【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況① 経営成績の分析当社グループは、事業セグメントとして、個人向け映像配信サービスを提供する「コンテンツ配信事業」、業務店や施設向けに店舗DXサービス、音楽配信サービスや店舗向け集客支援サービスを提供する「店舗サービス事業」、オフィス向けネットワーク、セキュリティサービスの提供やインターネットサービス等の代理販売を行う「通信事業」、医療機関やホテルを中心に、自動精算機やフロントの管理システムを提供する「業務用システム事業」、業務店や商業施設向けに高圧、低圧電力を提供する「エネルギー事業」の5つに分類しております。主軸事業である店舗サービスの提供先である業務店を始め、ホテル・病院・ゴルフ場や中小オフィスといったBtoB市場や映像配信、通信サービスをはじめとするBtoC市場などの様々な顧客が当社グループの最大の資産であると考えております。当第2四半期連結累計期間において、政府は、新型コロナの感染症法上の位置づけを2023年5月から例年流行するインフルエンザと同じ5類とすることを決定しました。また、マスクの着用も、個人の主体的な選択を尊重するなど脱コロナへ大きく前進することとなりました。このような状況によって業務店では来店客が増加し、経済活動も以前の状態に戻りつつあります。また入国制限の緩和により訪日外国人も戻りつつあり、再開された全国旅行支援等の影響により旅行者が増加するなど旅行業・宿泊業も明るい兆しが見えてきております。一方でウクライナ情勢等による食料・エネルギー不足を背景に世界的なインフレ状態が続いております。為替や鳥インフルエンザ等の影響による原材料費や運送費、光熱費の高騰であらゆる分野で値上げラッシュが続いております。そのため企業や業務店では販売商品や価格の見直しを余儀なくされる状況となっております。物価高騰は、消費者による買い控えや消費意欲の減退を招き、業務店では顧客離れが懸念されております。また、人手不足や賃金上昇など顧客を取り巻く事業環境は益々不透明な状況となっております。このような状況下、当社グループでは「未来を今に近づける“ソーシャルDX”カンパニー」として、業務店やサービス利用者の方々に対し、事業活動を通じて様々なニーズや課題に対応した商品・サービスを提供し、当社グループのスローガンである「必要とされる次へ。」を実践してまいりました。この結果、当第2四半期連結累計期間における業績は、売上高133,732百万円(前年同四半期比17.3%増)、営業利益9,544百万円(前年同四半期比7.9%増)、経常利益9,050百万円(前年同四半期比7.3%増)、また親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては4,958百万円(前年同四半期比12.5%増)となりました。当社グループの各セグメント別の売上高(セグメント間の内部売上高又は振替高を含む。)及び営業利益は以下のとおりであります。
<コンテンツ配信事業>コンテンツ配信事業は、連結子会社の㈱U-NEXT、㈱TACTが運営しており、映像配信サービス『U-NEXT』の提供・販売を行っております。『U-NEXT』では、豊富な見放題作品を用意しており、2022年11月時点で映画やドラマなどの動画作品はレンタルも含めて27万本以上、漫画や書籍などの電子書籍は84万冊以上、雑誌は170誌以上をそろえ、1つのアプリで「観る」「読む」をシームレスに楽しめる、ジャンルを超えたエンタメ体験をお届けしています。当第2四半期連結累計期間においては、With/Afterコロナでも行動制限がないことから外出機会も増加し、オフィスワーカーの比率も増加するなど「巣ごもり」需要は収まりつつあり、ライブやコンサート等のリアルイベントにも多くの観客が参加する状況が見られました。このような状況下において『U-NEXT』は、堅調に会員数を増やしております。コンテンツに関する競争環境が激化するなかで、これまでの『カバレッジ戦略』に加え、新作・話題作や「PGAツアー」、「JLPGA女子プロゴルフツアー」、「BELLATOR MMA」等注目度の高いスポーツコンテンツの独占配信や、音楽コンテンツのライブ配信を開始するなど当社の独占作品をグレードアップさせるかたちで『ONLY ON戦略』を展開し、「U-NEXTでしか観られない」「見放題で楽しめるのはU-NEXTだけ」という独占配信作品の強化にも取り組んでまいりました。更に、「映画館で映画を観る体験」に重きを置き、「映画館に送客できる動画配信サービス」の実現を目指しており、「U-NEXTポイント」で映画チケットを購入することが可能となっております。また、為替相場は引き続き円安基調であるものの、昨年後半の急激な下落から落ち着きを取り戻しており、コンテンツ調達コストにおける影響は限定的となっております。その結果、コンテンツ配信事業の当第2四半期連結累計期間における売上高は38,605百万円(前年同四半期比10.9%増)、営業利益は3,323百万円(前年同四半期比3.8%増)となりました。
<店舗サービス事業>店舗サービス事業は、連結子会社の㈱USEN、キャンシステム㈱、㈱USEN Media、㈱USEN FB Innovation、㈱USENテクノサービス、USEN-NEXT Design㈱、㈱ユーズミュージック、㈱バーチャルレストランが運営しており、音楽配信を始めとする店舗ソリューションの提供・販売・施工、飲食店向け集客支援、音楽著作権の管理・開発等を行っております。音楽配信サービスは、全国の業務店、チェーン店や個人のお客様に、最適なインフラを経由し、専用の受信端末機を通じて、音楽・情報等を提供しております。また、店舗DXサービスは、POSレジ『USENレジ』、キャッシュレス決済『USENペイ』、飲食店向けの集客支援サービス、Wi-Fi、IPカメラなどのIoTサービス、家賃保証サービス、損害保険サービスなど、店舗運営に必要なソリューションを提供しております。本事業では、音楽配信サービスの安定的な収益基盤を軸に、店舗のDX市場開拓を積極的に進めていく方針のもと、全国の業務店、チェーン店顧客との取引の維持拡大、新規顧客の獲得及びブランド力の向上に取り組んでおります。当第2四半期連結累計期間において㈱USENでは、「お店の未来を創造する」をミッションに掲げ、店舗運営に必要な店舗DXをトータルサポートしております。フロント業務からバックオフィス業務までのあらゆるオペレーションのDX化をパッケージにして提供、サービス導入およびアフターフォローも万全にサポートすることで業務効率化、省人化、非接触化を推進するなど、新たな視点による店舗経営を提案しております。特に配膳ロボットに関しては、With/Afterコロナにおける人手不足の解消、生産性の向上という顧客の課題解決に向けた取り組みとして、非接触で安心かつ効率的な接客を実現するため、飲食店への導入を積極的に注力しております。また、地域コミュニティの役割を担う全国100拠点の「こども食堂」に『USEN MUSIC』を無償で提供し、施設の環境改善支援を開始しました。今後は、数多くの顧客との接点や地域社会とのネットワークがある強みを生かし、地域コミュニティに貢献し、サステナブルな社会の構築に寄与してまいります。㈱USEN Mediaでは、飲食店向け集客支援サービス『ヒトサラ』の展開や『食べログ』の取り扱いを行っております。顧客先店舗もようやくコロナ禍前の状態を取り戻しつつあります。訪日外国人向けグルメサイト『SAVOR JAPAN』では、海外旅行者の受け入れ解禁後から予約数が大幅に伸張し、今後も益々訪日外国人による需要拡大が期待できます。「飲食店の今と未来に貢献する」をミッションとして、今後も食の作り手と消費者をつなぐメディアとして双方に利便性の高いサービスの提供、外部パートナーと連携した「集客DX」の推進に注力してまいります。㈱バーチャルレストランは2022年9月の当社グループへの参画後、グループ会社の販売チャネルを生かした加盟店獲得の促進や新規の飲食ブランドの開発に注力してまいりました。その結果、店舗サービス事業の当第2四半期連結累計期間における売上高は30,630百万円(前年同四半期比8.3%増)、営業利益は4,730百万円(前年同四半期比1.8%増)となりました。
<通信事業>通信事業は、連結子会社の㈱USEN NETWORKS、㈱U-NEXT、㈱USEN ICT Solutions、㈱USEN Smart Works、㈱USEN-NEXT LIVING PARTNERS、㈱U-MX、㈱Next Innovation、Y.U-mobile㈱が運営しております。店舗・施設には、自社で提供する光回線「USEN光plus」、ISP「USEN NET」や次世代IP電話サービスなど、お客様のニーズに合わせてさまざまなサービスの提供を行っております。オフィス向けには、「USEN GATE02」ブランドでサービスを提供しており、ネットワーク、セキュリティ、クラウドサービスを総合的に提案できる強みを活かし、ICTソリューションの「マルチサービスベンダー」としてICT環境構築の提案・販売を行っております。個人向けには、MVNOサービス『y.u mobile』の提供を行っており、シンプルな料金プランによりサービス提供開始以降お客様に好評をいただいております。当第2四半期連結累計期間においては、中小規模事業者向けを中心とした通信回線、ネットワーク、セキュリティサービスの新規獲得活動は引き続き堅調に推移いたしました。オフィスのICT環境構築においては、㈱USEN ICT Solutionsが、『USEN GATE 02』のブランドでネットワーク関連サービスやクラウドサービス、データセンターサービス、企業ICT環境の保守運用サービス等を手掛けております。更に、オフィスで働く従業員のため『Sound Design for OFFICE』をはじめとするBGMサービスも併せて提案するなど、企業ごとのニーズにマッチした業務環境改善を提案するとともに、これらのICT環境構築をワンストップで提供可能な体制作りに取り組んでおります。㈱USEN Smart Worksでは、従業員の働き方をサポートするため、様々なクラウドサービス(SaaSサービス)を取りそろえて企業に提供しており、導入後のきめ細やかな対応にも留意いたしております。With/Afterコロナにおいてリモートワーク、オンライン会議が定着するとともに、業務効率化や省人化ツール導入ニーズが高まっており、企業への新たな導入提案にも取り組んでまいりました。更に、企業では従前よりオフィスワーカーとリモートワーカーとが混在することによる社内コミュニケーションの在り方が課題となっており、ツール活用を含めた提案にも取り組んでおります。㈱USEN NETWORKSでは、自社で提供する法人向け光回線『USEN光 plus』の顧客の新規獲得が安定的に増加しており、ワンショット型の手数料獲得モデルからランニング収益獲得モデルへのシフトが図れております。また、リモートワークの環境整備はもとより音楽や動画配信サービスなどインターネットを活用した過ごし方へのニーズの高まりを受けて、個人向け光回線サービス『USEN光01』の提供も開始しております。その結果、通信事業の当第2四半期連結累計期間における売上高は26,456百万円(前年同四半期比4.7%増)、営業利益は2,839百万円(前年同四半期比1.7%増)となりました。
<業務用システム事業>業務用システム事業は、連結子会社の㈱アルメックスが行っております。㈱アルメックスは「テクノホスピタリティ(Technology×Hospitality)を世界へ」をスローガンに、最新のテクノロジーを駆使した製品やサービスによって、お客さまとその先にいるエンドユーザーの方々へ「究極のホスピタリティ」を提供することを目指しており、ビジネスホテル・シティホテル、レジャーホテル、総合病院やクリニック、ゴルフ場等向けに、自動精算機、ホテル管理システム、受付機・案内表示機等の開発・製造・販売・メンテナンスを行っております。また、飲食店向けには、オーダー端末やオペレーティングシステムの販売等も行っております。当第2四半期連結累計期間においては、With/Afterコロナで、これまで人による「おもてなし」をサービスの中心として自動精算機等による省人化・省力化を必要としていなかった施設等においても新たに非接触・非対面のニーズが発生し、これを大きなビジネスチャンスととらえて、施設における新たな課題やニーズに対して積極的に対応してまいりました。ホテルにおいては、全国旅行支援等の影響や、規制なく入国可能な国・地域が増えたことで訪日外国人も戻りつつあり、今後も宿泊客数の拡大が予想されます。そのような中、引き続き感染対策も求められており、人手不足等への様々な課題解決へ向けた製品・サービスの提供に注力しております。病院/クリニックにおいては、人手不足や働き方改革から十分な受付窓口スタッフの配置が難しい状況や非対面での受付対応、更に省スペースというニーズに対し、新たな業界最小型のセルフレジ『FIT-B for Clinic』の販売を開始し、支払い方法の多様化と省人化に対応しております。また、JA三井リース㈱との協業を開始し、病院・クリニックの開業や導入機器の更改時の資金調達から、㈱アルメックスが取り扱う次世代KIOSK端末をはじめとするDX製品の導入をワンストップで支援するサービスも提供しております。オンライン資格確認に対応した顔認証付きカードリーダー『Sma-paマイナタッチ』では、厚生労働省より、2023年4月のオンライン資格確認導入原則義務化について、一部猶予期間が設けられましたが、引き続き、医療機関全体のDX化促進のため、顔認証カードリーダーの導入に取り組んでおります。その結果、業務用システム事業の当第2四半期連結累計期間における売上高は9,366百万円(前年同四半期比4.4%減)、営業利益は1,270百万円(前年同四半期比27.6%減)となりました。
<エネルギー事業>エネルギー事業は、連結子会社の㈱USEN、㈱U-POWERが運営しており、『USENでんき』『USEN GAS』『U-POWER』を提供しております。㈱USENは東京電力グループとの業務提携による業務店向けの低圧電力、商業施設向けの高圧電力、更に都市ガスサービスの取次販売、省エネルギー施策提案などのエネルギー・コンサルティング・サービスを提供しています。また、㈱U-POWERでは、日本国内でお店のSDGs対応を支援するためグリーンエネルギー比率が異なる3プランを提供し、お店のエネルギーのグリーン化を推進しております。当第2四半期連結累計期間においては、引き続き発電コストが高止まりし、大手電力会社は規制料金値上げ申請を行うなど不安定な状況が続いておりますが、当社グループサービスは、燃料費調整単価の上昇により、売上増加要因となりました。『USENでんき(高圧)』では、電気料金の高騰により一定の解約が続いておりますが、㈱U-POWERは、これらの顧客の受け皿として、また、数多くの新電力会社が新規受付を停止する中、電力会社との契約目途がたたない企業に対し選択できるプランを提案し加入を促進してまいりました。その結果、エネルギー事業の当第2四半期連結累計期間における売上高は30,288百万円(前年同四半期比70.8%増)、営業利益は1,068百万円(前年同四半期比325.2%増)となりました。
② 財政状態の分析(資産)当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ6,089百万円増加し、159,096百万円となりました。流動資産は、現金及び預金が3,676百万円減少したこと、受取手形及び売掛金が3,289百万円増加したこと、棚卸資産が2,039百万円増加したこと、前払費用が3,850百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べて5,873百万円増加し、81,225百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べて215百万円増加し、77,871百万円となりました。(負債)流動負債は、前連結会計年度末に比べて270百万円増加し、52,027百万円となりました。固定負債は、社債が10,000百万円増加したこと、長期借入金が1,500百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べて8,214百万円増加し、69,182百万円となりました。(純資産)純資産は、利益剰余金が3,949百万円増加したこと、株式交換実施のために取得した自己株式が6,367百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べて2,395百万円減少し、37,886百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、22,679百万円となり、前連結会計年度末と比べて3,702百万円減少しました。その主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における営業活動による資金の支出は591百万円(前年同四半期は9,313百万円の収入)となりました。その主な要因は、税金等調整前四半期純利益を8,602百万円、減価償却費を3,017百万円、のれん償却額を1,569百万円計上したことや、売上債権が3,240百万円増加したこと、棚卸資産が2,026百万円増加したこと、前払費用が3,813百万円増加したこと、法人税等の支払により4,663百万円減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間の投資活動による資金の支出は4,836百万円(前年同四半期は3,878百万円の支出)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得により資金が2,214百万円減少したこと、無形固定資産の取得により資金が1,049百万円減少したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間の財務活動による資金の収入は1,726百万円(前年同四半期は3,927百万円の支出)となりました。その主な要因は、社債の発行により資金が10,000百万円増加したこと、自己株式の取得により資金が6,367百万円減少したこと、長期借入金の返済により資金が3,950百万円減少したこと等によるものであります。
(2) 経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動該当事項はありません。
(5) 生産、受注及び販売の実績当第2四半期連結累計期間において、販売の実績に著しい増減がありました。その内容については「(1)業績の状況」に記載しております。
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