【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限が段階的に緩和され、正常な経済活動が戻りつつあります。一方で、世界的な金融引き締め、ウクライナ情勢の長期化による資源価格高騰と物価上昇等、国内外の景気については先行き不透明な状態が続いております。住宅業界におきましては、こどもみらい住宅支援事業等の政府施策により住宅投資を喚起する環境の中、国土交通省発表による全国の新設住宅着工戸数(出典:国土交通省 建築着工統計調査 2022年 年次データ)が、前期比100.4%となりました。当社グループでは新築一戸建の建設を主な事業としており、これに関連する「持家」の新設住宅着工戸数につきましては前期比88.7%、「分譲住宅(一戸建)」の新設住宅着工戸数につきましては同103.5%となっており、「持家」の新設住宅着工戸数が前期比マイナスに転じております。先行きにつきましては、建築資材価格高騰の影響や日銀の金融緩和政策などを注視していく必要があり、依然不透明な状況で推移することが懸念されます。当社グループの地盤である愛知県における新設住宅着工戸数(出典:国土交通省 建築着工統計調査 2022年 年次データ)は、「持家」につきましては前期比89.9%、「分譲住宅(一戸建)」につきましては同105.1%となりました。物価や金利の上昇を受けた消費マインド低下の影響もみられますが、テレワークの浸透など新しい生活様式も広まり、購入しやすい価格帯の戸建住宅を求める傾向もみられます。このような状況のもとで、当社グループは、戸建住宅事業における「注文住宅」×「分譲住宅」×「不動産仲介」のビジネス展開(ワンストップ・プラットフォーム)を推進して、「注文住宅」及び「分譲住宅」で培ったノウハウを相互に利用することで、顧客ニーズに合った戸建住宅の提案を行い、「不動産仲介」においては、戸建住宅に最適な土地情報の収集を行ってまいりました。また、テーマ性を持ったWebサイトやSNSを活用した当社独自のデジタルマーケティングを展開して関心の高い顧客層へ確実に当社グループの情報を到達させるとともに、住宅購入を検討中の潜在層へ幅広くアプローチする効率的な集客体制を強化し、「デザイン」「性能」「価格」の3つの強みを重ね合わせたコストパフォーマンスの高い住宅の商品力により戸建住宅の需要を積極的に取り込みました。さらに、今後の首都圏エリアでの成長を加速させるため、2022年4月に新たな販売活動の拠点として三鷹展示場(東京都三鷹市)と、大型ショールーム「DESIGN GALLERY立川(デザインギャラリー立川)」(東京都立川市)を、2022年9月には小金井・府中展示場(東京都小金井市)を開設し、将来の持続的成長に向けた設備投資を行いました。東海エリアでは、2022年2月に「アールギャラリー栄ショールーム」(名古屋市東区)を拡張移転、その後「DESIGN GALLERY名古屋栄(デザインギャラリー名古屋栄)」へと名称変更し、さらなるシェアアップのため、新たな販売活動の拠点として2022年4月に豊田展示場(愛知県豊田市)、2023年1月に岡崎西展示場(愛知県岡崎市)を開設いたしました。2022年8月からは東海エリアと首都圏エリアで新CMの放映を開始し、認知度向上とブランド力強化を図っております。一方で、ウッドショック、ウクライナ情勢や円安による原材料価格及び資源価格の上昇等の影響により売上総利益が減少しております。また、マーケティング施策や新規出店、人財獲得等への積極的な投資を行った結果、販売費及び一般管理費に関しては、新CM制作・発表に係る費用やWeb広告等の広告宣伝費、住宅展示場等の展開による地代家賃、減価償却費、消耗品費、人件費等が増加しております。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は31,244,945千円(前期比11.4%増)、営業利益は692,411千円(前期比54.4%減)、経常利益は506,284千円(前期比63.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は327,258千円(前期比65.9%減)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高は80,452千円減少し、営業利益及び経常利益はそれぞれ13,100千円減少しております。セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(戸建住宅事業)戸建住宅事業につきましては、愛知県及び首都圏エリアの中心である東京都における新設住宅着工戸数(出典:国土交通省 建築着工統計調査 2022年1月から12月までの各月次データ、当社にて累計値を算出)は、「分譲住宅 (一戸建)」につきましてはプラスとなっておりますが、「持家」につきましてはマイナスとなっており、弱含みの状態で推移しております。こうした中、注文住宅につきましては、ウッドショック、ウクライナ情勢や円安による原材料価格上昇の影響を受けたものの、独自のデジタルマーケティングにより集客につなげ、ブランド力の向上に伴う営業現場での徹底した適正価格での提供により販売棟数を維持しております。なお、注文住宅の請負工事につきましては、契約の締結から着工・竣工までが通常長期間に及ぶため、住宅展示場の開設が売上実績に反映されるまでタイムラグが生じることになります。分譲住宅につきましては、「分譲住宅(一戸建)」の新設住宅着工戸数は2022年1月から12月の累計で愛知県において前期比105.1%、東京都において前期比102.8%となっており、顧客ニーズを捉えた土地の仕入れを行うとともに、テレワークの定着など価値観や消費行動が変わり、住宅環境における快適性を求める傾向が強まった結果、分譲住宅の販売棟数が増加し、売上高は順調に推移いたしました。一方で、費用面につきましては、さらなる事業拡大に向けた積極的な投資を行った結果、新CM制作・発表に係る費用やWeb広告等活用による広告宣伝費、住宅展示場新設等の拠点に関わる費用、積極的な採用の継続により人件費が増加いたしました。この結果、売上高は30,473,930千円(前期比11.3%増)、セグメント利益は1,643,952千円(前期比30.0%減)となりました。
(中古再生・収益不動産事業)中古再生・収益不動産事業につきましては、中古住宅・収益不動産物件の売却及び賃料であり、収益不動産物件の売却収入の増加により、売上高は726,600千円(前期比12.1%増)、セグメント利益は56,657千円(前期比24.5%減)となりました。
(その他)その他につきましては、主に顧客紹介手数料及び火災保険の代理店手数料であり、売上高は44,414千円(前期比44.2%増)、セグメント利益は44,314千円(前期比51.9%増)となりました。
② 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,669,177千円増加し、24,224,989千円となりました。これは、流動資産が1,460,481千円増加し、22,290,804千円となったこと及び固定資産が208,695千円増加し、1,934,185千円となったことによるものであります。流動資産の主な増加は、現金及び預金が407,014千円及び仕掛販売用不動産が1,913,244千円減少したものの、販売用不動産が3,607,663千円増加したこと等によるものであります。固定資産の主な増加は、住宅展示場等の新設のため有形固定資産が140,296千円増加し、注文及び分譲住宅購入後のアフターサービス費用に関わる長期前払費用等の増加により投資その他の資産が65,952千円増加したこと等によるものであります。
(負債)当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,341,440千円増加し、19,970,642千円となりました。これは流動負債が1,032,992千円増加し、14,799,942千円となったこと及び固定負債が308,447千円増加し、5,170,699千円となったことによるものであります。流動負債の主な増加は、支払手形及び買掛金が742,750千円及び顧客等から受領した前受金699,905千円が減少したものの、短期借入金が860,210千円及び1年内返済予定の長期借入金が2,002,158千円増加したこと等によるものであります。固定負債の主な増加は、棚卸資産の購入及び設備投資資金調達のための長期借入金が340,700千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて327,736千円増加し、4,254,347千円となりました。純資産の主な増加は、剰余金の配当26,854千円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益327,258千円を計上し、「収益認識会計基準」等の適用により、利益剰余金期首残高が11,720千円増加したこと等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて433,001千円減少し、2,793,728千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動による資金の減少は、3,066,822千円(前連結会計年度は2,456,776千円の減少)となりました。これは主として、棚卸資産の増加額1,694,419千円、仕入債務の減少額711,114千円,前受金の減少額699,905千円及び法人税等の支払額607,552千円等による資金の減少が、税金等調整前当期純利益474,837千円等による資金の増加を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、468,078千円(前連結会計年度は379,377千円の減少)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出385,777千円及び差入保証金の差入による支出40,954千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、3,101,899千円(前連結会計年度は3,619,034千円の増加)となりました。これは主として、短期借入金の純増加額860,210千円及び長期借入れによる収入8,499,950千円等による資金の増加が、長期借入金の返済による支出6,157,090千円等の資金の減少を上回ったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績当社グループが展開している事業領域においては、「生産」を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。
b.受注実績第20期連結会計年度における受注実績は、以下のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
戸建住宅事業
7,555,157
87.9
6,452,807
86.2
合計
7,555,157
87.9
6,452,807
86.2
(注) 1.戸建住宅事業のうち、注文住宅の該当金額を記載しております。2.中古再生・収益不動産事業及びその他については、事業の性質上記載を省略しております。
c.販売実績第20期連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
戸建住宅事業
注文住宅
8,482,511
107.4
分譲住宅
20,865,162
113.6
不動産仲介
631,937
104.3
リフォーム・エクステリア
494,318
96.0
小計
30,473,930
111.3
中古再生・収益不動産事業
726,600
112.1
その他
44,414
144.2
合計
31,244,945
111.4
(注) セグメント間取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績の状況に関する分析・検討内容(売上高)当社グループは、「売上高」及び「営業利益」をグループ全体の成長を示す経営指標として位置づけており、注文住宅と分譲住宅の「販売棟数」をより具体的な重要な指標として考えております。経営者が社員と経営方針を共有する場として、社員総会等社員が集う会議体を設け、目指すべき目標を掲げ、社内の経営指標に対する意識の共有に努めております。グループ全体の当連結会計年度における売上高は、31,244,945千円(前期比11.4%増)となりました。内訳としては、戸建住宅事業が30,473,930千円(前期比11.3%増)、中古再生・収益不動産事業が726,600千円(前期比12.1%増)、その他が44,414千円(前期比44.2%増)となっております。戸建住宅事業につきましては、愛知県及び首都圏エリアの中心である東京都における新設住宅着工戸数(出典:国土交通省 建築着工統計調査 2022年1月から12月までの各月次データ、当社にて累計値を算出)は、「分譲住宅 (一戸建)」につきましてはプラスとなっておりますが、「持家」につきましてはマイナスとなっており、弱含みの状態で推移しております。注文住宅につきましては、販売棟数が338棟となり前期比で9棟増加いたしました。前連結会計年度において2021年9月に東海エリアに小牧展示場、2022年1月に首都圏エリアに武蔵野展示場を開設し、住宅展示場数(当時の天白展示場を除く。)が従来の10拠点から12拠点に増加したことにより、これらの住宅展示場における前連結会計年度の契約実績が売上の増加に寄与いたしました。分譲住宅につきましては、販売棟数が444棟となり前期比で21棟増加いたしました。顧客ニーズを捉えた土地の仕入れを行うとともに、テレワークの定着など価値観や消費行動が変わり、住宅環境における快適性を求める傾向が強まった結果、販売棟数が増加したと分析しております。
(売上原価、売上総利益)売上原価は、26,409,430千円(前期比15.1%増)となりました。これは、ウッドショック及びウクライナ情勢や円安による原材料価格及び資源価格の上昇等によるためです。この結果、売上総利益は4,835,515千円(前期比5.4%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)販売費及び一般管理費は、4,143,103千円(前期比15.3%増)となりました。これは、マーケティング施策や、新規出店、人財獲得等の積極的な先行投資として、住宅展示場等拠点の増加に関わる費用、人員の拡充に伴う給与手当等の人件費及び新CM制作・発表に係る費用やWeb広告等の広告宣伝費等が増加したことによるものであります。この結果、営業利益は692,411千円(前期比54.4%減)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)営業外収益は補助金収入の減少等により14,683千円(前期比15.0%減)、営業外費用は支払利息169,302千円等により200,810千円(前期比30.6%増)となり、この結果、経常利益は506,284千円(前期比63.4%減)となりました。
(特別利益、特別損失、親会社株主に帰属する当期純利益)特別利益は車両売却益により114千円(前期比は96.7%減)、特別損失は減損損失30,084千円等により、31,562千円(前期比72.5%増)となり、税金等調整前当期純利益は474,837千円(前期比65.3%減)となりました。また、法人税等を147,578千円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は327,258千円(前期比65.9%減)となりました。
② 財政状態の状況に関する分析・検討内容財政状態の状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に含めて記載しております。
③
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関わる情報当社グループの主な資金需要は、事業規模拡大に伴い必要となる運転資金、事業用地・物件の取得及び住宅展示場・不動産営業所等の開設を行うための設備投資であります。これらの資金需要は自己資金及び金融機関から調達した有利子負債等を充当しております。資金調達については、資金使途に応じて最適な資金調達手法を検討し、適切なコストで安定して資金を確保することを基本方針としております。
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りが必要となります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
