【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における日本経済は、ウィズコロナの下での各種政策による景気の持ち直しが期待される一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、世界的な金融引き締めに伴う景気下振れリスクの高まりと、原料・エネルギーコストの高騰等の影響により引き続き厳しい状況となりました。
このような状況の中、当社グループは経営理念であります「お客様第一主義」のもと、当社グループを取り巻く全てのお客様に対し「今でもなお、お客様は何を不満に思っているか」を常に考え、一丸となって積極的な事業活動を行ってまいりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高は3,284億54百万円(前年同期比8.2%増)、営業利益158億71百万円(前年同期比12.5%増)、経常利益165億18百万円(前年同期比12.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益101億85百万円(前年同期比1.5%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
<リーフ・ドリンク関連事業>
日本を代表する緑茶飲料ブランドである「お~いお茶」から、日本の春の象徴である「桜」とともに季節を彩る「お~いお茶 緑茶」「同 ほうじ茶」「同 玄米茶」桜パッケージを、本年1月に発売しました。また同時に、海外(上海・台湾・韓国)で「お~いお茶 緑茶」桜パッケージを発売しました。2015年から毎年春に合わせ、売り場を華やかに彩り、お客様に春の訪れを感じていただける季節限定の「お~いお茶」桜パッケージを展開しておりますが、海外で同時に展開することで、春の訪れと日本の伝統の素晴らしさをお届けするとともに、「お~いお茶」ブランドの価値とマインドシェアの向上を図ってまいります。
日本全国にある「桜の名所100選」を中心に保全活動や植樹活動をする「わたしの街の未来の桜プロジェクト」の取り組みは本年で5年目を迎えます。日本の春の象徴として古来より愛されてきた桜を、“未来につなぎ、咲かせ続けたい”という願いを込めて、桜パッケージの「お~いお茶 緑茶」「同 ほうじ茶」「同 玄米茶」の売上の一部を元に、公益財団法人「日本さくらの会」と協働して取り組んでおります。
昨年11月、全国農業協同組合連合会が立ち上げた「国産牛乳応援プロジェクト」による共同開発製品第一弾「ニッポンエール メロン&ミルク」、第二弾「TULLY’S &TEA 抹茶がおいしい抹茶ラテ」、「同 焙じ茶がおいしいほうじ茶ラテ」、「同 紅茶がおいしいミルクティー」を冬期限定で発売しました。日本の酪農家が抱える国産牛乳の消費拡大などの課題解決に貢献すべく、全国の酪農家を応援する「国産牛乳応援プロジェクト」に参画し、日本の農業と消費者を結ぶ架け橋となり、国産農畜産物の認知と消費拡大に貢献してまいります。
同じく11月、ノウフクJAS認証茶葉を100%使用したリーフ製品「ふんわり香る静岡茶」を、当社の直営店で発売しました。ノウフクJASとは、障がい者等の農業分野での活躍を通じて、自信や生きがいを創出し、社会参画を促す「農福連携」という取り組みとして、障がい者が主体的に携わって生産した農林水産物及びこれらを原材料とした加工食品の生産方法及び表示の基準を規格化したものです。当社は、ノウフクJASを取得した製品を販売し、持続可能な共生社会を目指す「農福連携」により、「持続可能な国内農業への貢献」「多様な人財と全員活躍の推進」という当社のマテリアリティの実現に向け取り組みを進めてまいります。
この結果、リーフ・ドリンク関連事業の売上高は2,973億88百万円(前年同期比7.7%増)となり、営業利益は142億63百万円(前年同期比6.8%増)となりました。
<飲食関連事業>
タリーズコーヒージャパン㈱におきましては、ホリデーシーズンを彩る季節限定ビバレッジ「アイリッシュラテ」や“ナッツの女王”として人気の高いピスタチオを使用した「&TEA ピスタチオ&ベリーミルクティー」などが好調に推移しました。また、グループ会社であるDistant Lands Trading Co.が所有する農園と共同で作りあげた「コスタリカ ラ ミニータ ウェットミル」を新たに定番ビーンズとして展開し、クリーンさの際立つ洗練されたコスタリカコーヒーの味わいがご好評いただいております。2023年1月末の総店舗数は763店舗となっております。
この結果、飲食関連事業の売上高は264億31百万円(前年同期比16.7%増)となり、営業利益は21億44百万円(前年同期比160.6%増)となりました。
<その他>
売上高は46億34百万円(前年同期比6.7%減)となり、営業損失は36百万円(前年同期は営業利益4億2百万円)となりました。
当第3四半期連結会計期間末の財政状態は次のとおりであります。
(資産)
総資産は3,218億15百万円となり、前連結会計年度末と比べ65億44百万円減少いたしました。これは主に、「現金及び預金」が36億10百万円増加、「売掛金」が52億53百万円減少、「原材料及び貯蔵品」が11億40百万円増加、「リース資産」が16億73百万円減少したことによるものです。
(負債)
負債は1,534億84百万円となり、前連結会計年度末と比べ118億62百万円減少いたしました。これは主に、「買掛金」が55億21百万円減少、「未払法人税等」が28億5百万円減少、「賞与引当金」が17億86百万円減少したことによるものです。
(純資産)
純資産は1,683億30百万円となり、前連結会計年度末と比べ53億17百万円増加いたしました。これは主に、「親会社株主に帰属する四半期純利益」により「利益剰余金」が101億85百万円増加し、「剰余金の配当」により「利益剰余金」が51億66百万円減少したことによるものです。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題についての重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は16億35百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。