【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第2四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものです。
(1) 業績の状況当第2四半期累計期間における当社の経営成績は、次の表のとおりです。
前第2四半期累計期間(自 2021年9月1日至 2022年2月28日)
当第2四半期累計期間(自 2022年9月1日至 2023年2月28日)
対前年同期比(増減額)
対前年同期比(増減率)
売上高
3,705,627千円
4,439,302千円
733,674千円
19.8%
営業利益
555,801千円
929,014千円
373,212千円
67.1%
経常利益
562,340千円
917,446千円
355,105千円
63.1%
四半期純利益
386,430千円
633,976千円
247,546千円
64.1%
当社は、「夢に手足を。」つけて、歩き出させる会社であることを目指し、「やさしく、つよく、おもしろく。」を行動指針として、人びとが集う「場」をつくり、「いい時間」を提供するコンテンツを企画、編集、制作、販売する会社です。コンテンツとはクリエイティブの集積であり、読みもの、キャラクター、画像、動画、音声、イベント、モノのかたちの商品、すべてがコンテンツであるととらえています。具体的には、ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」、渋谷PARCOでさまざまな「表現」を提供する場である「ほぼ日曜日」、ギャラリーショップの「TOBICHI」、さまざまなアーティストやブランドとつくるイベント「生活のたのしみ展」、人に会い、話を聞くことから、誰もがたのしく学べる場である「ほぼ日の學校」、犬と猫と人間をつなぐ写真SNSアプリ「ドコノコ」といった、人びとが集う他にはない「場」をつくり、商品やイベントなどのコンテンツを販売する事業を営んでいます。当第2四半期累計期間における当社をとりまく事業環境として、EC市場規模の拡大があげられます。経済産業省の調査によると、2021年の日本国内のBtoC-EC市場規模は、20.7兆円(前年比7.35%増)と拡大し、内訳として物販系分野で前年比8.61%と伸長しています。これは新型コロナウイルス感染症拡大に伴う巣ごもり消費から始まり、消費者の間で徐々にECの利用が定着しつつあるなか、物販系分野の市場規模の更なる拡大につながりました。また、越境EC購入額は日本・米国・中国の3か国間における市場規模がいずれの国でも増加しており、なかでも米国は伸び率が19.30%と増加しています。こうした環境のもと、例年通り2022年9月1日より、主力商品の『ほぼ日手帳 2023』、2023年2月1日より4月はじまり版の『ほぼ日手帳2023 spring』を販売開始しました。『ほぼ日手帳』全体の売上高は国内外ともに手帳本体・カバーが好調に推移し、前年同期比30.4%増(国内25.5%増、海外35.8%増)となりました。とくに海外売上高の前年同期比は直販売上で32.1%増、卸売上で98.9%増と北中米を中心に大きく伸長し、『ほぼ日手帳』における海外売上高の構成比率は49.6%(前期比2.0pt増)と上昇しました。「ONE PIECE magazine」とコラボレーションした1日1ページの手帳本体やカバーが大きな反響を呼んだほか、12月には手帳本体とカバーが一体となった張り手帳『ほぼ日手帳 HON』を発売しました。海外ユーザーの拡大のため、2023年版より手帳本体の英語版商品を拡充し、今後も越境ECサイトとしての利便性向上などにより、より良いサービスを提供していきます。手帳以外の商品については、前年同期並みとなりました。寝具を扱うブランド「ねむれないくまのために」や、AR地球儀「ほぼ日のアースボール」が好調に推移した一方で、アパレル関連とMOTHERプロジェクトの売上が減少しました。
『ほぼ日手帳』の売上増加に伴い送料売上も増加した結果、総売上高は4,439,302千円(前年同期比19.8%増)となりました。売上原価については、『ほぼ日手帳』の売上構成比率が上昇した結果、売上原価率38.0%(前年同期比2.9pt減)となりました。販売費及び一般管理費については、海外直営販路での売上増加及び販売手数料率の引き上げによる販売費用の増加に加えて、国際物流コストの上昇により、物流費用が増加しました。その結果、当第2四半期累計期間の営業利益は929,014千円(前年同期比67.1%増)、経常利益は917,446千円(前年同期比63.1%増)、四半期純利益は633,976千円(前年同期比64.1%増)となりました。その他の事業活動としては、動画サービス「ほぼ日の學校」(アプリ及びWEBで提供)では、「人に会おう、話を聞こう。」をコンセプトに、これまでの教育や制度の枠組みにとらわれない新しい学びの「場」をつくることを目指し、有名無名問わず様々なジャンルの講師による授業を配信しています。TVプロデューサーの佐久間宣行さんやヘアメイクアップアーティストの草場妙子さんなど、2023年2月末までに270本以上の動画を公開し、新たに「ほぼ日の學校」をたくさんの方々に知っていただく機会となりました。アプリ及びWEB以外でも、全日本空輸株式会社(以下ANA)と業務提携し、ANAのお客様への動画コンテンツを提供しています。ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」では俳優の宮澤エマさんとの対談記事「鎌倉殿の13人にはぜんぶ入っている。」が多くの方に読まれました。また、ほぼ日のさまざまな商品を生配信で紹介する「ほぼ日LIVEコマァ~ス」を開始したほか、Yahoo!やLINEアカウントメディアなどの外部媒体でアーカイブの人気記事などの配信をしています。活字以外のメディアでもたくさんの方に楽しんでもらえるよう、オーディオブック「聞く、ほぼ日。」やYouTubeチャンネル「ほぼべりTUBE」など、音声や動画としてのコンテンツ提供にも力を入れています。渋谷PARCO「ほぼ日曜日」では、12月中旬から1月中旬まで「MOTHERのミュージアム」、2月は「牧野植物園がやってきた展。」を開催しました。「TOBICHI」では『ほぼ日手帳2023 spring』発売イベントを開催しました。このように、当社は運営する「場」において、生活のたのしみとなるような「いい時間」を過ごしていただけるよう、コンテンツを作り、編集し届けています。業績はこうしたすべての活動の結果だと考えています。なお、当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。
(2) 財政状態の分析資産、負債及び純資産の状況
前事業年度(2022年8月31日)
当第2四半期会計期間(2023年2月28日)
前事業年度末比増減
資産合計
5,315,235千円
5,404,762千円
89,526千円
負債合計
1,451,667千円
1,009,129千円
△442,538千円
純資産合計
3,863,568千円
4,395,633千円
532,064千円
(資産の部)流動資産は、4,006,449千円と前事業年度末に比べて6,691千円の増加となりました。これは主に現金及び預金の増加733,746千円、商品の減少474,933千円、売掛金の減少205,885千円、仕掛品の減少30,988千円、その他に含まれる未収消費税の減少24,764千円によるものです。有形固定資産は、318,189千円と前事業年度末に比べて15,546千円の減少となりました。これは主に減価償却による減少28,709千円、建物の取得による増加8,936千円、工具、器具及び備品の取得による増加4,226千円によるものです。無形固定資産は、372,915千円と前事業年度末に比べて55,314千円の増加となりました。これは主に「ほぼ日の學校」などのソフトウエア取得による増加56,092千円、その他に含まれるソフトウエア仮勘定の増加36,998千円、減価償却による減少37,744千円によるものです。投資その他の資産は、707,207千円と前事業年度末に比べて43,067千円の増加となりました。これは主にその他に含まれる長期前払費用の増加28,335千円、ほぼ日の學校スタジオ敷金支払いによる保証金の増加11,200千円によるものです。
(負債の部)流動負債は、801,346千円と前事業年度末に比べて456,696千円の減少となりました。これは主に買掛金の減少692,687千円、賞与引当金の減少41,994千円、未払法人税等の増加209,467千円、未払消費税等の増加80,609千円によるものです。固定負債は、207,782千円と前事業年度末に比べて14,158千円の増加となりました。これは主に退職給付引当金の増加9,869千円、その他に含まれる長期未払費用の増加5,464千円によるものです。(純資産の部)純資産の部は、4,395,633千円と前事業年度末に比べて532,064千円の増加となりました。これは主に利益剰余金の増加529,590千円、その他有価証券評価差額金の増加2,473千円によるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物は2,352,265千円と前事業年度末と比べ733,746千円の増加となりました。当四半期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
前第2四半期累計期間(自 2021年9月1日至 2022年2月28日)
当第2四半期累計期間(自 2022年9月1日至 2023年2月28日)
対前年同期比(増減額)
営業活動によるキャッシュ・フロー
724,428千円
1,012,891千円
288,463千円
投資活動によるキャッシュ・フロー
△136,009千円
△165,774千円
△29,764千円
財務活動によるキャッシュ・フロー
△105,276千円
△105,772千円
△496千円
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、1,012,891千円の純収入となりました。これは主に税引前四半期純利益917,446千円、売上債権の減少額205,885千円、棚卸資産の減少額505,921千円による増加要因と、仕入債務の減少額692,687千円、賞与引当金の減少額41,994千円による減少要因によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、165,774千円の純支出となりました。これは主に有形固定資産の取得に9,425千円、無形固定資産の取得に99,398千円、長期前払費用に45,750千円支出したこと、また保証金の差入により11,200千円支出したことによるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、105,772千円の純支出となりました。これは主に配当金の支払額104,380千円によるものです。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期累計期間において、当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動該当事項はありません。