【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態及び経営成績の状況当中間連結会計期間(2022年4月1日~2022年9月30日)の国内経済は、7月から8月にかけて新型コロナウイルスの感染第7波による下押し圧力があったものの、感染抑制と経済活動再開の両立が図られた結果、個人消費の持ち直しと設備・公共投資の増加により、回復の動きが継続しました。ただし、ロシアのウクライナ侵攻を背景とした資源価格上昇や、急激な円安進行により、輸入物価が大きく上昇し、景気回復の動きを下押ししております。金融市場においては、日経平均株価は、期初は2万7千円台でスタートし、8月には米国の利上げペースの減速期待から、一時2万9千円台を回復しました。9月以降、米国物価上昇の高止まりから金融引き締めの長期化が懸念され、日経平均株価は下落し、当期末は2万5千円台となりました。また、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは、概ね0.1~0.2%近辺で推移していましたが、欧米金利の上昇により、当期末は0.24%となりました。為替相場(対ドル)は、米国の利上げによる日米金利差拡大を受け円安方向に推移し、当期末は144円台となりました。県内経済は、新型コロナウイルスの感染第7波の影響があったものの、個人消費や観光などを中心に緩やかに持ち直しが続いております。今後、ウィズコロナへの移行が進む中、景気の持ち直し継続が期待される一方、為替相場の変動や資源価格上昇等が消費、生産の抑制要因として懸念されます。このような経済環境のなか、当行グループは引き続き地域に密着した営業展開と経営内容の充実に努めました結果、当中間連結会計期間の業績は次のとおりとなりました。 ①財政状態当中間連結会計期間末(2022年9月30日)における財政状態につきましては、総資産は前連結会計年度末に比べ3,581億円減少して3兆8,838億円、純資産額は同42億円減少して1,548億円となりました。主要な勘定科目につきましては、貸出金は個人貸出および法人貸出が増加したことから、前連結会計年度末に比べ679億円増加して2兆3,256億円、有価証券は社債が増加したものの、国債および地方債が減少したことから、同568億円減少して6,554億円、預金・譲渡性預金は個人預金、法人預金、公金預金ともに増加したことから、同750億円増加して3兆679億円となりました。 ②経営成績経常収益は、貸出金利息や有価証券利息配当金の増加により資金運用収益が増加したこと、預り資産手数料の増加により役務取引等収益が増加したこと、国債等債券売却益の増加によりその他業務収益が増加したことから、前中間連結会計期間に比べ5,621百万円増加して36,899百万円となりました。一方、経常費用は、コールマネー利息や債券貸借取引支払利息の増加により資金調達費用が増加し、国債等債券売却損の増加によりその他業務費用が増加したことから、前中間連結会計期間に比べ3,041百万円増加して29,610百万円となりました。以上により、経常利益は、前中間連結会計期間に比べ2,579百万円増加して7,289百万円、親会社株主に帰属する中間純利益は、同2,040百万円増加して4,817百万円となりました。各セグメント別の業績は、次のとおりであります。(ⅰ)銀行業(銀行業務)当中間連結会計期間の経常収益は、貸出金利息や有価証券利息配当金の増加により資金運用収益が増加したこと、預り資産手数料の増加により役務取引等収益が増加したこと、国債等債券売却益の増加によりその他業務収益が増加したことから、前中間連結会計期間に比べ5,327百万円増加して32,839百万円となりました。経常利益は、コールマネー利息や債券貸借取引支払利息の増加により資金調達費用が増加し、国債等債券売却損の増加によりその他業務費用が増加したことから、前中間連結会計期間に比べ2,580百万円増加して6,887百万円となりました。(ⅱ)リース業(リース業務)当中間連結会計期間の経常収益は、リース料収入および割賦収入が増加したことから、前中間連結会計期間に比べ267百万円増加して3,968百万円となりました。経常利益は、リース原価等および与信関連費用が増加したことから、前中間連結会計期間に比べ21百万円減少して173百万円となりました。(ⅲ)その他(信用保証業務等)当中間連結会計期間の経常収益は、手数料収入が増加したことから、前中間連結会計期間に比べ13百万円増加して468百万円となりました。経常利益は、与信関連費用が減少したことから、前中間連結会計期間に比べ20百万円増加して232百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ370,573百万円減少して816,972百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、借用金の純増減やコールマネー等の純増減が減少したことから、前中間連結会計期間に比べ960,982百万円減少して429,165百万円のマイナスとなりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出が増加しましたが、有価証券の売却による収入も増加したことから、前中間連結会計期間に比べ59,834百万円増加して59,441百万円のプラスとなりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、前中間連結会計期間に比べ0百万円減少して863百万円のマイナスとなりました。 (参考)国内業務部門・国際業務部門別収支資金運用収益は、貸出金利息および有価証券利息配当金が増加したことから、前第2四半期連結累計期間に比べ6,122百万円増加して24,659百万円となりました。資金調達費用は、コールマネー利息および債券貸借取引支払利息が増加したことから、前第2四半期連結累計期間に比べ406百万円増加して679百万円となりました。その結果、資金運用収支は、前第2四半期連結累計期間に比べ5,716百万円増加して23,979百万円となりました。役務取引等収支は、預り資産手数料が増加したことから、前第2四半期連結累計期間に比べ94百万円増加して2,397百万円となりました。その他業務収支は、国債等債券売却損が増加したことから、前第2四半期連結累計期間に比べ2,553百万円減少して4,777百万円のマイナスとなりました。
種類
期別
国内業務部門
国際業務部門
相殺消去額(△)
合計
金額(百万円)
金額(百万円)
金額(百万円)
金額(百万円)
資金運用収支
前第2四半期連結累計期間
17,595
668
―
18,263
当第2四半期連結累計期間
22,742
1,237
―
23,979
うち資金運用収益
前第2四半期連結累計期間
17,831
709
3
18,537
当第2四半期連結累計期間
23,201
1,482
24
24,659
うち資金調達費用
前第2四半期連結累計期間
236
41
3
273
当第2四半期連結累計期間
459
245
24
679
役務取引等収支
前第2四半期連結累計期間
2,295
7
―
2,302
当第2四半期連結累計期間
2,393
3
―
2,397
うち役務取引等収益
前第2四半期連結累計期間
4,760
22
―
4,783
当第2四半期連結累計期間
4,882
24
―
4,907
うち役務取引等費用
前第2四半期連結累計期間
2,465
15
―
2,480
当第2四半期連結累計期間
2,488
20
―
2,509
その他業務収支
前第2四半期連結累計期間
△1,431
△793
―
△2,224
当第2四半期連結累計期間
71
△4,849
―
△4,777
うちその他業務収益
前第2四半期連結累計期間
4,118
167
―
4,285
当第2四半期連結累計期間
4,822
254
―
5,077
うちその他業務費用
前第2四半期連結累計期間
5,549
960
―
6,510
当第2四半期連結累計期間
4,750
5,104
―
9,855
(注) 1
「国内業務部門」は国内店の円建取引並びに子会社の取引、「国際業務部門」は国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引等は、「国際業務部門」に含めております。2
「相殺消去額(△)」は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借利息であります。3
資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前第2四半期連結累計期間1百万円、当第2四半期連結累計期間1百万円)を控除して表示しております。
(参考)国内業務部門・国際業務部門別役務取引の状況当第2四半期連結累計期間の役務取引等収益は、預り資産手数料が増加したことから、前第2四半期連結累計期間に比べ123百万円増加して4,907百万円となりました。役務取引等費用は、支払ローン関係手数料が増加したことから、前第2四半期連結累計期間に比べ28百万円増加して2,509百万円となりました。
種類
期別
国内業務部門
国際業務部門
合計
金額(百万円)
金額(百万円)
金額(百万円)
役務取引等収益
前第2四半期連結累計期間
4,760
22
4,783
当第2四半期連結累計期間
4,882
24
4,907
うち預金・貸出業務
前第2四半期連結累計期間
1,805
―
1,805
当第2四半期連結累計期間
1,804
―
1,804
うち為替業務
前第2四半期連結累計期間
1,011
21
1,033
当第2四半期連結累計期間
899
23
922
うち代理業務
前第2四半期連結累計期間
668
―
668
当第2四半期連結累計期間
1,030
―
1,030
うち証券関連業務
前第2四半期連結累計期間
744
―
744
当第2四半期連結累計期間
473
―
473
役務取引等費用
前第2四半期連結累計期間
2,465
15
2,480
当第2四半期連結累計期間
2,488
20
2,509
うち為替業務
前第2四半期連結累計期間
191
15
207
当第2四半期連結累計期間
86
20
107
(注)
「国内業務部門」は国内店の円建取引、「国際業務部門」は国内店の外貨建取引であります。 (参考)国内業務部門・国際業務部門別預金残高の状況○
預金の種類別残高(末残)
種類
期別
国内業務部門
国際業務部門
合計
金額(百万円)
金額(百万円)
金額(百万円)
預金合計
前第2四半期連結会計期間
2,793,149
7,008
2,800,158
当第2四半期連結会計期間
2,954,643
3,938
2,958,582
うち流動性預金
前第2四半期連結会計期間
1,982,872
―
1,982,872
当第2四半期連結会計期間
2,132,764
―
2,132,764
うち定期性預金
前第2四半期連結会計期間
778,485
―
778,485
当第2四半期連結会計期間
789,628
―
789,628
うちその他
前第2四半期連結会計期間
31,791
7,008
38,800
当第2四半期連結会計期間
32,250
3,938
36,189
譲渡性預金
前第2四半期連結会計期間
101,163
―
101,163
当第2四半期連結会計期間
109,326
―
109,326
総合計
前第2四半期連結会計期間
2,894,313
7,008
2,901,321
当第2四半期連結会計期間
3,063,970
3,938
3,067,909
(注) 1
流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金2
定期性預金=定期預金+定期積金3
「国内業務部門」は国内店の円建取引、「国際業務部門」は国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引等は「国際業務部門」に含めております。
(参考)貸出金残高の状況○
業種別貸出状況(末残・構成比)
業種別
前第2四半期連結会計期間
当第2四半期連結会計期間
金額(百万円)
構成比(%)
金額(百万円)
構成比(%)
国内(除く特別国際金融取引勘定分)
2,167,271
100.00
2,325,655
100.00
製造業
130,693
6.03
124,824
5.37
農業、林業
38,156
1.76
39,765
1.71
漁業
3,326
0.15
3,537
0.15
鉱業、採石業、砂利採取業
522
0.02
524
0.02
建設業
58,350
2.69
64,463
2.77
電気・ガス・熱供給・水道業
61,062
2.82
64,620
2.78
情報通信業
12,690
0.59
14,405
0.62
運輸業、郵便業
46,407
2.14
49,139
2.11
卸売業、小売業
153,590
7.09
151,184
6.50
金融業、保険業
33,365
1.54
36,649
1.58
不動産業、物品賃貸業
333,423
15.38
340,059
14.62
学術研究、専門・技術サービス業
10,272
0.47
9,817
0.42
宿泊業、飲食サービス業
27,099
1.25
27,257
1.17
生活関連サービス業、娯楽業
27,209
1.26
26,695
1.15
教育、学習支援業
9,441
0.44
9,573
0.41
医療、福祉
184,657
8.52
182,892
7.87
その他サービス業
37,482
1.73
39,275
1.69
国・地方公共団体
244,306
11.27
337,693
14.52
その他
755,221
34.85
803,284
34.54
特別国際金融取引勘定分
―
―
―
―
政府等
―
―
―
―
その他
―
―
―
―
合計
2,167,271
―
2,325,655
―
(自己資本比率等の状況)(参考)自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号。以下、「告示」という。)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準) (単位:億円、%)
2022年9月30日
1.連結自己資本比率(2/3)
8.54
2.連結における自己資本の額
1,541
3.リスク・アセットの額
18,026
4.連結総所要自己資本額
721
単体自己資本比率(国内基準) (単位:億円、%)
2022年9月30日
1.自己資本比率(2/3)
8.35
2.単体における自己資本の額
1,496
3.リスク・アセットの額
17,915
4.単体総所要自己資本額
716
(資産の査定)(参考)資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当行の中間貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに中間貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1
破産更生債権及びこれらに準ずる債権破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2
危険債権危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3
要管理債権要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4
正常債権正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額(単体)
債権の区分
2021年9月30日
2022年9月30日
金額(億円)
金額(億円)
破産更生債権及びこれらに準ずる債権
72
58
危険債権
173
215
要管理債権
77
37
正常債権
21,731
23,454