【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第3四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものです。 (1) 業績の状況当第3四半期累計期間における当社の経営成績は、次の表のとおりです。
前第3四半期累計期間(自
2021年9月1日
至 2022年5月31日)
当第3四半期累計期間(自
2022年9月1日至
2023年5月31日)
対前年同期比(増減額)
対前年同期比(増減率)
売上高
4,680,727千円
5,520,474千円
839,746千円
17.9%
営業利益
339,719千円
678,977千円
339,257千円
99.9%
経常利益
353,527千円
669,197千円
315,669千円
89.3%
四半期純利益
240,097千円
460,768千円
220,671千円
91.9%
当社は当第3四半期累計期間において、主力商品の『ほぼ日手帳 2023』を例年通り2022年9月1日より、また、4月はじまり版の『ほぼ日手帳2023 spring』を2023年2月1日より販売開始しました。『ほぼ日手帳』はこれまでも幅広いお客様の手にとってもらえるようにブランド、IPやアーティストとのコラボレーションを実施してきました。当第3四半期累計期間においては「ONE PIECE magazine」とコラボレーションした1日1ページの手帳本体やカバーが大きな反響を呼び、新たなお客様の増加につながりました。今後もより多くのお客様に出会うために多様なコラボレーションを図っていきます。また、欧米でのほぼ日手帳の関心の高まりを受け、ほぼ日手帳関連のコンテンツやSNSの英語対応を強化し、販路を拡大し、手帳本体のカズンおよびweeksサイズの英語版を新たに発売しました。これらの結果、欧米での販売部数は大きく伸長しました。今後も世界各国での販路の拡大や直販ECサイトの言語、通貨、決済手段の対応範囲を広げることでより購入しやすくし、海外売上高の伸長を図っていきます。12月にはより気軽に使用できる商品として企画した、手帳本体とカバーが一体となった張り手帳『ほぼ日手帳 HON』の発売もあり、新型コロナウイルス感染症等の影響で減少していた手帳販売部数は、2023年版手帳では増加に転じ80万部を超える見通しです。結果として『ほぼ日手帳』全体の売上高は国内外ともに手帳本体・カバーが好調に推移し、前年同期比30.3%増(国内26.6%増、海外34.3%増)となりました。また、海外売上高の前年同期比は直販売上で32.5%増、卸売上で58.9%増と北中米、ヨーロッパを中心に大きく伸長し、『ほぼ日手帳』における海外売上高の構成比率は49.2%(前年同期比1.5pt増)と上昇しました。
手帳以外の商品については、前年同期比2.0%増となりました。寝具を扱うブランド「ねむれないくまのために」や、AR地球儀「ほぼ日のアースボール」が好調に推移しました。また、4月29日から「生活のたのしみ展」を新宿で開催しました。前回より開催期間を1日増やしたほか、約70の店舗や企画が集まり、販売総額は過去最大となりました。一方で、アパレル関連とMOTHERプロジェクトの売上が減少しました。その結果、総売上高は5,520,474千円(前年同期比17.9%増)となりました。売上原価については、『ほぼ日手帳』の売上構成比率が上昇した結果、売上原価率41.3%(前年同期比1.2pt減)となりました。販売費及び一般管理費については、海外直営販路での売上増加及び販売手数料率の引き上げによる販売費用の増加に加えて、国際物流コストの上昇により、物流費用が増加しました。その結果、当第3四半期累計期間の営業利益は678,977千円(前年同期比99.9%増)、経常利益は669,197千円(前年同期比89.3%増)、四半期純利益は460,768千円(前年同期比91.9%増)となりました。その他の事業活動としては、動画サービス「ほぼ日の學校」(アプリ及びWEBで提供)では、「人に会おう、話を聞こう。」をコンセプトに、これまでの教育や制度の枠組みにとらわれない新しい学びの「場」をつくることを目指し、有名無名問わず様々なジャンルの講師による授業を配信しています。俳優の中井貴一さんや音楽プロデューサーの亀田誠治さんなど、2023年5月末までに290本以上の動画を公開しました。アプリ及びWEB以外では、生活のたのしみ展連動企画として「ほぼ日の學校特別授業 in 生活のたのしみ展」の公開収録を行いました。6つの特別授業をリアルに体感できる場となり、新たに「ほぼ日の學校」をたくさんの方々に知っていただく機会となりました。また、全日本空輸株式会社(以下ANA)と業務提携し、ANAのお客様への動画コンテンツも引き続き提供しています。ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」ではZホールディングス シニアストラテジストの安宅和人さんとの対談記事「肉体言語で考えてごらんよ。」が多くの方に読まれました。また、ほぼ日のさまざまな商品を生配信で紹介する「ほぼ日LIVEコマァ~ス」を開始したほか、LINEアカウントメディアなどの外部媒体でアーカイブの人気記事などの配信をしています。活字以外のメディアでもたくさんの方に楽しんでもらえるよう、オーディオブック「聞く、ほぼ日。」やYouTubeチャンネル「ほぼべりTUBE」など、音声や動画としてのコンテンツ提供にも力を入れています。渋谷PARCO「ほぼ日曜日」では、美術家の森村泰昌さんの「アートの後始末ができないか」という発想からスタートした「アート・シマツの極意展」を3月中旬から4月中旬まで開催したほか、スタイリストの伊藤まさこさんがプロデュースするコンテンツ「weeksdays」で取り扱ってきた商品の展示・販売会「家のなかのこと」を開催しました。「TOBICHI」ではコマ撮りアニメの魅力を紹介する「HIDARIの続きが見たい!展」を開催しました。このように、当社は運営する「場」において、生活のたのしみとなるような「いい時間」を過ごしていただけるよう、コンテンツを作り、編集し届けています。業績はこうしたすべての活動の結果だと考えています。なお、当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。
(2) 財政状態の分析資産、負債及び純資産の状況
前事業年度(2022年8月31日)
当第3四半期会計期間(2023年5月31日)
前事業年度末比増減
資産合計
5,315,235千円
5,362,031千円
46,795千円
負債合計
1,451,667千円
1,128,212千円
△323,454千円
純資産合計
3,863,568千円
4,233,818千円
370,249千円
(資産の部)流動資産は、3,934,035千円と前事業年度末に比べて65,723千円の減少となりました。これは主に商品の減少379,077千円、売掛金の減少183,643千円、その他に含まれる未収消費税の減少24,764千円、現金及び預金の増加508,748千円、その他に含まれる前払費用の増加19,093千円によるものです。有形固定資産は、305,570千円と前事業年度末に比べて28,165千円の減少となりました。これは主に減価償却による減少43,269千円、建物の取得による増加8,936千円、工具、器具及び備品の取得による増加6,168千円によるものです。無形固定資産は、392,357千円と前事業年度末に比べて74,757千円の増加となりました。これは主に「ほぼ日の學校」などのソフトウエア取得による増加57,621千円、その他に含まれるソフトウエア仮勘定の増加74,872千円、減価償却による減少57,705千円によるものです。投資その他の資産は、730,067千円と前事業年度末に比べて65,926千円の増加となりました。これは主にその他に含まれる長期前払費用の増加36,398千円と保証金の増加11,200千円によるものです。(負債の部)流動負債は、919,558千円と前事業年度末に比べて338,484千円の減少となりました。これは主に買掛金の減少506,715千円、賞与引当金の減少18,431千円、未払法人税等の増加84,680千円、未払消費税等の増加62,818千円、未払金の増加42,235千円によるものです。固定負債は、208,654千円と前事業年度末に比べて15,029千円の増加となりました。これは主に退職給付引当金の増加9,840千円、その他に含まれる長期未払費用の増加6,952千円によるものです。(純資産の部)純資産の部は、4,233,818千円と前事業年度末に比べて370,249千円の増加となりました。これは主に利益剰余金の増加356,382千円、その他有価証券評価差額金の増加13,690千円によるものです。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期累計期間において、当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動該当事項はありません。