【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
業績等の概要
(1) 業績
当連結会計年度の業績につきましては、文教市場販売事業で教育・研究施設、図書館などの設計・施工において大型案件の完工が減少したこと、大学市場及び公共図書館向け書籍等の販売が減少したこと、店舗・ネット販売事業で行動制限緩和後も来店者数はコロナ前の水準には戻っていないなか感染拡大が繰り返されたこと、また「収益認識会計基準」等を適用した影響により、売上高は1,627億99百万円(前年同期1,743億55百万円)、営業利益は31億29百万円(前期比23.4%減)、経常利益は30億61百万円(前期比20.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は17億73百万円(前期比18.3%減)と減収減益となりました。
なお、「収益認識会計基準」等を適用した影響により売上高は78億23百万円減少しておりますが、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益に与える影響は軽微であります。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産の残高は、前連結会計年度末に比べ4億12百万円増加し、1,287億70百万円となりました。
当連結会計年度末の負債の残高は、前連結会計年度末に比べ17億59百万円減少し、830億68百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ21億72百万円増加し、457億2百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は236億97百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、19億74百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益と棚卸資産の増減額の減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、7億8百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出と無形固定資産の取得による支出等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、7億42百万円となりました。これは主に、短期借入金の減少による支出等によるものであります。
生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
当社グループは、一部受注生産を行っておりますが、売上原価に占める生産実績割合の重要性が乏しいため、記載を省略しております。
(2) 受注実績
当社グループは、一部受注生産を行っておりますが、販売実績に占める受注販売実績割合の重要性が乏しいため、記載を省略しております。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(百万円)
前年同期比(%)
文教市場販売事業
47,976
△15.1
店舗・ネット販売事業
66,310
△5.0
図書館サポート事業
33,688
6.1
出版事業
4,121
△3.0
その他
10,703
△10.9
合計
162,799
△6.6
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 主要な販売先については、総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先がないため記載を省略しております。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当連結会計年度(2022年2月1日~2023年1月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の警戒感を持ちつつ、行動制限の緩和により経済活動が徐々に正常化に向い始めました。一方で、原油・原材料価格の高騰、ウクライナ情勢の長期化、急激な為替相場の変動など、先行き不透明な状況は継続しました。
このような状況のなか、当社グループではコロナによる行動変容(ウィズ コロナ・アフター コロナ)、人生100年時代(学び方・働き方の変化)、SDGsの取り組み、5G・DXなどの進展を意識しながら、「学びとともに生きる社会への取り組み」「地域創生への貢献」「新しい書店収益モデルの創造」を主要戦略テーマに生活者の知的文化的生活に貢献する新たな付加価値の創造に取り組んでまいりました。
当連結会計年度の業績につきましては、文教市場販売事業で教育・研究施設、図書館などの設計・施工において大型案件の完工が減少したこと、大学市場及び公共図書館向け書籍等の販売が減少したこと、店舗・ネット販売事業で行動制限緩和後も来店者数はコロナ前の水準には戻っていないなか感染拡大が繰り返されたこと、また「収益認識会計基準」等を適用した影響により、売上高は1,627億99百万円(前年同期1,743億55百万円)、営業利益は31億29百万円(前期比23.4%減)、経常利益は30億61百万円(前期比20.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は17億73百万円(前期比18.3%減)と減収減益となりました。
なお、「収益認識会計基準」等を適用した影響により売上高は78億23百万円減少しておりますが、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益に与える影響は軽微であります。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
[文教市場販売事業]
当事業は以下の事業を行っております。
1.図書館(公共図書館・学校図書館・大学図書館)に対する図書館用書籍の販売、汎用書誌データベース「TRC MARC」の作成・販売及び図書装備(バーコードラベルやICタグ等の貼付等)や選書・検索ツール等の提供
2.大学などの教育研究機関や研究者に対する学術研究及び教育に関する輸入洋書を含む出版物(書籍・雑誌・電子ジャーナル、電子情報データベースほか)や英文校正・翻訳サービスをはじめとする研究者支援ソリューションの提供
3.教育・研究施設、図書館などの設計・施工と大学経営コンサルティングをはじめとする各種ソリューションの提供
4.大学内売店の運営や学生に対する教科書・テキストの販売等
当連結会計年度の業績につきましては、教育・研究施設、図書館などの設計・施工においてコロナ禍の長期化による影響で大型案件などの完工が減少したこと、大学市場及び公共図書館向け書籍等販売が減少したこと、また「収益認識会計基準」等を適用した影響から、売上高は479億76百万円(前年同期565億19百万円)、営業利益は33億13百万円(前期比10.6%減)と減収減益となりました。
なお、「収益認識会計基準」等を適用した影響により売上高は53億37百万円減少しております。
[店舗・ネット販売事業]
当事業は、主に全国都市部を中心とした店舗網において和書・洋書などの書籍をメインに、文具・雑貨・洋品まで多岐にわたる商品の販売を行っております。
店舗の状況といたしましては、2022年3月に約360坪の売場に専門書からコミック、雑誌までフルジャンルの書籍を取り揃えた「丸善 豊田T-FACE店」を開店し、「ジュンク堂書店 松山店」を移転し「ジュンク堂書店 松山三越店」として新たにオープン、6月に2021年10月に東京丸の内にオープンしました「絵本の世界を楽しむことができる空間」をコンセプトとした「EHONS TOKYO」に継ぐ2番目の店舗としてMARUZEN&ジュンク堂 梅田店内に「EHONS UMEDA」を開店、9月に競技麻雀のチーム対抗戦のナショナルプロリーグのスポンサー契約を締結し「M.LEAGUE OFFICIAL SHOP」を東京(丸善 日本橋店内)と大阪(MARUZEN&ジュンク堂 梅田店内)にオープン、12月に丸善丸の内本店3階にひとりを愉しむ空間「Personal Lounge 丸善の三階」をオープン、また1月に「MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店」「ジュンク堂書店/MARUZEN 岡島甲府店」を閉店した結果、2023年1月末時点の店舗数は108店舗となっております。(うち1店舗は海外店(台湾)、16店舗は「丸善(MARUZEN)」「ジュンク堂書店」の店舗名ではありません。)
当連結会計年度の業績につきましては、知育系雑貨の拡大や小規模文具売場の書籍単独店への導入、オフィシャルショップやラウンジなど新形態の店舗開店に取り組みましたが、来店客数がコロナ前の水準には戻っていない状況下で感染拡大が繰り返されたこと、また「収益認識会計基準」等を適用した影響等により、売上高は663億10百万円(前年同期698億24百万円)、営業利益は19百万円(前期比93.7%減)と減収減益となりました。
なお、「収益認識会計基準」等を適用した影響により売上高は22億43百万円減少しております。
[図書館サポート事業]
当事業は、図書館の業務効率化・利用者へのサービス向上の観点から、カウンター業務・目録作成・蔵書点検などの業務の請負、地方自治法における指定管理者制度による図書館運営業務、PFI(Private Finance Initiative)による図書館運営業務及び人材派遣を行っております。
当連結会計年度の業績につきましては、図書館受託館数は期初1,697館から89館増加し、2023年1月末時点では1,786館(公共図書館580館、大学図書館235館、学校図書館他971館)となり堅調に推移しました。
その結果、当事業の売上高は336億88百万円(前年同期317億44百万円)と増収となりましたが、人件費及び水道光熱費等のコストが増加したことにより、営業利益は24億27百万円(前期比3.6%減)と減益となりました。
なお、当セグメントにおける「収益認識会計基準」等を適用したことによる影響はありません。
[出版事業]
当事業は、『理科年表』をはじめとする理工系分野を中心とした専門書・事典・便覧・大学テキストに加え、絵本・童話などの児童書、図書館向け書籍の刊行を行っております。また医療・看護・芸術・経営など多岐にわたる分野のDVDについても発売を行っております。
当連結会計年度につきましては、専門分野として『理科年表2023』『古生物学の百科事典』『カールソン神経科学テキスト-脳と行動-原書13版』『オックスフォード 出版の事典』『Earth for All 万人のための地球』、児童書として『いつつごうさぎとゆきのもり』『ほねほねザウルス パーフェクト図鑑』『ちびちびうさまる くまさんといっしょ』『にじいろフェアリーしずくちゃん7 7つのストーンのひみつ』『ようかいとりものちょう16』など、合計新刊232点(前年244点)を刊行いたしました。
当連結会計年度の業績につきましては、専門書分野の新刊刊行の遅れの影響で売上高は41億21百万円(前年同期42億51百万円)と減収となりました。一方利益面は、児童書分野が順調であったことに加え、原価及び販管費の削減により、営業利益は2億65百万円(前期比7.1%増)と増益になりました。
なお、「収益認識会計基準」等を適用した影響により売上高は44百万円減少しております。
[その他]
当事業は、書店やその他小売店舗を中心に企画・設計デザインから建設工事・内装工事・店舗什器・看板・ディスプレーなどのトータルプランニング(店舗内装業)に関わる事業、図書館用図書の入出荷業務、Apple製品やパソコンの修理・アップグレード設定等の事業(株式会社図書館流通センターの子会社であるグローバルソリューションサービス株式会社による)、総合保育サービス(株式会社図書館流通センターの子会社である株式会社明日香による)を行っております。
当連結会計年度の業績につきましては、総合保育サービス事業は順調に推移し、店舗内装業は前期に比べ回復傾向にあります。しかしパソコンの修理・アップグレード設定等事業において半導体不足のなか一部の部品に供給遅延が生じていること、行動制限緩和後も客足が戻っていないこと、また「収益認識会計基準」等を適用した影響等から、売上高107億3百万円(前年同期120億15百万円)、営業利益2億4百万円(前期比36.4%減)と減収減益となりました。
なお、「収益認識会計基準」等を適用した影響により売上高は1億98百万円減少しております。
(2) 財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
(資産)
当連結会計年度末の総資産の残高は、前連結会計年度末に比べ、立替金の増加等により4億12百万円増加し、1,287億70百万円となりました。うち流動資産は925億11百万円、固定資産362億55百万円、繰延資産は3百万円であります。
流動資産の主な内容といたしましては、現金及び預金241億46百万円、受取手形及び売掛金167億72百万円、商品及び製品366億25百万円、立替金84億93百万円、前渡金31億54百万円であります。
固定資産の主な内容といたしましては、有形固定資産214億85百万円、無形固定資産14億22百万円、投資その他の資産133億47百万円であります。
繰延資産の内容といたしましては、社債発行費3百万円であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債の残高は、前連結会計年度末に比べ、支払手形及び買掛金の減少等により17億59百万円減少し、830億68百万円となりました。うち流動負債は580億50百万円、固定負債は250億17百万円であります。
流動負債の主な内容といたしましては、支払手形及び買掛金174億23百万円、短期借入金217億10百万円であります。
固定負債の主な内容といたしましては、長期借入金137億1百万円、退職給付に係る負債51億4百万円であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ、利益剰余金の増加等により21億72百万円増加し、457億2百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
「第2 [事業の状況]-3 [経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]-(3)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
(4) 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
(財務戦略の基本的な考え方)
当社グループでは、安定的な財務体質と資本効率の向上を両立させるとともに、持続的な成長のための事業基盤の構築と、新たな企業価値創出のために経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。また設備投資に関わる効果検証の徹底と、投資額を営業キャッシュ・フローの範囲内とすることで、変化を続ける市場に継続的に対応しつつ、財務体質の強化を進めてまいります。
(経営資源の配分に関する考え方)
当社グループでは、上記の基本的な考え方のもと、店舗のスクラップ&ビルドなど、持続的な収益基盤の維持・更新を目的とした設備投資と、競争力強化のためのシステム開発投資、および新規事業・サービス創出のためのM&A等をおこなうことで、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めます。
(資金需要の主な内容)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、システム開発投資、M&A等によるものであります。
(資金調達)
当社グループは、必要な資金の安定的な調達と流動性の確保を資金調達の方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入及び社債発行によるものを基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金、リース債務及び社債を含む有利子負債の残高は404億47百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は236億97百万円となっております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
