【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における日本経済は、雇用・所得環境が改善し緩やかな回復が続いているものの、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっており、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に十分注意が必要な状況となりました。
このような状況の中、当社グループは経営理念であります「お客様第一主義」のもと、当社グループを取り巻く全てのお客様に対し「今でもなお、お客様は何を不満に思っているか」を常に考え、一丸となって積極的な事業活動を行ってまいりました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高1,211億54百万円(前年同期比7.0%増)、営業利益99億92百万円(前年同期比66.5%増)、経常利益105億36百万円(前年同期比57.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益68億28百万円(前年同期比61.9%増)となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりであります。
<リーフ・ドリンク関連事業>
当社では、1989年発売以来の累計販売本数が400億本を突破するなど、多くの方にご支持をいただいている
「お~いお茶」ブランドのさらなる価値向上を図っています。
茶農家の方々とともに高品質な国産緑茶原料を生産する取組みを通じて、緑茶製品の安定供給や持続的な農業
経営を実現する「茶産地育成事業」によって生産する茶葉を100%使用した「お~いお茶 緑茶」ペットボトル飲
料を、本年5月下旬より順次展開を開始しました。
同ブランドから、爽やかな香りとまろやかな甘みが特長の「お~いお茶 〇やか(まろやか)」を5月に新発
売しました。いつでもどこでも飲用できるペットボトル飲料と、マイボトルでの飲用に最適なティーバッグの2
製品を展開しています。なお当社は、2019年より大学生・大学院生とともに“若者の心をお茶色に染める”をテ
ーマにした「若者プロジェクト(共同研究)」を実施しており、本製品はこの取組みの一環で味わいづくりから
一緒に開発した新しい緑茶製品です。
スペシャルティコーヒーショップ「タリーズコーヒー」で味わうようなおいしさでご好評をいただいている
「TULLY’S COFFEE」ブランドから、新感覚のブラックコーヒー炭酸「TULLY’S COFFEE BLACK&SODA GASSATA」
を5月に新発売しました。「GASSATA」はイタリア語で炭酸を指します。エスプレッソコーヒーを炭酸で割った
飲み方は、南イタリア・カラブリア州で半世紀以上も前から親しまれている南国ならではの楽しみ方のひとつで
す。本製品は、炭酸がコーヒーのコクを引き立て、すっきりと爽快な味わいが特長の新感覚コーヒー入り炭酸飲
料です。原材料にはアラビカ種コーヒー豆を100%使用し、おいしさが凝縮したエスプレッソコーヒーに炭酸を
加えました。パッケージには、黒を基調にネオンが輝くデザインを採用し、イタリアのバルにいるような世界観
を表現しました。ブラックコーヒーの新たな楽しみ方と「黒泡」の魅力を発信することで、ブラックコーヒーの
新たな価値をお届けします。
全国農業協同組合連合会(JA全農)が推進する国内農業支援の取組み「ニッポンエールプロジェクト」製品と
して、JA全農と共同で開発した「ニッポンエール 宮崎県産 日向夏」を5月にリニューアル発売しました。当社
は今後もニッポンエールプロジェクト協議会の参画企業として、JA全農との共同開発製品の販売を通じて、日本
の農業と消費者を結ぶ架け橋となり、国産農畜産物の認知と消費拡大に貢献してまいります。
本年6月、1988年に「むぎ茶飲料」を発売して35周年を迎えた本年4月に累計販売本数が130億本突破(500ml
ペットボトル換算)するとともに、皆様に長年ご愛飲いただいているブランド「健康ミネラルむぎ茶」が、「最
も販売されているRTD麦茶ブランド(最新年間販売量)」実績世界No.1としてギネス世界記録™に認定されまし
た。麦茶飲料市場が年々拡大を続ける中、「健康ミネラルむぎ茶」は麦茶飲料市場を牽引する存在として、赤ち
ゃんからお年寄りまで幅広い年齢層の方に年間を通してご支持をいただいています。今後も「お客様の健康づく
りをサポートする」をブランドビジョンに、健康的に体を動かした時に失われる水分とミネラルを補給できる飲
料ブランドとして、皆様にご支持いただけるよう目指してまいります。
この結果、リーフ・ドリンク関連事業の売上高は1,097億60百万円(前年同期比6.3%増)となり、営業利益は91億44百万円(前年同期比71.0%増)となりました。
<飲食関連事業>
タリーズコーヒージャパン㈱におきましては、同社の経営理念の一つである「子ども達や青少年の成長を促す
ために、夢や目標のお手伝いをする。」を実現する取組みとして、高校生パティシエNo.1を決めるスイーツ甲子
園(主催:産経新聞社)とのコラボレーション企画を展開し、この大会で優勝、タリーズ賞のダブル受賞に輝い
た高校生が発案したスイーツである、「フロマージュ バナーヌ」「ムース オランジュ」などが好調に推移しま
した。また、気温の上昇と共に、5月より順次5種類のフローズンドリンクの発売や、7月には暑さを乗り切る
炭酸ドリンクとして、季節限定ビバレッジ「出雲生姜のブラッドオレンジジンジャーエール」を展開し、ご好評
をいただきました。新規出店に関しても、新業態である「TULLY’S COFFEE -SELECT-」を展開し、新たなタリーズブランドの形を発信しました。2023年7月末の総店舗数は773店舗となっております。
この結果、飲食関連事業の売上高は96億26百万円(前年同期比14.4%増)となり、営業利益は9億53百万円(前年同期比23.8%増)となりました。
<その他>
売上高は17億67百万円(前年同期比16.1%増)となり、営業利益は56百万円(前年同期比20.9%増)となりました。
当第1四半期連結会計期間末の財政状態は以下のとおりであります。
総資産は3,473億70百万円となり、前連結会計年度末に比べ85億95百万円増加いたしました。これは主に「現金及び預金」が49億26百万円減少、「売掛金」が105億46百万円増加、「原材料及び貯蔵品」が15億3百万円増加したことによるものであります。
負債は1,701億62百万円となり、前連結会計年度末に比べ35億16百万円増加いたしました。これは主に「買掛金」が47億88百万円増加、「未払費用」が19億9百万円増加、「賞与引当金」が21億66百万円減少、退職金制度の変更等に伴い「退職給付に係る負債」が26億31百万円減少したことによるものであります。
純資産は1,772億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ50億79百万円増加いたしました。これは主に「親会社株主に帰属する四半期純利益」により「利益剰余金」が68億28百万円増加、「剰余金の配当」により「利益剰余金」が25億83百万円減少したことによるものであります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。なお、有形固定資産の会計上の見積りについては、(会計上の見積りの変更)に記載のとおりであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題についての重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は5億77百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。