【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
近年の全国農業総産出額は、米、野菜、肉用牛等における需要に応じた生産の取組等により、9兆円前後で推移しております。2021年の農業総産出額は、肉用牛の輸出増加や需要回復、鳥インフルエンザによる鶏卵価格の高騰が見られた一方、米の民間在庫量が高い水準で推移したことや野菜が出荷量増加により安値となったこと等から、前年に比べ986億円減少し、8兆8,384億円となりました(出典:農林水産省「生産農業所得統計」)。他方で、2022年2月時点の農業経営体数97万5千経営体のうち、個人経営体は93万5千経営体で、前年に比べ5.4%減少した一方、団体経営体は4万経営体で1.5%増加しております(出典:農林水産省「農業構造動態調査」)。農業経営体の減少が続く中、法人化や規模拡大の進展が継続し、農業集約化の動きも加速するものと予想されます。
当第3四半期累計期間における青果価格は、冬季は気候が安定したこと等により、平年に比べ低下トレンドとなったものの、春季より平年並みに回復してまいりました。他方、当第3四半期累計期間におけるスーパーマーケットにおける青果需要は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが変更されたことで外食や旅行等の消費活動の活発化に伴う内食需要の反動減、食料品等の相次ぐ値上げによる青果物の買い控え等の影響により、前年に比べ減少いたしました。
このような環境のもと、より多くの生活者に「おいしい」をお届けするために、これまで当社が進めてきた農家の直売所事業に加え、スーパー等の通常の青果売場で販売する産直卸事業を推進いたしました。前事業年度に締結いたしました富山中央青果株式会社や国分グループ本社株式会社とのアライアンスを継続するとともに、当第3四半期累計期間では、ハウス食品グループ本社株式会社との資本業務提携契約の締結やドラッグストアへの販路拡大等、新しい農産物流通の創造に向けた取組の深化を進めてまいりました。また、手数料の改定や取引の精査を行い、事業基盤の強化に努めました。
このような取組みの結果、流通総額は9,683,608千円(前年同四半期比0.7%増)、2023年5月末日時点でスーパーマーケット等の国内小売店への導入店舗数は1,982店舗(前事業年度末より48店舗増)、農産物の集荷拠点である集荷場は92拠点(前事業年度末より増減なし)、登録生産者は10,445名(前事業年度末より187名増)まで拡大いたしました。
当第3四半期累計期間の経営成績は、売上高は4,221,721千円(前年同四半期比10.2%増)、営業利益は9,759千円(前年同四半期は営業損失133,480千円)、経常利益は14,920千円(前年同四半期は経常損失123,882千円)、四半期純利益は10,720千円(前年同四半期は四半期純損失139,588千円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①農家の直売所事業
農家の直売所事業では、当社及び業務委託先が運営する集荷場で登録いただいた生産者から農産物を出荷し、原則翌日にスーパー等の「産直コーナー」で販売する独自の流通プラットフォームを提供しております。
当第3四半期累計期間は、既存委託販売先との取引維持・拡大に加え、登録生産者獲得のため、集荷場を拠点とした営業活動を行ってまいりました。既存取引の精査や見直し、関東の集荷場において登録生産者からいただく出荷手数料の改定等を行い、利益率向上施策を実施してまいりました。
これにより、流通総額は8,359,208千円(前年同四半期比4.0%減)、流通点数は44,880千点(前年同四半期比4.0%減)、売上高は2,897,320千円(前年同四半期比1.0%減)、セグメント利益は462,281千円(前年同四半期比47.0%増)となりました。
②産直卸事業
産直卸事業では、当社が生産者から直接農産物を買い取り、商品の「パッケージ」、売場の「POP」、生産者のおすすめ「レシピ」などで商品の付加価値を可視化し、スーパー等の通常の青果売場である「青果コーナー」で販売しております。
当第3四半期累計期間は、全国の産地や市場との連携により商品供給を強化するとともに、ブランディングを通じて販売力を強化し、既存取引先であるスーパー等の旺盛なニーズに対して、取引品目や取引量を拡大してまいりました。
これにより、流通総額及び売上高は1,324,400千円(前年同四半期比46.5%増)、セグメント損失は7,096千円
(前年同四半期はセグメント損失6,637千円)となりました。
(2)財政状態の分析
当第3四半期会計期間末における総資産は、前事業年度末と比べ56,419千円減少し、2,385,133千円となりました。
流動資産は、前事業年度末と比べ33,041千円減少し、1,944,478千円となりました。これは主に、現金及び預金の減少31,149千円、売掛金の減少20,496千円、その他流動資産の増加11,471千円等によるものであります。
固定資産は、前事業年度末と比べ23,378千円減少し、440,655千円となりました。これは主に、有形固定資産の減少12,895千円、無形固定資産の減少10,682千円、投資その他の資産の増加199千円によるものであります。
当第3四半期会計期間末における負債は、前事業年度末と比べ67,140千円減少し、1,475,526千円となりました。
流動負債は、前事業年度末に比べ24,373千円減少し、1,164,104千円となりました。これは主に、買掛金の増加4,753千円、短期借入金の減少14,994千円、未払法人税等の減少19,648千円、賞与引当金の増加18,652千円、その他流動負債の減少19,822千円等によるものであります。
固定負債は、前事業年度末に比べ42,766千円減少し、311,422千円となりました。これは主に、長期借入金の減少42,795千円等によるものであります。
当第3四半期会計期間末における純資産は、前事業年度末と比べ10,720千円増加し、909,606千円となりました。これは主に資本金の減少496,633千円、資本剰余金の増加317,495千円、利益剰余金の増加189,857千円によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第3四半期累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
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