【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度は連結財務諸表作成初年度であるため、前期との比較分析は行っておりません。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大と収束が繰り返されたものの、行動制限の緩和により人流は総じて回復基調となり、持ち直しの兆しが見られました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症に対する潜在的な不安に加え、原材料価格やエネルギー価格の高騰、円安の影響による物価上昇により、消費マインドの冷え込みが懸念されるなど、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループが属する洋菓子業界におきましては、食料品価格の値上げの動きが強まる中での節約志向は一段と高まっており、限られたパイを巡っての企業間競争は厳しさを増しております。
当社グループはこのような環境下にあっても、企業スローガン『こころつなぐ。笑顔かがやく。』のもと、スイーツを通して心豊かな生活をお届けすることを基本姿勢として、安心、安全かつ高品質な商品をお客様に提供させていただくことに注力いたしました。また長引くコロナ禍の中で、引き続きお客様や従業員に対する感染防止対策を徹底しながら、生産性の改善、人員体制の最適化、コストの削減、適正在庫の確保に努めました。
売上面につきましては、2月に新型コロナウイルス感染症の第6波がピークを迎えたことで、当社グループにとって最大の商戦であるバレンタインデーが影響を受けましたが、4月以降は回復傾向となりました。また、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、8月の感染第7波、年末年始の第8波はあったものの、10月からの全国旅行支援の再開や、感染症対策に基づく行動制限が順次緩和されたことで、人流は回復基調となって、下半期の個人消費が好調であったこともあり、当連結会計年度の売上高は32,505百万円となりました。
損益面につきましては、増収効果や、効率的な生産体制による生産性の向上、店舗の人員体制の最適化に加えて、原材料やエネルギー価格の急上昇により売上原価率は上昇しつつあるものの、まだその影響は限定的に止まったこともあり、営業利益は2,423百万円、経常利益は2,615百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,703百万円となりました。
また、当社グループは2023年1月期の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。個別決算の業績につきましては、売上高31,677百万円(前期比7.2%増)、営業利益2,485百万円(前期比23.5%増)、経常利益2,666百万円(前期比25.4%増)、当期純利益1,674百万円(前期比62.7%増)となりました。なお、前期比は、2022年1月期に係る各数値について当該会計基準等を遡って適用した後の数値との対比を記載しております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
[洋菓子製造販売事業]
干菓子につきましては、4月以降はまん延防止等重点措置が解除されて個人消費が回復に転じたこともあり、バターにこだわった焼菓子ブランド「ガレット オ ブール」、「ファヤージュ」などの焼菓子に加え、中元を含む夏ギフト商品や土産商品なども堅調に推移いたしました。10月以降は行動制限の緩和などの効果もあり、クリスマス商品やバレンタイン商品の先行出荷も好調に推移いたしました。また、実店舗での販売以外にも、インターネットやカタログ販売に注力し売上獲得に努めました。
洋生菓子につきましても、カスタードプリン誕生60周年を記念した「濃たまごのカスタードプリン」など、プリンの売上は好調に推移いたしました。また瀬戸内レモンケーキやブロードランドなどの半生菓子も順調な売上を維持したのに加え、カスタードの奥深い魅力を楽しむ新ブランド「CUSTA(カスタ)」の新規出店などもあり、売上高は順調に推移いたしました。
その結果、当事業の売上高は30,875百万円となりました。
[喫茶・レストラン事業]
喫茶・レストラン事業につきましては、行動制限の緩和による人流の増加に加え、昨年12月にリニューアルオープンした阪神梅田本店カフェモロゾフの売上貢献などもあり、売上高は順調に回復いたしました。
その結果、売上高は1,629百万円となりました。
(参考)モロゾフ株式会社単体における経営成績は、以下のとおりです。2022年1月期に係る各数値については「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を遡って適用しております。
(%表示は対前期増減率)
売上高
営業利益
経常利益
当期純利益
百万円
%
百万円
%
百万円
%
百万円
%
2023年1月期
31,677
7.2
2,485
23.5
2,666
25.4
1,674
62.7
2022年1月期
29,562
6.0
2,012
167.9
2,126
146.7
1,028
192.1
②財政状態の概況
当連結会計年度末における資産は、26,595百万円となりました。主な内訳は、売掛金6,512百万円、現金及び預金6,137百万円、土地3,644百万円、建物及び構築物(純額)2,523百万円、商品及び製品1,917百万円、投資有価証券1,607百万円、機械装置及び運搬具(純額)1,201百万円であります。負債は、8,015百万円となりました。主な内訳は、電子記録債務1,993百万円、短期借入金1,670百万円、未払費用1,063百万円、支払手形及び買掛金884百万円、未払法人税等608百万円、賞与引当金227百万円であります。純資産は、18,580百万円となりました。主な内訳は、利益剰余金10,688百万円、資本剰余金3,918百万円、資本金3,737百万円であります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、5,647百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、2,200百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,594百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,540百万円の支出となりました。これは主に、定期預金の預入による支出980百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出611百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、440百万円の支出となりました。これは主に、配当金の支払額315百万円、短期借入金の純減額110百万円等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
セグメントのうち、洋菓子製造販売事業において生産活動を行っており、当連結会計年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年2月1日
至 2023年1月31日)
洋菓子製造販売事業計(千円)
35,244,870
(内訳)
干菓子群(千円)
26,554,308
洋生菓子群(千円)
8,690,562
(注)1.生産実績は小売価額によっております。
2.干菓子群、洋生菓子群にはその他菓子群製品及び半製品が含まれております。
3.他に他社製品仕入実績が仕入金額で767,077千円あります。
b.受注実績
当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメント別商品群別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年2月1日
至 2023年1月31日)
洋菓子製造販売事業計(千円)
30,875,974
(内訳)
干菓子群(千円)
21,815,353
洋生菓子群(千円)
8,317,311
その他菓子群(千円)
743,309
喫茶・レストラン事業計(千円)
1,629,859
合計(千円)
32,505,834
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成に当たり、経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。
これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表作成のための会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
中期経営計画「Re morozoff 2022 ~変革~ 」の『2nd Step』の最終年度にあたる当連結会計年度は、以下に記載の通りとなりました。
(売上高)
売上高は32,505百万円となりました。
洋菓子製造販売事業においては、4月以降はまん延防止等重点措置が解除されて個人消費が回復に転じたこともあり、バターにこだわった焼菓子ブランド「ガレット オ ブール」や「ファヤージュ」などの焼菓子に加え、中元を含む夏ギフト商品や土産商品なども堅調に推移いたしました。10月以降は行動制限の緩和などの効果もあり、クリスマス商品やバレンタイン商品の先行出荷も好調に推移しました。
また、カスタードプリン誕生60周年を記念した「濃たまごのカスタードプリン」などの発売に加え、カスタードの奥深い魅力を楽しむ新ブランド「CUSTA(カスタ)」の新規出店や、実店舗での販売以外にも、インターネットやカタログ販売に注力し売上獲得に努めました。
喫茶・レストラン事業につきましては、行動制限の緩和による人流の増加に加え、昨年12月にリニューアルオープンした阪神梅田本店カフェモロゾフの売上貢献などもあり、売上高は順調に回復いたしました。
(売上原価)
売上原価は、増収効果に加え、効率的な生産体制による生産性の向上、コストの削減などに努めた結果、原材料やエネルギー価格は急上昇したものの、まだその影響は限定的に止まったこともあり、対売上高比率は47.8%となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、店舗の人員体制の最適化、経費の削減に努めた結果、対売上高比率は44.7%となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
特別損益は、投資有価証券売却益23百万円を特別利益に、固定資産除売却損27百万円、投資有価証券売却損16百万円を特別損失に計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は1,703百万円となりました。
b.財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、15,919百万円となりました。この主な内訳は、売掛金6,512百万円、現金及び預金6,137百万円、商品及び製品1,917百万円であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、10,676百万円となりました。この主な内訳は、土地3,644百万円、建物及び構築物(純額)2,523百万円、投資有価証券1,607百万円、機械装置及び運搬具(純額)1,201百万円であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、7,350百万円となりました。この主な内訳は、電子記録債務1,993百万円、短期借入金1,670百万円、未払費用1,063百万円、支払手形及び買掛金884百万円、未払法人税等608百万円、賞与引当金227百万円であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、664百万円となりました。この主な内訳は、再評価に係る繰延税金負債202百万円、退職給付に係る負債81百万円、繰延税金負債80百万円であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、18,580百万円となりました。この主な内訳は、利益剰余金10,688百万円、資本剰余金3,918百万円、資本金3,737百万円であります。
(キャッシュ・フロー)
キャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標のトレンドは次のとおりであります。
2023年1月期
自己資本比率(%)
69.9
時価ベース自己資本比率(%)
89.2
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)
0.8
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)
85.0
(注)自己資本比率=自己資本/総資産
時価ベース自己資本比率=株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率=有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ=営業キャッシュ・フロー/利払い
1.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
2.営業キャッシュ・フロー及び利払いについては、キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フロー及び利息の支払額を使用しております。
3.有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている負債を対象としております。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主として自己資金によって充当し、必要に応じて外部から資金調達を行っております。
詳細は「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。