不足となっておりました画像処理部門を中心に積極的に人員を増強した結果、人件費が増加し、また、採用関連費用や旅費交通費などの経費も増加したものの、売上増加の貢献が大きく、セグメント利益は増加いたしました。その結果、売上高は1,443,666千円(前年同四半期比112.8%)、セグメント利益は312,020千円(前年同四半期比104.1%)となりました。
(フォトブック事業)当事業では、プロフェッショナル写真家向け市場は「アスカブック」、一般消費者向け市場は「マイブック」ブランドで展開しております。また、スマートフォンで撮影された写真からフォトブックや写真プリントをOEM供給しております。プロフェッショナル写真家向け市場では、主力であるウェディング市場は、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は残っているものの、遅れていた都市圏も含め全国的に回復傾向が見られております。また、スタジオ向け写真集も堅調に推移したため、プロフェッショナル写真家向け市場の売上は想定を上回って推移いたしました。プロフェッショナル写真家向け写真集ブランドである「アスカブック」20周年記念として「第8回等身大フォトアワード」に加え、「ペットの等身大フォトアワード」「アルバムデザインアワード」を開催し、活況を呈しました。一般消費者向け市場については、海外旅行やイベントなどの自粛、マスク着用の常態化による撮影機会の減少が継続しており厳しい経営環境となっております。自社ブランド「マイブック」、OEM部門とも厳しい環境の影響を受け、売上は前年同四半期実績を下回りました。このような中、工夫を凝らしたキャンペーンや効率的なプロモーションを実施し、新しいサービスとして「マイブック年賀状」をリリースいたしました。利益面につきましては、材料費や水道光熱費の高騰などコストアップ要因もありましたが、稼働率の回復による固定費の回収が進み、売上総利益率が改善したことにより、セグメント利益は増加いたしました。その結果、売上高は1,668,521千円(前年同四半期比104.6%)、セグメント利益は282,940千円(前年同四半期比114.2%)となりました。
(空中ディスプレイ事業)当事業は、空中結像技術を用いた新しい画像・映像表現により市場を創造することを目指しており、独自技術により空中結像を可能にする「ASKA3Dプレート」について、ガラス製、樹脂製それぞれを開発、製造、販売しております。営業面につきましては、国内は自社営業を主として、海外は代理店を主として販売を推進しております。国内では、実証実験の継続、美術館等での展示、メモリアルイベントでの活用などが進んでまいりました。海外では、中国市場はゼロコロナ政策の影響により営業活動が大きく制限されておりますものの、北米・ヨーロッパ・中東エリアでは営業活動が正常化しつつあります。各エリアの代理店の展示会出展のサポートを行ったほか、エレベータモジュールや車載向けの提案を代理店と協調して進めてまいりました。特に中東エリアにおいては、サイネージ用途の大型ガラス製ASKA3Dプレートのニーズが強く、その案件の取り込みに注力してまいりました。製造・開発面につきましては、ガラス製、樹脂製とも外製による生産の安定、供給拡大、低コストへの取組を進めるほか、大型化へもトライしております。ガラス製ASKA3Dプレートにつきましては1m角プレートの安定生産、樹脂製ASKA3Dプレートにつきましては310mm角の製品開発を進めております。自社技術開発センターでは中型ガラス製ASKA3Dプレートの製造技術確立に向けて、特に貼り合わせ技術の開発を進めております。売上につきましては、コロナ禍による営業活動の制限を起因として、海外を中心に有力案件が長期化傾向となっていることから、前年同四半期実績を若干下回る結果となりました。損益面につきましては、展示会出展の増加により広告宣伝費が増加したものの、研究開発テーマの絞り込みによる研究開発費のコントロールなどにより、セグメント損失は前年同四半期実績に比べ縮小いたしました。その結果、売上高は51,157千円(前年同四半期比89.6%)、セグメント損失は161,274千円(前年同四半期は170,851千円の損失)となりました。
以上の結果、当第2四半期累計期間の売上高は3,160,445千円(前年同四半期比107.8%)となり、利益面につきましては、各事業においてセグメント利益が増加・改善したことにより、経常利益は150,177千円(前年同四半期比128.1%)、四半期純利益は103,723千円(前年同四半期比129.4%)となりました。
(2) 財政状態の分析当第2四半期会計期間末における資産は、前事業年度末に比べ257,906千円減少し、6,638,328千円となりました。これは主に、商品及び製品が84,403千円、仕掛品が33,536千円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が397,605千円減少したことによるものであります。 当第2四半期会計期間末における負債は、前事業年度末に比べ61,405千円減少し、814,043千円となりました。これは主に、未払法人税等が70,200千円減少したことによるものであります。 当第2四半期会計期間末における純資産は、前事業年度末に比べ196,500千円減少し、5,824,285千円となりました。これは主に、自己株式の増加189,465千円によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ397,605千円減少し、1,596,572千円となりました。なお、当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期累計期間において営業活動の結果獲得した資金は、82,660千円(前年同四半期は320,279千円の獲得)となりました。これは主に、棚卸資産の増加117,545千円を計上したものの、税引前四半期純利益150,177千円、減価償却費201,089千円を計上したことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期累計期間において投資活動の結果使用した資金は、171,575千円(前年同四半期は55,771千円の獲得)となりました。これは主に、生産設備購入など有形固定資産の取得による支出140,497千円、無形固定資産の取得による支出30,149千円を計上したことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期累計期間において財務活動の結果使用した資金は、314,519千円(前年同四半期は118,306千円の使用)となりました。これは、主に配当金の支払額117,379千円、自己株式取得による支出196,421千円によるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期累計期間において、当社が対処すべき課題に重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動当第2四半期累計期間の研究開発費の総額は127,590千円であります。なお、当第2四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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