【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第1四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものです。
(1) 業績の状況当第1四半期累計期間における当社の経営成績は、次の表のとおりです。
前第1四半期累計期間(自
2021年9月1日
至 2021年11月30日)
当第1四半期累計期間(自
2022年9月1日至
2022年11月30日)
対前年同期比(増減額)
対前年同期比(増減率)
売上高
2,228,347千円
2,665,471千円
437,124千円
19.6%
営業利益
441,151千円
685,742千円
244,590千円
55.4%
経常利益
448,030千円
689,137千円
241,107千円
53.8%
四半期純利益
307,709千円
476,359千円
168,649千円
54.8%
当社は、「夢に手足を。」つけて、歩き出させる会社であることを目指し、「やさしく、つよく、おもしろく。」を行動指針として、人びとが集う「場」をつくり、「いい時間」を提供するコンテンツを企画、編集、制作、販売する会社です。コンテンツとはクリエイティブの集積であり、読みもの、キャラクター、画像、動画、音声、イベント、モノのかたちの商品、すべてがコンテンツであるととらえています。具体的には、ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」、渋谷PARCOでさまざまな「表現」を提供する場である「ほぼ日曜日」、ギャラリーショップの「TOBICHI」、さまざまなアーティストやブランドとつくるイベント「生活のたのしみ展」、人に会い、話を聞くことから、誰もがたのしく学べる場である「ほぼ日の學校」、犬と猫と人間をつなぐ写真SNSアプリ「ドコノコ」といった、人びとが集う他にはない「場」をつくり、商品やイベントなどのコンテンツを販売する事業を営んでいます。当第1四半期累計期間における当社をとりまく事業環境として、EC市場規模の拡大があげられます。経済産業省の調査によると、2021年の日本国内のBtoC-EC市場規模は、20.7兆円(前年比7.35%増)と拡大し、内訳として物販系分野で前年比8.61%と伸長しています。これは新型コロナウイルス感染症拡大に伴う巣ごもり消費から始まり、消費者の間で徐々にECの利用が定着しつつあるなか、物販系分野の市場規模の更なる拡大につながりました。また、越境EC購入額は日本・米国・中国の3か国間における市場規模がいずれの国でも増加しており、なかでも米国は伸び率が19.30%と増加しています。こうした環境のもと、例年通り2022年9月1日より、主力商品の『ほぼ日手帳』2023年版を販売開始しました。『ほぼ日手帳』における国内の直販・卸販路の売上高は、手帳本体・カバーともに好調に推移し、前年同期比26.9%増となりました。なかでも「ONE PIECE magazine」とコラボレーションした1日1ページの手帳本体やカバーは大きな反響を呼びました。また、渋谷ヒカリエにポップアップストアを出店し、多くの方にご来場いただきました。さらに、2023年版より英語版商品を拡充し、海外においても北中米を中心に売上高が前年同期比29.4%増(直販売上前年同期比27.5%増、卸売上前年同期比55.3%増)と伸長しています。今後も、海外ユーザー拡大のため越境ECサイトとしての利便性向上などより良いサービスを提供していきます。また、『ひきだしポーチ』や立たせて使えるポーチ『stappo』をはじめとした手帳関連グッズの売上高も増加となりました。結果として、『ほぼ日手帳』全体の売上高は前年同期比28.2%増となりました。
手帳以外の商品については、2022年2月より販売を開始した寝具を扱うブランド「ねむれないくまのために」が好調に推移しました。また、AR地球儀「ほぼ日のアースボール」では、サッカーボールタイプの新モデル『ほぼ日のアースボール PLAY』が発売になったほか、『ほぼ日のアースボール ジャーニー』も順調に推移しました。一方で、アパレル関連の売上が減少した結果、前年同期比1.9%減となりました。これらの結果、売上高は2,665,471千円(前年同期比19.6%増)となりました。売上原価については、手帳の売上構成比率が上昇した結果、売上原価率37.5%(前年同期比2.1pt減)となりました。販売費及び一般管理費については、海外直営販路での売上増加及び販売手数料率の引き上げによる販売費用の増加に加えて、国際物流コストの上昇により、物流費用が増加しました。その結果、当第1四半期累計期間の営業利益は685,742千円(前年同期比55.4%増)、経常利益は689,137千円(前年同期比53.8%増)、四半期純利益は476,359千円(前年同期比54.8%増)となりました。その他の事業活動としては、動画サービス「ほぼ日の學校」(アプリ及びWEBで提供)では、「人に会おう、話を聞こう。」をコンセプトに、これまでの教育や制度の枠組みにとらわれない新しい学びの「場」をつくることを目指し、有名無名問わず様々なジャンルの講師による授業を配信しています。漫画家の浦沢直樹さん、作家・エッセイストの阿川佐和子さんや、俳優の大泉洋さんの対談式授業など、2022年11月末までに250本以上の動画を公開し、新たに「ほぼ日の學校」をたくさんの方々に知っていただく機会となりました。アプリ及びWEB以外でも、全日本空輸株式会社(以下ANA)と業務提携し、ANAのお客様への動画コンテンツを提供しています。ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」では「気仙沼に暮らす、若者たち。」が多くの方に読まれました。また、ほぼ日のさまざまな商品を生配信で紹介する「ほぼ日LIVEコマァ~ス」を当期より開始したほか、Yahoo!やLINEアカウントメディアなどの外部媒体でアーカイブの人気記事などの配信をしています。活字以外のメディアでもたくさんの方に楽しんでもらえるよう、オーディオブック「聞く、ほぼ日。」やYouTubeチャンネル「ほぼべりTUBE」など、音声や動画としてのコンテンツ提供にも力を入れています。渋谷PARCO「ほぼ日曜日」では、11月中旬から12月初旬まで「りんご狩りかもしれない展2022」を開催しました。イラストレーター・ヨシタケシンスケさんが手掛けたイラストやグッズ、屋内での非日常的な体験がSNSで評判となりました。「TOBICHI」では『ほぼ日手帳』2023年版でカバーデザインを手掛けた島塚絵里さんの「フィンランドで気づいた小さなしあわせ展」や「ほぼ日のアパレル」などのほぼ日商品に連動したイベントを多数開催しました。これらのイベントは新型コロナウイルス感染症対策をおこない、お客様に安心して楽しんでいただけるように実施しています。このように、当社は運営する「場」において、生活のたのしみとなるような「いい時間」を過ごしていただけるよう、コンテンツを作り、編集し届けています。業績はこうしたすべての活動の結果だと考えています。なお、当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。
(2) 財政状態の分析 資産、負債及び純資産の状況
前事業年度(2022年8月31日)
当第1四半期会計期間(2022年11月30日)
前事業年度末比増減
資産合計
5,315,235千円
5,319,192千円
3,956千円
負債合計
1,451,667千円
1,082,252千円
△369,414千円
純資産合計
3,863,568千円
4,236,939千円
373,371千円
(資産の部)流動資産は、3,959,333千円と前事業年度末に比べて40,425千円の減少となりました。これは主に商品の減少315,699千円、仕掛品の減少27,466千円、現金及び預金の増加260,245千円、売掛金の増加35,876千円によるものです。有形固定資産は、328,420千円と前事業年度末に比べて5,315千円の減少となりました。これは主に減価償却による減少14,268千円、建物の取得による増加5,475千円、工具、器具及び備品の取得による増加3,477千円によるものです。無形固定資産は、348,214千円と前事業年度末に比べて30,613千円の増加となりました。これは主に「ほぼ日の學校」などのソフトウエア取得による増加23,781千円、その他に含まれるソフトウエア仮勘定の増加25,882千円、減価償却による減少19,018千円によるものです。投資その他の資産は、683,224千円と前事業年度末に比べて19,083千円の増加となりました。これは主にその他に含まれる長期前払費用の増加14,941千円、ほぼ日の學校スタジオ敷金支払いによる保証金の増加11,200千円によるものです。(負債の部)流動負債は、881,129千円と前事業年度末に比べて376,913千円の減少となりました。これは主に買掛金の減少638,319千円、未払法人税の増加122,414千円、未払金の増加146,803千円によるものです。固定負債は、201,123千円と前事業年度末に比べて7,498千円の増加となりました。これは主に退職給付引当金の増加5,603千円によるものです。(純資産の部)純資産の部は、4,236,939千円と前事業年度末に比べて373,371千円の増加となりました。これは主に利益剰余金の増加371,973千円、その他有価証券評価差額金の増加1,397千円によるものです。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期累計期間において、当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動該当事項はありません。