【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間(2022年9月1日~2023年5月31日)における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の影響については、周期的な感染者数の増減が続いていたものの足許では減少傾向となり、5月から感染症法上の位置づけが変わったことにより影響は収束しつつあります。また、ウクライナ情勢の影響等から原材料の高騰や為替の影響に伴う物価上昇が続いておりますが、個人消費は旅行や外食を中心に持ち直しつつあります。世界経済においては、新型コロナウイルス感染症の対応は引き続き各国、各地域によって異なり、とりわけ中国では12月上旬までゼロコロナ政策による都市封鎖が断続的に行われたため、経済活動に影響が生じておりました。またロシアのウクライナ侵攻による経済的影響が長期化しており、原材料等の価格高騰による世界的なインフレ、各国間での金利格差拡大などによる景気の下振れリスクの高まりが懸念されております。国内眼鏡小売市場(視力矯正眼鏡)は、新型コロナウイルス感染症の影響により、前年同期比は一進一退の状況が継続しており、新型コロナウイルス感染症発生以前の水準にはまだ回復していない状況です。このような市場環境の中で、当社グループのアイウエア事業では、経営課題として掲げているサプライチェーンの再構築及びイノベーティブなプロダクト開発の強化などの取り組みを進めてまいりました。サプライチェーンの再構築につきましては、海外での生産拠点の一極集中の解消や店頭までのリードタイムの短縮を目的に、株式会社ヤマトテクニカルを子会社化し、国内生産体制の強化に着手しております。商品開発につきましては、「近視のない世界の実現」に向けた取り組みの一環として、バイオレットライトを用いた近視進行抑制メガネ型医療機器開発の共同プロジェクトを進めており、当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は42百万円となりました。店舗展開につきましては、当第3四半期連結会計期間末における店舗数は、国内472店舗、海外238店舗(中国172店舗、台湾53店舗、香港9店舗、米国4店舗)の合計710店舗となりました。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高は、前年の新型コロナウイルス感染症の影響からの反動、及び新規出店の効果もあり53,562百万円(前年同期比7.3%増)となりました。営業利益は、売上高が伸長したこと、及び広告宣伝費の削減など、販管費を抑制したことにより3,679百万円(前年同期比33.4%増)、経常利益は3,587百万円(前年同期比14.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,151百万円(前年同期比109.6%増)となりました。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① セグメント業績の概況〈国内アイウエア事業〉国内アイウエア事業につきましては、約7年ぶりに刷新した「JINS CLASSIC」シリーズ、「STANDARD」シリーズをはじめとした定番商品から販売価格を改定し、11月中旬以降は既存商品も同一の価格帯にしたことにより一式単価が順調に伸長したことに加え、外出する機会が増えたことにより、カラーレンズや紫外線量によってカラー濃度が変化する調光レンズをはじめとした外出に適したオプションレンズの売上が好調だったこと等により、売上高は堅調に推移しました。なお、JINSアプリの会員数が2023年5月末現在で約1,310万人となりました。また、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、感染者数の増減による影響は徐々に縮小しつつあります。店舗展開につきましては、国内店舗数は472店舗(出店24店舗、退店16店舗)となりました。以上の結果、国内アイウエア事業の業績は、売上高40,627百万円(前年同期比3.3%増)、営業利益3,192百万円(前年同期比7.9%増)となりました。
〈海外アイウエア事業〉海外アイウエア事業につきましては、中国においては、新型コロナウイルス感染症の影響は、12月上旬に実質的にゼロコロナ政策が撤廃となって以降、業績は回復しているものの、感染者数が周期的に増減しており、今後の業績への影響が懸念されます。台湾においては、新型コロナウイルス感染症の影響は軽微であり、オプションとして取り揃えている日本製レンズが好評を博していること等により業績は順調に推移しております。香港においても、新型コロナウイルス感染症の影響は限定的であり、業績は順調に推移しております。米国においては、不採算であったサンフランシスコ旗艦店を8月に閉店し、EC事業を中心とした事業規模の拡大を目指した事業構造改革を進めております。店舗展開につきましては、中国172店舗(出店3店舗、退店5店舗)、台湾53店舗(出店4店舗、退店なし)、香港9店舗(出店2店舗、退店なし)、米国4店舗(出店なし、退店2店舗)の合計238店舗となりました。以上の結果、海外アイウエア事業の業績は、売上高12,935百万円(前年同期比22.1%増)、営業利益486百万円(前年同期は営業損失200百万円)となりました。
② 財政状態の分析(イ)資産流動資産は、22,249百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,924百万円減少いたしました。これは主に、商品及び製品が651百万円増加したものの、転換社債型新株予約権付社債の償還等により現金及び預金が12,248百万円減少したことによるものであります。固定資産は、22,206百万円となり、前連結会計年度末に比べ659百万円増加いたしました。これは主に、新規出店等に伴い建物及び構築物等の有形固定資産が750百万円増加したことによるものであります。以上により、総資産は、44,456百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,265百万円減少いたしました。
(ロ)負債流動負債は、11,276百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,422百万円減少いたしました。これは主に、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債が10,033百万円、買掛金が794百万円減少したことによるものであります。固定負債は、11,175百万円となり、前連結会計年度末に比べ440百万円減少いたしました。これは主に、長期未払金が205百万円、長期借入金が115百万円減少したことによるものであります。以上により、負債合計は、22,451百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,863百万円減少いたしました。
(ハ)純資産純資産合計は、22,005百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,598百万円増加いたしました。これは主に、配当金の支払いにより303百万円減少したものの、親会社株主に帰属する四半期純利益2,151百万円を計上したことによるものであります。
(3) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は42百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。