【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況当事業年度におけるわが国経済は、景気が緩やかに持ち直してきているものの、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっており、今後の金融市場の変動等に注意が必要な状況が続いております。一方、新型コロナウイルス感染症の影響をきっかけに進んだリモートワークの推進や各企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進は、感染症の影響が落ち着いても止まることなく、AIアルゴリズム実装に対する需要を高めていると考えております。当社においても、このような需要の高まりを取り込み、また、営業体制強化・継続的業務改善に取り組むことにより、主力サービスであるAIソリューションサービスにおいて、主にリカーリング型顧客との取引が拡大したことを要因に、売上高は前年同期比23.2%増となりました。また、採用強化に伴う採用費、人件費の増加により、販売管理費が18.7%増加したことから、この結果として、営業利益は前年同期比16.3%増となりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は2,663,347千円(前年同期比23.2%増)となり、営業利益244,753千円(前年同期比16.3%増)、経常利益245,868千円(前年同期比22.7%増)、当期純利益は171,451千円(前年同期比25.0%増)となりました。なお、当社の事業セグメントはAIアルゴリズム事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載は省略しております。
② 財政状態の状況(資産の部)当事業年度末における流動資産は912,658千円となり、前事業年度末に比べ70,235千円増加いたしました。これは主に営業活動による収入等により現金及び預金が75,911千円増加し、また、売上高の増加に伴い売掛金が8,332千円増加した一方で、未収還付法人税等の還付等によりその他流動資産が12,904千円減少したこと等によるものであります。また、当事業年度末における固定資産は13,239千円となり、前事業年度末に比べ2,395千円減少いたしました。これはパソコンを購入したことにより有形固定資産が1,080千円増加した一方で、繰延税金資産が減少したこと等により、投資その他の資産が3,475千円減少したことによるものであります。この結果、当事業年度末における資産合計は925,897千円となり、前事業年度末に比べ67,840千円増加しております。(負債の部)当事業年度末における流動負債は301,747千円となり、前事業年度末に比べ90,540千円減少いたしました。これは主に外注原価の増加により買掛金が19,837千円増加した一方で、未払法人税等が支払により40,476千円減少したこと、未払消費税等の支払等によりその他流動負債が12,198千円減少したこと、一時的な支払サイクルの違いが解消したこと等を要因に未払金が33,775千円減少したこと、借入金の返済により1年内返済予定の長期借入金が25,275千円減少したこと等によるものであります。また、当事業年度末における固定負債は17,816千円となり、前事業年度末に比べ16,266千円減少しました。これは1年内返済予定の長期借入金への振替により長期借入金が16,266千円減少したことによるものであります。この結果、当事業年度末における負債合計は319,563千円となり、前事業年度末に比べ106,806千円減少いたしました。(純資産の部)当事業年度末における純資産合計は606,333千円となり、前事業年度末に比べて174,646千円増加いたしました。これは、新株予約権の行使により資本金、資本準備金がそれぞれ1,619千円増加したこと、当期純利益の計上により繰越利益剰余金が171,451千円増加したこと等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況当事業年度における現金及び現金同等物の残高(以下「資金」という。)は646,908千円となり、前事業年度末に比べ75,911千円増加いたしました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における営業活動の結果、獲得した資金は116,741千円(前年同期は227,260千円の獲得)となりました。主な増加要因は、主としてAIソリューションサービスが好調であることを要因として税引前当期純利益245,868千円(前年同期比45,503千円増)の計上があったこと、主としてAIソリューションサービスの外注原価の増加に伴い仕入債務が19,837千円増加したこと(前年同期は43,804千円増加)、法人税等の還付額10,044千円(前年同期は6,293千円の還付)があったことによるものであります。一方、主な減少要因は、主として法人税等の支払額が111,921千円(前年同期は1,758千円の支払)あったこと、一時的な支払サイクルの違いが解消したこと等を要因に未払金が33,775千円減少したこと(前年同期は23,254千円増加)、消費税等の支払により未払消費税等が10,183千円減少したこと(前年同期は17,737千円増加)等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における投資活動の結果、支出した資金は2,483千円(前年同期は29,689千円の収入)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出2,483千円(前年同期は2,333千円の支出)によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における財務活動の結果、支出した資金は38,346千円(前年同期は124,193千円の収入)となりました。主な増加要因は、新株予約権の行使による株式の発行による収入3,236千円(前年同期は該当ございません)によるものであります。一方、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出41,541千円(前年同期は42,417千円の支出)によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績 生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
b.受注実績 提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績 当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。なお、当社はAIアルゴリズム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載をしておりませんが、販売実績をサービス区分ごとに示すと、以下のとおりであります。
サービスラインの名称
販売高(千円)
構成比率(%)
前期比(%)
AIソリューション
2,474,158
92.9
27.0
AI教育
107,277
4.0
△5.2
AIプロダクト
81,910
3.1
△18.9
合計
2,663,347
100
23.2
(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
相手先
前事業年度
当事業年度
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
株式会社バンダイナムコネクサス
145,864
6.7
384,358
14.4
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。 また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.経営成績の分析当事業年度におけるわが国経済は、景気が緩やかに持ち直してきているものの、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっており、今後の金融市場の変動等に注意が必要な状況が続いております。一方、新型コロナウイルス感染症の影響をきっかけに進んだリモートワークの推進や各企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進は、感染症の影響が落ち着いても止まることなく、AIアルゴリズム実装に対する需要を高めていると考えております。
(売上)当事業年度における売上高は、2,663,347千円(前年同期比23.2%増)となりました。主な要因は、主力サービスであるAIソリューションサービスにおいて、主にリカーリング型顧客*との取引が拡大したことを要因に、売上を増加させることができたことによるものであります(*当社では、過去4四半期連続でサービスを利用した顧客を「リカーリング型顧客」と定義しており、リカーリング型顧客が当社のコアなファン層となり、継続的に取引を拡大することで、収益基盤をより強固なものにしております)。
(売上原価・売上総利益)当事業年度における売上原価は、1,823,978千円(前年同期比25.7%増)となりました。主な要因は、AIソリューションサービスにおいて、売上規模拡大に伴い外注原価等が増加したことによるものです。以上の結果、当事業年度の売上総利益は839,368千円(前年同期比18.0%増)となりました。
(販売費及び一般管理費・営業利益)当事業年度の販売費及び一般管理費は、594,614千円(前年同期比18.7%増)となりました。これは主に社員増員、昇給に伴う人件費、採用関連費の増加などによるものであります。以上の結果、当事業年度の営業利益は244,753千円(前年同期比16.3%増)となりました。
(営業外損益・経常利益)当事業年度の営業外収益は、2,076千円となりました。これは主に還付消費税等によるものであります。また、営業外費用は、961千円になりました。これは主に借入金に対する利息の支払によるものであります。以上の結果、当事業年度の経常利益は、245,868千円(前年同期比22.7%増)となりました。
(特別損益・当期純利益)当事業年度の税引前当期純利益は245,868千円(前年同期比22.7%増)となりました。法人税等合計を74,417千円計上したことにより、当期純利益は、171,451千円(前年同期比25.0%増)となりました。
b.財政状態の分析財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
c.キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要
③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について当社では、売上総利益を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として重視しております。引き続きこれらの指標を向上させるよう取り組んでまいります。当社における経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標の進捗は、全社合計で、2023年4月期売上総利益839,368千円(前年同期比18.0%増)となっております。特に当社における主力サービスであるAIソリューションサービスにおいて、2023年4月期においては売上高2,474,158千円(前年同期比27.0%増)、売上総利益709,818千円(前年同期比26.9%増)、月次稼働人員数167名(前年同期比22.2%増)となっております。これは、主力であるAIソリューションサービスにおいて、営業・コンサルタントをはじめ積極的な人材投資を行ったことで、行動量が増加し、月次稼働人員数の増加に繋がったものと考えております。また、リカーリング型顧客との取引が拡大したことで1社あたりの売上高が増加し、全体売上増加につながっております。今後も、AIソリューションサービスにおける営業・コンサルタントに対する人材投資、組織力強化を継続し、月次稼働人員数の増加を図ることで、売上総利益、ひいては全社利益の伸長につなげていきたいと考えております。
④ 資本の財源及び資金の流動性当社は、更なる成長を図る為に、成長フェーズにあった組織体制の確立と優秀な人材の確保が必要であり、今後も積極的な採用活動を継続して実施する方針です。当社の資金需要の一部は、人材の拡充であり、必要な資金は借入の他、自己資金及び新株発行による調達資金により充足することとしております。
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