【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績に関する説明
当第2四半期連結累計期間においては、世界の多くの地域で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(以下、「新型コロナ」という。)による経済活動への規制が大きく緩和され、世界経済全体は正常化に向かっています。一方で、ロシア・ウクライナ情勢による継続的な原材料・エネルギー価格の高騰、インフレリスクに対応した欧米諸国での政策金利の引き上げや急激な為替変動等により、依然として先行き不透明で注視が必要な状況が続いています。
このような環境下、当社グループは、「世界一の品質を世界のすみずみへ」という使命を掲げ、当社グループの製品を世界中に提供し、世界の人々の幸福に貢献することを目指しています。当社グループの更なる成長に向けて、2022年8月期より中期経営計画をスタートし、営業・生産・開発の各機能のグローバル化を進めることでビジネスモデルの変革を行い、企業理念実現のための取り組みを着実に進めています。当連結会計年度においては、中期経営計画の重点製品であるNiTiロータリーファイル「JIZAI」1の量産体制構築と売上拡大に向けたマーケティング活動を強化し、硝子体鑷子「マニーマイクロ鑷子」2の国内販売促進及び当社とドイツの連結子会社GDFで共同開発を進めた新たな歯科用修復材3の欧州先行販売を進めています。GDFでは新本社工場を建設しており、2023年8月頃に完成を予定しています。国内ではグローバル生産体制の構築を目指してスマートファクトリーの建設に向けた準備を進めています。今後も中期経営計画に基づく成長戦略により、企業価値の向上を目指します。
(脚注)
1歯の歯髄と呼ばれる神経の治療法の1つである根管治療において、根管内の感染源除去に用いられる柔軟性の高いニッケルチタン製の歯科治療機器
2網膜剥離や糖尿病増殖性網膜症などの眼球疾患に対する治療法の1つである硝子体手術において、眼底の処置をするための眼科治療機器
3歯の欠損した部分を人工物で埋めることにより歯の形態を回復し、審美性を高める治療(歯冠修復治療、審美歯科治療)に使用される樹脂材料
当第2四半期連結累計期間における経営成績
新型コロナの影響を受けた前年同期と比べ、国内、アジア、欧州を中心とした地域で製品需要が拡大し、特にアイレス針関連製品の大幅な需要増加を背景として、売上高は12,025百万円(前年同期比24.6%増)となりました。一方、販売の増加や海外子会社における製造原価の上昇等により売上原価は4,843百万円(同31.4%増)、本社の人員体制の強化等の影響により販売費及び一般管理費は3,728百万円(同29.3%増)となりましたが、売上高の増加が上記費用増加を上回ったため、営業利益は3,453百万円(同12.1%増)となりました。経常利益は、主に受取利息を計上したこと等により3,512百万円(同3.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、経常利益の増加等により2,563百万円(同9.9%増)となりました。
セグメント別の業績概況は、次のとおりです。なお、セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。
売上高
セグメント利益(営業利益)
百万円
前年同期比(%)
百万円
前年同期比(%)
サージカル関連製品
3,182
14.5%
917
△5.8%
アイレス針関連製品
4,154
45.4%
1,281
63.8%
デンタル関連製品
4,688
16.8%
1,255
△5.2%
連結
12,025
24.6%
3,453
12.1%
(サージカル関連製品)
サージカル関連製品の売上高は3,182百万円(前年同期比14.5%増)、セグメント利益は917百万円(同5.8%減)となりました。白内障手術で使用される眼科ナイフの需要がアジア等の地域で拡大したことにより、前年同期から増収となった一方、製造関連の費用が増加し、売上原価が前年同期より悪化したこと等により、セグメント利益は減益となりました。
(アイレス針関連製品)
アイレス針関連製品の売上高は4,154百万円(前年同期比45.4%増)、セグメント利益は1,281百万円(同63.8%増)となりました。製品需要の拡大を背景として、アイレス針の受注が中国を中心としたアジア、北米並びに欧州などの地域で引き続き増加したことにより、大幅な増収増益となりました。
(デンタル関連製品)
デンタル関連製品の売上高は4,688百万円(前年同期比16.8%増)、セグメント利益は1,255百万円(同5.2%減)となりました。中国やインドを中心としたアジア地域において歯科用根管治療機器(リーマ・ファイル類)及び歯科用回転切削機器(ダイヤバー)の販売が堅調に推移したこと等に加え、円安による収益の押し上げにより、売上高は前年同期から増収となった一方、販売費及び一般管理費が前年同期より増加したため、セグメント利益は減益となりました。
(2)財政状態及びキャッシュ・フローに関する説明
①財政状態の状況
(単位:百万円)
前連結会計期間末
(2022年8月31日)
当第2四半期連結会計期間末
(2023年2月28日)
増減額
総資産
50,113
50,745
631
流動資産
32,503
32,190
△313
固定資産
17,610
18,554
944
負債
4,698
4,566
△132
純資産
45,414
46,179
764
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ631百万円増加し、50,745百万円となりました。これは、流動資産313百万円の減少(主に棚卸資産が568百万円、その他流動資産が578百万円減少した一方、現金及び預金が624百万円増加)と、固定資産944百万円の増加(主にドイツの連結子会社GDFの設備投資等に伴い、建設仮勘定が1,579百万円増加)によるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ132百万円減少し、4,566百万円となりました。これは主に、未払法人税等の支払に伴い、流動負債が156百万円減少したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ764百万円増加し、46,179百万円となりました。これは主に、配当金の支払いがあったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上に伴い利益剰余金が増加したこと等によるものです。
②キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
前第2四半期連結会計期間
当第2四半期連結会計期間
前年同期比(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー
3,008
3,838
27.6%
投資活動によるキャッシュ・フロー
△2,011
△2,643
31.5%
財務活動によるキャッシュ・フロー
△1,219
△1,826
49.8%
現金及び現金同等物に係る換算差額
370
△94
―
現金及び現金同等物の期首残高
18,057
22,084
22.3%
現金及び現金同等物の四半期末残高
18,205
21,358
17.3%
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、3,838百万円(前年同期比 27.6%増)のキャッシュ・イン・フローとなりました。これは主に、法人税等の支払により営業キャッシュ・アウト・フローが増加した一方、税金等調整前四半期純利益の計上により営業キャッシュ・イン・フローが増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、2,643百万円(前年同期比 31.5%増)のキャッシュ・アウト・フローとなりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出や定期預金の預入による支出が増加したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,826百万円(前年同期比 49.8%増)のキャッシュ・アウト・フローとなりました。これは主に、配当金の支払額が増加したこと等によるものです。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は、1,002百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。