【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の収束に向けての動きが加速する中で、国内の経済活動は一定の回復傾向にあるものの、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に起因するエネルギーや原材料価格の高騰等によるインフレ懸念が高まり、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが主にサービスを提供する情報産業分野においては、AI、IoT等の先端技術の普及やクラウドシフトを背景にDX(デジタルトランスフォーメーション)に向けた取り組みが進んでおり、企業のIT投資需要は引き続き堅調に推移するものと見込まれます。最適なITインフラが企業の経営戦略を支える重要な役割を担っており、これら企業の需要に対応する質の高いITエンジニアの採用・育成の必要性が更に高まっております。
このような環境の下、当社グループでは良質なエンジニアの育成や社内エンジニアのDXシフト等によるサービスの価値向上に取り組むほか、ビジネスパートナーリソースの活用も含め、ITシステムやDXの社会実装と運用を担う「デジタルインテグレーター」として、多種多様な顧客ニーズに応えられる体制作りを強化してまいりました。
これらの結果、当社グループの売上高は15,467,877千円(前年同期比17.9%増)、営業利益は1,638,096千円(前年同期比135.6%増)、経常利益は1,844,558千円(前年同期比62.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,194,997千円(前年同期比66.5%増)となりました。
また、事業分野別のセグメント概況は、以下のとおりであります。
当社は、これまでサービス内容や契約形態別に組織を分け事業運営を行ってまいりましたが、クラウド技術の進化と共に既存のSI領域と新しいDX領域の技術を明確に区別することが難しくなってきたことや横断的な技術サービスを必要とする案件の増加に対応するため、組織改編を行いました。エンジニアリソースを横断的に活用することで、多種多様な顧客ニーズに応えられる体制としており、この組織改編と共にセグメントの変更を行っております。
当第3四半期連結会計期間より、従来の「システムインテグレーション事業」、「デジタルトランスフォーメーション事業」、「みどりクラウド事業」及び「機械設計エンジニアリング事業」の4区分より、「システムインテグレーション事業」、「デジタルトランスフォーメーション事業」を統合して「デジタルインテグレーション事業」とし、「デジタルインテグレーション事業」「みどりクラウド事業」及び「機械設計エンジニアリング事業」の3区分に変更しております。以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
① デジタルインテグレーション事業
デジタルインテグレーション事業においては、ITインフラソリューションとしてITシステムの構築・運用・保守を手掛けるほか、IoTクラウドサポートセンターでは24時間365日体制でクラウドインフラやIoTサービスの運用を提供し、企業のICT環境のクラウド化を幅広く支援しております。その他、クラウドシステムの運用・定着化領域として、統合人事システム「COMPANY」の導入・定着化支援をはじめ、株式会社セラクCCCにおいては、Salesforceの定着化支援を軸としたカスタマーサクセスソリューションサービスを提供しております。
当第3四半期連結累計期間においては、ITシステムの構築運用、クラウド基盤への移行や24時間365日対応のマネージドサービスを中心とした底堅いIT投資需要のもと、更なる取引拡大に取り組みました。また、株式会社セラクCCCにおきましては、新規顧客開拓に注力したほか、採用や社内エンジニアのDXシフトによるSalesforceエンジニアの育成・創出、MA(マーケティングオートメーション)ツールやBI(ビジネスインテリジェンス)ツールなどSalesforceと連携する製品を扱える人材の育成に注力し、エンジニアの付加価値向上に努めました。また、未経験エンジニアの即戦力化を可能とする「現場環境を完全再現した実機研修プロジェクトルーム」を活用した育成に注力しております。
これらの結果、当セグメントの売上高は14,747,376千円(前年同期比18.2%増)、セグメント利益は1,609,355千円(前年同期比113.1%増)となりました。
② みどりクラウド事業
みどりクラウド事業では、ITを用いて農業・畜産・水産のDX化を支援する「みどりクラウド」「ファームクラウド」などのプラットフォームサービス、一次産業をはじめとした各産業分野の個別課題を解決するソリューションサービスを展開しております。
当第3四半期連結累計期間においては、引き続きソリューションサービスの受注拡大に注力するほか、2023年3月には、青果流通の現場にバーコードやクラウドシステムなどを用いたデジタル技術を導入する「みどりクラウド らくらく出荷」をリリースいたしました。
これらの結果、当セグメントの売上高は296,519千円(前年同期比17.6%増)、セグメント損失は20,596千円(前年同期はセグメント損失47,472千円)となりました。
③ 機械設計エンジニアリング事業
機械設計エンジニアリング事業においては、連結子会社である株式会社セラクビジネスソリューションズでの3DCAD分野の技術、実験や性能検査などの品質管理に関わる技術、通信建設及び情報通信に関する技術を提供しております。
当第3四半期連結累計期間においては、CADエンジニアの採用・育成に注力いたしました。安定した稼働率や新しい技術領域での案件獲得が図られたことにより、売上高は堅調に推移いたしました。引き続き各領域での案件獲得が期待され、教育によるエンジニアの付加価値向上や地理的展開を図りつつ、企業規模を拡大させてまいります。
これらの結果、当セグメントの売上高は464,240千円(前年同期比11.8%増)、セグメント利益は42,946千円(前年同期はセグメント損失12,521千円)となりました。
(2)財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,695,338千円増加し11,315,767千円となりました。これは主に、現金及び預金が1,279,010千円、繰延税金資産が175,777千円、保険積立金が83,126千円、仕掛品が56,554千円、敷金及び保証金が50,680千円、流動資産「その他」が40,911千円増加したことなどによるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ622,113千円増加し4,723,389千円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が450,000千円、賞与引当金が369,945千円、長期借入金が150,000千円減少したものの、未払金が1,194,118千円、未払法人税等が340,511千円、未払消費税等が56,971千円増加したことなどによるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,073,224千円増加し6,592,377千円となりました。これは主に、利益剰余金が1,074,994千円増加したことによるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は5,687千円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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