【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。また、当社グループの事業は雑貨事業並びにこれらの付帯事業の単一事業であり、その事業が単一セグメントであるため、以下の事項はセグメント別に区別しておりません。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されたこと等により、緩やかな回復の兆しがみられる一方、円安による生活必需品の値上げやエネルギーコストの上昇も相次ぎ、先行きは不透明な状況で推移いたしました。
このような環境のもと、当社グループは、第4次中期経営計画において掲げた5つの重点戦略、「SDGs推進から生れる製品需要」「コト消費から生れるモノ消費」「Afterコロナに訪れるリベンジ需要」「eコマースの強化」「国内自社製造の強化」を柱として、社会環境や消費動向の変化をタイムリーに捉え営業活動、新製品開発を強化いたしました。
「エコプロダクツ」
エコプロダクツにおいては、重点戦略「SDGs推進から生れる製品需要」を掲げ、環境に配慮した素材、オーガニックコットンや再生素材、バイオマスプラスチック、天然素材などを原材料とした製品の提供を継続、強化いたしました。今期においても、「フェアトレード ミリオンアクションキャンペーン2023」に参加することで、フェアトレードの普及活動及びフェアトレードコットン製品の提供を強化いたしました。加えて、廃棄資源にアイデアやデザインなどの付加価値を与え、より価値の高い製品に生まれ変わらせたアップサイクル製品の拡充、提供を推し進めました。これらのエコプロダクツは、SDGsを推進する顧客企業からも評価を得ており、展示会やセミナーなどのノベルティとして活用される機会が増加しております。さらに、社会経済活動の正常化に伴いセールスプロモーション全体が活性化した結果、エコバッグやタンブラー・サーモボトルなどの主力製品の売上が好調に推移した他、ステーショナリーやカトラリー製品などが、前年同期を大きく上回る結果となりました。エシカルブランド「MOTTERU」においては、前期に続き、環境省主催の「選ぼう!3Rキャンペーン2022」の対象製品に選出されたこと、ジェンダーレスカラーを取り入れたカラーバリエーションの充実やカトラリー製品、傘、ハンカチ等の製品カテゴリーを拡充したことに加えて、人気キャラクターとのコラボ製品や機能性、デザイン性を兼ね備えた製品の開発、販売を開始したことで、売上が好調に推移いたしました。この結果、エコプロダクツ全体では、前年同期比で20億70百万円、36.6%の増収となりました。
「ライフスタイルプロダクツ」
ライフスタイルプロダクツにおいては、重点戦略「コト消費から生れるモノ消費」「Afterコロナに訪れるリベンジ需要」を掲げ、活性化してきたエンタテイメント業界への営業を強化いたしました。主に前期から好調を維持し、ライフスタイルプロダクツの売上高を牽引しているゲーム・アニメ業界及び新たなメディアコンテンツ関連業界においては、イベント会場での声出しが解禁されるなど開催制限の大幅な緩和もあり、大型イベントの開催を始めとして業界全体が活性化したことにより、前年同期を大きく上回る売上となりました。音楽・舞台やスポーツイベントなどの業界においては、イベント規模・開催数が増加傾向にあり、これからの季節に盛り上がりを見せることが予想されることから、需要拡大に向けた営業活動を強化いたしました。ペットウェア・関連製品においては、「ラクムルウェア」が2022年度グッドデザイン賞を受賞したことで認知度が向上したことや、アウトドア・レジャー関連用品のブランドとのコラボ製品を新しく投入し、販路拡大に努めた結果、売上が好調に推移いたしました。一方で、トラベル関連製品では、旅行需要全体は回復傾向にあるものの、海外旅行についてはコロナ禍以前の半分程度の回復に留まっていることから、コロナ禍以前の売上水準に回復するまでには至っておりませんが、今後の需要拡大を取り込むため、販路拡大などの営業活動や新製品開発に注力いたしました。この結果、ライフスタイルプロダクツ全体では、前年同期比で22億22百万円、34.7%の増収となりました。
「ウェルネスプロダクツ」
ウェルネスプロダクツにおいては、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類へ移行したことを受けて、「感染対策製品」の取り扱いを終了することといたしました。なお、残在庫につきましては、2023年6月30日公表の「特別損失(製品破棄損失)の計上に関するお知らせ」のとおり、当第3四半期会計期間において特別損失として製品破棄損失38百万円を計上しております。これらの結果、前年同期比で3億16百万円、24.8%の減収となりました。
■eコマース事業
eコマース事業においては、重点戦略「eコマースの強化」を掲げ、2025年8月期に連結売上高に占める割合を30%以上とする目標に向けた取り組みを強化いたしました。主力サイトでは、「販促STYLE」において、登録製品の拡充やユーザビリティの向上に努めました。「MARKLESS STYLE」においては、「MARKLESS Connect」「MARKLESS Partner」の導入企業の拡大を進めるとともに決定先の連携開始に向けた対応に注力しました。加えて、導入済の企業に対してリアルとeコマースを融合したハイブリッド型の営業活動を展開し、各導入先企業に対する売上の拡大を推進いたしました。「DtoC」※サイトにおいては、物販・OEM向けの自社プラットフォームサイト「オリジナルグッズプレス」やペットウェア・関連製品を取り扱う「Calulu ONLINE STORE」において、SNSの活用を強化するなど、利用者の認知を拡げ、売上拡大に向けた活動を推し進めてまいりました。また、今後の需要拡大に対応するため、トラベル関連製品を取り扱う「gowell」のサイトを一新いたしました。この結果、「DtoC」サイトに加え主力サイトの売上が大きく伸長したことにより、eコマースの売上は前年同期比で11億44百万円、53.3%の増収となり、売上構成比も前年同期より拡大し18.8%となりました。eコマース売上の伸長により、連結売上高の増加額が拡大いたしました。また、売上構成比の拡大は、前年同期同等の売上総利益率を維持することができた要因の一つであります。
※「Direct to Consumer」の略で、メーカーが自社で企画・製造した商品を、卸売業者や店舗などの中間業者を介さず、直接最終顧客に販売するビジネスモデル
生産面においては、引き続き、複数の生産拠点の確保及び為替変動や原材料価格高騰に対応した機動的な生産地の切り替え、物流経路の最適化を図り、継続した安定供給の実現と価格競争力の強化に努めました。しかしながら、円安の進行が想定を大幅に上回ったことによる負担増からやむを得ず製品の値上げを実施いたしました。国内自社工場においては、重点戦略「国内自社製造の強化」を掲げ、キャパシティ拡大や新規設備への投資を行い、内製化率、生産性の向上に努めましたが、想定を超える製造コストの上昇から2023年1月以降印刷加工費の値上げを実施いたしました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、175億32百万円(前年同期比40億6百万円、29.6%の増加)、営業利益は、売上高の伸長による売上総利益の確保、販売費及び一般管理費の計画的支出により36億95百万円(前年同期比12億25百万円、49.6%の増加)となり、経常利益は38億円(前年同期比13億44百万円、54.7%の増加)、親会社株主に帰属する四半期純利益は25億22百万円(前年同期比8億98百万円、55.3%の増加)となりました。
なお、5月31日に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明いたしました。
当第3四半期連結累計期間における販売経路別及び製品分類別の販売実績は、以下のとおりであります。
<販売経路別販売実績>
販売経路
売上高
増減
前第3四半期
連結累計期間
(百万円)
当第3四半期
連結累計期間
(百万円)
増減額
(百万円)
増減率
(%)
エンドユーザー企業向け
6,317
8,274
1,956
31.0
卸売事業者向け
5,062
5,967
904
17.9
eコマース
2,145
3,290
1,144
53.3
合計
13,526
17,532
4,006
29.6
<製品分類別販売実績>
製品分類
売上高
増減
前第3四半期
連結累計期間
(百万円)
当第3四半期
連結累計期間
(百万円)
増減額
(百万円)
増減率
(%)
エコプロダクツ
5,654
7,724
2,070
36.6
ライフスタイルプロダクツ
6,406
8,628
2,222
34.7
ウェルネスプロダクツ
1,278
961
△ 316
△ 24.8
デザインその他
187
217
30
16.2
合計
13,526
17,532
4,006
29.6
(注) デザインその他は、グラフィック・プロダクト・WEBデザインの受託業務や印刷業務等の雑貨製品に該当しないものであります。
②財政状態の分析
(流動資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ10億17百万円増加し、138億28百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加5億62百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加3億77百万円によるものであります。
(固定資産)
当第3四半期連結会計期間末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ12億29百万円増加し、50億68百万円となりました。主な要因は、投資その他の資産の増加12億43百万円、無形固定資産の増加15百万円、有形固定資産の減少29百万円によるものであります。
(流動負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ3億11百万円増加し、29億65百万円となりました。主な要因は、その他流動負債の増加2億15百万円、未払法人税等の増加1億4百万円によるものであります。
(固定負債)
当第3四半期連結会計期間末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ2億66百万円増加し、9億8百万円となりました。主な要因は、長期借入金の増加2億63百万円によるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ16億69百万円増加し、150億23百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加17億65百万円、繰延ヘッジ損益の減少1億16百万円によるものであります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は33百万円であります。
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