【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第3四半期連結累計期間(自 2022年9月1日 至 2023年5月31日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が収束に向かい、経済活動は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、ウクライナ情勢の長期化等に伴うエネルギー資源や原材料価格の高騰、米国における金融不安など複合的な要因から依然として先行き不透明な状況が続いております。当社が属するカジュアルファッション業界におきましては、社会活動の正常化が進み「お出かけ需要」が高まったことから、ショッピングセンターやファッションビルなどの商業施設に復調傾向がみられ、商品調達における海外サプライチェーンの動向も徐々に回復してきておりますが、生活必需品の物価上昇や原材料の高騰、継続的な円安など引き続き経営環境へのマイナス要因も散見されております。このような状況の下、当社は、引き続き商品戦略の強化と在庫の適正化等に取り組みました。主力の店舗販売事業においては、制限緩和による人流増加の影響等により改善傾向がみられることに加え、既存店のアウトレット化や催事出店によるアウトレット店舗の増設などにより、在庫適正化に向けて効果を発揮してきております。もう一方の主力であるインターネット販売事業においては、在庫の販売を優先したことや、充分な広告宣伝活動を実施してこなかったことなどから売上・利益ともに厳しい状況が継続しました。また、2022年8月に始動した「Re-Born Plan」プロジェクトでは、外部コンサルの協力を得ながら商品戦略及びマーケティングの強化に注力しております。本プロジェクトではブランド力強化を掲げており、在庫適正化を優先しつつもアウトレット専門店舗及びアウトレット専用サイトを設置することで、ブランドの毀損を回避しております。これらの施策でMD強化や物流の最適化も含めた抜本的な改革を図ることで、第4四半期以降に一定の成果が現れると期待しております。これに加え、5月に入り価格競争力があり迅速な仕入れが可能な中国広州での直接仕入れが再開できたことも、今後の業績回復に寄与すると考えております。当社は、2023年5月12日付「株式会社ネットプライスとの資本業務提携契約の締結に関するお知らせ」及び「株式会社ピアズとの資本業務提携の解消、株式の売出し及び主要株主の異動に関するお知らせ」にて公表した通り、新たに株式会社ネットプライス(以下、ネットプライス社といいます。)と資本業務提携契約を締結いたしました。今後はネットプライス社の支援の下、主力事業であるインターネット販売事業の立て直しを図るとともに、更なる資本政策の実行についても早急に検討してまいります。同時に、2022年10月に締結した株式会社ピアズ(以下、ピアズ社といいます)及びジェミニストラテジーグループ株式会社(以下、ジェミニ社といいます。)との資本提携を解消し、ピアズ社が保有していた当社株式については同社よりネットプライス社に譲渡されております。なお、ピアズ社及びジェミニ社と別途締結している業務委託契約による人的関与を含めた事業支援は継続しており、両社とは引き続き良好な関係を続けてまいります。この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高3,165百万円(前年同四半期比17.3%減)となりました。売上高が減少したことによる売上総利益の減少の影響を受け、営業損失539百万円(前年同四半期は営業損失253百万円)、経常損失566百万円(前年同四半期は経常損失267百万円)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純損失588百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失315百万円)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。なお、報告セグメントの区分方法の変更については「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
(店舗販売事業)店舗販売事業につきましては、制限緩和による人流増加の影響により売上高は回復傾向がみられるものの、在庫消化に注力したことにより売上高は低調に推移し、セグメント損失は拡大しました。以上により、売上高は2,126百万円(前年同四半期比4.5%減)、セグメント損失は177百万円(前年同四半期はセグメント損失0百万円)となりました。
(インターネット販売事業)インターネット販売事業につきましては、ファッションECサイトのサービス競争激化の影響もあり売上高が低迷しております。そのような中、値引き販売の抑制やアウトレットサイトの立上げなど、事業としての収益性を高める施策を行っておりますが、その効果は限定的となりました。以上により、売上高は919百万円(前年同四半期比37.9%減)、セグメント損失は151百万円(前年同四半期はセグメント損失94百万円)となりました。
(卸売販売事業)卸売販売事業につきましては、売上高は微減にとどまったものの、当期よりライセンス事業との経費配分を適正化したことから黒字転換しております。以上により、売上高は62百万円(前年同四半期比3.3%減)、セグメント利益は3百万円(前年同四半期はセグメント損失7百万円)となりました。
(ライセンス事業)ライセンス事業につきましては、学用品などの季節性需要が好調に推移したことなどから、売上高が増加しております。なお、前述の通り、当期より卸売販売事業との間で経費配分の見直しを行ったことから、セグメント利益は減少しております。以上により、売上高は37百万円(前年同四半期比14.4%増)、セグメント利益は27百万円(前年同四半期比10.0%減)となりました。
(メタバース関連事業)メタバース関連事業につきましては、新規事業として当社が獲得した同事業に関する知見を他社に展開するコンサルティング業務を中心に収益化を進めておりますが、主力事業の立て直しを優先したことから売上収益ともに低調に推移しました。以上により、売上高は7百万円(前年同四半期比37.6%減)、セグメント利益は0百万円(前年同四半期比92.9%減)となりました。
(2) 財政状態の状況(流動資産)当第3四半期連結会計期間末における流動資産の残高は1,549百万円となり、前連結会計年度末に比べ261百万円減少いたしました。これは主に、受取手形及び売掛金が11百万円、商品及び製品が148百万円、原材料及び貯蔵品が6百万円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が447百万円減少したことによるものです。
(固定資産)
当第3四半期連結会計期間末における固定資産の残高は737百万円となり、前連結会計年度末に比べ21百万円減少いたしました。これは、有形固定資産が9百万円増加した一方で、無形固定資産が9百万円、敷金及び保証金が21百万円それぞれ減少したことによるものです。
(流動負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債の残高は1,828百万円となり、前連結会計年度末に比べ49百万円減少いたしました。これは主に、買掛金が107百万円、賞与引当金金が7百万円、資産除去債務が1百万円それぞれ増加した一方で、短期借入金が141百万円、未払法人税等が5百万円それぞれ減少したことによるものです。
(固定負債)
当第3四半期連結会計期間末における固定負債の残高は776百万円となり、前連結会計年度末に比べ188百万円増加いたしました。これは、長期借入金が200百万円増加した一方で、資産除去債務が5百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は△318百万円となり、前連結会計年度末に比べ421百万円減少いたしました。これは主に、第三者割当増資により資本金及び資本剰余金がそれぞれ83百万円増加した一方で、親会社株主に帰属する四半期純損失計上に伴い利益剰余金が588百万円減少したことによるものです。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループは優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は5百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。