【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 業績の状況当第2四半期連結累計期間(2022年9月1日~2023年2月28日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症における行動制限の緩和やウィズコロナ対策等を受け、景気に持ち直しの動きが見られました。しかしながら、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に伴う資源価格の高騰や急激な為替変動及び物価高騰等により先行きは不透明な状況で推移しております。当社グループが属する宝飾業界は、百貨店を中心に高額品が堅調に推移した一方で、光熱費の値上げや物価上昇等を背景とした節約志向の高まりに加え、地金などの原材料価格の高騰や慢性的な人材不足も重なり、総じて厳しい事業環境となりました。このような環境のなか、当社グループは、「ビジネスモデルの再構築」と「強みの進化」を中期方針に掲げ、人材力強化に向けた積極的な人的資本投資と並行してDX(デジタルトランスフォーメーション)投資を見据えた事業基盤の整備を進めております。人材力強化の取り組みとして、採用面では、中長期的に従業員エンゲージメントを向上させていくことを目指し、スキル重視ではなく、成長ポテンシャルの高い当社のカルチャーにマッチした人材を採用すべく、当社の行動基準「festaria Group エンゲージメントルール」への共感に重点を置いた「エンゲージメント採用」に注力しました。。また、人材育成の取り組みとしては、研修制度を充実させるほか、経験の浅い店長やスタッフに対して専門チームが細やかなフォローを継続的に行い、実践での成功体験を積み重ね、販売や店舗運営におけるスキルアップやモチベーションの維持向上に繋げる活動を強化しました。さらに、労働環境の改善にも継続的に取り組み、キャリアアップの必要要件を明確化し具体的なゴールイメージを示すなど従業員一人ひとりがやりがいを感じながら各自の成長にチャレンジしていける環境作りを進めました。DXへの取り組みにおいては、ジュエリーのデジタルカスタマイズサービス導入のほか、OMO(Online Merges with Offline)施策の一環として、実店舗、EC、公式アプリなど各チャネルの顧客の一元管理を可能とするCRMシステムの構築を目指すべく、対応を進めました。加えて、店舗および本社の全ての業務フローを可視化し、DX戦略の実効性を高めるためのバックエンドの最適化を図るなど、基幹システムを中心にIT基盤の再構築に向けた検討を実施しました。 海外事業については、小売部門である台湾子会社の台灣貞松股份有限公司(日本名:台湾貞松㈱)は、アジアマーケットの重要拠点として、引き続きフェスタリアグループの強みに立脚したビジネス展開を進め、収益性の向上を図りつつ、ブランド力の強化など成長への布石となる取り組みを進めました。 生産部門であるベトナム子会社D&Q JEWELLRY Co.,Ltd(日本名:ディーアンドキュー ジュエリー)は、品質管理・工程安定化に注力するなど、SPA企業としてグループ全体での競争力の向上に努めました。これらの取り組みにより、売上高につきましては、都市部の百貨店内店舗が堅調に推移したものの、特に地方におけるSC(ショッピングセンター)での売上が低調であったことに加え、主力商品“Wish upon a star”を中心にブライダルジュエリーの販売が落ち込んだことから、前年同四半期比で106百万円(2.4%減)の減少となりました。特に、宝飾事業において、地方における人材不足や採用難の状況が厳しさを増すなか、好調な都市部百貨店と低迷する地方SCの構図が鮮明となるなど、これまで当社の業績を牽引していたSC店舗の売上が想定以上に落ち込んだことが影響しました。売上総利益は、地金やダイヤモンド等の原材料価格の高騰に対応して機動的に価格改定を実施したことから、売上総利益率は前年同四半期比で同水準にとどまったものの、減収に伴い前年同四半期比69百万円(2.4%減)減少しました。費用面に関しては、百貨店売上の増加に伴う変動家賃の増加に加え、ブランディングへの投資やDX推進に伴う外注費の増加など先行投資を拡大したことなどにより、販売費及び一般管理費は前年同四半期比66百万円(2.5%増)増加しました。 以上の結果、当第2四半期連結累計期間における当社グループの業績は、売上高4,373百万円(前年同四半期比2.4%減)、営業利益104百万円(前年同四半期比56.5%減)、経常利益74百万円(前年同四半期比69.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益48百万円(前年同四半期比69.5%減)となりました。
(2) 財政状態の分析当第2四半期連結会計期間末の資産の部は、前連結会計年度に比べて81百万円(1.2%)増加して、7,031百万円となりました。これは主に、原材料及び貯蔵品が101百万円、繰延税金資産が13百万円減少したものの、商品及び製品が131百万円、無形固定資産が68百万円増加したことによるものであります。当第2四半期連結会計期間末の負債の部は、前連結会計年度に比べて10百万円(0.2%)増加して、5,671百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が112百万円、未払金及び未払費用が95百万円、未払法人税等が33百万円、賞与引当金が42百万円、リース債務が25百万円減少しているものの、借入金が150百万円、前受金が72百万円、社債が100百万円増加したことによるものであります。当第2四半期連結会計期間末の純資産の部は、前連結会計年度に比べ71百万円(5.5%)増加して1,359百万円となりました。これは主に、為替換算調整勘定が46百万円、利益剰余金が25百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は18.8%となり、前連結会計年度末に比べ0.9ポイント増加いたしました。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、999百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間において営業活動の結果使用した資金は、71百万円(前年同期は398百万円の獲得)となりました。その要因は主に、税金等調整前四半期純利益が74百万円、減価償却費が97百万円あったものの、支払利息が39百万円、棚卸資産の増加が52百万円、仕入債務の減少が112百万円、法人税等の支払額又は還付額が40百万円あったことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間において投資活動の結果使用した資金は、117百万円(前年同期は73百万円の使用)となりました。その要因は主に、有形固定資産の取得による支出が73百万円、無形固定資産の取得による支出が26百万円、差入保証金の差入による支出が10百万円あったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間において財務活動の結果得られた資金は、202百万円(前年同期は349百万円の使用)となりました。その要因は主に、長期借入金の返済による支出が299百万円、リース債務の返済による支出が25百万円あったものの、短期借入金の純増額が350百万円、長期借入れによる収入が100百万円、社債の発行による収入が100百万円あったことによるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動該当事項はありません。