【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 業績の状況当第1四半期連結累計期間(2022年9月1日~2022年11月30日)におけるわが国経済は、ウィズコロナの下、社会経済活動の正常化に向けた動きが見られたものの、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、資源・エネルギー価格の上昇や急激な円安の進行等により先行き不透明な状況が続いております。当社グループが属する宝飾業界は、百貨店を中心に高額品が堅調に推移した一方で、断続的な物価高騰や所得環境を背景とした生活防衛意識の高まり、人件費や物流コストの上昇などもあり、引き続き厳しい事業環境となりました。このような環境のなか、当社グループは、「ビジネスモデルの再構築」と「強みの進化」を中期方針に掲げ、人材力強化に向けた積極的な人的資本投資と並行してDX(デジタルトランスフォーメーション)投資を見据えた事業基盤の整備を進めております。人材力強化の取り組みとして、行動基準「festaria Group エンゲージメントルール」を改訂し、全社的な浸透を図ることに加え、新キャリアパス制度を策定し、キャリアアップの具体的なゴールイメージと必要要件を明確にすることで、従業員一人ひとりが成長に向かってチャレンジし、やりがいを生み出す環境作りに努めてまいりました。営業面での人材力強化としては、経験の浅い店長の店舗運営に対し、専門チームによる細やかなフォローを継続的に実施するなど、基礎固めを柱とした人材育成に注力しました。一方、業界として慢性的な人材不足が深刻化するなか、当社においても採用面が課題となっていることから、労働環境の改善や採用活動の見直しを検討するなど、採用力強化に向けた取り組みを進めました。また、DX推進による競争優位性の確立に向け、ジュエリーのデジタルカスタマイズサービス導入のほか、OMO(Online Merges with Offline)施策として、実店舗、EC、公式アプリなど各チャネルの顧客データベースを統合し、一元管理を可能とするCRMシステムの構築を目指すべく、対応を進めました。加えて、店舗および本社の全ての業務フローを可視化し、DX戦略の実効性を高めるためのバックエンドの最適化を図るなど、基幹システムを中心にIT基盤の再構築に向けた検討を実施しました。海外事業については、小売部門である台湾子会社の台灣貞松股份有限公司(日本名:台湾貞松㈱)は、アジアマーケットの重要拠点として、引き続きフェスタリアグループの強みに立脚したビジネス展開を進め、収益性の向上を図りつつ、さらなるブランド力の強化を目指しました。生産部門であるベトナム子会社D&Q JEWELLRY Co.,Ltd(日本名:ディーアンドキュー ジュエリー)は、品質管理・工程安定化に注力するなど、SPA企業としてグループ全体での競争力の向上に努めました。これらの取り組みにより、売上高につきましては、都市部の百貨店内店舗が堅調に推移したものの、特に地方におけるSC(ショッピングセンター)での売上が低調であったことに加え、ブライダルジュエリーの販売が落ち込んだことから、前年同四半期比で14百万円(0.7%減)の減少となりました。また、第8波となるコロナ感染者数の増加もあり、店舗スタッフに相次いでコロナ感染者や濃厚接触者が発生するなど、一部の店舗において営業活動における機会損失を余儀なくされたことも苦戦の要因と捉えております。売上総利益は、ブライダルを中心に主力商品“Wish upon a star”の売上が伸び悩んだことに加え、資源高や為替要因に伴い地金やダイヤモンド等の原材料価格の高騰が売上原価を圧迫したことから、売上総利益率が前年同四半期比で1.1ポイント低下したため、前年同四半期比29百万円(2.3%減)減少しました。費用面に関しては、人件費は同水準となったものの、12月商戦に向けた販促費用の増加やDX推進に伴う外注費が増加したため、販売費及び一般管理費は前年同四半期比66百万円(5.4%増)増加しました。以上の結果、当第1四半期連結累計期間における当社グループの業績は、売上高1,901百万円(前年同四半期比0.7%減)、営業損失65百万円(前年同四半期営業損益29百万円)、経常損失75百万円(前年同四半期経常損益38百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失66百万円(前年同四半期純損益7百万円)となりました。
(2) 財政状態の分析当第1四半期連結会計期間の資産の部は、前連結会計年度に比べて375百万円(5.4%)増加して、7,325百万円となりました。これは主に、原材料及び貯蔵品が187百万円、有形固定資産が27百万円減少したものの、現金及び預金が43百万円、受取手形及び売掛金が100百万円、商品及び製品が356百万円、無形固定資産が51百万円、繰延税金資産が12百万円増加したことによるものであります。 当第1四半期連結会計期間の負債の部は、前連結会計年度に比べて391百万円(6.9%)増加して、6,053百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が103百万円,未払法人税等が42百万円、賞与引当金が96百万円減少しているものの、借入金が398百万円、未払金及び未払費用が50百万円、前受金が101百万円、社債が100百万円増加したことによるものであります。 当第1四半期連結会計期間の純資産の部は、前連結会計年度に比べ15百万円(1.2%)減少して、1,271百万円となりました。これは主に、為替換算調整勘定が74百万円増加したものの、利益剰余金が89百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は16.8%となり、前連結会計年度末に比べ1.1ポイント減少いたしました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動該当事項はありません。